2161(13/11/2)-2180(13/12/10)

今日の禁断 キャッツ

 日本シリーズで今や全国の注目を集めた東北楽天ゴールデンイーグルス、そしてそのホームグラウンドの日本製紙クリネックススタジアム宮城(略称Kスタ)です。なにしろ、去年までは地上波でこの球場での試合が放送されることなどほとんどなかったものが、今年はもう連日テレビの画面に登場、日によっては地上波とBSの両方(正確には、それにCSも加わります)で同時に同じ画面を放送なんてことになっていますからね。こんな日が来るなんて、一体だれが想像していたことでしょう。
 ただ、これだけ知られるようになったこの球場の名前が、今年いっぱいで変わってしまうというニュースには、ちょっとがっかりさせられてしまいました。なんでも、この名前を「買った」企業が、これ以上契約を更新しないことを決定したそうなのですね。今はこういう、「名前を貸す」見返りとしてなにがしかのお金を頂く「ネーミング・ライツ」という商売がごく普通のビジネスとして広まった結果、全国の公共施設がとんでもない名前で呼ばれるようになってしまいました。「CCレモンホール」なんて、ちょっと恥ずかしくて口に出来ないような名前が、堂々と使われていたりするのですからね。まあ、ここは最近になって本来の「渋谷公会堂」という名前に戻ったそうですが、なにしろさっきの球場などは、最初は「フルキャストスタジアム宮城」だったものが今の名前に変わり、それがさらに「改名」されるという事態になってしまったのですから、悲惨です。
 でも、たとえば今まで「デブ」だったものが「ぽっちゃりさん」に変わってしまう、というように、物の名前などは変わってしまうのは当たり前の話ですから、これだって仕方がないことだとあきらめてしまうしかないんじゃないでしょうか。
 なんて、他人事のように言っていますが、実は我々にも関わりのある施設が、やはりそんな事態に陥りそうだ、ということが、さっきの球場の名前のニュースのあとで報じられていました。ただ、これは確かのその建物の写真とともに、現在の「東京エレクトロンホール宮城」という名前を買っている企業が、いまだに次年度の更新をしていない、というコメントがあっただけで、その後の新聞やネットでは私は裏を取ることはできなかったので、いまいち確信は持てないのですがね。
 一応、今までの経過を見てみると、さる企業がネーミング・ライツを取得したことに伴って、こういう名前に変わったのが2008年4月1日のことでした。その時は5年契約でしたが、満了となった2013年3月31日に、2014年3月31日までに、さらに1年間更新されています。ですから、今年もそろそろ更新の意向が企業から伝えられてもいい時期なのに、まだそういう手続きがされていない、というのが、さっきのニュースの内容でした。ですから、このまま更新されなければ、来年の4月1日以降は「東京エレクトロンホール宮城」という名前は使えなくなってしまう、ということになりますね。

 実は、仙台ニューフィルでは、来年の4月26日に、このホールで定期演奏会を行うことになっています。ですから、もしかしたらその時にはホールの名前が変わってしまっているかもしれないのですよね。ただ、おそらく1月か2月には、この演奏会に向けてのチラシやポスターが出来上がっているはずですが、その時点では現行のホールの名前はまだ使われているのですから、そのまま使うことが望ましいのでしょうね。でも、本番の日にはホールの名前が変わっているとしたら、一体どうしたらいいのでしょう。まあ、「宮城県民会館」と、昔からの名前を入れておけば一番いいのでしょうが、実際にこんなことに頭を悩ますことになるなんて、この制度を導入した時には「宮城県」は絶対に考えてはいなかったに違いありません。目先の欲にとらわれて、最も大切なものを見失っていたのでしょうね。「名前」を軽々しく考えると、こんなことになってしまいます。愚かなことです。
aventure number : 2161 date : 2013/11/2


今日の禁断 ヘリウム


 毎週日曜日に放送されている「ハードナッツ」は、「あまちゃん」の橋本愛が主演しているので、毎回見ています。ユイちゃんとは全然違う、まるで「のだめ」みたいなキャラで演じているので、とても面白いですよ。数学者の少女が謎解きをするミステリーという設定もすごいですし。ただ、そんな奇抜な設定にのみ頼り切ってしまった脚本が、ちょっとミステリーとしては詰めが甘く、毎回「?」が付いてしまいますが、まあ愛ちゃんに免じて許しましょう。しかし、きのうの回は、音楽と数学とを絡めた謎解きというので興味深く見ていたのですが、その「音楽」に関してはかなりお粗末な扱いでしたね。いや、まず「ピタゴラス音律」などという言葉が出てきたので、これはすごい、と思ったのですが、結局それは言葉が出てきただけで、それがいったいどういうものなのか、という説明は一切ありませんでしたし、なんと言っても「モーツァルトはピタゴラス音律を使って作曲を行った」というセリフには、唖然としてしまいました。これは、全くのデタラメですからね。困ったものです。
 その前にBSで放送していたのが、日本シリーズの7戦目でした。その前の日の6戦目に田中投手の先発で負けた時、だれしもが楽天の今年の日本一はダメだろうと思ったのではないでしょうか。なんたって、間違いなくその日に勝ちに行くつもりで「絶対負けない」田中に託したのですから、そこで負けてしまい、なおかつ今まで調子が出なかった相手チームの打者がすっかりいつもの打ち方を思い出してしまったというのですから、もうダメだと思うのは当たり前の話です。
 しかし、私は、7戦目は絶対に楽天が勝つ、と思っていましたよ。いや、それは、単に勝って欲しいという根拠のない希望ではなく、間違いなく勝つはずだ、という信念がありました。愚妻などはひたすら「もう負けるに決まってる」とネガティブでしたから、私がそんなことを言ってもかえって落ち込むだけだと思い、あえて口に出すことはありませんでしたがね。まさに、この日本シリーズというのは「ドラマ」でしたから、そのドラマを締めくくるためには、あえてクライマックスの前に一つ「タメ」を作り、そのあとに本物のクライマックスを持ってきた方が「ドラマティック」になるに決まってるじゃないですか。
 つまり、そんな「筋書き通り」のことを楽天がやってくれたおかげで、もう優勝決定の瞬間は不覚にも涙がボロボロこぼれてしまいましたよ。まさに、「感動」のツボを、思いっきり刺激された結果です。おかげで、それから丸1日以上経った今でも、その「感動」は薄れることはありません。この冷静沈着な私が、テレビでその瞬間が映し出されるたびに涙ぐんでしまうなんて、なんとものすごい「感動」を与えてくれたことでしょう。もちろん、それは、ずっと仙台に住んでこの球団が出来てからの全てを目の当たりにしていたから味わえる「感動」でした。地元の球団が日本一になるという体験をこんな地方都市が持つことだ出来たなんて、とても信じられません。

 今日は、そんな街の空気を肌で感じようと、朝早くからデパートの前に並んでみました。もういつもの10分前に開店するという気合の入れ方、限定商品なんかは、見る間に売り切れていましたね。もちろん、各階でセールはやっていたのですが、パジャマを買おうと紳士服売り場に行ったら、レジが1ヶ所しかないので、そこは長蛇の列になっていて係員が必死に整理をしていましたね。きっと彼らも、「日本一」の経験は初めてのことですから、予想以上の来客に戸惑っていたのかもしれませんね。

 店の中では、クラッチとクラッチーナの風船を持っている人をたくさん見かけました。入口が2つあったのですが、どうやら私が入った方ではないところで、みんなに配っていたようですね。もらえなかったのが、とても残念です。来年こそは、あっちに並んでもらってやりましょう。
aventure number : 2162 date : 2013/11/4


今日の禁断 デッカ


 Facebookにこんな写真を載せてみましたが、今日電気屋さんが鐘楼の中に蛍光灯を付けてくれて、やっと職場の復旧工事が完了したところです。そこで、やはり私が作っているその職場のホームページに、震災の被害からその一連の工事の経過、そして完成した姿などをまとめてみようと、いま鋭意制作中なんです。しかし、このページは10年以上前に作ったきり、ほとんど更新らしいことをやっていませんでしたから、改めてチェックしてみると、ディレクトリの階層などが、なんでこんなことになっているんだろうとあきれてしまうほど、変なことになっていました。それより、タイトルなどを作るための雛型のファイルがいったいどこへ行ってしまったのか、全く分かりません。10年の間にはPCも何台か変わっていますが、必要なものはその都度きちんと引き継いで来たはずなのに。なによりも、そのタイトルで使っていたフォントが、今のOSには入っていないので、それをそのまま再現出来ないというのが、大問題です。結局、全部のタイトルを新たに作りなおさなければいけないのかもしれません。やはり、これだけさぼっていると、手順を思い出すだけで大変です。
 このサイトは、最初はニューフィルのサイトに使っているフリーサーバーを使っていました。ただ、そのサーバーは何かと問題が多くて、出来れば手を切って新しいところに移りたいと思っていて、そのための準備で格安のレンタルサーバーに丸ごとミラーサイトを作っています。職場のサイトは、もうすでにそちらに完全に引っ越したので、こんな風にずっと更新しないでほったらかしていても大丈夫なのですが、フリーサーバーではそうはいきません。ニューフィルは定期的に更新しているので無事ですが、なにもしないでいると突然トップページにどでかい広告が出るようになったりするんですね。こんな感じ。

