2201(14/1/21)-2220(14/2/28)

今日の禁断 シンコー

 今日は私の誕生日。Facebookのタイムラインには暖かいお祝いの言葉が並んでいました。本当にありがとうございます。珍しいことに、その日がちょうどニューフィルの練習日と重なったものですから、あちこちで直接お祝いを言ってくれたり、中にはわざわざプレゼントまで用意して下さる人まで。もっと凄いのは、箱いっぱいにクラッカーを用意して、サプライズで一斉に鳴らそうと企んでいた人がいたことです。結局それは実現しなかったので、私が自分でクラッカーを鳴らして、盛り上げてやりましたがね。まあ、なんにしても、そんな風に気にかけてもらえるのはうれしいことです。
 いくつになっても、知らないことは世の中にたくさんあることにも、気付かされます。新聞の書評で、なんだかすごく面白そうなミステリーが紹介されていたので、その、かなり昔に出版された本を読んでみることにしたのですが、全然面白くありません。なんか、展開がもたもたしていて、ミステリーに必要な緊張感がまるでないのですね。文章も、なんとなく切れがありません。それでも、せっかく読み始めたのだからと、とにかく我慢して最後まで読んでみたら、そこには、今までのつまらなさを根底から覆すものすごい仕掛けが施されていたのですよ。これには驚きました。つまらないのには、それなりのわけがきちんとあったのですが、それは信じられないほどのすごさなのですからね。もちろん、これは作者が「決して他人には教えないでください」と最初に書いているので、教えるわけにはいきません。

 楽譜に対する認識がガラリと変わってしまうようなこともありました。今やっている「展覧会の絵」は、昔買ったBoosey & Hawks版が最も権威のあるものですが、他の人は手に入りやすいEulenburg版の日本語版を持っていたりします。この出版社はなんとも胡散臭いというイメージが、たとえばフォーレの「レクイエム」などで染み付いているものですから、こんなものは使い物にはならないだろうと思って、見てもいませんでした。ところが、ちょっとピアノ譜との違いなど、B & Hでは不可解なところがあったので、隣の人が持っていたEulenburgを見せてもらったら、なんと、そこに書いてあるピアノ譜は、B & Hとは違って、ちゃんとした「原典版」ではありませんか。当然、ラヴェルのスコアとは違うところがあちこちにあるのはすぐ分かります。そこで、実際に買ってみて、校訂報告などもきちんと入っているのに感激しているところです。これをもっと早く入手しておけば、かなりの疑問が解けていたのに、と、今さらながら残念に思っているところです。しかも、このスコアでは、ラヴェル版の決定的な間違いがしっかり直されています。確かに、そこはラヴェル版以外の編曲では正しい音になっているのに、ラヴェル版の録音で直されているものは、今のところ見つけられていません。これは結構すごいこと、でも、田中さんもおそらく間違ったまま演奏させるのでしょうね。

 いずれにしても、私のB & H版は、綴じがボロボロになってページがバラバラですから、使い物にはなりません。

 残念な楽譜に出会うこともあります。楽器屋さんで「フルートで吹くジャズ」という、いかにも初心者向けの曲集があったのですが、その中にチック・コリアの「スペイン」が入っていました。見てみると、なんだかかなり忠実にコピーしてあるみたいです。実は、この曲はいつかはフルートパートを完コピして吹いてみたいと思っているのですが、いまだに果たせてません。もしかしたら、これでかなり近いものが吹けるのでは、という気がしました。

 家へ帰ってその楽譜を吹いてみると、確かに「スペイン」そのものです。複雑なリズムも、きちんと取れてます。でも、音は違っていないのになんだか簡単すぎます。こんなにすんなり吹けるなんて、ちょっと拍子抜け・・・と思ってオリジナルを聴いてみたら、なんと、この楽譜はキーを5度下げて採譜してあることが分かりました。だから簡単だったんですね。というか、編曲者の名前も、オリジナルのキーも書いてないような楽譜だという時点で、ダメなものであることに気づくべきでした。
aventure number : 2201 date : 2014/1/21


今日の禁断 パワポ

 きのうは、「5年ぶりに」免許の更新に行ってきました。「5年」というところをぜひ強調させてくださいね。なんせ、私にとっては初めてのことですから自慢してみたいんですよね。最近は、免許センターのすぐ向かいにある○ニクロによく来ているものですから、道路状況などもすっかり頭に入っていて、予定通り受付開始時間である8時半の10分前に到着できました。毎回、今頃のシーズンに来ていますが、今年は全然雪がないというのが珍しい感じ、いつもなら降ってはいなくても必ず雪が残っていましたからね。駐車場も、この時間だとガラガラ、入口に近いところに停められました。
 建物に入ると、いつもは長い行列、というイメージがあったものが、どこもガラガラ、多くても2人ぐらいしかいませんよ。これはすごい、と思って順に窓口をまわっていると、反対側にある最後の写真撮影のコーナーの前には、椅子に座りきれないほど人が待っているではありませんか。やはり、それなりの人は来ていたのですね。普通、そんな風にただ待っているようなところでは、もちろんスマホを眺めている人もいるでしょうが、イヤフォンを付けて音楽を聴いている人もいるものです。しかし、見まわしたところでは、イヤフォン姿の人は見当たりませんでした。たしかに、そこでは、天井のスピーカーで自分の名前を呼び出され、それにしたがって行動するという、いわば「聴力検査」にあたることが行われているのですから、みんな必死になって聴き耳を立てているのでしょう。要は、運転する時には聴こえていなければならない音情報を確実にキャッチできるかを見極めるテストなわけですから、当然イヤフォンなんかは外しているのでしょう。それなのに、実際に運転する時にはイヤフォンを付けたり、ひどいのになるとテレビをつけたりしている人がいるのですから、何にもなりませんね。
 写真撮影が終わると、講習です。1日に何回か予定されているのでしょうが、当然その初回を受けることが出来ました。私の場合は「5年間無事故無違反」なので、「優良講習」を30分受けるというスケジュールですが、この会場では同時に「5年間に軽微な違反を1回」という人が受ける「一般講習」も行われるようですね。確かに、黒板には2種類の時間が書いてありました。でも、これだと両方とも「優良」みたいですね。下段は「一般」と書くべきところを、間違えたのでしょう。毎日のことなのに。

 つまり、私のような「優良」運転者は、30分経ったところで新しい免許証を受け取って帰ることが出来るのに、「一般」の人たちは、それをうらやましく思いながら、あと30分講習を受けなければいけないのですね。下段は1時間5分の予定になっていますが、その「5分」が、そんな、目の前で他の人が免許証を受け取っているのを黙ってみていなければならない屈辱の時間ということになるのです。次回は、そちら側だけにはなりたくないものです。とは言っても、「違反」はどんなところで起こす(起きる)か、殆ど「運」みたいなものですから、こればっかりはどうなるかは分かりません。
 その講習会では、あの「自転車の右側通行の禁止」についてもしっかり説明がありました。確かに、法律が変わってからは、「逆行」してくる自転車は幾分少なくはなったような気がしますが、やっぱりなくなることはありません。まあ、飲酒運転がいくら騒がれてもなくならないのですから、仕方がないことなのでしょうかね。
 いや、いくら騒がれてもなくならない、もっと凄いのがありましたね。「原発再稼働」というやつです。ひとたび事故を起こせばあれだけの損失を各方面に及ぼすだけでなく、たとえ事故を起こさなくても、危険な使用済みの核燃料は、人類の英知をもってしても処理することは不可能なことが分かっているというのに。自転車の逆走ぐらいは許しますから、これだけはぜひ、世の中から完全になくしてほしいものです。
aventure number : 2202 date : 2014/1/23


今日の禁断 ナメコ

 今は、「大人の休日倶楽部」の乗り放題パスが使える期間中です。17000円でJR東日本の区間+アルファが4日間乗り放題、座席指定券も6枚までは使えるという、使いようによってはお得なキャンペーンですが、なかなか使う機会がありません。せっかく会員になって会費も払っているのに、この特典を利用しないのはもったいないという貧乏人根性で、愚妻の「酢重にサバの塩焼きを食べに行こう」という言葉に乗ってしまいました。「酢重」というのは、新丸ビルにある和食ダイニングなのですが、愚妻が女子会で東京に行った時にここで食べたサバの塩焼きが、ものすごくおいしかったというのですよ。「これを食べたら、他のところのは食べられない」とまで言っていたんですね。私は、魚料理、特に焼き魚には目がありませんから、そんな話を聞けば食べてみたいと思うじゃないですか。
 ということで、せっかくの日曜日なので、東京まで「サバの塩焼き」を食べる事をメインのミッションにして、その近辺をぶらぶらしてくることにしました。しかし、悪いことはできないもので、駅に行ったらニューフィルのN岡さんに出くわしてしまいましたよ。秘密のミッションだったのに、なんと思われたことでしょう。

