2181(13/12/12)-2200(14/1/19)

今日の禁断 ホテル

 いよいよ本格的な年末になりました。変な言い方ですが、このところの時間の経過の早さは、まさに「年末」ならではのことなものですから。ということで、毎年恒例の堤町でのイルミネーションが夜道を明るく照らす季節が始まります。おそらく、12月に入ったあたりから始まったのでしょうが、最初に見たのは12月3日の練習日に、旭ヶ丘に向かう時でした。5時過ぎにはもう点灯していますからね。写真を撮ろうと思ったら、人がいっぱいいたので、やめました。その日は、実は技術委員会が練習後に行われる予定だったので、私は職場の会館をセッティングして、エアコンのタイマーを入れてから練習に向かいました。ところが、まだソリストからの連絡が入っていないために曲目の詳細が分からないということで、その会議が中止になってしまったのです。仕方なく、家に帰る途中にエアコンを止めるために職場に寄ることにしました。まあ、またイルミネーションの写真を撮るのもいいかな、と思いながら。そうしたら、まだ10時前だというのに、もうそれは消えてしまっていましたよ。去年までは確かにこの時間まではやっていたはずでしたが、なにかあったのでしょうか。
 結局、写真は次の週に撮れました。FacebookにはiPhoneで撮ったものを載せたのですが、こちらはNEX-6で撮ったもの。全然違いますね。

 12月になってうれしかったのは、「いじわるばあさん」の復刻版が出たことです。「サザエさん」の作者長谷川町子の作品ですね。これの単行本は全6巻を持っていたのですが、いつの間にかなくなっていたので、全く同じ装丁で出たのは、とてもうれしいことです。来年の1月と2月にそれぞれ2巻ずつ出て、全巻揃います。

 これらは、リアルタイムに当時の姉妹社版を買っていたものだったのですが、同じ作者のものでも「サザエさん」とはずいぶんテイストが違っているな、と、当時は感じていました。基本的にブラックユーモアの世界なんですよね。その背景には老人問題などもちりばめられていて、かなり深い味がありました。
 もちろん、「サザエさん」も、姉妹社版で全68巻を揃えて、今でも持っています。「いじわるばあさん」の場合は朝日新聞出版による完全復刻ですが、いまは「サザエさん」については初版と同じものは手に入れることはできないはずですから、これは貴重品ですよ。でも、おそらくそのうちに同じように全巻復刻されることでしょう。
 原作は新聞に連載されたものでしたから、その時々の世の中の模様(「世相」という言葉は、あまり好きではありません)が作品の中に反映されています。作品それ自体が、見事な風俗史料となっているのですよね。そこで、このたびオリンピックの東京への招致が、単に対抗都市の力不足による消去法から決まってしまったようなので、かつての東京オリンピックの時にはどのようにネタにされていたかを、見てみることにしました。



 奥付を見てください。昭和41年に発行された初版です。オリンピックは昭和39年ですから、この中にその頃の新聞に載った分が入っています。そうしたら、たくさんありましたね。盲目的にこの国家の大行事に従っている庶民の姿が、とても生き生きと描かれているのですよ。本当にこの頃は、全国民がオリンピックを見るためにテレビの前に集まっていたのですね。

 私のお気に入りはこれ。著作権に抵触しないように、たまたま机の上に開いて置いてあった本を撮った、という趣旨ですので。
aventure number : 2181 date : 2013/12/12


今日の禁断 モノレール

 鎌倉に行ってきたのは先々週のことでしたが、またまた東京方面に小旅行です。今回は劇団四季の「ジーザス」のジャポネスク・バージョンがあるというので、行ってきました。この作品については何度も書いていますが、ロイド・ウェッバーの最高傑作だと思っています。そして、それを日本で上演する時に大胆な「読み替え」を行ったこの浅利慶太の演出も大好きです。というのも、最近ではミュージカルの権利関係がかなりタイトになっていて、他のカンパニーが上演する時には音楽だけではなく演出もそのまま同じものを使う(もちろん、ロイヤリティも払って)ことが要求されることが多いのですが、この作品に関しては何の制約もなかったようなのですね。それで、こんな大胆な演出も可能になりました。もっとも、オペラの世界ではそれは当たり前の姿なのですがね。
 上演されていたのは、ミュージカルで使うことはあまりない「自由劇場」でした。私はここに来るのは初めてです。

 造りは他の四季劇場と同じ、2階席がやたらと前まで出てきている構造ですが、キャパがかなり少なめです。それだけ、間近でキャストを見ることが出来ます。久しぶりに見たのですが、ジーザスは変わっていたものの、ユダ、カヤパ、ピラトなど他の重要な役がかなり昔の人が歌っていたのが、結構驚きでした。この前仙台でやった「キャッツ」では、ほぼ全員変わっていましたからね。
 ただ、もちろんカラオケを使っているのですが、その音響があまり良くありません。というか、宮城県民会館も含めて今まで聴いた中では最低の音でしたね。音場が定まらなくて、音に現実味が全然ないのですよ。この劇場がストレート・プレイ用に作られたための、音響システムの欠陥なのでしょうか。
 演出は、相変わらずほれぼれするようなものでした。真っ白い大八車だけを使って、それを並べ変えたり照明で変化を付けて全てのシーンを作り出すというのは、殆ど天才の仕事です。これだけ見ると、浅利慶太ってすごい演出家だな、と思えるから不思議です。ただ、今回はこのプロダクションを見たのは多分4回目だと思うのですが、今まであまり気にしていなかったことがちょっと問題となって引っかかるようになりました。それは、音楽。このバージョンでは、演出に合わせてオリジナルの編曲ではなく、和楽器を使った独特のものに変えているのですよ。たしかに、それはこのイエスの受難の物語を「江戸時代の日本」に「読み替え」た演出プランと見事に合致しているように、最初のうちは思えていました。シーンを音楽が助けている、という、まあ至極当然の発想ですね。しかし、最近、オリジナルのアルバム・バージョンや映画バージョン、ミュージカル・バージョンとまとめて聴く機会があったのですが、そこで、この音楽は作られた時点で編曲も含めてとても完成度の高い作品に仕上がっていたことが分かったのです。
 そこでこの和楽器のアレンジを聴いてみると、なんとも間が抜けているのですね。例えば、多用されている変拍子は、きっちりしたロックのリズムの中でこそ生きているのでは、というようなことですね。確かに「和」の要素を手っ取り早く感じさせることは出来るかもしれませんが、その結果作品として最も大切だったものまでが抜け落ちてしまっているように思えてしまうのですよ。オペラでは、たとえば「指環」の舞台をアルゼンチンに移したとしても、そこにアルゼンチン・タンゴ風のアレンジを施したりしたらワーグナーの音楽ではなくなってしまいます。同じように、こんな「和風」になった「ジーザス」は、もはやロイド・ウェッバーの音楽ではなくなってしまっているのではないでしょうか。おそらく、浅利演出は、音楽でこんな小細工を弄さなくても、充分にその意味を分からせることが出来るものだと思うのですがね。
 今日のお昼ご飯は、東京駅でひつまぶし。

 終わってからまた東京駅の大丸で、ぜんざいのおやつでした。これは、鎌倉でおいしそうなお汁粉屋さんを見つけたのに、何回覗いてみても満席だったのであきらめたことへのリベンジです。
aventure number : 2182 date : 2013/12/14


今日の禁断 ムソルグスキー

 おととい東京に行った時の帰りの新幹線は、東京駅のホームでなんだか変なことになっていました。実際には何が起こったのかは分かりませんが、「こまち」の車両のうちの1両に「不具合」があったので、6両編成が7両編成になったというのですよ。私は「はやて」だったので、別に影響はないのですが、「こまち」の人はなんだか座席を移動させられているそうでした。
 そんな余計な車両をくっつけても、ちゃんと時間通りには出発できるんですね。無事に東京駅を出た新幹線は、そのまま今度は上野に停まりました。あ、「はやぶさ」じゃないから、上野にも停まるんだ。あとは大宮に停まって、次はもう仙台。あっという間ですね。
 そんなことを考えていたら、突然車内放送が、「次の停車駅は仙台。仙山線、仙石線はお乗り換えです」というアナウンスを始めましたよ。えーっ。もう仙台に着いちゃうの?いくらなんでも早すぎ・・・。そうしたら、すかさず、今度は車掌さんが真っ青になって(いや、顔色は分かりませんが)、「ただ今は、自動放送の不具合で、大変ご迷惑をおかけしました。次は大宮です」と、訂正のアナウンスを言ってます。そう言えば、さっきのはなんか機械的な話し方でしたね。その言い訳が、「『こまち』の車両に不具合があったため」なんだそうです。なぜ、車両を増やすと上野の次が仙台になるのかは分かりませんが、なんとなく納得してしまいますね。まあ、でも、CDの帯のミスプリントみたいに笑って過ごせるミスだったから、一安心。多分、大宮で停まった時も、仙台だと思って降りた人もいなかったようですし。
 と、月に2回も東京方面に行くことはおろか、そもそも東京に行くことなどはまずないと思われる私ですから、しっかり地元に根付いた活動に全力を注がなければいけません。当面の「活動」は、ニューフィルの春の定期演奏会です。本番はまだまだ先の話ですが(でも、来月にはチラシやポスターが出来上がります)、それへ向けての練習は始っています。
 私の場合は、今回は「展覧会の絵」の担当。実は、ニューフィルでは20年以上前にこの曲を演奏しています。その時はすでに団員だったので、私はこれが2回目となります。その時のパート譜もしっかり取ってあったのですが、今回は新たに配られたまっさらなパート譜を使うことにしました。書き込みもありませんし、印刷もなんだか少しきれいになっているみたいですからね。よくよく見てみると、楽譜の版下は全く同じようですが、タイトルの文字などが違っていますし、そもそも出版元が別でした。