 まあ、これはないとしても、何かと使いずらいので早く新しいサイトに移りたいのですが、一つ問題なのが、当然のことですが、URLが変わってしまうことです。まあ、実際問題、検索すればそれほど不自由なことはないのでしょうし、今のサイトからジャンプ出来るような手がなくはないのですが、そうすると私のドメインがそのまま表れるようになって、ちょっとヤバいのではないか、という気がするのですね。一番いいのは、ちゃんとしたドメインを取得してしまうことでしょうが、それもだいぶ前に実際にやってみて、管理などが結構面倒くさいのが分かっていますので、いまいち踏み込むことが出来ないでいます。ちなみに、そのミラーサイトはこちらです。
 まあ、察しのいい方は、このURLを見てピンと来るかもしれませんが、たとえば演奏会の写真のダウンロードとか、練習の時の音源などを聴くために、すでに実際に利用していただいているサイトです。なにしろ、私自身のこのサイトはプロバイダーのサーバーなので、たった100MBしか容量がありませんから、このまま使っているともうすぐパンクしてしまいます。ですから、最近では画像は全てこちらのレンタルサーバーに送っています。こちらは月100円の使用料で10GB使えますから、まだまだ余裕たっぷり、最近では「禁断」や「おやぢ」では、画像をふんだんに使って、のびのびとやってます。
 その「おやぢ」では、CDだけではなく書籍などのレビューもやっています。そうすると、ごくたまに、その著者の方からコメントが寄せられることがあったりします。やはり、ああいう方はネットでの評判が気になって、日々検索しているのでしょうね。最近は、コメントではなくメールが届きました。やはり「おやぢ」で取り上げた書籍の著者の方からですが、その方は、今度新しい本を出したので、ぜひ私に読んでもらって、出来ればまたレビューを書いて欲しいので、その本を送るために住所を教えてもらいたい、というのですね。ちょっと「書評家」にでもなったみたいで、うれしかったですね。
aventure number : 2163 date : 2013/11/6


今日の禁断 マルミガヤ

 きのうの練習の時に、定期演奏会の時の写真を持ってきてくれた人がいたので、これで全ての写真が揃いました。全部で400枚ぐらいになったでしょうか。でも、結局一番たくさん撮っていたのは私でした。やはり、カメラがいいとどんどん撮れてしまいますね。あとは、これをいつものようにジャンル別にフォルダーに分けて、公式サイトからダウンロード出来るようにする作業が待っています。まあ、こちらは何度もやって慣れた仕事ですから、そんなに時間はかからないでしょう。写真そのものには何もしないでアップロードして(ファイル名は変えましょう)あとはひたすら単純作業の繰り返しです。
 その前に、職場のHPの更新もしなければいけません。震災の時の被害状況やその後の復旧工事の様子などを、きちんとまとめてみようという企画ですね。私は、職場でも広報係みたいなものですから、こんな面白い仕事をやらないわけにはいきません。それに備えて写真もたくさん撮ってありますから、それを集めて選別する作業がまず必要です。でも、撮る時にはなかなかいい写真だと思っていたのに、改めて見直してみるとそんな大したものではないことも分かって、実際に使えるものはかなり少なくなってしまいます。
 それでも、結局60枚ぐらいが最終選考を勝ち残って、HPに使われることになりました。あとは、それをもとにページを作っていけばいいだけの話です。そこで、今日1日かかって職場でそれを完成させようと思いました。目論見としては、毎年年末に出している顧客へのお便りで、その年の行事を紹介しているのですが、その中でこのページのURLを紹介しようとしています。そうすれば、とても紙面には収まらないような膨大な情報が伝わるはずですからね。つまり、そのお便りを作るためには、まずHPを完成させなければいけないのですよ。そこで、思いきってそれを丸1日で作ってしまおうとしたのです。
 今あるHPは、なんせ10年以上前のものですから、いま見なおしてみるとかなりひどい仕上がりになっています。特に写真が、もう全部撮りなおして差し替えたいほどのひどさです。まあ、それは無理なので、せめて新しく作る部分は、今まで築き上げてきたノウハウを最大限に活用してみようと思いました。要は、写真の処理ですね。ただ貼るのではなく、いちおうドロップシャドーのような「飾り」を付けて、少しは手を入れたところを見せたいじゃないですか。それを、60枚についていちいち手作業でやるのが、まず大変でした。
 そうやって素材が全部揃ったところで、あとは型どおりに写真をはめ込んでコメントをつければ出来上がりです。リンクなども整えて、転送すれば、全ての作業が完了します。興味がある方は、こちらで見てみてください。おそらく、今までブログやFacebookなどでさんざん登場した写真が満載のはずです。そう、結局そうやって、仕事と趣味を一体化させてしまうのが、私のやり方なのでしょうね。
 顧客用のお手紙には、URLだけではなく、スマホ向けにQRコードも付けようと思って、それも用意してみました。ところが、いざそれをiPhoneで読みとってアクセスしてみるとハデに文字化けしているではありませんか。ソースを見てみたら、昔のファイルをそのままひな型にして作っていたので、メタ情報の中に「Shift-JIS」が入っていなかったのですね。PCではなんともなかったのに、iPhoneで見て初めて欠陥に気が付きました。うん、これだけでもiPhoneに替えたことが役に立ってくれました。もちろん、それからサイト内のすべてのファイルに「Shift-JIS」のメタ情報を書き込んだのは、言うまでもありません。
aventure number : 2164 date : 2013/11/8


今日の禁断 フカヒレ

 スーパーに行ったら、もうこんなお正月用のしめ縄などを売るコーナーが出来ていました。いやあ、ついこの間買ったと思っていたら、もうそんな季節になっていたとは。もう、あまりの時の流れの速さには、とてもついていけない思いです。

 かと思うと、今朝の「サンデーモーニング」を見ていたら、日本シリーズの最終戦の模様をやっていたので、あれからまだ1週間しか経っていないことにも気づかされました。もう1ヶ月ぐらい前のことのように思えるのはなぜでしょう。本当に、時間の流れなんてのはいい加減です。
 その番組の中では、例によってかつて大選手だったプロ野球のOBが、「私が監督だったら、最終戦は絶対田中に投げさせはしなかった」と言ってましたし、ゲストで出演していた引退したばかりの元投手も「僕だったら、絶対いやだって言います」と言ってましたね。まあ、普通に受け取れば、田中投手がそれだけのとてつもない力を持った選手だということを言いたかったのだと思うところなのでしょうが、暗に、そんな無茶なことをやらせた星野監督を非難しているようにも聞こえましたね。私には、田中投手が、もしかしたら野球選手としての一生を棒に振るかもしれないような乱暴なことを、「自分から志願」したとは、とても思えないのですがね。
 まあ、そんなまるで別世界のようなドラマティックな出来事などは本当にどうでもいいのですが、実生活でも結構ドラマっぽいことがあったりすると、かなり盛り上がったりする代わりに、そのあとの疲労感がちょっとこたえたりします。全くの初対面の人と、1度だけ会ったことのある人を交えての会食、というのをセットしたのですが、なにしろ生まれて初めての体験ということで、いろいろ興味深いことを味わった、ということです。ただ、その会場として、広瀬通りに面した老舗ホテルの13階にある中華レストランの個室を予約して、そこのランチコースを出してもらったのですが、部屋から見下ろす広々とした眺望とは裏腹に、その料理のあまりのお粗末さに心底ガッカリしてしまいました。前に何度か、ここには来たことがあったので、料理に関してはきっと相手にも満足してもらえるだろうと思ってここを選んだのですが、しばらく来ないうちに一体何があったのか、昔のあの味は最後まで味わうことはできませんでした。ほんとうにびっくりです。同じ値段だったら、はるかにおいしいものが食べられるところはいくらでもありますから、本当に失敗したと思っています。もう二度と、ここに来ることはないでしょう。
 ところで、最近のCMにも、ちょっとびっくりさせられています。なんと、そのCMからは、ワーグナーの音楽が聴こえてくるのですよ。いや、たとえば「ワルキューレの騎行」なんかだったらしょっちゅう耳にしていますから別に驚いたりはしないのですが、それは同じ「ワルキューレ」の大詰め「ヴァオータンの分かれ」の中に出てくる「ブリュンヒルデのまどろみのモティーフ」なんですよ。移動ドだと「ド↑ラソミレド」という、そのあたりで何度も何度も現れる印象的なテーマが聴こえるのは、AUのCM。きゃりーぱみゅぱみゅが歌っている「もったいないとらんど」という曲です。サビの「♪もったいないから」という歌詞のメロディが、まさにさっきのモティーフなのですよ。

