今日の禁断 |
キャッツ |
日本シリーズで今や全国の注目を集めた東北楽天ゴールデンイーグルス、そしてそのホームグラウンドの日本製紙クリネックススタジアム宮城(略称Kスタ)です。なにしろ、去年までは地上波でこの球場での試合が放送されることなどほとんどなかったものが、今年はもう連日テレビの画面に登場、日によっては地上波とBSの両方(正確には、それにCSも加わります)で同時に同じ画面を放送なんてことになっていますからね。こんな日が来るなんて、一体だれが想像していたことでしょう。
ただ、これだけ知られるようになったこの球場の名前が、今年いっぱいで変わってしまうというニュースには、ちょっとがっかりさせられてしまいました。なんでも、この名前を「買った」企業が、これ以上契約を更新しないことを決定したそうなのですね。今はこういう、「名前を貸す」見返りとしてなにがしかのお金を頂く「ネーミング・ライツ」という商売がごく普通のビジネスとして広まった結果、全国の公共施設がとんでもない名前で呼ばれるようになってしまいました。「CCレモンホール」なんて、ちょっと恥ずかしくて口に出来ないような名前が、堂々と使われていたりするのですからね。まあ、ここは最近になって本来の「渋谷公会堂」という名前に戻ったそうですが、なにしろさっきの球場などは、最初は「フルキャストスタジアム宮城」だったものが今の名前に変わり、それがさらに「改名」されるという事態になってしまったのですから、悲惨です。
でも、たとえば今まで「デブ」だったものが「ぽっちゃりさん」に変わってしまう、というように、物の名前などは変わってしまうのは当たり前の話ですから、これだって仕方がないことだとあきらめてしまうしかないんじゃないでしょうか。
なんて、他人事のように言っていますが、実は我々にも関わりのある施設が、やはりそんな事態に陥りそうだ、ということが、さっきの球場の名前のニュースのあとで報じられていました。ただ、これは確かのその建物の写真とともに、現在の「東京エレクトロンホール宮城」という名前を買っている企業が、いまだに次年度の更新をしていない、というコメントがあっただけで、その後の新聞やネットでは私は裏を取ることはできなかったので、いまいち確信は持てないのですがね。
一応、今までの経過を見てみると、さる企業がネーミング・ライツを取得したことに伴って、こういう名前に変わったのが2008年4月1日のことでした。その時は5年契約でしたが、満了となった2013年3月31日に、2014年3月31日までに、さらに1年間更新されています。ですから、今年もそろそろ更新の意向が企業から伝えられてもいい時期なのに、まだそういう手続きがされていない、というのが、さっきのニュースの内容でした。ですから、このまま更新されなければ、来年の4月1日以降は「東京エレクトロンホール宮城」という名前は使えなくなってしまう、ということになりますね。
実は、仙台ニューフィルでは、来年の4月26日に、このホールで定期演奏会を行うことになっています。ですから、もしかしたらその時にはホールの名前が変わってしまっているかもしれないのですよね。ただ、おそらく1月か2月には、この演奏会に向けてのチラシやポスターが出来上がっているはずですが、その時点では現行のホールの名前はまだ使われているのですから、そのまま使うことが望ましいのでしょうね。でも、本番の日にはホールの名前が変わっているとしたら、一体どうしたらいいのでしょう。まあ、「宮城県民会館」と、昔からの名前を入れておけば一番いいのでしょうが、実際にこんなことに頭を悩ますことになるなんて、この制度を導入した時には「宮城県」は絶対に考えてはいなかったに違いありません。目先の欲にとらわれて、最も大切なものを見失っていたのでしょうね。「名前」を軽々しく考えると、こんなことになってしまいます。愚かなことです。 |
aventure number : 2161 |
date : 2013/11/2 |
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