 昔の楽譜には、フルートには出せない低いB♭の音が書かれています(矢印)。ラヴェルは、フルートでこの音が出せると思っていたのか単にオーボエとのユニゾンで機械的にコピーしただけなのかは分かりませんが、書いてあるからには出してやろうじゃないかと、その時私はこんな風に楽器を改造しました。

 いえ、そんな大げさなことではなく、楽器の端に半音分の長さのチューブを差し込んだだけなのですけどね。

 ところが、新しい楽譜を見てみると、そのB♭の音にはカッコが付けられているではありませんか。

 別に、無理して出すことはない音だったのですね。でも、確かに昔はそんなことをしてもあまり音は出なかったものが、この間の練習で試してみたらかなり響く音が出てきましたよ。それでもまず客席に聴こえることはありませんが、吹いていてとても気持ち良くなったので、ここはアタッチメントを付けてやってみることにしましょう。
 新しい楽譜は、ここだけではなく、その先のミスプリント(赤枠の中)もきちんと直っていましたね。でも、他のところにあったミスプリは(しかも2ヶ所)、そのままでしたね。
aventure number : 2183 date : 2013/12/16


今日の禁断 カチューシャ

 きのうは、ニューフィルの今年最後の練習でした。ずいぶん早いのでは、と思われるかもしれませんが、その次の週だと月曜日が祝日で、通常の火曜日練習が出来なくなってしまって参加者が少なくなるのと、木曜日にするともうクリスマスを過ぎてしまうので、もはや練習どころではないだろうという判断で、今週で〆ることになっていたのでした。お互い帰り際に「よいお年を!」などと声を掛け合っていると、なんかもうすっかり年が押し迫って来たような気がしてしまいますね。
 そんなわけなので、私にとっての今年のニューフィルを振りかえってみることにしました。まずは1月、しばらく行ってなかった新年会です。どうも最近はあまり楽しくなくなってきたので足が遠のいていたのですが、その前の年の新年会の写真を見ると新しい人も加わって割と楽しそうだったので、ちょっと様子見に。まあ、行ってみればそれなりに楽しめるものでしたし、なかなか話をする機会のない人と話せたりして、収穫はありました。
 今年は、春の定期演奏会の前に、もう一つ演奏会が入っていました。それは多賀城の「第9」です。主催者に「他にどこも引き受けてくれるオケがない」と泣きつかれて、スケジュールを工面、その前の年の角田での「第9」をスライドさせてもう1回、というノリで強引にやることにしたんでしたっけ。しかし、これはそんなに甘いものではなく、指揮者があくまで自分の音楽を作ることにこだわったために(もちろん、悪い意味で)、なんとも疲れる演奏会になってしまいました。
 そして、その1ヶ月先には春の定期、これは久しぶりに全ステージ2番で乗るという私にしては珍しいケースでしたが、これはこれで疲れるものでしたね。その打ち上げの時にみんなが撮った写真の中に、ひときわ素晴らしい画質のものを見つけて、そこで初めてカメラのセンサーの大きさが画質に大きな影響を及ぼすことを知るのです。そうなると、もう今までのしょぼいデジカメには我慢が出来なくなってしまい、ついにミラーレス一眼を買ってしまいました。その成果はまさに驚異的、「かいほうげん」に使った写真は見違えるような美しさに変わっていましたよ。新入団員で写真を掲載された人が、ご自分の写ったページを額に入れて飾っているというほどですからね(ちょっと大げさ)。
 秋の定期にはしばらくぶりで新田さんを迎えるということで、何かと盛り上がりました。なんせ、Facebookの「友達」が指揮をなさるというのは初めての経験ですからね。なにかとネットを通じてのアクションがあって、いろいろ新鮮な場面も体験できました。新田さん関係の写真などを公開すると、アクセスが跳ね上がるということをリアルタイムに味わって、ネットのすごさ、あるいは怖さを身にしみて感じるのでした。
 演奏会では前半が降り番だったので、客席やステージ袖で写真を撮りまくりました。改めて思い知らされる新しいカメラの威力。もうこれは手放せません。なんせ、高画質の動画まで撮れてしまうのですからね。
 そして、今年最後のステージは角田の「第9」でした。これはあいにく前日のリハーサルには出られなかったのですが、それをFacebookで呼び掛けたら期待通りに、たくさんの写真を撮ってくれた人がいたので、感激です。すごいのは、本番当日に必要な駐車パスを、しっかり撮ってアップしてくれたことです。このコンサートの前半のステージは、オーケストラの伴奏で合唱がクリスマス・メドレーを歌いましたが、そこで途中から団員がこんなかぶり物を付けて盛り上げる、という「演出」がありました。

 これは、頭全体にとめるトナカイの角、その他にサンタの帽子とかいろいろありましたね。最近スーパーのレジのおばさんが、全員、直接頭に刺す飾りを付けていたのでびっくりしましたが、どうやら巧みにピンで髪にとめていたようですね。これは、ある程度髪の量がないと、本当に頭に刺さってしまいます。
aventure number : 2184 date : 2013/12/18


今日の禁断 ユーチューブ

 仙台は朝のうちは雪模様だったのが、次第に雨に変わって、結局一日中冷たい雨が降り続いていました。この時期の雨は、雪よりも冷たく感じられます。そんな嫌なお天気の中を、郵便物を出すために北郵便局まで行ってきました。これは、職場の毎年末の恒例行事、顧客へのDMの発送です。封筒に入っているものは、暦とお札、会費納入用の振替用紙(料金着払い)、そして、私の労作の「お便り」です。
 この「お便り」は、職場版「かいほうげん」といった感じのものですが、あんなにボリュームがあるものではなく、横長A5で4ページというコンパクトな仕様です。1年間の職場の行事を写真入りで紹介するというのが、メインになっています。ですから、その中にはニューフィルの金管のメンバーにやっていただいたコンサートも取り上げられていますよ。そして、一番重要な記事が、今年行われた建物の復旧工事です。ただ、それを写真で紹介すると膨大なスペースが必要になって、とてもこんな小さなところには収まりません。かといって、写真集みたいなものを作ったりすると、定型料金をオーバーしてしまいますし、そもそもそんな冊子を印刷するだけの手間をかけるだけのエネルギーはありません。そこで、以前も書きましたが、ずっと前からあった職場の公式ウェブサイトに、そういう写真を中心にしたページをまず作って、そこへのリンクをこの「お便り」の中にQRコードと一緒につけてみたのです。

 これと同じものが、その「お便り」には印刷されています。まあ、実際に目にするのはお年寄りが大半なのでしょうが、最近ではそのような高齢者でもスマホを使いこなしているにとだっていますし、ご家族の中ではもっと若い人が代わりにアクセスして、見せてあげる、といった場面だってあるでしょうから、まあ結構な方がこのページを訪れてくれることを期待しているのですがね。この中で、実は一番最後に動画サイトへのリンクも設けてあるのですよ。それは、Facebookにはアップしてある、新しくなった鐘楼の鐘を初めて撞いたときの動画です。ただ、そこに直接リンクすると、スマホの場合ログインが求められたりして、ちょっと素直には見られない、というところがありました。それで、改めて、もっと汎用性のある動画サイトにアップし直したのですよ。そうしたら、こちらはFacebookみたいに間引きをされた粗い画質ではなく、ほぼオリジナルに近い画質でアップできました。もちろん、ここだったら何もしないですぐリンクできますから、スマホだったらQRコードを読み取って、あと少し操作を行えばたちどころにディスプレイに動画が再生されることになります。
 これを、職場にいる母親の目の前でやってあげたら、もうびっくりしたのなんのって。確かに、紙の上にiPhoneをかざすだけで、たちどころにテレビみたいに鐘をついている模様が目の前に広がるのですから、まるで「魔法」のように見えたに違いありません。そんな場面が、あと2、3日すると顧客のご家庭で見られるのでは、と思うと、なんだか楽しくなってしまいます。この動画には「再生数」が表示されますから。それがどのくらいまで伸びるのか、とても楽しみです。
 そんな一式を封筒に詰めるだけで、丸3日かかってしまいました。そして、いざ発送という時にこの雨です。封筒にはあて名がインクジェットで印刷されていますから、雨にあたったりしたら滲んでしまいます。ですから、ポリエチレンの風呂敷で厳重にコンテナ(3つになりました)をくるんで、車に乗せたり降ろしたりする時に濡れないようにして、郵便局に持って行きました。あとは、別納郵便の伝票を書いて、数を確認してもらい、料金を払えば終わりです。もちろん、それは前もって計算しておいたのと全く同じ金額でした。これで、今年の私の仕事は終わりです。
aventure number : 2185 date : 2013/12/20