 実は、私はこの人が大好き。もちろんルックスは可愛いですが、なによりも歌が、アイドルにはあるまじき上手さなんですよね。というか、アイドル的な崩し方を全くしないで、ひたすら正しい音程でしっかりしたソルフェージュを聴かせてくれるのですよ。こういう人が10年ぐらい先には、いったいどんな歌を歌っているのか、とても楽しみになってきます。ほんと、10年なんて、すぐ経ってしまいますよ。
aventure number : 2165 date : 2013/11/10


今日の禁断 ホース

 初雪も降ったことですし、もはや年末も間近ですね(そんな・・・)。そこで、毎年気の早い私の母は、年賀状の準備に余念がありません。つまり、毎年私がデザインをやってあげているんですがね。手芸が趣味の母は、次の年の干支にちなんだ刺繍なんかを作って、それを素材にして年賀状を作っているのです。と、正確にはその作品を写真に撮ったりスキャンして、加工するのが私の役目です。
 そんなことを毎年やっていると、だんだん要求が高度になってきます。今年は、腕の骨を折ったりして「新作」は出来なかったので、前に作ったものを引っ張り出し、この刺繍に左の小さなガラスの馬を組み合わせて「荷車を引く馬」を作ってくれ、と言うのです。これは、いくら私でもハードル高すぎ。

 でもまあ、やってみましょうか。まずは馬を横にして写真を取ります。これだと、多分車を引く形にはなるでしょう。

 まず、まわりを消して馬だけのレイヤーを作ります。

 次は荷車です。問題は、取っ手のあまりの短さ。これは少し長く加工しなければいけないでしょうね。

 まず、荷車本体のレイヤーを作ります。

 取っ手だけ、コピペを繰り返して長くします。

 背景は、刺繍の状差しの裏側を使いましょう。

 素材を全部重ね合わせて、出来上がり。

 なんとか、それらしいものにはなったのではないでしょうか。
 そんな、他人の年賀状には早々と取り組むくせに、自分のこととなったらなかなか事は進みません。きっと今年も、私が年賀状を作り始めるのは年末ぎりぎりになることでしょう。
aventure number : 2166 date : 2013/11/12


今日の禁断 チェロ

 このところ、またぼつぼつとニューフィルの入団希望者が現れてきます。そのうちのお一人が、例によって公式サイト経由で連絡を取って来た人でした。そのメールが届いた時には、その差出人に何か見覚えがありました。ニューフィルのFacebookページに新たに「いいね!」をくれた人は、その時点で私のところに名前とプロフィール写真が届くようになっています。その方は、数日前にその「いいね!」をされた人だったのです。ただ、メールではまだ学生のような感じなのに、プロフィール写真は全然学生らしくない、ほとんど「おじさん」顔だったので、最初は別人だと思ってしまいました。でも、その人のFacebookに行ってみると、確かに同じ人でした。老けて見える学生さんだったのですね。
 それからパートリーダーにそのメールを転送したら、どうも次の練習の時に見学に来るように話が付いたようでした。これで、また若い団員が増えるといいですね。
 その練習日というのが、今日のことでした。いつものように駐車場から降りてきて市民センターのエレベーターの前で待っていると、地下鉄を降りた人がドヤドヤと前を通っていきます。と、その中に、どこかで見たような顔がありました。一瞬誰だか分らなかったのですが、思い返してみると、それはあのFacebookで顔を確認したばかりの人ではありませんか。どうやらここに来たのは初めてのようで、練習会場に行くにはどうやったらいいのか、あちこち探し回っているようです。よっぽど、近づいて行って「○○さんですか?」と聞こうかと思いましたが、それもなんだし、と思いやめておきました。それからその人は、外に出ていったみたいです。
 私がエレベーターでいつもの4階まで行こうすると、2階で止まって、そこから、さっきの人が乗ってきましたよ。一旦外から階段を昇って、やっとこのエレベーターを見つけたのでしょうね。こうなると、もう「○○さんですか?」と聞くしかありません。案の定、すごくびっくりしてましたね。それから、もう来ていた同じパートの人を紹介して、練習を見学してもらうことにしました。楽器は持って来なかったようですね。
 今日は、12月の頭にある「角田第9」の指揮者練習です。相変わらず明るい寿一さんは、1楽章からいつになくシビアな注文をつけつつ、流していきます。確かに、毎年やっているとはいえ、アンサンブルはガタガタになっていましたから、こういう厳しい練習が本当は必要だったのでしょうね。しかし、そんな中でとことんアホな話をしたりするので、その落差がたまりません。結局、いつの間にか練習が終わっていた、という感じです。おそらく、もう1回ある指揮者練習では、確実にもっと高いレベルの演奏が出来ていることでしょう。
 さっきの見学の方は、後に座って、スコア片手にずっと見てましたね。どうやら入団してくれそうな感触だったので、よかったですね。
 実は、今日はもう1組、ヴァイオリンあたりに見学者がいらしてました。「組」というのは、親子連れで来ていた、ということです。おそらくお母さんだけが入団希望なのでしょう。このパートの人が増えるのは、本当にうれしいですね。
aventure number : 2167 date : 2013/11/14


今日の禁断 トランペット

 今回の朝ドラは、始まってみればなんと前回の「あまちゃん」を軽く越えるほどの視聴率を記録して、快進撃を続けています。なんたって、1位を明け渡したのは楽天の日本シリーズの時だけ、というのですから、すごいですね。他のドラマなんかは全く寄せ付けない強さです。最近などは、まるで「おしん」のようなかなり陰湿な展開になっていても、その底に何か笑えるものがあるので、そんな救いのある展開が一層のファンを増やしているのでしょう。ほんと、いかにも朝ドラ的なこの展開には、とても楽しめます。
 実は、今日街に行ってたまたま本屋さんに入ったら、全く予想もしていなかった東野圭吾の新刊が文庫本で並んでいました。なんと「文庫書き下ろし」ですって。すっかり喜んで、さっそく読んでいるところですが、これがいつもの緻密なミステリーとはちょっと違った、どこか笑える展開だったのには、少し驚いているところです。なんたって、肝心の犯人が、登場してすぐに車にはねられて死んでしまうという間抜けな設定ですからね。それを追いかける人たちも、かなりドタバタ的なコメディアンたちなのですから、これもまさに朝ドラ的な作り方なんですよね。

 そんなストーリーと、ちょっとユニークな音楽が、今回の朝ドラでは光っています。劇伴を演奏しているのは、なんとウィーンのミュージシャン、名前こそちょっと胡散臭いものですが、実体はれっきとしたフォルクスオーパーのオーケストラの団員です。ということは、ウィーンでレコーディングが行なわれたのでしょうね。それが、ほとんどヨハン・シュトラウスとかフランツ・リストとか、ヨハネス・ブラームスとか、そのまんまクラシックという曲を演奏しているのですからすごいものです。何も知らなければ、これは本物の「クラシック」をそのまま使ったのではないか、と思えるほどの、それこそ「ウィーンのクラシック」の情緒をたっぷりたたえた音楽です。しかし、もちろんそんなわけはなく、オープニングのクレジットではしっかり「菅野よう子」という、あの駄作「花は咲く」の作曲家の名前がありますね。いかにも作曲科の課題制作のようなこんな音楽が、逆にドラマの設定とマッチしているのでしょう。「クラシック」は偉大です。でも、さすがにこれだけではまずいと思ったのか、最近ではフツーの劇伴っぽいものも加わっているようですけどね。
 ただ、前回は、オープニング・テーマはインストでしたし、挿入歌も全部大友良英が作っていたので誤解している人もいるかもしれませんが、ゆずが歌っているテーマ曲だけは、菅野よう子とは全く無関係の、アーティストのオリジナル曲です。最近CDも発売されたので、この曲だけの露出も目立っていますが、これは「テーマ曲」というよりは、もろ「タイアップ」ととらえた方がいいような、最初からヒットをねらって作られた曲なのでした。
 とは言っても、この曲自体は、こちらの「さくら色のワルツ」という曲の完全なパクリですね。というか、この「雨のちハレルヤ」のクレジットに、しっかり「さくら色」の作者(PVで篠笛を吹いている人)の名前が併記されていますから、正確には「共作という形をとったパクリ」ということになるのでしょうね。もう少し穏健な言い方をすれば、「ゆずによるカバー」でしょうか。だいぶ前に八神純子が同じようなことをやって騒がれたことがありましたが、この世界、いろいろな思惑が渦巻いているのは今も昔も変わりません。あ、フルバージョンでのドヴォルジャークはPDですから、なんの問題もありません。
aventure number : 2168 date : 2013/11/16