 そのお店は新丸ビルの5階にあって、皇居側がガラス張りになっていますから、窓際の席はいつも予約でいっぱいなのだそうです。それで、早目に手を打っておこうと、おととい電話して予約をしようと思ったら、もうすでに満席になってしまっているというではありませんか。へたをすれば、しばらく待たないとお店に入ることも出来ないようなことも言ってます。さすが、評判のお店は大変ですね。
 それで、一応東京駅に11時半に着く新幹線で行く予定だったのですが、少しでも早く着いて並んだ方がいいだろうと、それより30分早い新幹線に間に合うように、早目に家を出ます。ところが、みどりの窓口に行ってみると、その新幹線はすでに満席になっていました。仕方がありませんね。あとは、少しでも早く駅を出て、お店にたどり着くようにしなければ。
 結局、そこに着いた時には、お店の中はガラガラでした。しかも、窓際の席は、「12時50分からの予約が入ってますが、それまででしたら構いませんよ」ということで、楽々座れてしまいましたよ。ラッキーでしたね。しばらくすると、お客さんがどんどん入ってきて、ほぼ満席になっていましたから。
 ところが、メニューを見てみると肝心のサバの塩焼きは載ってません。サバの味噌煮だったらあるんですけどね。確かに、愚妻は食べたことがありますし、ネットで調べたメニューにもちゃんと載っていたというのに、これは一体どういうことなのでしょう。そこで、店員さんに聞いてみると、サバの塩焼きは「平日メニュー」なのだそうですよ。確かに、愚妻が食べたのは平日でした。あとで、お店の前にあったメニューを見てみたら、確かに平日、しかも数量限定になってましたね。いやあ、せっかく食べに来たのに、休日はダメですか。
 仕方がないので、サバの味噌煮にすることにしました。でも、これがとてもふっくらしていて、味もまろやか、すごくおいしいんですね。しかも、ご飯もおいしいので、お代わりまでしてしまいましたよ。味噌煮でこんなにおいしいんですから、塩焼きだったらどんなだろう、と思ってしまいました。ま、いつかは食べられる日を信じて待つことにしましょうか。

 まず、見た目からあまりにおいしそうだったので、つい写真も撮らずに食べ始めてしまいました。夢中になって食べていて、気が付いたら、こんな写真しか撮れませんでした。すみません。
aventure number : 2203 date : 2014/1/25


今日の禁断 マスタード

 「大人の休日パス」第2弾は、映画を見るためだけに往復新幹線を使う、というミッションでした。というか、そもそもそっちの方が今回のパスを買おうと思った動機なわけでして、「サバの塩焼き」の方がオマケだったんですけどね。「映画なんか、新幹線を使わなくても仙台市内で見れるではないか」とおっしゃるかもしれませんが、私が見たかったのは仙台では絶対に見ることのできない映画なのでした。いや、「映画」そのものはMOVIXでも109でも、チネ・ラビータでもやっていますが、そういう標準スクリーンではなく、「IMAX 3D」でぜひ見て見たかったのですよ。このシステムの映画が上映可能な映画館は、宮城県はおろか東北地方には全くありません。一番近いのが浦和にある「ユナイテッドシネマ浦和」なんですよね。ここだったら、新幹線を使えば大宮まで1時間、そのあとは宇都宮線や湘南新宿ラインを使えば7分で着いてしまいます。京浜東北線でも9分ですからね。
 実は、最近までIMAXに関しては「かつて存在していたけれど、今ではもはや国内には上映劇場がなくなってしまった」形態のシステムだと思っていました。しかし、いつの間にか、おそらくデジタル化と3Dの波で息を吹き返していたのですね。私は品川で初めてアナログのIMAX 3Dを見て、度肝を抜かれた思い出がありますから、この方式自体のすごさは身を持って体験しています。それが「ゼロ・グラビティ」で見られると知って、これは絶対に見たい、と思ったのですよ。そうなんです、確かにこれはMOVIX仙台で見てものすごい映画だとは思ったのですが、IMAXであれば、間違いなく、あの壮大な世界はさらに実体を伴ったものとして感じることが出来るはずだと、確信しました。

 ユナイテッドシネマ浦和は、浦和駅の東口に、2007年にオープンした「浦和パルコ」の6階にあります。浦和駅そのものが、昔のイメージは残っていなくて、リニューアル工事の真っ最中でしたが、その東口の真ん前にそのパルコがありました。壁には「ゼロ・グラビティ」のポスターが。ただ、なんか閑散としていて、正直「田舎のスーパー」といった感じがしたのはなぜでしょう。これだったら仙台のパルコの方がよっぽど「都会的」ですね。でも、映画館は広々としたロビーや落ち着いたスクリーンなど、間違いなく「都会的」なたたずまいです。このギャップは一体何なのでしょう。椅子もゆったりしていて、肘かけがかなり太くて、隣の人の腕が全く邪魔にならないほどのスペースがあるのには感激しました。ただ、カップホルダーが、MOVIXあたりだとどちら側のが自分のものかはっきり分かるようになっているのに、ここにはそういう案内が一切ありません。これは、へたをするとドリンクの置き場をめぐって隣の人と喧嘩になりかねない設計ですよ。もっとひどいのは、私は食事をする暇がなかったので、トレイに乗せたホットドッグを買って持って行ったのですが、それをカップホルダーに置くことが出来ないのですね。これも、MOVIXでは当たり前のように置けたのに。結局、膝の上に置いて食べて、終わったら椅子の下にしまいましたが、それが正しいやり方だったのかは分かりません。
 なぜ時間がなかったのかというと、ちょっと半端だったので、同じスクリーンで上映される別の映画を、「ゼロ・グラビティ」の前のコマで見ることになってしまったからです。それは「エンダーのゲーム」。原作は読んでませんが、いかにもディズニー風に作られたノーテンキな宇宙戦争ものです。正直、この結末には全然納得できずに、後味の悪さだけが残ってしまいましたが、それを助長してくれたのが、音響のあまりのひどさです。それは、IMAXの大スクリーンに呼応した大迫力を目指したサウンドシステムを、変な意味で信じ切ってその結果完全な「勘違い」を犯してしまった録音スタッフの耳の悪さを露呈したものです。なにしろ、低音のバランスが強すぎて、セリフすらもとても人間の声とは思えないようなものになってしまっていますし、その分高音が完全に頭打ちになっていて、もう逃げ出したくなるような不快な音になっています。
 もしかしたら、これはこのスクリーンの音響システムのせいなのかな、と、ちょっと暗澹たる気持ちになったのですが、1度外に出て、本命の「ゼロ・グラビティ」になったら、見違えるような音だったので一安心。確かに、高音の繊細さなどは「バルト9」あたりには負けますが、今まで聴いていたのとは別物の「ちゃんとした」音でした。というか、こうなると音楽を作った人の志、もっと言えば映画を作った人の志の違いがそのまま音響に反映されていたのでは、などと思えてしまいます。こちらは音楽そのものも「エンダー」とは比べ物にならないぐらいていねいにつくられたものでしたし。
 そして、画面はまさに期待通り、MOVIXで見たのは一体何だったのか、という、情報量がまるで違う、これも「別物」の画面でした。すごかったのは、ヘルメット越しに宇宙空間を眺めている、というショット。ヘルメット内の反射など、こんなの初めて見たような気がします。あと、空中に漂っていた水滴が涙だったことも、初めて気付きました。存分に楽しめましたよ。
 「ヤク」のおかげで、こんな大画面をずっと見続けていたのに、ほとんど目の疲れを感じませんでした。前は、次の日には頭痛がしたりしてたのですが、それもありません。「ヤク」なしでも、こんな体調でいられるようになるといいのですが。なんだか、副作用もあるみたいですし。
aventure number : 2204 date : 2014/1/27


今日の禁断 アマゾン

 きのうは木管のパート練習で「展覧会の絵」を集中的に練習しましたし、今日になったら、その「展覧会」のモチーフがメインになっているチラシのデザインをそのままFacebookのカバーに仕立てたものが届きました。ニューフィルのページでご覧になれますので、そのカッコよさを体験してみてください。
 そんな「展覧会」のモードは、楽譜でもさらに盛り上がっています。この間Eulenburg版を入手して、その完璧な校訂に驚いたということを書きましたが、その後のリサーチでB&Hの方でも、最近(2002年)新しく校訂された楽譜が出ていたことが分かったので、それを注文したら、すぐに届きました。その他、茂木大輔さんのブログでもこの辺の情報があったりして、なんだか整理しきれない状態になっています。とりあえず、パッと見て面白そうなところをご紹介しておきます。

 手元にあるのは、実際に販売されていたこの3種類の楽譜(左からEulenburg、B&H旧版、B&H新版)と、ネットでPDFを入手したもう一つのB&H旧版です。茂木さんのサイトによると、最初に西側で出版されたのがこの写真のスタディ・スコアだったのですが、その後指揮者用の大判スコアも出版、その際には全く別の版が組まれていました。新版では、その大判スコアが版下になっていて、部分的に改訂されているという、ブルックナーの楽譜のようなことが行われています。
 その4種の楽譜は、それぞれ細かいところで違いがあるのですが、それがよく分かるのが「リモージュ」のこの練習番号68の部分です。
■B&H旧版スタディ・スコア