今日の禁断 テッチリ

 いよいよ、今年も最終日(大みそかとも言う)を目指してのラストスパートが始まっています。そんなあわただしい中をクリスマス・イブの日に入籍したいなどというカップルがいたりして、それに必要な書類に記入するために一席設けたいなどと言い出せば、出かけていくしかありません。和食のフルコースはフグ料理のオンパレード、お刺身から鍋など、食べきれないメニューが次々に出てきます。それだけではなく、黒毛和牛のステーキなどという「洋皿」まで付いてます。

 そこで取り出されたのは、半分ぐらいは記入済みの「婚姻届」という、市役所に提出する書類です。私もずいぶん昔に書いたような気がしますが、こんな薄っぺらな紙だったような記憶はありません。なんか、もっとしっかりした用紙で、あちこちに金色の装飾が施されているような気がするのですが、きっとそれはただの記憶違い、もしかしたら「賞状」と勘違いしていたのかもしれません。

 もちろん、毛筆で書いたりする必要もなく、私が記入する「証人」の欄には、ごく普通のボールペンで書いても構いませでした。ただ、そこでしばらく使ったことのない「本籍地」なんかを聞かれているので、一瞬分からなくなってしまいましたよ。私が最後に本籍地をどこかに書いたのは、いったいいつのことだったのでしょう。
 きのうはそんなことで半日つぶれてしまったので、この連休中に予定していた今年最後のミッションである「年賀状作り」には暗雲が立ち込めてきました。この機会を逃すと、もう来年にならないとそんなヒマはなくなってしまうかもしれません。それで、とにかくデザインだけでもなんとかしようと思って素材を探してみたら、意外と簡単にうってつけのものが見つかりました。図柄はともかく、シンプルなイラストなので抽出して加工しやすい、というのがポイントです。適当にパーツを作って組み合わせたら、まあそれらしいものが出来たので、一応愚妻に見せて承認を取ります。ある意味、この作業が例年最も難航するところなのですね。やはり、大幅な手直しを要求され、結局、こんなところに落ち着きました(部分)。

 今日はもうどこへも出かけないことにしていたので、朝からそのあとの作業にかかりきりです。午前中にはレイアウトもきっちりと固まり、あて名印刷も半分は終わりました。そのあとは、私はそんなに手をかけないのですっかり出来上がってしまいましたよ。まあ、愚妻の方は、これからがいつも大変なので、今日中には終わらないだろうと思っていたら、いつの間にか全部作り上げていましたよ。ですから、今までは私の分だけ先に出していたものを、まとめて全部出せてしまいました。こんなに早く出来上がってしまったのは、おそらく史上初めてなのではないでしょうか。環境が変わると、こんなことも起こってしまいます。
aventure number : 2186 date : 2013/12/22


今日の禁断 カキフライ

 クリスマス・イブとは言っても、今年の我が家は頭数がすくなく、特になんということもなく過ぎようとしています。クリスマスケーキを買うこともなく、普通の日と同じように晩ご飯を食べようとはしましたが、やはりあまりにもわびしいので、セブン・イレブンで一番安いブッシュ・ド・ノエルを買ってきて、食べてみることにしました。

 いかにもなスイーツなので、全然期待はしていなかったのですが、これがとてもおいしいのですね。作っているのは山崎のようですが、最近のこの業種は競争も厳しいようで品質も上がっているのでしょう。とんだところで、幸せな気持ちになれました。ほんと、そこそこ有名なお店で手を抜いて作られたのよりもはるかにおいしいかもしれません。
 名声、というか、人気にあぐらをかいていると、つい基本的なところがおろそかになるというのはよくあること、きのうもそんな残念な体験をしたばかりです。以前街中のビルの中にあったさる料理店が、最近大野田あたりに一軒家のお店を構えたという話を聞いて、愚妻はぜひ行ってみたいと言っていました。なんでも、開店前から駐車場で待っている人がいて、なかなか大変そうなほど人気があるそうなのですね。そこで、出来るだけ早く目的地に着くように、早目に家を出ました。場所はネットで大体の見当を付けて行ったら、すぐ分かるところでした。ただ、駐車場の入口が交差点を曲がった先にあるのに気付かないで、Uターンをしてしまったので、もう1回戻ってさらにUターンをしなければいけませんでしたけれどね。その時には、駐車場にはそんなに車はいませんでした。
 並んでいる人なんか誰もいなかったので、そのまま入口に向かいます。入口には日替わりメニューみたいなものの大きな看板が出ています。入ったところからは客席は全然見えないのですが、そこで待っているような人もいません。ただ、普通こういうお店だと、入ったとたんに愛想のいい「いらっしゃいませ!」みたいな声がかかるものですが、なんだか静か、カウンターにいた店員さんが、なんだか下を向いて仕事をしています。一応、「○人で来たんですが」と言っても、何の反応もありません。客商売でこんな愛想の悪い対応なんて、ちょっと考えられませんよ。
 と、しばらくの間があって、奥から女将風の人が現れ、「たった今満席になってしまったので、もうご案内できないんですよ〜」と、こちらはうって変わって不自然なほどの愛想笑いをふりまいて、そんなことを言い始めました。言葉こそていねいですが、そこには明らかに、「予約もしないでノコノコやってくるなんて、いったい何を考えているのでしょう」というような、まるで西門和枝のような卑しい心根が見て取れました。
 受付の店員の冷たい対応といい、この女将のわざとらしい態度といい、ご飯を食べに来てこんな不快な思いをしたのは初めてです。いかに人気のあるお店だと言っても、こんな思いにさせるようなところにはもう二度と来る気にはなりません。
 気を取り直して、もう一つの愚妻のリクエストで、今度は鈎取のお蕎麦屋さんに行ってみました。ここにはとても気持ちの良い、まさにあるべき姿の対応がありました。ただ、評判のお店だとは言っても、肝心のお蕎麦はいまいちだったというのが、難しいところです。
aventure number : 2187 date : 2013/12/24


今日の禁断 クリスマス

 今年の年末と来年の年始は、なんと9連休にもなってしまうのですね。特に何の操作もしなくても、自動的に普通のサラリーマンのお休みが見事に隙間なく並んでしまった結果なんだそうです。一応私も土日祝日は人並みに休むという生活をしているものですから、この「恩恵」にあずかることが出来ます。
 ただ、これだとちょっと困ったことも起きてきます。このサイトに隔日で毎回確実にアップしている「おやぢの部屋」のためのネタは、実は職場でないと集めることが出来ないのですよね。自宅にもそこそこのオーディオ・システムはありますが、のんびりスピーカーの前に座っていることなど許されません。しかも、細かい音の違いなどを聴きとるためには、やはり使いなれた、よくチューニングのされた職場のシステムでないと、なかなか「本当の」音が聴こえて来ないことも分かっています。まあ、私の場合、ほとんどがデスクワーク、時には、単純作業の繰り返しなどもありますから、そんな時には「ネタ」を聴くと仕事もはかどります。年末の顧客メールの封筒づめをやった時には、ワーグナーの「オランダ人」がBGMでしたし。
 それに、聴いていてちょっと気になることがあった時に、職場だと資料や楽譜がすぐ手元にあるので、簡単に調べることもできますからね。一体どんな職場だとお思いでしょうが、ここは仕事部屋兼練習室兼CD収納兼書庫兼リスニングルームなんですよ。
 そこに9日間も行かないとなると、その間のアップに耐えるだけの「在庫」を作っておかなければなりません。いわゆる「年末進行」ですね。それが、きのうあたりで一息ついて、やっと少し時間に余裕が出来たので、12月に行われたニューフィルの行事、角田の「第9」とヴィオラパートの忘年会の写真をまとめたページを作ってみました。いや、写真を撮った人からわざわざデータが送られてきたものですから、これはちゃんと仕上げないといけないな、というプレッシャーを与えられたからなのですがね。例によって、画像を選んでサイズを縮め、ソースを書き換えるだけで簡単に出来てしまいました。公式サイト→演奏会→団員用写真集から入って(パスワードが必要)、ドラマを感じてみてください。
 プレッシャーと言えば、この間ヴェルディを歌ったら大学の混声合唱団のOBに知り合いが出来て、今度現役の混声がテレビに出るので見てくれ、というような圧力が、Facebook経由で伝わってきました。前に書いた、混声の大先輩の小田和正が大学のイメージソングを作った関係で、彼のライブ番組にその歌を歌いに行ってきた、ということらしいのですね。その放送が夕べあったので、話の種に録画しておいて、さっき見終わったばかりです。
 いやあ、その混声のパートだけ見ようと、前の部分は飛ばそうと構えていたら、いきなり吉田拓郎なんかが出てきたのには驚きましたね。その二人が歌い始めると、もうすっかり引き付けられてしまいましたよ。まず、小田さんのコーラスが、本当にすごいです。こんな素晴らしいものを聴けて本当に幸せでした。そのあとのコーナーでも、スキマやいきものやスタレビに小田さんが加わったコーラスは絶品でしたね。ただ、そのあとのミスチルは、飛ばさなかったのを後悔しましたがね。この二人が達郎をカバーするのは、ちょっと違うような気がします。