今日の禁断 ルスラン

 きのうは、なんとも充実した一日でした。諸般の事情で愚妻に連れ回されることがなくなって、丸一日自由行動が取れることになったのですよ。そうなると、しばらく行ってなかった映画が、まずファースト・チョイスですね。実は、MOVIXのポイントカードがもう終了するというのですよ。そこで、今まで貯めたのを無駄にしないためにこの間まで集中的に見た甲斐あって、1回分ちょうど残っています。それは、確か来年2月までしか使えないはずなので、忘れないうちに使ってしまわなければ。
 そこで、今上映されているものを探そうとネットを開くと、まず日常的にチェックしているFBのニュースフィードに「今日が本番」みたいな書き込みが並んでいました。そうでした。今日は市民響さんの定期演奏会の日だったのですね。確か、会場が名取市文化センターですね。それを聞いた時にはまず行くことはないだろうと思ったのですが、長町MALLのMOVIXに行くのなら、「ついでに」行って来れますね。
 というわけで、その線で時間を調べると、10時20分からの「清須会議」というのがありました。まあ2時間と見て12時半には終わりますから、名取の2時開演だったら楽勝、途中でお昼を食べる時間だってありそうですね。

 洗濯やらなんやかんやで、家を出たのは9時40分、一番混むはずの五橋あたりを避けて走ったら全くの渋滞なしで、上映開始の10分前には席に着けました。予想通り館内はガラガラです。席を選ぶ時も、しっかり隣に人が来ないところを取れましたしね。
 この映画は、前もって原作を読んでいました。ただ、それはあくまで「小説」という仕立てですし、それも、全てそれぞれの登場人物の一人称で「回想」だけが語られる、という、かなり前衛的な手法で書かれています。ですから、これをそのまま映画になんかは絶対出来ないな、とは思っていました。ところが、実際の映画ときたら、そんな小説の設定自体まで変えてしまうほどのものだったのですから、見事に「やられた!」と思ってしまいましたよ。これが三谷幸喜ならではのサービスなのでしょう。意地でも原作通りにはしないぞ、というような意気込みさえ感じてしまいました。なんたって、原作はイノシシ狩りだったのが、映画では「旗とりレース」なんですからね。
 とは言っても、映画そのものにはそれほど驚かされることはありませんでした。予想通りの展開で笑わせ、ひたすら物語が進行するというごく当たり前のものでした。彼の映画は、だんだんそのような「当たり前」のものになって行っているのが、ちょっと残念なような気がします。そんな中で、全く「笑わなかった」黒田官平衛役の寺島進には、強烈なインパクトを感じましたね。
 なんか、ダラダラといつまでも終わらないな、と思いながら、場内が明るくなって時計を見たらもう1時近くではありませんか。映画は2時間以上もあったのですね。これはうかつでした。こんな時間になってしまったら、お昼を食べる暇なんかないかもしれません。
 そのまま駅を横切って、最短距離でバイパスまで抜けたものの、そのバイパスがものすごい渋滞です。橋を渡ったら少しは流れ出しましたが、ホールに着いたのは開演15分前でした。さいわい、客席はガラガラだったので、ステージ全体が見渡せる2階席に余裕で座れましたけどね。
 久しぶりに聴いた市民響さん、ずいぶん上手になっていましたね。昔は弦楽器にかなり難があったような気がしますが、全然違います。「悲愴」冒頭のヴィオラパートなんて、ニューフィルよりうまいかも。でも、指揮者のせいなのでしょうが、「ガイーヌ」みたいなイケイケの音楽が、全然つまらないのですよね。「悲愴」でも第3楽章がえらく冷静に進んで、高揚感というものがまるでありません。ちょっとこういう指揮者とはやりたくないな、というのが正直な気持ちです。
 というわけで、結局4時半まで何も食べられなかったのでお腹はぺこぺこ。ちょうどバイパスに出たところに「かつや」があったので、ロースかつ定食を頼みます。ロースなのに脂身が全然なくて、肉はぱさぱさ、キャベツは私が切った方がよっぽど細いなという千切り、ご飯はべちゃべちゃと、こんなのをロースかつ定食なんて言ったら櫻家のは一体何なんだ、と思えるようなものでしたが、「空腹は最大のごちそう」は真理でした。
 
aventure number : 2169 date : 2013/11/18


今日の禁断 サンタクロース

 今の時期のニューフィルは、定期演奏会が終わってもすぐ次の「第9」の演奏会に向けての練習に明け暮れています。もう15年以上続いている、まさに「年中行事」ですから、今までの蓄えもあって、そんなに練習なんかしなくても出来るのではないか、と思うかもしれませんが、そうはなかなか行かないのがアマチュアオーケストラというものです。管楽器のメンバーなども微妙に変わったりしますから、最初の合奏のときなどは、やはりアンサンブルはガタガタになっていました。
 「第9」だけではなく、もう1ステージ、こどもの合唱団をメインにしてのオリジナル曲の伴奏などもやらなければいけません。これも、毎年ほぼ同じものをやっているのでそんなに練習することはないのですが、今年はなんでも「改訂版」を使うということで、殆どまっさらの状態で、その「オケ伴」に取り組まなければいけませんでした。
 編成も、今までよりちょっと贅沢になっていて、フルートは今までピッコロ持ち替えで2人でまかなえたものが、そこにもう一人専用のピッコロパートが加わっていました。今までは「第9」でさえ、3人用意できない時には2人でやっていたので、これはちょっと大変です。でも、パート譜を見ると、ピッコロの出番はほんの少しですから、もしかしたら2番フルートが持ち替えで吹けるかもしれません。この間、まずこの曲をやってみた時には、たまたまフルートが2人しかいなかったので、私がそれをやってみることにしました。しかし、実際にやってみると、両方吹けないことはありませんが、確実に1声部抜けてしまうところもありますし、休みなしで持ちかえなければいけないところがあることも分かり、出来ればちゃんと3人でやる方がいいということになりました。ですから、私は最初は降りるつもりでしたが、そのピッコロ専用のパートを吹くことにしました。ほんの3か所、全部合わせても20小節あるかないか、という超ヒマなパートですが、これでずっとステージに座っていなければいけなくなってしまいました。これはちょっと困りましたね。いつもは降り番の時に客席からリハーサルや、時には本番の写真を撮っていたのに、また、誰かに頼まなければいけなくなってしまいました。「第9」の前の楽章の間に、打楽器の人にでもお願いしてみましょう。

 きのうは、本番での「オケ伴」の指揮者、とは言っても、この間の定期演奏会ではエキストラとして加わっていただいた方による練習でした。その時に、もう一人見慣れない人がいたので、もしかしたら編曲者がチェックのために来たのかな、と思いました。ただ、その人はだいぶ前に本番の時に見ているのですが、ちょっと体型が違うような・・・。
 そのうち、練習が始まると、指揮者がその方を紹介してくれました。今年から新しく加わった合唱指揮者ですって。名前を聞いても分かりませんでしたが、案外どこかで一緒だったことがあるのかもしれませんね。練習が始まると、その方は合唱のパートを歌い出しました。きれいなテノールですね。本番でもソロを歌うそうです。
 今回のアレンジは、なかなか凝っていて、途中でディキシーランドのような部分が出てきます。トランペット、トロンボーン、クラリネットの3人がソロを吹き合うという、本格的なアレンジです。その間、ヴァイオリンなどは「バンジョーのように」演奏しているんですって。これは本番が楽しみですね。なんか、衣装も一工夫あるみたい。
 本番は12月1日、大河原のえずこホールです。
aventure number : 2170 date : 2013/11/20