■B&H旧版大判スコア


■B&H新版


■Eulenburg版

 オーボエとクラリネットのスラーの場所が、みんな違っています。
 前回、「ラヴェル版の決定的な間違い」と指摘した部分が、これです。これは「キエフ」でのB&H旧版の練習番号119の直前。赤枠で囲った部分の中で、実音A♭の音は、ピアノ版ではA♭♭になっています。ですから、この赤枠の1小節前から始まる4小節間では、本当は「A♭→A♭♭→G♭→F」という、とてもカッコいい半音加工の進行が聴こえるはずなのですが、ここでは「全音→半音」という中途半端なことになっています。

 それが、Eulenburg版ではきっちり音符が訂正されています。

 さらに、B&H新版では、音はそのままですが、注釈で「ピアノ版ではA♭♭である」という記載があります。

 もう一つ、「キエフ」の大詰めでは、茂木さんのブログでは触れられてはいませんでしたが、B&H旧版での曖昧な表記が、不思議な演奏を生んでいました。練習番号120からです。まず、その「不思議な演奏」を聞いてみてください→音源(問題はバスドラム。PCのスピーカーでは聴こえないかもしれません)

 これは、この楽譜通りに演奏したものです。赤枠のバスドラムのパートは、この楽譜だと2/2になっていますから、金管や弦楽器が3/2で演奏している中で「リズム通り」に叩くと、この音源のように間違えたように聴こえてしまいます。普通の指揮者は、ここはバスドラムも3/2に変わっていると判断して、他の楽器と合わせています。

 ですから、Eulenburg版では、そこをきちんと表記しています。

 さらに、B&Hでも、新版ではきちんとこのようになっていますよ。
 ということは、さっきの音源のような演奏は、「楽譜通り」でもなんでもない、ただ印刷のミスを真に受けただけのなんとも間抜けなものでしかなかったのですね。これは、ゲルギエフとウィーンフィルによる2000年の録音(PHILIPS→DECCA)でした。そのあと、2008年には、ヤンソンス指揮のロイヤル・コンセルトヘボウ管(RCO)が、同じようなことをやっていましたね。
aventure number : 2205 date : 2014/1/29


今日の禁断 ムソルグスキー

 「おやぢの部屋2」という私のブログは、2005年に始めた当初は(え、もう9年近くやってるんだ)文字通り、私のサイトの「おやぢの部屋」をそのままコピーしたものでした。それが、しばらくしてやはりサイトの日記もどき「禁断あばんちゅうる」も転載するようになります。基本的に「禁断」は不特定多数の人に見せるような内容ではないので、サイトでは2回分だけ公開したら、あとはパスワードで隠すようにしています。いや、書いていることは別に誰に見せても恥かしいものではないのですが、全く関係のないような人が見ると誤解を招いたりすることがたびたびあったので、そんな風にちょっと「受け身」になっていたのですね。ただ、たまには全く公開OKみたいなネタになることもあったので、そういうものをブログに載せるようにはしていました。
 それが、最近では毎回ブログに載るようになっています。要は、「禁断」の内容を、最初から誰に見られても構わないようなものに変えてしまったからなのです。その結果、めでたくブログは毎日更新ということになりました。そうなると、今まではどうでもいいようなことでも書けていた「禁断」が、「おやじ」なんかよりはるかに手間がかかるようになってしまいましたよ。前回なんかは、とても「禁断」とは思えないような(いや、それはあくまで私の中の基準ですが)手がかかったものになってしまいました。楽譜をスキャンするだけで、かなり大変だったんですよね。
 それだけの手間をかけたものを、ブログ1回分で済ませてしまうのは惜しいので、それをほとんどそのまま次の「かいほうげん」のコンテンツにしてみようと思いました。「再利用」ってやつですね。せっかくスキャンした画像もあることですし。ところが、その画像が、一応こんなこともあるだろうと少し高めの解像度で作ったつもりだったのが、いざペーパーの画像として使う時には、ちょっとサイズが小さすぎることに気が付きました。いや、たとえばチラシなんかだと充分な大きさなんですが、今回は元がポケット・スコアですから、そもそも拡大しないと使えないものだったんですね。仕方がないので、もう一回スキャンを全部やり直しましたよ。「再利用」には程遠い「二度手間」になってしまいました。これからは気をつけましょうね。
 でも、画像さえ出来てしまえば、テキストなどはほぼそのまま使えますから、あとは簡単、すぐに4ページ分のレイアウトが出来てしまいました。これを使うかどうかは分かりませんが、こういうストックさえ用意しておけば誌面が足らない時にはすぐ使えますから重宝します。
 ただ、「禁断」やブログには、音源のリンクが付いていましたよね。あれがないと、実際にどんな音がするのかは楽譜を見ただけではよく分からないはずです。そこで、今回は「音の出る『かいほうげん』」というのを作ってみることにしました。これは、もしかしたらモノクロだった「かいほうげん」がカラーになった時よりインパクトがあるかもしれませんよ。なんて、大騒ぎするほどのものではなく、あの音源のURLをQRコードにして印刷するだけの話なのですよ。以前、職場の通信物に動画が見れるようにやはりQRコードを印刷したのと同じことですね。そこにスマホをかざすと、その音源にアクセスできて、スマホから音が出てくる、という仕掛けです。

 実際にやってみたら、なかなかのものでした。実は、その前にPCで試してみたのですが、それだと低音が殆どカットされているので、肝心のバスドラムの音が全然聴こえなかったのですよ。しかし、iPhoneでやってみたら、スピーカーでも見事に聴こえますよ。iPhoneのスピーカーも侮れませんね。もちろん、イヤフォンだったら間違いなく聴こえるでしょう。ガラケーではどうなのか、それは分かりません。もはや私はそんなところには後戻りは出来ないようになってしまっているのです。
aventure number : 2206 date : 2014/1/31


今日の禁断 ブラームス

 きのうは、「MAS」という室内オケの演奏会に行ってみました。別にシューベルトの「鱒」を演奏するわけではなく、何やら深い意味を持った言葉の頭文字を集めたネーミングらしいのですが、それが何であったかは忘れてしまいました。ニューフィルなど、市内のアマオケのメンバーを集めて年に1回のペースで演奏会を行っています。だいぶ前に聴いたことがありますが、それ以来ずっと聴いていなかったものが、今回はモーツァルトの木管楽器のための「協奏交響曲」をやるというので、聴く気になりました。木管五重奏からフルートを抜いた4人のソロとオーケストラとの作品で、その4人のうちの3人がニューフィルのメンバー、もしくは元メンバーですからね。いや、そもそも指揮者が元メンバーですし。
 会場は、このところよく聴いている宮城野区文化センターのコンサートホールです。今までは合唱や金管合奏だったので、オーケストラを聴くのはこれが初めてとなります。その会場はどの程度の入りだったのかは、一番後ろに座ったもので、よく分かりませんでした。このホールの客席は殆ど段差がないので、前の席の具合がよく分からないんですよね。当然ですが、ニューフィルの関係者はたくさんいましたよ。
 なぜ後ろに座ったかというと、写真を撮りたかったからです。なにしろ、段差がないので、もしかしたら立って撮らないと後の方の人は隠れて見えなくなってしまうような気がして。そうしたら、開演前の陰アナが「ビデオと写真の撮影はおやめ下さい」などと言っているではありませんか。厳しいですね。だとしたら立つわけにはいきませんから、演奏が終わったところで思いきり手を伸ばして撮るしかありません。NEX-6はモニターが下向きにもなるので、それは簡単に出来ますからね。
 演奏はとても素晴らしいものでした。ホールの音も、それぞれのパートがきちんと聴こえてくるうえに、弦楽器などは響きが豊かでとてもゴージャスなサウンドになっていましたよ。もちろん、写真はうまく撮れました。それをWIFIでiPhoneに転送して、その場でFacebookにアップします。この技は、つい最近マスターしたばかり。実は、iPhoneを買ってすぐに、SONYのアプリをダウンロードして試してみたのですが、うまくいきませんでした。接続までは出来て、たしかにデータは送られるのに、それを保存するところでエラーが出てしまうのですね。おそらく、これはiOS7に対応していないためだろう、と勝手に納得して、その時はあきらめました。しばらくして再インストール、全く同じ手順でやってみたら、ものの見事に画像がiPhoneに移ったではありませんか。きっとアプリがアップデートされていたのでしょう。これで、NEX-6で撮ったばかりのきれいな写真を、すぐiPhone経由で送ることが出来るようになったと、喜んだものです。
 ところが、Facebookにアップされた写真を見てみると、どうもあんまりきれいではないのですね。直接PCから元のデータを送ったのと比べると、明らかに画質が劣っているのですよ。それが気になったので、今回アップした画像を細かく調べてみました。サイズは、元のカメラで撮ったデータ(1)は3.9MB、それをiPhoneに転送したもの(2)は502KB、それをさらにFacebookにアップしたもの(3)は57.6KBと、段階ごとに見事に一ケタずつ小さくなっています。それを、分かりやすく思いきり引き延ばした部分で比べてみると、
(1)

(2)

(3)