 そして、さっきのイメージソング「緑の丘」のコーナーでは、東北大の総長から来た手紙を小田さんが読むところから始まって(もちろんヤラセでしょうが)、混声合唱団が直々に指導されるところまで紹介して、バスで東京(舞浜)までやって来たという団員の歌が始まりました。さすが混声、素晴らしいハーモニーでしたね。でも、彼らのルックスは、いかにも地方の大学生という感じ(「イカトン」という言い方は、まだあるのでしょうか)で、とても素朴なものを感じました。いや、それは、彼らと一緒にヴェルディを歌った時にも感じたことだったんですけどね。やはり、仙台の大学には、東京などにはないものが確実に残されています。
aventure number : 2188 date : 2013/12/26


今日の禁断 二グロ

 前回の「禁断」は、例によってブログにコピー、それをFacebookでシェアをしたら、それをさらにシェアしてくれた方がいたものですから、ブログに貼りつけた「いいね!」ボタンのカウントが、史上3位ぐらいの数に跳ね上がっていました。もちろん、それは小田和正の番組に出演した東北大混声のネタがらみで、混声OB、OG諸氏のアクセスがあったからなのでしょう。
 でも、その番組関連のことを書いたのは後半だけ、前半には全く個人的なことを書いていたので、私のことを知らない人が見たらなんのこと、と思われたと思うと、ちょっと複雑な気分です。まあ、それがネットというものなのでしょうけど。
 ところで、あの番組の途中では、小田さんの学生時代の写真なんかも紹介されていましたね。そもそもあのコーナーの頭では「青葉もゆる」が、おそらく男声合唱で歌われていましたから、そこで時代が何十年か前にスリップしてしまいました。プロジェクターでそれこそ「白い教室」が映し出されたりすると、小田さんとは確実に同じ空気を吸っていたことを実感できました。ただ、あの写真にあった教室は二階建てでしたが、私は主に平屋の教室で講義を受けていたような気がします。今のキャンパスからは想像もできませんが、当時はそこにあった進駐軍の施設をそのまま使って教室にしていましたから、講義のたびに一旦外に出て、別の建物に行く、ということを繰り返していたはずです。確か、教室の場所を示した地図のようなものを渡されたのですが、それがなければとてもたどり着けないほどに、あちこちに散らばっていたはずです。ですから、今でも、次の講義に行こうとするのに、いくら歩いてもたどり着かないという不条理な夢を見ることがありますね。
 学年は私は小田さんの3年下だったので、確実に同じキャンパスにいたはず(混声合唱団の練習場は川内にありました)ですが、小田さんは混声、私は男声でしたから、当然直接の接点などはありませんでした。ただ、その頃は「七声会(しちせいかい)」という市内の大学合唱団の連合体があって、毎年春に合同の演奏会を行っていました。最後にはみんな一緒にステージに乗っていたので、私が1年生の時には間違いなく小田さんもそのステージにいたはずなのですね。
 番組では、その頃の小田さんの写真が何枚出てきたので、それを頼りにまだ家にあったその1968年の6月8日に行われた演奏会の集合写真を見てみることにしました。

 ご覧のように、当時の大学生の(少なくとも仙台では)男子は、例外なく詰襟の学生服を着ていましたから、ここで真っ黒く見える部分が男子学生の塊です。顔を見てみると、前の方にいる集団が男声合唱団の人たちでした。この頃は60人以上いたんですね。うん、みんな分かります。ということは、後の一群が混声合唱団の男声と、学院グリーということになりますね(宮教大もいたかな?)。おそらく、こんな小さな写真では本人でない限り分かりっこないのは承知の上で、思いきり拡大して見てみたら、なんだか面影がある人が見つかりました。白丸の中がきっと小田さんに違いありません。というか、そういうことで私の中では納得です。拡大すると。

 私は、もちろん今と全然変わってませんから、すぐ分かるでしょ?でも、このフレームの中の人で、すでに2人が故人となっていましたね。

 実はこの1週間後、6月15日には、東北大学交響楽団の「第9」の演奏会に、やはり男声合唱団と混声合唱団、そしていまはもうない女声合唱団が出演していました。その写真もアルバムの隣に貼ってあったのですが、さすがにそれは小さすぎて、私自身の顔すらも分かりませんでした。
aventure number : 2189 date : 2013/12/28


今日の禁断 チロル

 いよいよ今年も終わりです。もうあとは何もないだろうということで、今年1年の演奏会などを振り返ってみることにしました。
 今年の公式行事はまずニューフィルの新年会で始まったのですが、最後の締めくくりもニューフィル関係での飲み会となりました。なんと、今日みたいな押し迫った日のお昼に木管を中心にした会食をやりませんか、というお誘いがあったので、午前中は大掃除のまねごとなどをしてから、駅前まで出かけてきました。元オーボエのメンバーで、今はドイツ在住のRちゃんが、このたびご結婚なさったということで、御主人と一緒にゲストで参加、結局木管だけではなく金管からも2人加わって、日本語、英語、ドイツ語が飛び交う楽しい会になりました。

 一番奥にいるのがそのご主人、フルートを吹かれるそうです。まあ、飲み会の苦手な私にしては、マメに顔を出した1年だったのではないでしょうか。私は写っていませんが。
 演奏会については、こんな感じでした。
  • 3月3日:三善晃の合唱宇宙(青年文化センターコンサートホール)
  • 3月17日:多賀城「第9」(多賀城市文化センター)
  • 4月14日:仙台ニューフィル第56回定期演奏会(川内萩ホール)
  • 6月15日:東北大学交響楽団第160回定期演奏会(川内萩ホール)
  • 10月20日:仙台ニューフィル第57回定期演奏会(東京エレクトロンホール宮城)
  • 12月1日:角田「第9」(えずこホール)
 前にいた合唱団から、人が足らないのでぜひ出てくれということで、殆どゲネ本で乗った合唱の演奏会以外は、一応オーケストラの演奏会だけのように見えますが、6月の演奏会は合唱として参加したものです。おそらく、これに向けての練習や本番が、今年の中では最も印象深いものだったのではないでしょうか。合唱の練習は確か1月ごろから始まっていたはずですが、そんなことがあることを知ったのは、3月の合唱の演奏会の時でした。それから参加登録、なんとか遅れを取り戻そうと張り切って行ってみたら・・・。でも、ヴェルディの「レクイエム」はぜひ歌ってみたかったので、極力気にしないようにしてかなり大量の練習をこなしました。まあ、この曲の魅力の入口ぐらいまでは覗けたかな、ぐらいのところだったので、もし機会があればぜひリベンジしてみたいものですね。
 でも、全く予想外のことだったのですが、今までほとんど縁のなかった別の合唱団の人たちと、親しくなれてしまいました。「副産物」ってやつですね。
 実は、この他にもう1回、12月24日にも演奏の予定が入るかもしれない、という状況にありました。さる教会のクリスマス礼拝のときにヘンデルの「メサイア」の一部をやるのだけれど、オーボエの人が出られなくなったので代わりにフルートを吹いてもらえないか、というメールが、パート譜のPDFと一緒に送られてきました。正確な情報が知りたかったので「フルートは私一人ですか?」と聞いてみたら、もう一人の人がいて、2本でお願いしたいということでした。この日はちょっと別の用事もあったのですが、そういう事情だったら無理してみようかな、と、楽譜を見てみたら、オーボエは1番も2番も全く同じ、ユニゾンで吹くようになっていたのですよ。それだったら、別に私が行かなくても、一本だけで大丈夫なのでは、と言って、丁重にお断りしました。そこまで見てなかったみたいですね。でも、そのもう一人のフルートが急に風邪で出られなくなったと切羽詰まった様子で電話がかかって来た時には、もう私の予定は完全にふさがってしまっていましたとさ。
aventure number : 2190 date : 2013/12/30