今日の禁断 ボルト

 来週発行する予定の「かいほうげん」が、一応出来上がりました。

 これは1ページ目の写真ですが、ちゃんと最後まで中身が詰まっていますから、ご安心ください。今回は、これからの演奏会の情報などが、一旦は決まりかけたものがまた振り出しに戻ってしまう、というような状態だったので、このように最初のページは定期演奏会の写真で埋める、という、お約束のやり方になったということです。
 今回のコンテンツは、かなり早い段階で固まっていたので、そんなに焦らなくても作業は進められました。ちょっと遅れ気味だった原稿も、予想通りのページ数で、十分に間に合うように届きましたしね。ですから、最後に残ったのが、この1ページ目から続く、全部で3ページ分の写真集です。ご覧のように、1ページ目は本番の写真、そして、2ページ目には例の「動画」をキャプチャーして、そこにFacebookを見ていない人には目にできなかったはずの新田さんのコメントを載せました。たったいま思いついたのですが、そこまでやったのなら、動画をコマ割りにして「パラパラマンガ」を作ればよかったですね。でも、片面だと8ページしかありませんから、そこで「動かす」のはちょっと無理かもしれませんね。それよりも、動きが分かっても「音」が聴こえないことには全然面白くないでしょうね。
 そして、3ページ目に、打ち上げの写真です。まあ、これはあんまり刺激のない、穏やかな写真ばかり集めましたから、それほど面白い仕上がりではないかもしれません。というか、一応公式の団内紙ですから、そんな「面白い」ものを載せる方が間違っているのでしょうがね。ですから、この辺はあまり期待しないでください。
 あとは、他の人から写真と一緒に寄せられた原稿です。これも、一番後ろの「お知らせ」のページにこれと言ったものがなかったので、そこを埋めるのにとても役に立ちました。
 実は、今回は保存する時に今までの「.doc」ではなく「.docx」にしてみました。というのも、このところファイルをまとめて全ページの大きなファイルにする時に、常に書式やフォントが変わってしまう、ということを経験していたものですから、もしかしたら「.docx」ではそんなことは起こらないのではないか、という期待があったからなのです。もうかなり前からこの「.docx」が標準になっていたのでしょうが、私の場合は使いなれたものがちょっとでも変わってしまうと作業がやりにくいので、ずっと昔のままでやってきました。
 ところが、いざ「.docx」を使ってみると、機能自体は全く変わっていないのに、操作部分が全く別のところに移ってしまった、というのがたくさんあるのには、参りました。例えば、画像を挿入した時に、そのプロパティを決めるのには以前は全部「書式設定」で出来たのに、これだと位置情報の設定などは、別のところでやらなければいけないんですよね。なんで、今までの操作をそのまま継承させるというごく単純なことを、MSは守ってはくれないのでしょうか。
 それでも、さっきのファイルをつなげる時のトラブルが解消されていれば許せますが、そんな基本的なことが全く改善されていないのですから、いやになります。なぜ、ファイルをコピーしただけで行内文字数が変わってしまうのか、知っている方は教えてください。
aventure number : 2171 date : 2013/11/22


今日の禁断 バンカラ

 楽天のパレード、すごかったですね。とは言っても、実際に二番丁まで行ったわけではなく、テレビで見てただけなんですけどね。最初の情報では、市内の5局が同時に生中継、みたいなことを言っていたのですが、実際は全部中継をしたのは2局だけでしたね。でも、制作ではみんなが協力したのでしょう。なんでも、ヘリコプターからの空撮はNHKだとか、それで見ると、あの広い道路の半分を人垣が占めていたのは、壮観でしたね。
 そのうちに、Facebookで続々現地からの写真が届きます。みんな行ってたんですね。お天気が良くて、本当に良かったです。テレビ中継で解説者(こういうものにも「解説」が付くのって…)が言ってましたが、一番怖いのは「燃え尽き症候群」なのだそうです。来年はどんなラインナップになるのかは分かりませんが、また応援のし甲斐のあるチームであって欲しいものです。
 いずれにしても、こんな全国ニュースのトップを飾るような「大事件」が続々と起こって、ここ仙台はすっかり有名な街になってしまいました。そして、テレビの中に映った風景は、どこから見ても大都会です。でも、パレードの会場になったあの通りには、今ではあのように真ん中に中央分離帯がありますが、私の学生時代にはちょっと違っていて、分離帯は真ん中ではなく、両端の1車線分のところに、2本ありました。つまり、一番端の車線はバス停専用の車線で、それは「分離帯」というような大げさなものではなく、ほんの目印程度に間が大きく空いていましたから、バスは簡単に入って行けるようになっていたのです。ですから、その車線は原則普通の車は通れないようになっていて、そこはもっぱら自転車が走っていましたね。私の高校は連坊にあったので、そこを自転車で、ちょうど今日のパレードと同じコースをたどって五橋まで行き、そこで左折していたんですよ。すごいでしょ?もっとすごいのは、その頃のその高校の標準的なファッションだった「足駄(あしだ)」を履いて自転車を運転していたこと。知ってます?足駄って。

 こんな、ちょっと前まで朝ドラで悠太郎さんが履いていた、ものすごく歯の長い下駄です。ま、厚底サンダルみたいなものですね。これで自転車は大変でしたが、ファッションですから。
 そんな時代よりももっと昔から、仙台駅の北側には「X橋」という線路をまたぐ橋がありました。それぞれの東西の端が二手に分かれて2本の道路につながっていましたから、その形は上から見ると「>―<」という形になります。それが「X(エックス)」に見えることから、「エックス橋」という愛称で呼ばれていたのです。そのあたりはいかにも「駅裏」といった風情で、夜には一人では歩けないような怪しげなところでした。
 今では、このあたりはすっかり開発され、左下の道路をつぶして、そこに「アエル」が建っていますから、実際は「Y」を横に倒した形になってしまいましたし、東側はそのまま幅広い道路になってしまいましたから、もうそんな形も分からないようになっています。さらに、線路をまたぐ橋そのものも、現在新しいものに架け替える工事の真っ最中です。そこの半分だけが、ついこの間開通したばかり、きのうそこを走ってみたら、なんだか不思議なものが目に入りました。

 街灯が、1本の柱に車道用の大きなものと、歩道用の小さなものが付いていますが、それぞれの根元は、まさに「X」ではありませんか。これは偶然ではなく、意識してのことに違いありません。慣れ親しんだ「X橋」というものを後世に伝えようという、まさにモニュメントとして作られたものなのでしょうね。
 別の方向から撮ったものが、これです。

 もう少し大きくしてみましょうか。

 どうです。「X」がはるか向こうまで連なっていますね。誰が考えたのかは分かりませんが、こういうデザインのセンスには、とてもうれしくなってしまいます。
aventure number : 2172 date : 2013/11/24


今日の禁断 リンナイ
 我が家のキッチンで今使っているガスコンロが、かなり老朽化してきました。これが今までのもの。ビルトインタイプのものが、最初にここに入居した時についていたのですが、すでにそれは使えなくなって、これが2台目です。それが、もう点火用のつまみ(上に乗ってます)がみんな壊れてしまって、まだ大丈夫なものを他のところにも差し込んで、だましだまし使っているという状態です。五徳もかなり劣化してきましたしね。
 そこで、新しいものに交換しようと調べてみたら、こういう、バーナーがちょっと低くなっているタイプのものは、もうどこにも売っていないのですね。主流は平らなテーブルの上にバーナーが飛び出していて、五徳をその周りに置く、というものでした。「ガラストップ」という、ガラスが素材のものがいいのだそうで(掃除がしやすい)、それだと、今使っているものの倍以上の値段がします。

 買ったのはひと月ぐらい前ですが、工事が込んでいて、やっと今日、据え付けをしてもらえることになりました。まずは、古いコンロを撤去します。

 天板を取るとこんな感じ、バーナー自体も、部分的に火が点かなくなって、もう交換時でした。

 コンロを取り去ると、こんな、ただの穴が開いているだけです。ちゃんと共通の規格があって、基本的にどのメーカーのものでも取りつけることが出来ます。とは言っても、今では実質的に3社の製品しかありません。今までの「サンウェーブ」は、もう作っていません。

 これが新しいコンロの本体です。

 簡単に取りつけが終わり、ガス管をつないでいるところです。この作業は資格のある人でないと出来ないのだそうです。確かに、ガス漏れがないかというチェックも、ちょっと素人では出来ないような感じでしたね。

 完成です。

 ちょっと下に隙間が開くので、スペーサーを取りつけます。ところが、設置したおじさんが帰ったあとでまず使ってみようとガスの元栓を開けるために下の扉を開こうとすると、指が入りません。この扉には取っ手が付いてなくて、上の部分を持って開くようになっているので、これではどうにもなりません。スペーサーをもっと短くしないことには。

 その人の電話番号などは分からなかったので、会社に電話して連絡をもらうことにしたら、すぐ電話がかかってきて、今、すぐそばで仕事をしているので、これから行きます、という返事でした。とても恐縮しているようでしたね。

 すぐにやってきて、下の方を切ってくれました。これで大丈夫です。プロでも、こんな間抜けなことをやってしまうこともあるのでしょう。
 今回のコンロには、タイマーがあったり、お湯が沸いたら知らせてくれたり、なんだか「便利」そうな機能がいっぱい付いていました。でも、そんなもののために信じられないほどの高いものになってしまっているのですね。ただ普通に安全に火が点いたり消えたりするだけで十分なのに。
aventure number : 2173 date : 2013/11/26