 サイズの違いが、もろに画質に現れていますね。確かに、Facebookに転送した後はサイズが大幅に小さくなっているのは前から分かっていましたが、カメラからiPhoneに転送した時にもこんな風に「間引き」が行われていたとは。実際、転送する時には、この大きさのファイルにしてはずいぶん早いな、という気はしていましたがね。でも、iPhoneで撮った写真でも2MBぐらいのサイズなのですから、なぜこんなに圧縮しなければいけないのか、よく分かりません。他社のアプリでは、どうなのでしょうね。
aventure number : 2207 date : 2014/2/2


今日の禁断 ティーレマン

 もう2月になったというのに、録画してあったテレビの番組では、やっと去年の大みそかのコンサートを見れるようになったところです。なにしろ、ドラマやら映画がどんどんたまっていきますから、なかなか音楽番組までは手が回らないのが現状でして。N響のコンサートなどは、録画だけはしたものの、ついに見ることもなく削除されるものがほとんどですから。
 でも、一応外国のオーケストラのものぐらいはチェックしておきたいじゃないですか。それで、まずは2種類の「ジルヴェスター・コンサート」から片づけていこうと思い立ちました。つまり、NHK-BSでは、2本まとめて放送してくれたのですね。かつては「ジルヴェスター」と言えばベルリン・フィルのものしかありませんでしたが、最近ではドレスデン・シュターツカペレでもそういうものをやっているようで、最初にそちらを見てみましょう。
 去年も確か録画しておいたはずなのに、結局見る時間がなくてそのまま削除したような気がします。そのぐらい、最初から魅力のないコンサートのように思えたものでした。ですから、今年は真剣に見るのではなく、他のことをしながら見るという「ながら見」です。これだったら、つまらなくてもそれほど時間を無駄にしたとは思わないでしょうからね。
 その見かたは正解だったようで、その、ドレスデンのゼンパー・オーパーで開催されたコンサートは、本当につまらないものでした。なにしろそれは、最初のうちはまったく聴いたことのないオペレッタの中の曲ばかりを延々と演奏し続けるというとんでもないものだったのですからね。やはり、こういうものは曲を知っていてこその楽しみですから、こんな、日本人にとっては全く縁のないマイナーなオペレッタで一晩過ごすのかと思うと、恐ろしくなるほどでした。
 もっと恐ろしいことが、そのあとには待っていました。その、知らないオペレッタのアリアを歌うために登場した男声歌手が、あのクラウス・フローリアン・フォークトだったのですよ。今世界中で評判のテノールなのですが、どう聴いてもミスマッチな声質でワーグナーを歌って、各地で顰蹙を買っているという人です。ま、そんな風に思うのは私だけかもしれませんが、どうしてもあんなヒラヒラでノーテンキな声で歌われるワーグナーは許せないと常々感じているものですから、本当のファン(そんな人がいるとは、とても思えませんが)の人は、ごめんなさい。
 相変わらずの子供じみた声で歌われるオペレッタのナンバーは、ワーグナーとは別の意味で気持ちの悪いものでした。確か、ルネ・コロという偉大なワーグナー歌手も、多くのオペレッタを歌っていたものですが、それに比べるとまさに月とスッポンです。と、彼の燕尾服の襟に、飾りのようなものが付いていることに気づきました。よく見てみると、それはピンマイク、ご丁寧に2つも付いているではありませんか。ということは、声量のなさを補うために、PAの力を借りているのでしょうか。

 もう一人、ソプラノのルネ・フレミングも登場していましたが、彼女は基本的にマイクなし、ただ、ミュージカル・ナンバーでは堂々とマイクを持って歌っていましたね。

 こんなコンサートでもマイクがなければ歌えないなんて、一体ワーグナーのときはどうやっていたのでしょうね。これからこの人のオペラを見る時には、どこにマイクが隠してあるか探すようになるのでしょうね。いや、そもそもそんなものを見る気にもならないでしょうけど。
 あ、このコンサートの後半には、「ウェストサイド・ストーリー」や「マイ・フェア・レディー」のような有名なミュージカルも演奏されていました。予想通り、フォークトの歌う「マリア」は最悪でした。
aventure number : 2208 date : 2014/2/4


今日の禁断 スクープ

 いやあ、大騒ぎになってますね。こういうことが大好きな私は、「一次資料」である週刊誌まで買ってしまいましたよ。
 この曲のことは、初演された時のニュースとか、CDが作られたといった情報としてはよく知っていました。ただ、そもそもまともな音楽教育も受けていない人がこんな本格的な「交響曲」なんて書けるわけがないと思っていましたから、もう完全にスルーしていましたね。いや、今に至るまで、まともにこの曲を聴いたこともありませんし。というのも、なにより、このCDの売り方がまともなクラシックの扱いではありませんでした。これは「レコード芸術」の2011年9月号に載っていた広告です。
 クリックすると、大きな画面でテキストも読めます。だいたい、こんな広告をぶつ時点で、「何か変だ」と気づくはずじゃないですか。私は最初から胡散臭いと思っていましたよ。この号には、月評の「交響曲」のジャンルで取り上げられています。普通は「 現代音楽」ですよね。それで、その評者が高名な宇野センセーと金子センセー、宇野センセーは「涙で目が曇って、文字も書けないぐらい」とまで言ってますが、「芸術的な評価は、他の人に任せたい」と、やや正直なところものぞかせています。金子センセーは冷静に「シュニトケよりはロマン派寄り」などと分析をしていますが、「死の原野と化した市街」が描写されているという感想も付け加えていましたね。
 まあ、こんな風に他人が作ったものを自作として発表(逆に、自作を他人の作品として発表)することは、音楽史の中では頻繁に行われていましたから、別に珍しいことではありません。モーツァルトの「レクイエム」だって、最初はそういう形で演奏されたんですからね。ただ、今回の「交響曲」のタイトルが、最初は「HIROSHIMA」ではなく「現代典礼」だった、というところには引っかかってしまいます。
 実は、これと全く同じことを半世紀前にやっていた作曲家が、いたのですよ。彼が作ったのは、「8分37秒」というタイトルの、弦楽器がトーン・クラスターなどを駆使して、古典的な音楽の枠組みをぶっ壊すようなサウンドを発するマニアックな作品でした。まあ「前衛音楽」ですね。ところが、誰かの入れ知恵で、これを「広島の犠牲者に捧げる哀歌」というタイトルに変えたところ、またたく間に有名な曲になってしまったのですね。そのおかげで、この作曲家は今では生まれた国を代表する偉人として、尊敬されているのだそうです。
 まあ、音楽なんてそんなもんですよ。タイトルやら、作った人の生きざまやらで飾り立てれば、どんな愚作でも「名曲」になりうるのです。佐村河内守が、はたしてペンデレツキのことを知っていたかどうかは分かりませんが、それは、見事に成功、世の中の人はみんな欺かれました。もちろん、これは今現在の話で、彼一人を悪者にしようとする意図がミエミエですが、もっと別な力が働いていた可能性だって、ありえます。今はひたすら被害者ぶっているレーベルやプロモーターは・・・。
 ただ、間違いなく最大の被害をこうむったのは、さっきのお二人のような「音楽評論家」と呼ばれる人たちなのではないでしょうか。私でも気付くほどの怪しさに、誰一人として気付かないで(気付かないフリをして)、さんざん「HIROSHIMA」を持ちあげていたのですからね。彼らの審美眼は地に落ちました。こちらにエッセイを寄せている許センセーなんか、もう恥かしくて表を歩けないのでは。
aventure number : 2209 date : 2014/2/6