今日の禁断 ナクソス

 あけましておめでとうございます。今年も、当サイトをよろしくお願い致します。例によって、今年の年賀状の公開です。

 今年は午年なので、馬のイラストを使っていますが、それが2匹だけというのが、今までとちょっと変わっているところです。まあ、昨年はそんなことで、たった1年の間に環境がガラリと変わってしまいました。終わってみればあっけないというか、そんなものか、という感じだったのですが、結構心労はありましたね。新しい体験は、楽しんだ方がいいに決まっているのに。
 そんな「新しい体験」は、別のジャンルでもありました。きのうの「おやぢ」に少し書いたように、やっとネット音源を使ってのハイレゾ再生という、今までになかったことに挑戦し始めたところです。それに関して、もう少し詳しく書くということが、「ハイレゾ元年」にあたっての私のけじめみたいなものになるのでしょう。
 ハイレゾに限らず、ネットよる音楽の配信はもうごく一般的なものになっています。その結果、今までの音楽流通のツールであったCDなどは、早晩なくなってしまうのだろうという観測まで出ているほどですね。ただ、このやり方には、ずっと抵抗を感じていた私は、自慢じゃありませんが今までにi-Tunesなどから音源を買ったことは一度もありませんでした。それは、まず音質がCDよりも劣っているからです。それと、そういうやり方は、短い曲を扱うポップスの世界では問題なく通用しても、クラシックのように連続して長時間一つの曲が演奏されるものには馴染まないような気がしていました。まあ、交響曲で楽章ごとに分ける、ぐらいのことでしたらそんなに問題にはなりませんが、そのような切れ目のない長い曲、たとえばR.シュトラウスの交響詩などでは、CDだとトラックに分けて途中から聴くことが出来ますが、それを配信の場合は別のファイルとして扱うために、連続した音楽が複数のファイルのつながりという形になってしまいます。ダウンロードした時には、きちんと順番通りに再生すればそれはしっかり連続して聴こえるのかもしれませんが、NMLのようなストリーミングでは、ファイル間で音が切れてしまうことを防ぐことは出来ないのですよ。
 最近になって、配信の音源でも、オーディオ・マニアをターゲットにしてハイレゾ音源を提供するところが出てきました。配信というのは基本的に同じファイルをコピーするという作業ですから、CDなどのように工場で生産して在庫を持つという必要が一切なくなって、どんな小口の需要にもこたえられるようになるはずです。そうなれば、こんな殆どマニアしか目を向けないようなものでも、充分に商売としてやっていけることになるのでしょう。ですから、これは原理的には大変ありがたいことです。同じハイレゾ音源を扱うSACDやBAでは、ある程度の数がまとまらなければ、つまり、「売れる」ものでなければ出せないものが、配信ではそれこそ「1本」からでも売ることが出来るのですからね。
 しかし、今のところは、なかなかそのような理想はかなえられないようです。なにしろ、クラシックに限れば、音源の絶対数があまりにも少なすぎますからね。ほとんどはSACDなどですでに出ているものばかりなので、それと同じもの(実際に聴いてみて、おおむね、それは間違いないことが分かるようになりました)をわざわざ買う気にはなれません。
 さらに、販売する側のスキルが、あまりにもお粗末なものであることも、分かってしまいました。先日「展覧会の絵」を全曲購入したら、「古い城」のあとのプロムナードのあとに、いきなり「ビドロ」が聴こえてきたので、びっくりしてしまいました。さらに、その先のプロムナードの次も、「サミュエル・ゴールデンベルク」になっているのですよ。つまり、「テュイルリー」と「殻を付けた雛」の2曲がカットされてしまっているのですよね。でも、同じ曲のCDではそんなことはありません。ダウンロードのミスかな、と思って最後まで聴くと、さっきの2曲は一番最後に入っていましたよ。
 なんでそんなことになったのかは、すぐ分かりました。それぞれの曲のファイル名が、01、02・・・と続く中で、その2曲だけ「6」と「9」になっていたのです。だったら、ファイル名順に並べればそれらは一番最後に来てしまいますよね。こんなミスが出るということは、PCの操作に慣れていない人が、手作業でファイル名をいちいち付けているのでしょうね。こんな最先端の「商品」が、そんなお粗末な体制で作られていることを知って、とてもがっかりしているところです。
aventure number : 2191 date : 2014/1/1


今日の禁断 ピアニスト

 もう今年も3日目になって、初売りやら病院やらと、忙しく奔走しています。いや、愚妻が歯が痛くなったというので、車でないと行きにくい休日専門の診療所に連れて行かされたのですがね。そういう切羽詰まった人はたくさんいるようで、待合室はいっぱい、さぞや待たされるだろうと思ったのに、診察室が5つぐらいあって、どんどん呼ばれていきますから、すぐに終わってしまいましたよ。
 年末年始にかけてのテレビは、なかなか見ごたえがありましたね。なんたって「紅白」では、冒頭、NHKホールのプロジェクション・マッピングでまず度肝を抜かれてしまいましたよ。私は、基本的に「あまちゃん」を見るだけのためにチャンネルを合わせていたので、その期待には存分に応えてもらえました。北三陸にいるはずの春子やユイちゃんが、瞬時に渋谷に現れるなんて、すごすぎます(いや、このネタはすぐ分かりましたが)。
 その裏番組だった「今年のクラシック界を振り返る番組」は、ついさっき録画を見ましたし、元日の「ニューイヤーコンサート」は「禁断」を書きながらチラ見していたのですが、そのどちらにも私の「知り合い」がゲストで出演していたというのも、すごいことです。まあ「知り合い」というのはどうにでも取れる便利な言葉なのですが、I尾さんもO田さんも、私のブログに直接コメントを寄せられた方、という程度の間柄ですから、ご安心ください。奥Dさんの場合は、それこそWOWOWでクラシック番組が始まったばかりの頃から案内役としてテレビに出ていましたから、安心して見ていられますが、飯Oさんは私が知る限り全国ネットのテレビは初めてのはず、というか、動画はおろか写真でもこの方の顔は見たことがなかったので、まず「生顔」が見られるだけで楽しみです。
 正直、そのお顔を見た時には、真逆(これは「まぎゃく」ではありません。今読んでいるかなり昔のミステリーの中にこの言葉が出てきてびっくりしたのですが、「まさか」を漢字で書くとこうなるのでした)こんな眉だとは!と思ってしまいました(ごめんなさい)。ブログなどから想像したものとは全然違うじゃないですか。でも、NHKならではのお約束の中にも、CLASSICAさん独自の斬新な視点が随所にちりばめられていて、楽しめました。いや、笑えました。思えば、昔は必ずこの番組は真剣に見ていたものでした。その頃は偉い「評論家」の方が、まさに年末にふさわしい重みのある話で1年間の音楽を締めくくっていたものですが、そんな、まさに「教養番組」だったものが、今ではしっかりエンターテインメントに変わっていたのですね。つまり、「クラシック」というもの自体のとらえ方が、そのように変わって来たからなのでしょう。いつの頃からか、そのあまりに硬直化した権威主義ゆえに遠のいていた番組に、はからずも彼が出るということで久しぶりに接してみたらそんな感慨を持ってしまいました。
 番組の中で、小澤征爾と村上春樹の対談集について、「かみ合うところとかみ合わないところがあって面白い」と語っていましたが、森田アナウンサーと彼との対話が、まさにそんなものだったのではないでしょうか。来年以降、その両者の割合はどのぐらい変わっていくことでしょう。

 さっきのユイちゃんが出演している「さよならドビュッシー」も、WOWOWで見ることが出来ました。こちらは、この間のNHKの数学ガールのような無理をしたキャラではなく、ユイちゃんのイメージに近いものでしたね。ですから、映画だけを見る分にはそれなりに熱演で頑張っていたので「よくやったね」と言ってられるのでしょうが、あいにく原作を読んでいたもので、この後半のプロットの改悪にはとてもついていけませんでした。これでは、原作の唯一最大の魅力が、完全になくなってしまっているではないですか。
aventure number : 2192 date : 2014/1/3