今日の禁断 ソニー

 最近のレコード業界ではCDのような「フィジカル」な商品の売れ行きは非常に落ち込んでいるのだそうです。その代わりに伸びているのが、音楽データのダウンロードです。もはや、新しいアルバムが出ても買うのは「CD」ではなく、「データ」なのだ、という時代になりかけているのでしょう。ただ、そのデータは、そんなに「音質」はよくないものでした。CD並みのデータをダウンロードするにはかなり時間がかかりますから、データに圧縮をかけて「軽く」しているため、実際に聴こえるのはCDに比べたらはるかにひどいものでした。とは言っても、それは立派なオーディオで聴かれることはなく、主にヘッドフォンで聴かれているものですから、そんな音でも充分に満足できるのでしょう。ですから、すでにCDの音には満足できなくなってきているようなマニアにしてみれば、やはり頼れるのは「フィジカル」なものだったのです。こちらはSACDとか、ブルーレイ・オーディオといった、CDよりも良い音の「ハイレゾ」音源が収録されたパッケージもかなり出回ってきましたしね。
 ところが、いつの間にか、そんなダウンロード界で、そのようなハイレゾ音源を扱う様なところが出てきました。今の録音の現場で使われている機材は、もはやCDのスペックをはるかに超えるものになっています。それをそのまま届けるためにSACDやらBDというパッケージが出ていたとしても、いまいち元気がありません。その間隙を縫って、ハイレゾデータそのものを直接ユーザーに届けようという動きが活発化しているのです。それは「ネットオーディオ」とか「PCオーディオ」と呼ばれているものですね。そのための新しい製品が怒涛のごとく開発され、ユーザーにとっては何を選んでいいのか、あるいは、どのような方式を取ったらいいのか、ほとんどパニック状態に陥っているのではないでしょうか。私も、こんな素晴らしいものはないと思っていますから、なんとかそれを導入したいとは思っているのですが、NASとかDACとか、ちょっとハードルが高いので、もっとシンプルなものが出て来ないか様子を見ていたところです。
 そんな時に、今まで使っていたPCMレコーダーM-10の上級機種が新しく発売されることになりました。M-10は手軽なのはいいのですが、ちょっとマイクがお粗末ですし、そろそろ調子がおかしくなってきているので、これには食指を動かされました。しかも、これはPCMのスペックが、現在のハイレゾの最高値までカバーしています。それだけではなく、DSDでも録音再生が出来るというのですよ。そんなものが、こんなにコンパクトで、考えようによってはかなりリーズナブルに手に入るというだけで、ちょっと興奮してしまったのですが、それだけではなく、これでハイレゾ音源の再生が出来ないかな、と思いました。ダウンロードしたハイレゾ音源は、殆どコピーガードがかかっていませんから、このレコーダーの本体やSDカードにコピーして、それをアンプにつなげれば、そのまんま再生出来てしまいますからね。
 ということで、さっそくお買い上げ。これがその現物です。

 箱を開けると、なんだか「宝物」みたいに中に収まっていました。

 これにはリモコンもついていますから、遠くからでも操作できます。

 それで、試しに単品でダウンロードしたデータを、同じものがCDやSACD、あるいはBDで出ているものととっかえひっかえ比較してみました。それはもう、とても安定した素晴らしい音が聴こえてきます。いろいろなスペックのデータが何種類かある者同士も比較できますが、スペックが上がればそれだけのものが聴こえますし、特にDSDはまさに滑らかの極致です。SACDを、最高のマスタリングで聴いているという感じですね。
 とは言っても、確かにCDに比べれば格段にいい音なのですが、BDあたりではこのレベルはすでに可能になっていますから、それほど大騒ぎをするほどのものではないような気もします。なにしろ、現状ではアイテムがあまりに少なすぎますしね。
 さらに、ダウンロードには決定的な欠点があることも、実際に使ってみると分かります。それは、ライナーノーツのようなものが一切ない、ということです。とくに、CDでは必ず付いている録音データが、この「商品」にはどこにも「書いて」ありません。私がこういう録音されたものを聴く時には、単に出てきた音だけではなく、それを作った人たち、演奏家や録音スタッフたちの仕事まで含めて味わいたいと思っています。こういうものを作った「人間」を感じたいのですよ。それを知るための大切なものが何もないというのが、どうしようもなく寂しく感じられます。フィジカル音源は「文化」と言えますが、ダウンロード音源はもはや「文化」ではなく、ただの「商売」になり下がってしまっているのです。おそらく、こんなことを言われてもなんのことか分からない人の方が多いのではないでしょうか。知らないうちに、そんな愚かに時代になっていたなんて。
aventure number : 2174 date : 2013/11/28


今日の禁断 ヒカリエ

 そもそも、「11月30日に結婚式があるけど、出てくれない?」と頼まれた時には、まさかそこにニューフィルの予定が入っているとは思ってもみませんでした。まあ、毎年12月初めに「第9」があるのは分かっていましたが、「11月」ですから、まず重なることはないと思ったのですね。ところが、今年の「第9」は12月の1日に開催だったのでした。ですから、結婚式の日が「第9」の前日リハと同じ日だと気が付いたのは、しばらく経ってからでした。でも、いまさらどうしようもありませんから、リハーサルに出なくても済むようなパートに替えてもらって、その日は、その、鎌倉で行われる姪の結婚式に出ることにしましたよ。

 朝早くから、なんとあの鶴岡八幡宮での挙式というので、前の日に鎌倉に泊まります。早めに着いて、まずは観光モード、次の日の式場などの下見などを行いましょう。それは、あの石段を上った先の「本宮」ではなく、下にある「若宮」というところでした。毎日結婚式が行われているようで、今まさに挙式の真っ最中でした。ということは、我々の時も、こんな風に一般の観光客に見られる、ということですね。緊張します。いえ、別に私が式を挙げるわけではありませんが。

 その大石段の途中から、例の、倒れてしまった大銀杏の跡が見えました。手前にあるのが、新しい苗、その隣に、元の銀杏の切り株が保存してありました。ずっと先には、別の銀杏が鮮やかに紅葉していました。

 それが終わったら、あとはヒマなので、乗り放題のパスを活用しようと、また「夜の東京」へ繰り出しました。とは言っても、しばらく行ってなかった渋谷のタワーレコードに行くぐらいのことですがね。渋谷の駅前はガラッと変わっていて、一瞬自分がどこにいるのか分からないほどになっていましたね。新装なったタワーのクラシック・フロアでは、一見CDにあふれかえっているように見えますが、よくよく見てみると本当に必要なものが全く見当たりません。ハイレゾのコーナーもあるのですが、いかにもとって付けたような感じで、なんの新鮮味もありません。それよりも、こんな時代ですからLPが置いてあることを期待していたのですが、それは1枚もありませんでした。こんなことでは、世の中に置いて行かれます。私がとても残念に思った最新のCDに、べた褒めのコメントが付いたりしていると、そこまで堕ちてしまったのか、と悲しくなってしまいます。

 そして、今日が結婚式の本番です。少し早目に行ってみると、石段の真ん前の「舞段」から、生の雅楽が聴こえてきます。確かに3人の楽士が演奏していますね。その中でも結婚式が。ここは四方から見られるので大変ですね。我々はそのあとの時間帯に、普通の神社の中ですから、正面からしか見えないはず。
 控室でお互いの家族の顔合わせなどをやって、いよいよ神殿に入っていくと(ここは写真撮影は禁止です)その途中にさっきの楽士さんが並んでいて、「越天楽」なんかを演奏しています。編成は龍笛、篳篥、笙でしょうか。式が始まると、彼らは本殿に移って、そこでも進行に合わせて演奏しています。「生バンド」ですね。こちらは筝も入っているようです。実は、座っているところからは姿が見えないのですよね。これは感激ものでした。

 披露宴は、鎌倉山のレストランに場所を移します。なんせ観光地、しかも紅葉の見ごろとあって、街中は人であふれています。西岸良平の「鎌倉ものがたり」に出てくるような細い道やトンネルをタクシーで通りかかるのが、いかにも「鎌倉」です。目的地のちょっと前で、今まで無口だった運転手さんが突然「この先が、みのもんたの家です」などと言い出しましたよ。しっかり「名所」になっているのですね。
 会場は、古い民家を改造したような広い場所でした。まずはお庭で記念撮影をしてから、中で披露宴が始まります。

 これがメニュー。何の変哲もないものですが、出てきた料理を見てびっくりです。

 これが「オードブル」ですよ。もうこれだけあればお腹がいっぱいになりそう。左手前にあるのはキャビアとフォアグラです。

 そしてこれが「伊勢海老のブイヤベース」。

 メインのローストビーフは、ここで切り分けます。

 こんなに分厚くても、とても柔らかくジューシーでした。

 そして、デザート・ブッフェ。「抹茶」だけはご遠慮します。というか、もうお腹はいっぱい。新郎新婦が、「みんなに本当においしいものをたっぷり食べていただきたい」ということで用意されたメニュー、存分に楽しみました。親族だけの和やかなパーティ、私の隣は一面識もない新郎の親戚でしたが、結構話が弾みましたね。
 帰る段になって、着替えに手間取って(着替えの場所が、歩いて1分ぐらいかかるところ)一緒に帰るはずだった社長が頼んだタクシーに置いて行かれてしまいました。でも、続々別の車が来るので、それに乗って一番近い大船駅に向かいます。しかし、その道は途中から大渋滞。なんとか大船駅に着いて、ちょうど来た特急に飛び乗ったら、そこは指定席だったので、2台ぐらい歩いて、やっと自由席に座れました。東京駅では8分の待ち時間で、新幹線にやはり飛び乗り、仙台に帰ってきました。
 そんなわけで、今回の旅行では、iPhoneが大活躍。各駅の時刻表や、目的地の到着時間などがすぐに分かるのが、とても重宝しました。
aventure number : 2175 date : 2013/11/30