今日の禁断 ラヴェル

 「佐村河内」事件は、その全貌がほぼ明らかになったとされた段階で、予想されたようなメディアの対応も出揃ったようですね。そして、やはり予想されたような、ワイドショーのレベルでのコメントも紹介されるようになりました。一番面白かったのは、「HIROSHIMA」のCDに詳細な楽曲分析を執筆していたはずの長木誠司という人が、朝日新聞に「今の聴衆は、ほとんど耳が聴こえていない」というコメントを寄せていることです。「耳が聴こえていなかったのは、あなたの方でしょう」と、思わず突っ込みたくなってしまいますね。
 それとは逆に、ネットなどでは「曲そのものは素晴らしいのだから、作曲者の名前を変えてでもぜひ演奏してほしい」といったような、本質がまるで見えていないノーテンキな意見を堂々と述べている人もいたりしますから、問題は深刻です。
 そんな中で、こんな「告発」が出るはるか前、2013年の11月に発行された雑誌に投稿された野口 剛夫さんという人の記事がネットで評判になっていました。どうやら、私と同じような胡散臭さを感じていた人は、他にもいたみたいですね。ただ、その現物を読むためにはバックナンバーを探したりしなければいけないのでしょうから、ちょっと面倒くさいな〜、どこかにコピーされたものでもないかな〜、と思っていたら、なんと、この記事だけが電子書籍として販売されていたのですよ。なるほど、こういう売り方もあるのか、と思いましたね。音楽の方では、アルバム全曲ではなく、その中の1曲だけでも購入できるというのがネット配信のメリット(デメリット?)なのでしょうが、活字(死語)の世界でも同じようなことが簡単に出来るわけですね。これはまさにタイムリー、ネット社会のフットワークの軽さで、別に古本屋めぐりをしなくても、100円払うだけで全文が読めてしまえます。
 ただ、私はいまだかつて「電子書籍」というものとコンタクトを取ったことがありません。というか、そんなものの必要性を全く感じていない、書籍に関しては割と頑固なアナログ人間なのですよ。でも、せっかくこんな機会ですから、ちょっと手を出してみようと思ってしまいました。これを見つけたのはAMAZONですから、Kindleという端末が必要だ、ということぐらいは前から知っていましたが、そこでは端末を選択することが出来て、iPhoneでも読めるようなのですよ。ですから、そのiPhone用のものをお買い上げ、です。まず、KindleのアプリをiPhoneにダウンロード、AMAZONのIDを登録しておいて、あとは普通に本やCDを買うのと同じようにプチると、即座にiPhoneで読めるようになっていました。簡単ですね。しかも、これはiCloudにも同期していて、愚妻に使わせているiPad miniでも、アプリをダウンロードしたら同じものが読めるようになっていました。iPhoneを買った時に、やたらと「同期」という言葉に遭遇したのですが、あれはこういうことだったというのが、実物を目にして初めて納得できました。
 と、一つ賢くなったところで、指揮者練習に愛子に向かいます。東京で大雪を降らせた低気圧が近づいてきて、お昼ごろになるといつの間にか結構雪が積もっていましたから、いつもの国見峠経由の山道から北環状線にでる、というコースは避けて、街中を通って西道路から行くコースを選んでみました。ところが、西道路までの道が大渋滞、早目に出たので問題なく到着できましたが、メンバーの中には間にあわなかった人もいたようですね。
 田中さんの指揮ぶりは、とことん我々にストレスを与えないものでした。でも、ちょっとしたフレージングの注意などをそのとおりにやってみると、音楽が見違えるように生き生きしてきます。前回同様、楽しい演奏会になりそうです。さて、明日の雪はどんな具合でしょうか。まず、長靴は絶対必要でしょう。
aventure number : 2210 date : 2014/2/8


今日の禁断 エキサイト

 きのうは指揮者練習の2日目、しかし、すごい雪でしたね。私は出番は午後からだったので午前中はマンションの駐車場の雪かきです。なんとか車が出せそうになったので、メールをチェックすると、朝早く「車が出せません!出来たら、乗せてって下さい!」という緊迫したメールが弦楽器の人から届いていました。時計を見るともう10時近くですから今から行っても間にあいません。もちろん、助けられませんでしたが、一体、どうなったのでしょうね。
 Facebookを見てみると、もうチューニングが始まる時間だというのにステージには4、5人のメンバーしかいないような写真が見つかりました。投稿していたのはN岡さんと、
F村さんです。
 同じF村さんは、こんな写真も載せていました。
 やはり、この辺とは降り具合が違いますね。そのうち、「駐車場が除雪されていないので駐車できない」というような書き込みも見られるようになりました。これはかなりの深刻な事態のようですね。何かあったら困るので、早目に昼ご飯を済ませて、出発します。
 途中の道は殆どアイスバーンになっていますが、車が少ないのでそんなに混んではいませんし、西道路のトンネルはもちろん、バイパスは除雪もされているようで、広瀬文化センターにはすぐ着きました。ところが、ホールの前の広い駐車場には、ほんの少し除雪されているスペースに車が停まっているだけで、他に停められるようなところはありません。ヘタに新雪に突っ込むと、動けなくなってしまいそう。でも、なんとか場所は探せました。
 練習は、別に人が足らないような感じではなく、普通に行われていたので一安心。あとで聞いたら、他の場所に駐車したりして、スタートが45分遅れたそうですね。そんなことは、ニューフィル始まって以来です。震災のときは別ですが。あ、さっきの人はなんとか自力でたどり着いたそうです。
 そこで、その前の日の夜に行われた指揮者との飲み会の写真を受け取りました。私は最後の曲が降り番だったので、時間をつぶしてまで行く気にはなれず、参加する人にカメラ(昔のコンデジ)を預けて撮ってもらったのですよ。それが、この写真。
 一見して、不自然なところが見つかるはずです。実は、参加者全員が入っている写真がなかったので、2枚の写真を合成してそれらしくしたのですね。最初にFacebookページにアップしたのですが、気が付いたでしょう?いや、「かいほうげん」に載せる時にはもっときれいにつなげますから。
 ところで、この「禁断」をコピーしているブログでのランキングで、ついに私のブログがベスト10入りしました。最近はSさん関係のこととか、なぜか「鍵泥棒のメソッド」に多量のアクセスがあった(地上波で映画を放送していましたね)ので、こんなことになったのでしょう。まあ、Sさん騒ぎと同じように、すぐに忘れられることでしょうから、一応記念に画像を保存しておきました。
 そのSさんのCD、返す返すも「おやぢの部屋」で取り上げておかなかったのは残念でした。今となってはなにを言っても「あとだしじゃんけん」になってしまいますから、実際に聴いてどんな風に思っていたのか、ぜひとも記録しておきたかったと、本気で悔やんでいます。はたして私は長木誠司だったのか野口剛夫だったのかが分かる、格好の試金石だったのですからね(長木になっていたら削除していたりして)。
aventure number : 2211 date : 2014/2/10


今日の禁断 カルシウム

 大雪が降ったのは土曜日の夜でしたっけ。あれからもう4日も経ったというのに、いまだに雪がなくなるということはありません。今年の冬は今までほとんど雪らしい雪が降っていなかったものが、ここでまとめてやってきて、帳尻を合わせた、ということなのでしょうか。
 その土曜日に、練習から帰って来た時には、マンションの駐車場に入るのがちょっと不安でした。もう結構積もっていましたから、白線が見えなくなって、定位置に入れられるかどうか心配だったのですよ。しかし、幸いお隣の人が、すでに雪かきをすましていたので、私もまず雪を全部外に出してから車を入れました。その2台分の前だけがきれいになっていて、かなり目立ちましたね。
 ところが、次の日曜日の朝になったら、大量の雪がそんな小技のあとを見事に消し去っていましたよ。とりあえず車を出せるようにしなければいけませんが、みんな雪かきに出てきたものですから、マンションに常備してあったはずの大量のスコップやらスノーダンプが全く見当たりません。それでも、物置の中を探してみたら、先のとがったスコップが1本だけ見つかりました。ほんとは平らなスコップの方がいいのですが、これしかないのですから仕方がありません。そして、その日の練習に行った時のことは、前回の通りです。
 そんなすごい雪でしたから、月曜日に職場に行く時も、上まで行ける坂道が使えるとは全く思っていませんでした。それで、いつもかなりの雪が降った時にするように、車は石段の下の駐車場に置いて、歩いて職場まで行く、というコースを選択、まずはその駐車場に入ろうと思ったら、前の方はもうアスファルトが見えるぐらいに雪がなくなっていたのに、その奥には新雪が積もっていましたから、まずはそのアスファルトで加速して、新雪の中に分け入ろうという作戦を立ててみました。ところが、その雪のないところに入ったとたん、車がスリップして前にも後ろにも進めなくなってしまいました。降りて見てみると、そこは溶けた雪が見事に凍っていて、長靴でもツルツル滑ってしまうような状態だったのです。まるでスケートリンク、これでは車が動くわけがありません。
 とりあえず、車はそのままにして、石段を登って職場から3種類の雪かきツールを持ってきて、その氷をはがしたり、新雪の所もきちんと車が1台入る分のスペースを掘り出しました。それも、ここは日当たりが良いので、また雪が溶けて凍らないように、地面には雪がなくなるまで徹底的に除雪します。
 これだけのことをやって車を置き、また石段を上って職場に着くと、もう大汗です。すっかり着替えて、そんな苦労話を社長にすると、確かに、日曜日には来客も多くみんな苦労していたのだそうです。そこまで言ったあとに、「坂道は上がってこなかった?」と、平然と聞いてきましたよ。すでに、必死に坂道の除雪をやったので、今は楽々登れるようになっているのだそうです。
 確かに、行ってみたらきれいに轍の部分の雪がなくなっていましたね。そう、職場のスタッフはそういう人たちなんですよ。真夜中でも融雪剤などを撒いて、お客さんの苦労をかけないようにすることを、普段から心がけているのですね。それを確かめておけば、あんな苦労しなくてもすんでいたのに。
 ただ、なにしろ広い敷地ですから、全部に手が回るわけではありません。今日になっても、本堂の前は全くの手つかず、これでは車が上がってきても置けませんから、私一人で全部雪かきをしましたよ。
 そんなわけで、ひたすら雪かきに励む日々が続いています。お墓の中あたりは、もう自然に融けるのを待つだけです。
aventure number : 2212 date : 2014/2/12