今日の禁断 ソユーズ


 9連休とか言ってても、あっという間に終わってしまうものなんですね。そこで、ここにきて休み中にやりたかったことをまとめて片づけることにしました。まず、きのうは映画。評判の「ゼロ・グラビティ」を映画館で見てきました。予告編はテレビでさんざん見ていたのですが、これはなんたって大画面向きだな、と思って、ぜひ映画館に行ってみたかったのですよ。もっとも、「3Dがいいよ」と言っている人もいましたが、あれは結構疲れるのでとりあえずは安く(1000円)見られる2Dにしましょう。それに、このあたりでは3Dだと吹き替え版になってしまうので、それもいやだな、と。
 上映は1日2回になっていました。封切は12月半ばでしたから、普通だとこれでもほとんどお客さんはいなくなっているのですが、30分前にチケットを買った時には希望した後のゾーンは殆ど満席でしたよ。まだまだ人気が続いているのがうかがえます。始まった時も、やはり後ろ半分は満席でした。
 映画は、もう始まった時からものすごい映像に圧倒されてしまいます。そこに押し寄せるカタストロフィー、まさに「手に汗握る」といった感じで、しばらくの間は見動きすらできないほどのとんでもない緊張が続きます。隣でポップコーンを派手に音を立てて食っていた奴も、食べることを忘れてスクリーンに見入っているのがわかります。
 とりあえず、最初の危機が収まったのですが、もうそれだけでお腹いっぱい、この先同じような緊張がまだまだ続くと思うと、もう席を立って映画館から逃げ出したい衝動に駆られてしまいましたよ。確か、こんな感じをだいぶ前にも味わったな、と思ったら、それは「ジュラシック・パーク」を見た時だったことに気が付きました。それだけ、恐怖の体験がリアルさを持っているということになるのでしょう。逆に、その映画のように、最後には必ず幸せな結末が待っているはずだから、それまではしっかりこの過酷な体験を味わおう、という気にもなりました。と、頭では分かっているのですが、一体こんな中でどうやって幸せになれるのか、とても想像できません。先が見えないこと、それがとてつもないリアリティの中で繰り広げられることが、こんなにも恐ろしかったなんて。
 というわけで、90分にわたる宇宙での体験、存分に味わうことが出来ました。こうなると3D、いや、IMAX 3Dでも見てみたくなりますね。一番近いIMAXは浦和ですか。
 いつものことですが、この映画の邦題は頂けません。原題の「Gravity」が持っている意味は、映画の最後にはっきり示されます。そこには「ゼロ」なんて全く必要ないのですよ。もしかしたら、同じ時期に上映されているつまらない邦画「永遠のゼロ」を意識していたとか。そちらを見に来たお客さんが間違ってこちらを見るのを期待するなんて、さもしい根性の表れだったら、悲しいですね。

 実は、初売りでこんなセラミック・ヒーターを買ってきました。お店に置いてあったのが、不思議にあったかかったんですよね。温風が出てくるのにモーター音もそんなにしませんし。実際いままでただの電気ヒーターを使っていた私の書斎で使ってみると、とても足元が暖かくて、なかなかいい買い物でした。誤算は、音が結構大きいこと。お店ではバックグラウンド・ノイズが結構でかかったんですね。
 そんな快適な環境で、あと一つの連休のミッション、「おやぢ」の原稿を書きました。元になる本は読んでいたのですが、なかなか取り掛かれなかったものが、一気に2本も書けてしまいましたよ。
aventure number : 2193 date : 2014/1/5


今日の禁断 ジャン・バルジャン

 映画の「レ・ミゼラブル」を劇場で観たのは去年の2月でしたが、それがもう去年の暮れにはWOWOWで放送されていました。最近、この局では本当に見たいと思えるような映画があまり放送されないような気がしていたので、もうそろそろ契約を打ち切ろうかな、いや、ドラマもやってるし、METのオペラも一応定期的にやってくれますから、それはまだ我慢した方がいいのかな、などと考えているところでしたから、これは待っていてよかったと思いました。1年も経たないのにもちろんHDで放送してくれるのですから、BDを買うよりずっとお得ですからね。
 それで、何度も再放送をやっているうちの一つを録画して、あとで見ようとBDに焼いておきました。同じ頃に、こちらはステージでやった最新のライブの模様も放送されていたので、そちらも見なければいけませんからね。これは、なんでも初演から25年ということで、その記念にアリーナクラスの大きな場所で「コンサート形式」で上演されたものでした。同じようなので、「オペラ座の怪人」というのもありましたね。

 これは、そんな大きなところでやるのだからさぞや大味な仕上がりになっているのだろうと多寡をくくっていたら、とても素晴らしいものでした。オーケストラをステージの上にあげて、その前で衣装を着たキャストがマイクの前で歌うというやり方です。一応セットも組んであって、キャストたちも最小限の演技を行っているのは、まさにオペラの「コンサート版」のような感じです。まず、それぞれの歌手が、とても素晴らしいのですよ。正直、映画を観た時にはステージでは絶対に味わえないスケールの大きさには驚かされたものの、肝心の歌があまり感心できないものだったのですね。まあ、それはある程度仕方がないものだとは思いましたが、現実にこんなに素晴らしく歌われているものを聴いてしまうと、やはりこれが本来のレベルなのだな、と思ってしまいます。このミュージカルの、本当の味を、ここで初めて知ったような気がしましたね。
 そして、録っておいたBDを見てみると、やはり大スクリーンで見てしまったあとでは、その壮大さはなかなか伝わっては来ませんでしたね。音も、前に書いたように、BSの音質はかなりひどいものであることが分かってしまいましたから、映画館の音に比べたら(あの時には、かなり欠点も目立ちましたが、それでも)全くがっかりするようなものでしかありませんでした。
 そこで改めて聴いた歌も、なんだかいずれもさっきのステージの物に比べると格段にレベルが下がって感じられてしまいます。歌ではなく、演技で見せようとする姿勢が買ってしまっているのですね。あれほど素晴らしいと思っていたアン・ハサウェイの歌も、たしかに演技としてはとても感動的なものはありますが、改めて音楽を聴くと、到底ステージで聴けるようなものではなかったことに気づいてしまいます。
 確か、あの映画を作る時には、同時録音にこだわったようなことが、あちこちのメディアで語られていましたね。その点についてもBDを見ながらチェックをしていたのですが、確かにかなりの部分で、撮影の時に歌ったものをそのまま収録していたようなところが見られました。それは、演技としてのリアリティを出すという点ではは間違いなく成功していたとは思うのですが、やはりそうなってくると肝心の音楽が少し妥協を強いられるところもあったのではないか、という気がしてしまいます。結局、映画としてのミュージカルに何を求めるのか、という点が問われるのでしょう。少なくとも、私の場合は、音楽を犠牲にしてまで、リアリティを追及してほしくはないな、と思いますがね。
aventure number : 2194 date : 2014/1/7


今日の禁断 エクセル

 今年も、年明けの職場は大量に届いた振替用紙の整理に大わらわです。去年も同じようなことを書いた気がしますが、確かその時に、ATM経由で届いた用紙に、たまに差出人が書かれていないものがあるとも書いていたはずです。そして、それを教えてもらうためにゆうちょ銀行に問い合わせたら、なんとも理不尽な切れ方をされたことも書きました。要は、こちらが用紙を発送した時点できちんとATMの使い方を教えなかったから、こんなことが起こるのだ、という、文字通りの逆切れでした。念のために言っておきますが、こちらから送る時には、同封の手紙できちんと「ATMで送金される時は、差出人の欄をご確認ください」と伝えてあります。これ以上、こちら側に出来ることなどあるのでしょうか。
 そんな対応をするようなゆうちょ銀行が、こういう欠陥があると分かってもシステムの不備を手直しすることなどは考えられません。今年も、やはり同じようなケースが出ていましたね。それも、なんと5件も。

 今年の対応は、若い(かどうかは分かりませんが、なんとなく)女性でした。予想通り、5件もあると電話で伝えた時点で、あからさまにいやな顔をされてしまいました(のかどうかは分かりませんが、なんとなく声の感じで)。ですから、また去年のようなことを言われたら、今度こそきちんと言ってやろうと身構えたのですが、とりあえずそんな責任転嫁をしないだけの聡明さはあったとみえて、きっちり5件とも調べてくれましたよ。うちぐらいの規模でもこんなに問題が発生しているのですから、もっと大きな事業所では、きっと相当な「書き忘れ」が発生しているのは想像に難くありません。そのたびに、職員の方は余計な仕事をしなければならないのですから、きちんとシステムを見なおした方が結局はコストダウンにつながるのでは、と、シロートは考えるのですが、ゆうちょ銀行にはそんな風に考える人はいないのでしょうかね。
 もし、さっきの画像を見て、去年のとは違うな、と思った人はよっぽどのマニアです。そうなんです。今年から、振替用紙の印刷の文面を変えてみたのです。基本、うちのような事業所では、毎年の決まった納入金はじかに来ていただいて手渡しをする、というのが、創業以来のならわしでしたが、それではなかなか大変だろうと、このように郵便局から送金できるようにしています。大半の顧客は、年間に収めるものが3項目あるので、今まではそれぞれの項目について別の用紙を使って収めてもらうようにしていました。まあ、こちらの都合としてはその方が整理も楽になりますしね。しかし、さる顧客の方から、それらを1枚にまとめたら、料金が安く済むだろうという御助言を頂いたので、まずは試験的にそれをやってみようと、今年はこういう風にしてみました。あ、もちろん、振替は料金着払いの用紙を送っています。ですから、確かに枚数が多ければ、それだけ料金がかさむのは分かっていたのですが、なによりも分かりやすさを優先させて、今まではそれぞれの項目を分けていました。それで多少料金が増えても、そんなに気にはならなかったのですが、逆に相手から気を使っていただいたので、試してみようと思ったのですね。こういう風にすると、どうしても理解できなくなるお年寄りが出てきますから、この様式を作るにあたっては、文面などを充分に検討しました。
 幸い、これを送った時にも特に問い合わせなどはなく、すんなり受け入れていただけたようです。そして、年末に来た分を集計してたら、料金は劇的い減少していましたね。
 ただ、私の仕事量は確実に増えることになってしまいました。保存や記帳のためには、最終的には項目ごとの用紙にして整理しなければいけないので、何らかの形でコピーを作らなければいけないのですよ。
aventure number : 2195 date : 2014/1/9