今日の禁断 トナカイ

  鎌倉から帰って来た次の日には、朝早く起きて今年の「第9」に向かわなければいけません。実は、前の日のリハーサルに参加しないと、本番の日の駐車票がもらえないので、密かに策を練っていました。もちろん、現物が手に入れば問題はないのですが、あいにく近くに住んでいる人はいないので、届けてもらうわけにもいきません。そこで、ここはネットを最大限に活用して、誰かに駐車表の写真を撮ってもらって、それをiPhoneに入れておいて、係員に見せて通してもらおうと考えました。Facebookでそれを伝えたら、さっそくBさんが画像がアップしてくれましたよ。それをまずiPhoneにダウンロードしておきます。さらに、仙台に帰って来た時に、職場に車を置いて行ったので、ついでにプリントアウトをしてしまいましょう。これだったら完璧です。

 でも、一応「偽造品」に違いはありませんから、実際にホールの前で、限られた車しか入れさせないぞ、という鋭い目つきで駐車場の前に立っている係員さんを見つけた時には、すこしビビってしまいますね。こんなチャチなもん、プロがみたらすぐに見破られてしまいそう。ですから、窓越しにこれをチラッと見せただけですんなり通してもらえた時には、拍子抜けしてしまいましたね。

 いつもの控室に行ったら、一つのテーブルにだけ素敵なカバーがかかっています。ここが、Bさんのパートの指定席のようですね。このパートはこんな風に、どこへ行ってもとても仲がいいみたいです。

 リハーサルは予定通りに進行、私は、一応全曲に乗っているので、客席から写真を撮ったりはできませんが、長い休みがある時などは客席に降りて行って出来るだけたくさんの写真を撮っておくことにしました。もちろん、前の日にリハーサルには加わってはいなかったので、出番ではより集中して他の人と同じだけの本番に向けてのテンションを高めるのに余念はありません。

 今年のオケ伴のレパートリーは、改訂版のクリスマス・メドレー、途中でディキシー風のソロパートがあるので、そこでソリストが立って演奏することになっていました。この時は私は休みなので、こんな写真も撮れました。

 本番では、さっきのBさんが、クリスマス・モードを盛り上げるために、百均で買ってきた様々なかぶり物を椅子の下に隠しておき、曲の途中でそれをかぶる、という演出をプロデュースしていました。これは、メドレーが終わって、次の「きよしこの夜」に移る時のちょっとした休みに、iPhoneで撮ったものです。実は、さっきのディキシーのソロの時も、3人がしっかり帽子をかぶっていて、それも撮りたい衝動にかられたのですが、一応本番中なので控えました。でも、撮っておきたかったなあ。
 このステージでは、ア・カペラの部分などがあるのですが、そこでの合唱はなかなかのものでした。なんか一皮むけたような爽やかさがありましたね。後半の「第9」でも、いつもはちょっと、と思っていたところが堂々と歌われていて、感心しました。長く続けている、というのはこういうことなのでしょうね。
 でも、私は今回は2番だったので、特に第3楽章などでは休みが多く、そこで強烈な睡魔に襲われてちょっと困りました。不思議と、出番になるとしゃきっとするのですが、そこに行くまでがひたすら睡魔との闘いです。
 さっきのかぶり物は、しっかり団がお金を出してくれて、備品になったのだそうです。こうなると、来年の仕込みを考えなければならないBさんへの期待は、高まるばかりです。
aventure number : 2176 date : 2013/12/2


今日の禁断 ペナルティ

 12月になって、なんでも道路交通法が改正されて自転車の走り方が変わったそうですね。これからは、自転車は道路の右側を走ってはいけなくなった、というのですよ。なんでそんなことをいまさらなんでしょう。自転車が道路の左端を走らなければいけないことは、すでにしっかり道路交通法に記載されていたのではなかったでしょうかね。私は「運転免許」という国家資格を持っていますから、取得の際にこの法律を熟知するべく教育を受けているのですが、そこでは確かに「自転車は『軽車両』という『車両』に含まれるものだから、車道の左端を走らなければならない」という知識を教え込まれていました。
 ところが、そんな法律に背いて、実は今までは自転車が右側を走る、つまり、左側を走っている車にとっては「逆走」にあたるこの走り方が、堂々と認められていたというのですから、驚いてしまいます。それに関しては、「路側帯」という、車道の端に引いてある白い線の存在を知る必要があります。普通に車道のアスファルトの上に線を引いただけの、まるで子供のいたずら書きのようなものが、その「路側帯」です。こんないたずら書きを引くだけで、あら不思議、そこはまぎれもない車道なのに、その線の外側が「歩道」になってしまう、というのですよ。歩道では自転車の通行はどちら向きでも認められていますから、右側の路側帯を走っても、それは「歩道を走る」ことになって、なんら咎めを受けることはないのですよ。今回は、きちんと「路側帯は左側を走るべし」と規定されたのですね。

 この路側帯といういかがわしいものが出来たのは、1971年のことだそうです。私はその時にすでに運転免許を取得していましたから、こんなものの存在を知らなかったのですね。それ以来、狭い道でも自転車が平気で逆走してくるのを苦々しく思っていたのですが、それは道路交通法的には決して間違った走り方ではなかったのですよ。いや、実際は、自転車に乗っている人にそれだけの深い認識があるとは思えませんから、単に自転車は人と同じく、どこを走っても構わないのだと思いこんでいたにすぎなかったのでしょうがね。いや、本当は人だって、しっかり右側を歩かなければいけないですよ。これも、「路側帯」があれば、どちら側でも歩ける、というだけの話です。
 しかし、いくら路側帯があると言っても、そこは車道には違いないのですから、逆走してくる自転車は危ないに決まっている、ということに、40年以上も気が付かなかったというのは、とても不思議です。特に、自転車同士なんて、まさに正面衝突を繰り返しながら走っているような状態なんですからね。
 まあ、遅きに失したというにはあまりに遅すぎたとしか言いようがありませんが、これでやっと自転車がまともな走り方をしてくれるようになったのは、ありがたいことには違いありません。確かに、テレビなどでは連日この件を教えてくれていますし、そこには決まって「あら、しらなかったわ」などとしらばっくれているママチャリに乗ったおばちゃんあたりが登場していて、確実に周知が図られているような気がします。実際、12月に入ったら目に見えて逆走自転車の数が減っていますからね。もちろん、これはただ「減った」というだけで、決して「なくなった」わけではありません。私は、そういう無知な自転車を見つけるたびに、クラクションを鳴らして、逆走している人が逮捕されないように注意を促し続けることでしょう。いや、単に目障りだから、脅かしているだけなのですがね。
 しかし、自転車の横暴さには、この逆走以外にも目に余るものがあります。一番怖いのが、大きな交差点での横断歩道。左折しようと一時停止すると、そこを猛烈なスピードで走りぬけるアホな自転車に出会わないことはありません。奴らは命が惜しくないのでしょうかね。車は左折の最は横断歩道の前での一時停止が義務付けられているのですから、当然自転車にも同じ義務を課するべきです。いや、横断歩道では自転車は押して歩かなければいけない、ぐらいのことにしないと、ああいうアホはいなくはならないでしょうね。
aventure number : 2177 date : 2013/12/4