今日の禁断 ウェーバー

 先週降った雪がまだ全然なくなっていないというのに、また大雪が降るという予報です。いやになりますね。なんとか、そんな「予報」は外れてほしいものですが、どうなることでしょう。
 こんな雪で道路もまともに走れないような状態が続いているので、なかなかいつも通りの活動が出来ない、というところがあります。きのうもニューフィルの練習で、前半(というか、殆ど全部)が降り番だったのでロビーで雑談なんかをしていると、大幅に遅刻した弦楽器のメンバーがやってきました。「もう、渋滞がすごくて」と言い訳をしていましたが、きっと本当のことだったのでしょう。確かに、私も夜中にちょっとした急斜面の道を走ったら、道路が凍っていてとてもスピードを出す気にはなれませんでしたからね。
 そんなわけで、先週の金曜日に、今度の演奏会のチラシやポスターが出来上がって、私の分の割り当てを大量にもらってきたというのに、まだほとんどどこにも行けてません。とりあえず、プレイガイドだけにはと、県民会館にだけは行ってチケットを置いてくるついでにチラシなどもお願いしたぐらい、あとは道路状況が好転したらまとめてまわることにしましょうね。ということで、もうチケットは出回っていますから、お近くの団員、もしくはプレイガイドなどでお求めください。まあ、私の場合はいずれFacebookでイベントを作って御案内を差し上げるので、「お友達」には、希望さえすれば来ていただけるようになっていますけど。
 あともう一つ、来月開かれる都民響のコンサートの招待状も、私の手元には2枚ありますから、1枚は誰かにお譲り出来ますよ。会場がトリフォニーなので、行ってみたいとは思うのですが(まだこのホールに行ったことがありません)、どうなりますか。前半にワーグナーの「パルジファル」をやって、ブルックナーの4番というのは、昔ニューフィルが長田さんとやった演奏会とよく似たプログラムですね。末廣さんのことですから、ブルックナーはハース版なんでしょうね。もし第1稿をやったりするのなら、なにを置いても聴きに行くのですがね。
 そんな大雪の影響は、他の仕事にも影響を及ぼしています。なにしろ職場では雪かきに追いまくられる毎日ですから、もうそれだけでくたびれてしまって、なにもやる気が起きません。さしあたって必要なことがメディア向けの企画書の作成なのですが、あと1ページを残して力尽きてしまっています。これは、自宅に持ってきていますから、もしやる気になれば週末に仕上げられるかもしれません。つまり、ニューフィルのプロフィール用の写真を新しくしようとして、今回のチラシにも使われている私が客席から撮った写真と同じアングルのものをちょっと加工していたら、もうそれだけで疲れ果ててしまったのですね。この写真、もし元の写真を持っている方がいたら、比べてみてください(チラシの画像では、もっと凄いことをやっていましたね)。
 チラシと言えば、これはFacebookのカバーに使うようにチラシのデザインを元にカバーのサイズに手直ししてもらったものなのですが、これを見て「お札みたい」と言っていた人がいたそうですね。確かに、言われてみればそんな風にも見えますね。426円紙幣とか。
aventure number : 2213 date : 2014/2/14


今日の禁断 アーケード

 結局、大雪の予報は当たってしまいましたね。いや、正確には「外れた」というべきなのでしょうか。かなりの雪が降ることは予想していたものの、それをはるかに上回る被害が出ることになってしまったのですからね。難しいものです。
 今朝になったら、雪はやんでますし、青空も広がってきましたから、まだみんなが除雪を始める前に私の車のまわりだけはかたずけてしまおうと、朝食が終わったらすぐに駐車場に降りて行って、誰もいないところで雪かきです。ゆうべは雨に変わったみたいで、かなり仕事は楽、車のまわりはきれいになりました。しかし、通路などは殆どアイスバーンになっていますから、そのままにしておきます。このぐらいだったらかえって走るのは楽ですからね。
 お昼前に、買い物に出かけようと思ったら、いつの間にか駐車場の雪がかなり溶けてシャーベット状になっていました。こういう方がちょっと苦手、一瞬進めなくなってしまいましたが、落ち着いて少しバック、ロー発進でやり直したら、なんとか進めましたよ。それよりも怖かったのが、バス通りに出るまでの裏道です。ほとんど新雪で車が1回通ったぐらいの感じですから、その轍の上を走るしかありません。対向車が来たりしたらどうにもならないところでしたよ。
 ただ、通行量の多い道路に出ると、先週とは全然違って、殆ど路面の雪は溶けていました。その代わり、歩道などには大量の雪が積み上がったままです。さらに、雪が溶けて盛大に水たまりが出来ているところもあって、油断はできません。
 実は、出かけたのは、愚妻を車に置きざりにして、チラシとポスターを届けるためでした。メディアテークなどでは、よくその前で駐車違反の摘発をやっていたりするのですが、誰かが乗っていれば少しは時間が稼げますからね。わざわざ駐車場に入れるほどのものでもないし。まあ、今日みたいな道路事情ではそれどころではないでしょうが、用心は必要です。ところが、目的の7階まで行くのにはエレベーターに乗ればすぐなのに、そのエレベーターに乗ることが出来ない状態になっていました。なんか、6階あたりに行く人がたくさん押し寄せていて、みんながエレベーターを待っているのですが、ここのエレベーターは数だけはたくさんあるのに、決して待っているところにはすぐには停まってくれないという不思議なシステムなんですよ。これも、この建物の数多い欠陥のひとつです。普通に大きめのエレベーターを1ヶ所に作ればいいものを、なんでこんな面倒くさいことにしてしまったのでしょう。こんな不便な建物がなんか賞をもらったりするのは、絶対に間違っています。
 やっとの思いでチラシを届けると、そのあとはきちんと車は駐車場に入れて一番町に。さすがにあれだけの雪ですから、定禅寺通りから広瀬通りの間は道路の真ん中には雪がうずたかく積み上げられていましたね。中には、かまくらみたいに横に穴を掘ったものもあったりしましたが、なぜかその穴の天井部分がなくなってそのまま穴になっていました。きっと、こんなものを作ったのは初めてだった商店街の人が、調子に乗って穴を広げていったら、天井が薄くなってしまって、そこが崩落してしまったのでしょうね。
 その途中にカワイのお店があったので、入ってみたら、見事に、入口のすぐそばにニューフィルの演奏会のポスターを発見しました。いつもはあまりスペースがないので、間際にならないと貼ってくれないのですが、今回はすぐ貼ってくれました。ここだと、お店に入らなくても外からだって見えますから、効果は絶大ですよ。
 帰りに近所のスーパーに行ったら、お惣菜売り場のケースがガラガラでした。
 確かに、各地で道路が通れなくなって、たくさんのトラックが立ち往生している映像が、ずっと流れていましたからね。なんでも、避難所に泊まった人もいたのだとか、「自然の猛威」は侮れません。
aventure number : 2214 date : 2014/2/16


今日の禁断 ワーグナー

 仙台では87年と1週間ぶりの大雪は、昨日あたりはお天気が良かったので割と早く除雪が進んでいるようでした。ところが、夕べは気温が低かったもので、融けた雪は朝になったら凍っていましたね。職場の石段が道路とつながる部分を、きのうはきれいに雪をどかして、融けた水がきちんと排水溝に流れるようにしておいたのですが、今朝その前を車で通ったら、その水が全部凍っていました。
 お昼過ぎに見に来たら、こんな感じ。

 まだ表面は凍っていますが、下の方は水が流れているみたいですね。
 上の方も、もちろん残った雪がカチカチに凍っていますから、スノーダンプで軽く運ぶ、なんてことは出来なくて、スコップでしっかり掘り出さなければいけません。それでも、日陰で完全に凍ってしまったところはもうどうしようもないので、放っておくしかありませんね。でも、ちょっとでも日が当たるところだと、午後あたりには少し融けだして、上手にスコップを入れてやると、かなり広い範囲が1枚のまままとまってはがれることがあります。

 これは、とても気持ちのいいものです。ほんの少し力を入れるだけで、面白いようにはがれてくるのですからね。ただ、こんなにうまくはがすためには、いろいろ条件が揃わなければいけません。そんな条件がすべて整った場所を探し当てて、うまくはがすことが出来たときには、まるで宝物を掘り当てたような気になってしまいますよ。ただ、あまり面白がってつい力を入れてしまうと、あとで腕や腰にダメージが残りますから、それは覚悟しなければいけません。
 そんなグッタリした状態で、留守録をしておいた日曜日のFMを聴いてみます。自宅では、ラジオを録音する設備がありませんし、職場の方がずっと音が良いですからね。いつもは月曜日に聴くのですが、今週はもう朝から雪かきでそんな余裕はありませんでした。
 それは、山下達郎の「サンソン」です。雪が降った時には、家でぼんやりするしかない、という話の流れで、そこで最初にかかった達郎の曲が、ベスト盤などには入っていない「ひととき」という曲でした。実は、これが入っている「メロディーズ」というアルバムのLPを買っていたのですが、「クリスマス・イブ」だけ聴いて、あとはほったらかしてありました。そこで、せっかくなので、FMの音と聴き比べてみましたよ。そうしたら、スピーカーやアンプは同じなのに、もう全然違う音で(当たり前ですが)びっくりしてしまいました。ボーカルなどは、LPではちょっとした歪みまで、はっきりわかりますし。
 そこで、ついでにこの中の別の曲で、ベスト盤のCDに入っているものを比べてみようと思いました。そうしたら、「悲しみのJODY」などは、サックス・ソロ(ブルコメの井上大輔さんが吹いていたんですね)の音がものすごく歪んでいました。LPは、その歪みがもろに聴こえてくるのですが、それがCDになると、歪んだ状態はそのままなのに、全体が平べったい音になっていて歪み自体があんまり目立たないんですね。そこで、もしやと思って「クリスマス・イブ」のア・カペラの部分を聴いてみたら、やっぱりものすごく歪んでいます。これも、LPでそのことを確認してからCDを聴くと、それがはっきりわかります。こういうことが分かってしまうと、もうCDなんて聴きたくなくなってしまいます。
 それにしても、こういう歪みは録音の時に生じたのであれば、その場でチェックできたはずです。そうではなくて、こういうのがアナログ・テープの「劣化」というものなのでは、という気がするのですが、どうでしょう。CDのマスタリングでは、それを上手に隠すことが出来ますが、LPではそのまま表れてしまったのでは、という疑惑は、ありえないことなのでしょうか。そんな聴き方で、「リング」のブルーレイ・オーディオを聴いてみると、歌手の声が全部歪んで聴こえますから、困ったものです。
 練習が終わって帰ってきたら、さんざん使ってボロボロになったスノーダンプが捨ててありました。こういうのも「劣化」というのでしょうね。
aventure number : 2215 date : 2014/2/18