今日の禁断 ニッカ

 午前中は暇だったので、年末に放送していたのを録画しておいた「あまちゃん」の10時間に及ぶ総集編を見ることにしました。だいぶ前にも総集編はやっていたのですが、それはほんとに「ごく一部分」というものでしたから、こちらなら、かなり細かいところまで見返すことが出来るはずです。やはり、今となっては見方が全然違っていて、最初のあたりで出てくる祐太郎をきちんと確認できたのが、最大の収穫でした。あんなにセリフもしゃべっていたなんて、前は全く気付きませんでしたよ。
 ただ、やはりこれだけの長いものでもオリジナルに比べたらかなりの部分でカットされているのは仕方がありません。とは言っても、これだけは決して外して欲しくはなかったものがなくなっているのは、ちょっと残念でした。例えば「落武者」と「影武者」の絶妙の言い回しの違いとか、あとはもっと大事な、「潮騒のメモリー」のビデオを見るシーンなどは、ぜひ入れておいてほしかったものです。
 とは言っても、ほぼ1年ぶりに見直してみると、やっぱりこれはよく出来たドラマだったことがよく分かりますね。というか、すでに分かっているところでもとても新鮮な気持ちでウルウル出来てしまうのが、すごいところです。
 前半の東北編を見終わったところで、今度はニューフィルの総会があるので、出かけることにしました。いつものように、特に波乱もない総会でしたが、私としてはぜひこの機会に言っておきたいことがあったので、ちょっと発言してみます。つまり、今までニューフィルの練習日程をWebで公開する時に、携帯電話用のサイトでも専用の物をつくっていたのですが、それを、もう需要はないのではないかと思えるのでこの際廃止させてはもらえないか、という提案です。出席者の中で、ぜひ続けてほしいという人がいれば、それは取り下げようと思っていたのですが、予想通りに、もう必要のある人はいないことが分かったので、これで安心してこの携帯サイトをやめることが出来ます。結構、この別メニューを作るのは、大変だったんですよね。いや、単に書式を変えてコピーするだけなのですが、そこで間違いが出ないようにするのに、かなり気を使っていたものですから。
 それが終わると、いつものように(というのは、単に去年と同じ、というだけですが)、かなり時間があったので、去年とほぼ同じメンバーでちょっとお茶を飲んでから、新年会の会場へ向かいます。今年は、去年よりも参加者が増えていたようで、そのお店で一番大きな個室は満杯になってしまうほどでした。少しずつ、かつてのように人数が増えてきているのは、いいことなのではないでしょうか。そこで私は美人に囲まれて(と、Facebookには書きました)、いつになく楽しく宴会を過ごすことが出来ました。

 後半になると、お向かいに座っていたN岡さんが、iPad miniを取り出して、ニューフィルの公式サイトの写真集を開いて見せるようになりました。主に彼が撮った写真を、私が整理してページに収めたものなのですが、それをみんなで回し見していると、結構盛り上がってきましたね。こういうサイトを、特に大げさなパソコンなどを使わなくても簡単に見られるようになると、こんな使い方が出来るようになることを再発見です。つまり、こんな風に見られることも想定して、サイトを作ることも考えなければいけないのだな、と気づかされるのでした。

 しかし、こうやってかなり古い写真も見られるようになっていたなんて、もはやこのサイトにもしっかり「歴史」が刻まれているようになったのですね。○ッチーの若いこと。
aventure number : 2196 date : 2014/1/11


今日の禁断 カンタータ

 今日は、成人式、ではなく、合唱の演奏会のハシゴでした。実は、いまエストニアからやって来た男声合唱団が日本に来ていて、おととい地元の男声合唱団などとのジョイントコンサートを開いたばかりです。ただ、その日はあいにく私はニューフィルの総会があったので、聴きに行くことができませんでした。その合唱団が、今日の「男の合唱まつり」にゲストで出演するというので、ちょっと最初だけでも聴きに行ってみようと思いました。開演予定の12時半に「日立システムズホール仙台コンサートホール」に行ってみると、会場は満席、後に立ち見の人がたくさんいました。こんなに人が入ったところは初めて見ました。これはゲスト狙い?でも、そんなゲストだから出番はおそらく最後、まず聴けることはないだろうと思っていたら、なんと、いきなり最初に15分のステージを聴かせてくれたではありませんか。これはラッキーです。

 とても柔らかな音色で、男声とは思えないほどの緻密なハーモニー。これはすごいものを聴いてしまいました。本当はパリンカにちょっとした知り合いがそれこそゲスト出演することになっていたので、それも聴きたかったのですが、それは最後から3番目ということなので、ちょっと間に合いません。
 というのも、そのあと今度は「東京エレクトロンホール宮城大ホール」(ウソみたいですが、これが正式名称)にブラームスの「ドイツ・レクイエム」を聴きに行く予定だったものですから。着いた時にはもう開場されていて、ホールの前には誰もいませんし、なんだかお客さんも少なめ。2階のバルコニーに行こうと思ったら、3階以上は閉鎖されていて、お客さんは入れないようになっていました。私が座った一番前のバルコニーも、他に誰もいませんでした。ステージからは目立ちそう。ところが、開演間際になってどんどんお客さんが入ってきて、1階はほぼ満席、私のブースも、こちらは演奏が始まってからどんどん人が入ってくる始末。3階を開けなかったのはとんだ誤算でしたね。おそらく、1200人ぐらい入ったのではないでしょうか。うらやましいですね。
 最初のステージはまずシュッツの無伴奏のモテット。120人ぐらいで歌うシュッツなんて、どんなことになるのかと思っていたのですが、これがもう歌い出しから大人数を感じさせないようなとても繊細な音楽が聴こえてきたので、ちょっとびっくりしてしまいました。その上に、フットワークがとても軽くて、ポリフォニーでも、リズミカルなホモフォニーでも、自由自在に躍動感が伝わってきます。そう言えば、この合唱団を無伴奏できちんと聴いたのはこれが初めてだったかも。なんか、ものすごいポテンシャルを感じてしまいました。
 メインの「ドイツ・レクイエム」も、こちらは大人数の威力が最大限に感じられる、繊細なところからパワフルな部分まで、とても振幅の広い演奏でした。さらに、やはり表情付けがとても細やか、これは、オーケストラではなく、ピアノ2台の伴奏だったからかもしれません。おそらくオケが入ったら、これほどのていねいな演奏は出来ないのかもしれませんね。
 とは言っても、やはりオケを聴き慣れていると2台ピアノというのはちょっと違和感がありました。オケではあまり気にならない楽器のズレが、ピアノだけだととても目立つのですよね。この合唱がこのテンションでオケと一緒に歌ったところを聴いてみたいものです。いや、こういう合唱が、もしニューフィルと一緒に歌ってくれたりしたら、すごいことになるのではないでしょうか。なんせ、ニューフィルは最近はなかなかまともな合唱団と共演したことがなくて、合唱ってそんなもんだ、という先入観がはびこっていますからね。

 ところで、会場でもらったチラシによると、今年はこの後5月と9月に、この曲のオーケストラ版が演奏されるんですって。合唱にとっては、ハードルが高そう。
aventure number : 2197 date : 2014/1/13


今日の禁断 チロル

 知り合いの音楽団体などからは、「初練習」という声が聞こえてきます。もう1月も半分は過ぎてしまいましたからね。ところが、私のニューフィルではまだその「初練習」が行われてはいません。いや、確かに今年になってからの「練習」というものはありましたが、それは全体の練習ではなく「パート練習」だったのですよ。うちの場合、全体での合奏を2回やったら、1回は分奏かパート練習、という確固たるローテーションがあって、それを厳格に適応した結果、今年最初の練習が「パート練習」になってしまったということです。私の場合は、木管だけのパート練習というものが、先週ありました。
 しかし、そのパート練習にしても、今回練習する曲は決まっていて、そこで乗るメンバーしか出席する必要はありません。というか、出番もないのに練習に行ったってしょうがありません。実は、その曲は私は「降り番」だったので、本当は出ることはなかったのですが、2番フルートがお休みだったので、代わりに出てきただけのことです。そんな風に、パートの中でも出席しない人がいる練習はちょっと「初練習」というのははばかれるのですね。そういうのが、オーケストラと合唱団との違いです。いや、正確にはオーケストラの管楽器の人、ですね。弦楽器の人にとっては、原則「降り番」はありませんから。
 ということで、今週の練習が本当の意味でのみんなが集まる「初練習」ということになります。ただ、いつもの火曜日は、ハッピー・マンデーの次の日で市民センターはお休みなので使えずに、明日の木曜日にシフトしています。そうなると、普段でもこの曜日は都合が悪くて出られない人がいるので、やはり全員は揃いません。うまくいかないものです。
 そんなこととは関係なく、私の仕事はきっちり期限通りにやらなければいけません。それは、「かいほうげん」の発行です。この前出したのが、12月の「第9」のちょっと前ですので、その記事をまず載せなければいけませんし、そのあとはこの間の定期総会の議事録ですね。さらに、今年の秋の演奏会の曲目が、おそらくこの木曜日の練習の時の話し合いで確定するはずなので、これをトップページのネタににすれば、来週には発行出来るずです。
 という感じで、まあおそらく紙面が埋められるだろうという皮算用の元に、いつものように仕事を進めていきましょう。昨日までにもう半分の8ページは完成していますから、残りの8ページを今週中に作ればいいという、単純な話です。そのうちの2ページはまだ原稿が届いていませんが、きっとあさってには手に入るでしょうし。
 今日やったのは、角田での「第9」のページ作成です。これに関しては、実は前の日の会場リハーサルには、私は鎌倉にいたので出席出来ないということで、もし写真が撮れたら撮っておいて下さい、というようなお願いを、一部の人に伝えておきました。そうしたら、もう予想もしていなかったほど大量の写真が届けられたものですから、素材には全然困りません。もちろん、当日は私自身もたくさん撮りましたから、そんな膨大な中から選ぶのが、最初の作業となります。これは、もうどれも使いたいというものばかりで、本当に困ってしまいました。まあ、一部はすでにネットで使っていますから、そうでないものの中から、選び抜いたものをとりあえず紙面に並べてみたら、その時点ですでに何枚かはみ出すのは確実でした。それからさらに選別。それをレイアウトしたりすると、もうそれだけで今日の分の与えられた時間はなくなっていましたよ。結果、これだけは外せないな、と思っていたMさんの写真は、見事サバイバルを果たしました。

 あとは、忘年会とか新年会の写真も山のように集まっています。これらの中から選び出す作業は、もっと時間がかかるかもしれませんね。
aventure number : 2198 date : 2014/1/15


今日の禁断 アムロジン

 そんなわけで、きのうはニューフィルの「初練習」でした。とは言っても、やはりいつもの火曜日ではなく木曜日ですから、出席は芳しくありません。弦楽器のあるパートなどは、スタート時点でメンバーが一人しかいなかったりしましたからね。とは言っても、やっているうちにいつの間にか空席だったところが埋まっていって、終わる頃にはそれなりの人数が集まっているのですから、これはもうニューフィルの「底力」でしょう。なにより、ヴァイオリンがきちんと「合奏」に対応できるだけの人が集まっているのだありがたいですね。
 もちろん、管楽器でも来られない人がいます。フルートパートでも、ブラームスの1番担当が、どうしても仕事で来れないと、先週のパート練習の時に言っていましたから、私が代わりにそのパートを吹くことになっていました。まあ、だいぶ前に本番で吹いたことのあるパートですから、「吹けて当たり前」ということになるのでしょうが、なかなかそうはいきません。というか、1回やったものはある程度なかったことにして先に進まないと、新しい曲に入り込めないものですから。実際、これをやるためにさらってみたら、見事に「初心者」に戻っていましたからね。たとえ代吹きでもいい加減なことは許されないのがニューフィルですから、もう徹底的に練習しておきましたよ。
 合奏の前半は、そのブラームス、それだけやっておいても、やはり最初に合わせた時には、かなりヤバいところが出てきましたね。よくこんなんで本番吹けたな、と思うほどでした。でも、さすがに同じところを2回目にやった時には、ちゃんとやれましたがね。要するに、すっかり忘れたような気にはなっていても、体の奥の方にはその経験がしっかり残っていて、何回もやっているうちにそれが表に出てくる、ということなのでしょう。そう思ってみると、実は私はかなりの経験を積んでいることになりますね。ただ、それが形になってくるまでにはちょっと時間が必要だと。
 そして、後半は私の本来のパートの「展覧会」です。実は、最近はそのブラームスの準備に熱中していて、こちらはそんなに真剣にはやっていませんでした。というか、この間全体で通した時に、それほど問題なく吹けてしまったので、これは楽だな、と思っていたのですね。ところが、きのうはそんなところでことごとくミスってしまいました。これが「油断」というやつなのですね。これは、前にやった時には2番だったので1番のパートは吹いたことがありません。そういうものは、本当にきちんと練習をしていないと、すぐ出来なくなってしまう、ということがよく分かりました。練習の結果がもろに合奏に現れてくるのですから、恐ろしいですね。
 そして、今日になったら、この4月末の演奏会のチラシの「案」が、もう送られてきました。いつも通り、きっちり予定通りに作業が進んでいたのですね。実は、演奏会のプログラム用にちょっと今までの文章を手直しするところが出てきたので、それを2、3日前に送ってあったのですが、それはチラシにも使われていたもので、それがしっかり直っていましたね。早く送っておいて、正解でした。今回もとても素晴らしいものが出来上がっていますから、楽しみ、もう少ししたら現物をネットで公開できることでしょう。いやあ、ついこの間演奏会が終わったばかりだと思っていたのに。

 実は、最近こんなヤクを手に入れて、毎日服用しています。やりはじめてからというもの、なんか頭がスッキリしたようになって、根を詰めて仕事をしても前のように頭痛に見舞われることがなくなりました。いけないとは分かっていても、このヤクに頼れば、練習や「かいほうげん」作りに支障が出ることはありません。
aventure number : 2199 date : 2014/1/17


今日の禁断 リファイン

 本当に久しぶりに、髪を切ってきました。そうしたら、お店の内装がすっかり変わっていましたよ。入口を入るなり受付の場所が違うのですから、戸惑ってしまいます。以前はなんかシックでおしゃれなお店、という感じでしたが、今はガラリと復古調、アンティークな時計とか、鏡台もペンキがはげかかっているようなレトロな趣味です。確かに、このお店は外観がまるでガウディの「サクラダ・ファミリア」みたいな感じですから、こちらの方が似合っているのかもしれませんね。見たことありません?旭ヶ丘の、2階にはよく指揮者との飲み会に使っているイタリアン・レストランが入っている建物です。チーフのスタイリストさんがずっと昔からのお馴染みなんですが、かつては髪が多すぎるので少し梳いてもらっていたことが懐かしいほど、時の流れは過ぎていることが実感されるようになっている、この頃です。
 実は、来週の火曜日にはいよいよ新しい「かいほうげん」が発行されるので、先週までにほとんどの作業を終わらせていました。新年会の写真も、本当は先週の練習の時に別の人の写真をもらうはずだったものだ、あいにくお休みだったので、私が撮った分だけで作ってしまいました。出来るだけ出席していた人が全員入るようにレイアウトしたのですが、もともと写っていなかった人などもいましたね。

 それが、きのうになって郵便でその写真のデータが届きました。見てみると、私の写真になかった貴重なアングルのものがたくさんあるではありませんか。そこで、せっかくですので一部を差し替えてみました。こうなると、ほぼ全員まんべんなく入っているはずです。

 もちろん、その写真の主たる目的は、ネットの方のごく一部の人しか見られないページのためのものであることは分かっていたので、それを作ることも忘れてはいません。もう、データを見たとたんに、どれとどれをペアにしたら面白いか分かるぐらい、楽しい写真がいっぱいありましたからね。
 この作業は、年末にやった時よりもさらに無駄のないものになっていました。その時に、それまでは写真のファイル名が最初のデータそのものだったのを、写真のサイズを変えた時に001から020までにリネームして、さらにペアの表と裏にそれぞれ「_1」と「_2」を付けるということをやっておいたので、今回は別のフォルダーに、やはり001から020までの名前をつけた表裏のファイルを放り込んで、ページのソースのフォルダー名だけを一斉に「置換」してやれば、自動的にページが完成してしまうのですよ。要は、名前を付ける時にペアにする写真を見つけてしまえば、あとは機械的な作業だけで済むことになります。多分、1時間ぐらいで終わってしまったはずです。このページは、次回の飲み会の時にまたiPadでみんなの爆笑(嘲笑)を誘うことでしょう。
 4月の定期演奏会のチラシのデザインがほぼ決まったことはすでにお伝えしましたが、これもやはり「かいほうげん」に載せてみようと思っています。もし、明日ぐらいに結論が出ていれば、その現物を載せられますが、そうでなくても「手直しの可能性があります」というコメントを付けて、大体のコンセプトをお知らせすることぐらいは出来るでしょうからね。色んな案が提示されている中で、唯一変わっていないところがあるのですが、それがこの写真、ニューフィルの本番での演奏の模様です。

 実は、これは私が客席から撮ったもの、ですから、私はこの中には写ってはいません。
aventure number : 2200 date : 2014/1/19

14/1/21-14/2/28)