今日の禁断 ウィルキンソン

 鐘楼も出来上がり、職場の震災被害からの復旧はほぼ終わったかに見えますが、まだ手つかずのところは残っています。そんなものの一つが、石段を登りきったところにある山門です。いや、山門自体は別に問題はないのですが、その両脇にある塀が、度重なる余震で見事に倒れてしまったのですね。
 これが震災直後。ちょっと傾いていて、まだ、かろうじて立っていますが、しばらくすると倒壊してしまいます。
 それを元通りにする工事が、やっと始まることになりました。
 これが、きのうの様子。左の方が丸ごとなくなっています。今残っているところも、土台の上の木がもう腐っているので、交換するために腰板をはがしてあります。その土台には、大きな石が埋めてありました。それをまず掘り起こしてそこに砂利を敷いて新たに埋める、というのが、最初の工程のようです。
 そんな力仕事をするためにやってきたのが、この小型重機です。実は、私がこのあたりのもう凍りついていた道路の雪を、ツルハシを使って割っているところを、トラックに乗ったこの重機が通っていきました。それを見かねたのでしょう、まだ工事現場では出番がなかったようなので、こっちまで来てその雪をすっかりかいてくれましたよ。いやあ、スコップを使ってやっているうちはなんとかなりますが、ツルハシ広之進(毎年使っているギャグです)まで出動しなければならなくなると、かなり体力的に辛いものがありますから、これは助かりました。
 ご存じの方もいるかもしれませんが、右側に立っているのが国の天然記念物の大木です。これの陰になって、この部分は全く日が当たりませんから、放っておくとすぐ凍ってしまいます。それがこんな風に、見事に普通の道路に戻りましたよ。もうこれで、私もスコップ作業から解放されます。
 これもご存じの方がいるはずですが、坂道の途中には2段になった駐車場があります。その、上の方は全くの手つかずで、バージンスノーがそのまま残っています。もう、これは自然に融けるのを待つしかありません。さっきの重機のおにいさんにたのんでみる、という手もありますがね。
 ただ、この下の方の駐車場は、結構使う人もいるので、部分的に数台分ぐらいのスペースは雪かきがしてあります。今日は来客が多いということなので、私の車をこちらに移すことにして、まだ雪が残っているスペースを車で踏み固めて、少し駐車しやすくしてみようと思いました。それはなかなかうまい具合に進んでいるな、と思って、調子に乗って全くの新雪のところに入ってみたら、突然前にも後ろにも動けなくなってしまいました。まだ柔らかいと思っていた雪は、実は表面が融けたり凍ったりしていて、かなり固くなっていたのですね。ちょうどそこにはまり込んだ感じ、あわててスコップを持ってきて、車を掘り出しましたよ。もうこんなことはやらないつもりだったのに。
aventure number : 2216 date : 2014/2/20


今日の禁断 エコバッグ

 毎回、演奏会の前には新聞社やミニコミ誌などに「企画書」を送って、宣伝記事を書いてもらうためのお願いをしています。まあ、大体送ったところでは「演奏会案内」のような形で紙面に紹介してくれたり、運が良ければきちんとした記事を載せてくれたりしてくれますから、この仕事は欠かせません。実際にどの程度の効果があるかなんて分かりませんが、あってもなくても、出来ることは全部やってみよう、というのがニューフィルのスタンスですからね。市内の市民センターすべてに、チラシを置いてもらうためにみんなに分担して持って行ってもらう、というのも、そんなスタンスの現れです。この前の演奏会では、本当に「市民センターのチラシを見て、演奏会に来た」という人がいたのだ、という話を聞いて、正直驚いてしまいましたが、実際にそういう効果があるということを知って、俄然この仕事の重要性を再認識しているところです。地道にやっていれば、いつかは報われる、それを信じて励むしかありません。そもそもこういうものに費用対効果みたいな経済理論をあてはめること自体が、間違っているのですからね。
 なにしろ、いまだにあちこちで積み上がった雪が消えないで残っているという状態ですから、車で行って停めるところがないとまずいので、本格的に動くのはもう少し待ってみようと思っているのですが、さすがに街なかだったらそんなことはないだろうと、今日も愚妻を載せて、中央通りの新星堂にチラシとポスターを置いてこようと思いました。ここは以前はクラシック専用のフロアがあって、そこにかなり広い談話スペースなども用意されているという夢に様な空間だったのですが、とてもそんな贅沢は許されない時の流れとともに、今では1階下のジャズ・コーナーと同居しているという、ごく普通のお店になってしまっています。ですから、前はポスターなども楽々引き受けてもらえたのですが、そんなかわいそうな状況になっては、とてもそんなことは頼めないな、と、ずっとあきらめていたのですね。ところが、最近そのクラシック売り場に行ったら、規模は小さくなりましたが、ちゃんとチラシを置くスペースなどもあったことに気が付いて、またお願いしてみようという気になっていました。
 そこで、裏道には車を置ける場所があったはずだと、行ってみると、そこはまだまだ雪が残っていて、車1台がやっと通れるぐらいのところがほとんどでした。それでも、なんとか、車を置いても、横をどんな大きな車でも通り抜けられるぐらいのスペースを見つけて、やはり愚妻を置き去りにして新星堂に行ってみました。
 カウンターにいたおばさんは、こちらが「仙台ニューフィルです」というと、「いつもお世話様です」なんて言ってくれましたよ。まあ、型どおりの挨拶なのでしょうが、なんか嬉しくなってしまいます。チラシとポスターは、もう当たり前のように受け取ってくれましたし。
 喜んで車に戻ると、愚妻が車の中で「電話したのに!」みたいな動作をして、むくれています。コートのポケットに入れておくと気が付かないんですよね。話を聞いてみると、大きな車に乗ったオンナが、「邪魔だからどけ」みたいに怒鳴って来た、というのですね。でも、そんな車はどこにもいませんよ。結局通れたんじゃないですか。というか、ちゃんと通れるように置いておいたんですからね。それなのに、そんなに怒鳴ったりするなんて、心の貧しいオンナだったんですね。そういうアホは、なかなかなくなりません。
 もう一つ、いつもなんとかならないのか、と腹を立てているのが、こういう袋を使っているアホです。
 かごの中にそのまま入るようになっている袋で、買ったものをその場で入れてくれるので、レジが終わった時点で袋づめが完了しているという、とても便利なものです。しかし、これは本人にとっては便利でも、その後ろに並んでいる人にとっては迷惑この上ないものであることに気づいている人は、まずいないのではないでしょうか。かごに入れるのも、その中に袋を広げて入れるのも、手間も時間も変わらないのでは、と、それを使っている人は思っているかもしれませんが、それはとんでもない間違いです。もう何度もそういう現場に居合わせましたが、このやり方だとレジの人の仕事ぶりがとたんに遅くなるのがよく分かります。つまり、袋に入れることを考えると、入れる順番を考えたりしてただかごに入れるのとは全然別の手順が必要になってくるのですよ。最悪なのは、袋に入りきらないほどの買い物をしている人の場合。これはどんなことになるか、想像が付くと思います。特に、混雑している時にこんな袋を使っている人は、例外なく後に並んだ人から迷惑がられているのだ、ということを自覚すべきでしょうね。
aventure number : 2217 date : 2014/2/22


今日の禁断 スコップ

 久しぶりに暖かいと感じられるような日でしたね。お昼過ぎに郵便を出そうと車に乗ったら、車内があまりに暑いので、暖房はもちろん切りましたが、窓まで開けてしまいましたよ。いつの間にか、歩道に積もった雪も日当たりの良いところではかなりなくなっていたようです。
 郵便というのは、ポスターを四つ折りにしたものです。B4の大きさですから、郵便で送るしかないんですよね。1通390円ですって。以前はこの大きさでもメール便が使えましたから、それが160円で送れたというのに。練習の日程表をコピーする数百円も惜しがっているニューフィルですから、こんな出費はバカになりませんが、それしか方法がないのですから、仕方がありません。これは、遠隔地のホールなどにポスターとチラシをセットで送るための荷物なのですよ。
 やっと、雪かきの疲れも癒えたので、ちょっとスタートが遅れていた広報関係の発送に取りかかっていました。下の大きな封筒がポスターとチラシ、上の小さな封筒が企画書です。これで、多分来月号の「りらく」あたりには、チケットプレゼント付きでニューフィルの定期演奏会の案内が大々的に出ることになるはずです。見つけたら、プレゼントに応募してみてください。
 私のマンションの駐車場でも、駐車スペースにはもう殆ど雪はなくなったみたいです。でも、いろんな人がいますから、特に車を出す必要もないので、大雪以来ずっと車がそこに停まったまま、みたいな人もいるようで、そんな人の車のまわりだけまだ凍った雪におおわれているようなところも残っています。実は、私の車のすぐそばが、そんな、いつ見ても車が空になったことのないスペースでした。まあ、別に他人の車ですからどうでもいいのですが、なんか窓に張り紙のようなものがあったので、ちょっと気になって近づいてみました。
 アップにすると、こんな張り紙でした。
 見てみると、別に白線を超えているわけではなく、ギリギリラインの上にタイヤがあるという状態ですから、まあ私だったら仕方がないと思うのですが、この隣のスペースの人には迷惑に感じられるのかもしれませんね。確かに、うちの駐車場は最近数を増やすためにちょっと狭目にラインを引き直したものですから、このぐらいギリギリだと、こんなことも書きたくなってしまうのかもしれません。
 実は、これを書いた人のスペースは、私のところとは後ろ同士で接しています。最初の大雪の時には、まず車を出すために横と前は雪かきをしましたが、後の部分はとりあえずそのままにしておきました。車をどかさないと、雪を運ぶのも大変ですからね。そうしたら、その人は、私との境界線のところでピッタリ垂直になるように除雪をしていましたね。これには、ちょっと笑ってしまいました。自分の領地の外の雪かきは、1センチもやるものか、という強い意志、みたいなものを感じませんか?私あたりは、自分のところを除雪する時には、隣の境も越えたところまでやりますけどね。その方がかえって楽ですしね。ですから、次の大雪の時には、思いっきりその人の陣地までしっかり除雪をしてやりましたよ。こうしておけば、お互い気持がいいのではないかと、私は思いますがね。
 ま、人はそれぞれ色んな信条を持っていることでしょうから、まあ好きにしたらいいんじゃないですか。ただ、私にはこんな張り紙をするという発想だけは、まず出て来ないことだけは確実です。
 でもなあ。夏場で窓を開けている時に、隣の家のベランダでタバコを喫われると、ちょっと我慢できないかも。
aventure number : 2218 date : 2014/2/24


今日の禁断 チューバ

 きのうは久しぶりの旭ヶ丘でのきちんとした出番のある練習でした。いまだにその理由がはっきりしないのですが、合奏のローテーションが私が乗っている「展覧会の絵」が、メインプログラムでもあるにもかかわらず1回おきにしかやらないようなことになっているものですから。「中曲」のブラームスは毎回やっているというのに。
 そんなことを言っていても仕方がないので、練習の前にはしっかり腹ごしらえをしておくことにしましょう。というわけで、いつものショッピング・センターの中にある「すき家」にやってきました。練習の前には、毎回ここのモスバーガーに来ていたのですが、さすがに毎週通っていると飽きてきますから、新しいレパートリーを開拓しようと思ったのです。実は、私は生まれてこの方、すき家はおろか牛丼屋というものには入ったことがないのですよ。つまり、これは私の「初体験」ということになります。なんか緊張しますね。うまくいかなかったらどうしよう。
 入口を入る前に、支払い系統はどうなっているかを確認してみます。食券を買ったりするようなシステムだったら、きっちり対応しないと恥をかきますからね。それだけは避けたいものです。でも、入っていくとかわいいおねえさんが優しくうなずいて、空席に座るように眼で合図をしてくれたので、まずは一安心です。注文もきちんとテーブルまで取りに来るというシステムだったので、さっそく評判の「牛すき鍋定食」を頼みます。580円。牛丼屋的にはこれでも少し高いのだそうですが、モスの1食分よりははるかにお安いですね。
 味は、いちおう「すき焼き」を期待していたのですが、まあ似て非なるもの、というか、ただ牛肉と野菜を入れただけではすき焼きにはならないな、というか、メニューを見るとカレーの種類が多かったので、この次からはカレーのローラー作戦だな、とかね。
 その日の練習で、必要な写真は撮り終ったので、いよいよ今日からは来週の発行に向けての「かいほうげんモード」です。今回も、様々な修羅場が待っていることでしょう。まずは、きっちりとフォーマットが決まっているものに、素材をはめ込むという作業から始めます。ところが、新入団員の紹介で、少し前に撮ってあった写真をチェックしてみたら、とんでもないことを発見してしまいました。撮った時には全く気が付かなかったのですが、一人、かなり大きな楽器の方の写真が、フラッシュを使って撮影したら、その楽器の反射光が見事に顔に入ってしまっているのですね。これは、カメラの小さなモニターではまずわかりません。というか、こんなことは初めてです。そのまま使うわけにはいかないので、なんとか、その光があたった部分を修正しなければいけません。
 まあ、こんな感じで、なにも知らなければまずわからないほどには修正できました。作業自体は、いつもやっていることですから、それほど難しくはありませんからね。
 今回は、「展覧会」がらみの記事がたくさん入っています。みんな、かつてブログに書いたものばかりで、なんと「おやぢの部屋」までも、「展覧会」という濃さですよ。毎回の演奏会で取り上げる曲についてのトークで成り立っているのが「かいほうげん」だと、久しぶりに思えるようなものになるはずです。ただ、今の段階でもまだ流動的なところがあって、全てのコンテンツが確定しているわけではない、というのが不安なところです。
aventure number : 2219 date : 2014/2/26


今日の禁断 カルメン

 今日は全国的に暖かい日和だったそうですね。こちらでも、あれほどしっかり凍りついていた根雪が、もうすっかりグズグズになっていとも簡単にスコップですくえるようになっていましたね。もうツルハシみたいな乱暴な道具を使わなくても大丈夫です。降ったままになって、誰も人が通らないようなところでも、場所によってはすっかり地面が見えるようになってたりしますから、太陽の力は偉大です。アスファルトではさすがにそうもいきませんが、ほんの1週間前にはとても車が入って行けそうもなかった駐車場も
このとおり、しっかり地肌が見えるようになっていましたよ。春はもうすぐですね。
 なんたって、明日からはもう3月なんですから、いつまでも雪が残っているわけはありません。そして、3月になれば最初の火曜日には新しい「かいほうげん」を発行しなければいけません。つまり、今日までには全ての編集作業が終わっていなければいけなかったのですが、結局1ページ分だけ手つかずで終わってしまいましたよ。いや、別にさぼっていたわけではなく、目いっぱい仕事をして普通だったら間違いなく終わっていたはずのスケジュールだったのですが、なぜか終わりませんでした。それは、単純作業で思いのほか時間が取られてしまったからです。今回は、お願いしてあった原稿も全て間にあうように届いていましたから、あとは写真や画像を揃えればいいだけのことだったのですが、その「画像」が問題でした。つまり、「展覧会の絵」のトークに必要な譜例を揃えるのに、とても手間がかかってしまったのです。
 たとえば、こんな楽譜です。
 一見、普通のスコアの断片のようですが、これを作るためには、細かいところで切り貼りが必要でしたし、最後の小節などは別のページにあったものですから、段の間隔も違っていて、それこそ1段1段貼り付けなければいけませんでした。こんなものを結局15枚ぐらい作ったでしょうかね。
 あとは、ふと思いついて、前に作ってあった画像をやめて、こんなのに差し替えたりしていました。
 最後の段階になって、どうしてもスペースが足らなくなってしまって、少し隙間を作るために何か方法がないか考えていたら、こういう風に「ピンで止める」という形にするとかなり無理なレイアウトでもそれらしく見えることが分かりました。これでまた新しい「技」を使えるようになりましたよ。言ってみれば「反則技」ですがね。
 そんなわけで、このところ全然CDなどが聴けてません。聴きながら仕事をすると、結局どっちも集中できないということになってしまうもので。聴かなければいけないものはたくさんたまっているのですがね。最近EMIのカタログが殆どWARNERに移った関係で、e-onkyoからラトルのアイテムが大量に「ハイレゾ」でリリースされているので、それはぜひEMI時代のCDと聴き比べてみたいな、とかね。ところが、チラッとサイトをのぞいてみたら、それはすべて24/44.1という、殆どCDと変わらないスペックだったので、ガッカリしてしまいました。こんなのは聴いたってしょうがありません。というか、中にはSACDで出ていたものもありましたが、そのマスターもこんなものだったのでしょうかね。確かにEMIの場合、よくCDもSACDもあまり変わらないようなことを言われていましたからね。元の録音はこんな「ローレゾ」なわけはありませんから、こんな舐めた話はありません。
aventure number : 2220 date : 2014/2/28

14/3/2-14/4/9