今日の禁断 リターン

 この間宮城県民会館のネーミングライツが継続されないのではないか、ということを書いたら、おそらくそれを見てくれたのでしょう(まさか)、つい最近、さらに3年間の契約延長が決まったのだそうです。ちょっとやきもきしましたが、これでしばらくはこのホールの名前に関しては心配しなくても済みそうです。まあ、変わるとしても3年も先の話ですから、その頃にはきっと音楽専用のホールが出来上がっていますよ。ねっ、村井さん、奥山さん。あっ、「座席数2011」なんてバカなことは言わないようにしましょうね。
 もう一つの、こちらは県民会館のような多目的ではなく、れっきとした音楽専用ホールの方も、やはりネーミングライツが浸透しかけているようです。まあ、なんのかんのと言っても「日立システムズホール仙台コンサートホール」というみっともない名前を使わざるを得ないような状況に追い込まれていくのでしょうね。
 ただ、これを管理している仙台市そのものが、なんだか少しおかしなことになっています。実は、このような仙台市の施設を借りるための予約システムが先月の末に新しくなりました。本当はもっとずっと前から運用されるはずだったものが、なんだか理由も分からずにズルズルと先延ばしになっていたのですね。この時点で、なんだか信頼性に疑問があるような感じだったものが、いよいよ本格的に切り替わってみると、それはなんともひどいことになっていました。まず、画面が恐ろしく見ずらいものに変わっていました。今までだと、すでに借りてある施設の一覧は同じ画面をスクロールして全部見ることが出来たのですが、それが1回に表示されるのは5件だけ、それ以降はいちいち画面を切り替えなければいけません。パート練習などで同じ日にたくさんの会場を使う時などは、途中で途切れてしまいます。誰が作ったのかは分かりませんが、システムのことだけを考えて実際に使う人の利便性を全く考えていないデザインには、マジで腹が立ってきます。なによりもひどいのが、トップページのデザイン。一番下にあるバナーの群れは一体何なのでしょう。どのバナーをクリックしても仙台市のサイトにジャンプしてしまうんですけど。

 念のため、ニューフィルが借りているところをチェックしてみました。そうしたら、ありましたよ。ミスがゴロゴロ。なんと、確かに借りていたはずの施設が、丸ごと表示されていないのですね。その施設とは、さっきの日立なんたらという長々しい名前の複合施設です。あわてて確認してもらったら、確かに予約は生きているので安心してほしいということだったそうです。勝手な憶測ですが、これは施設の名前が変わったことに対応できなかったという、みっともないエラーではなかったのでしょうか。最近になって、そこの練習室だけは見れるようになりました。しかし、指揮者練習用に2日連続で押さえた「交流ホール」、正確には「日立システムズホール交流ホール」は、いまだに表示されていませんよ。なんとかしてください、奥山さん。
 でも、世の中は分からないことだらけですから、いちいち構っているわけにはいかないのかもしれません。私も、たった今わけのわからないことに遭遇したばかりですから。

 チック・コリアの1973年のアルバム「Light as a Feather」のハイレゾ版(24/96)を見つけたので、最後に入っている「スペイン」という名作をDLして、CDと聴き比べてみました。音は見違えるように素晴らしいものだったのですが、なぜかフルートのジョー・ファレルが右側に定位しているのですよ。CDでは左から聴こえてくるというのに。ケーブルの接続ミスかな、と点検しても異常はありません。それより、オープニングのパーカッションはどちらも右側に定位しています。もちろん、テイクも全く同じもの。ということは、ミックスが違うということでしょうか。この頃はジャズでもマルチトラックで録音していたはずですから、トラックダウンの際に定位を変えるのは簡単なことですからね。そんな、CDには採用されなかったミックスのマスターから、このハイレゾ・データが作られたのでしょうか。誰かご存じの方は教えてください。
aventure number : 2178 date : 2013/12/6


今日の禁断 ピッコロ

 「遠い帆」を見てきました。三善晃が1999年に仙台市の委嘱によって作った、彼にとっては唯一のオペラです。支倉常長という伊達藩の藩士が、伊達政宗の命によって海路ヨーロッパへ渡ったという史実を題材に、高橋睦郎が台本を作っています。何人かのソリストが登場しますが、重要な役割を担っているのが合唱です。そこで、初演の時にはその合唱を仙台市民に歌ってもらおうと、広くオーディションを行ってこのオペラのために合唱団が編成されたのです。その時に、応募したのが私の愚妻です。昔は合唱団に入っていましたがずっと現場から離れていたものが、なにを思ったかまた合唱をやりたくなったのですね。もちろん、私は全面的に応援してあげましたよ。私ばっかりオーケストラで楽しんでいるわけにはいきませんからね。練習には車での送り迎え、それは結局今日までずっと続くことになります。
 1999年の初演は仙台と東京で行われましたが、それが好評だったので翌2000年には、さらに再演がやはり仙台と東京で行われました。この時には、どちらも会場がワンランク大きなものに変わっています。仙台は当時の青年文化センターのシアターホールから、当時の宮城県民会館に、東京は世田谷パブリックシアターから、なんと東京文化会館ですからね。もちろん、その全ての公演に愚妻は参加、当然私も全部見て回りました。佐藤信の演出は、ステージにオーケストラも乗るという斬新なもの、「シアターピース」的な要素も取り入れていて、とても印象深いものでした。
 この作品は、2002年に、仙台市とは全く関係なく、神奈川県民ホールの制作によって上演されています。もちろん、キャストやオーケストラは現地の人たち、しかし、これも行きがかり上愚妻と見に行きましたね。こちらの演出は、いかにも手堅いものですがあんまり面白みはありませんでした。
 そして、今年2013年がこの史実からちょうど400年にあたるということで、仙台市は再々演を企てます。この頃になると、このオペラのテーマである支倉常長の遣欧使節への評価が、初演当時とは劇的に変わってきていました。オペラで描かれている常長のネガティブなイメージは払拭され、当時もあった大地震からの復興の意味までも込められたものだった、という、殆ど常長を英雄視するような史観がのさばりだしてきたのですね。そんな、いわば現代の震災からの復興のシンボルとさえとらえかねられない常長像とは真っ向から反する描き方をしたこのオペラは、受け入れられるには抵抗があるのではないか、という気がしていましたね。
 今回は、初演とはスタッフもソリストも一新されていました。オーケストラと合唱だけが同じですが、当然そのメンバーはガラリと変わっています。もちろん、愚妻はもう出ていません。ただ、メンバー表を見てみると、初演時のメンバーも結構残っていましたね。あの頃は一面識もなかった人が、今では知り合いになっていたというのも、流れた歳月のせいでしょう。指揮者も違いますから、当然演奏も変わっていたのでしょうが、聴いた限りでは三善晃のダイナミックな音楽にはなんの変りも感じられませんでした。大きく変わっていたのは演出です。演出家は、さっきのような最近の楽天的な常長像などは一顧だにしない、あくまでこの作品に必要な常長像を、さらに深く追及しているようでした。

 合唱指揮者陣のカーテンコールの時に1枚だけiPhoneで撮ってみましたが、ステージの上にぶら下がっているものが、その象徴でしょう。最初はこれが何なのかは分かりませんでしたが、これは、本来のキャストではないアルレッキーノが現れた時に、すぐ分かりました。それは、操り人形を操作するための巨大な「手板」だったのですね。そこから垂れ下がる無数の「糸」、これが「権力者」を含めたすべての登場人物がなにものかに「操られている」ことの象徴となっていたのです。
 この合唱を含めて、本当に素晴らしい演奏が繰り広げられていたのでは、と思います。しかし、この作品の「意味」を的確に受け取るためには不可欠な「言葉」が、あまりにも聴こえにくかったのは、非常に残念でした。ソリストも合唱も、可能な限り「言葉」を分からせようという努力をしていたことはとても理解できます。しかし、そこには物理的に決定的な問題が横たわっています。ああいう大音響のオーケストラを使って大ホールで歌う時には、絶対に「言葉」を正確に伝えることは出来ないのです。ここはひとつ、メンツをかなぐり捨てて「字幕」のお世話になるべきだった、という気が切実にします。なんせ、これだけ「遠い帆」を見てきて、台本にも精通していたはずの私でさえ、聴きとれた言葉はせいぜい1割ぐらいだったのですからね。字幕でテキストが全て理解できれば、さらに楽しめたのに、と、心底思いました。
aventure number : 2179 date : 2013/12/8


今日の禁断 フルート

 今年、2013年の3月に開催されたバーデン・バーデン・イースター音楽祭のオープニングを飾ったラトルとベルリン・フィルによる「魔笛」公演の模様が収録されたBDが発売になったというので、買ってみました。しかし、実は同じもの(厳密にはちょっと違いますが)が5月ごろにBSで放送されていて、それはしっかりBDに録画していたのを、すっかり忘れていたのですね。今回のBD-ROMの封を切って、中の写真を見てみたら、これと同じものをすでに見ていたことに気が付いてしまいました。なんという間抜け。
 一応念のため、放送されたものと同じであることを確認しようとBDを再生してみました。そうしたら、カット割りがずいぶん違っていました。やはりかなり編集されていたのですね。それよりも、音がBSに比べて格段に素晴らしいのには驚きました。確かに、このパッケージでは、「PCM」とか「DTS-HD」というお約束の用語が見られますから、おそらく24/96ぐらいのBDの標準的な音声スペックなのでしょう。一方のBSでも、かつては「CDよりも良い音」というのがうたい文句になっていたはずですから、やはり同じような音だろうな、と、録画してあったBDを同じシステムで聴き比べてみたら、これがぜ〜んぜん違っていたのですよ。BSの方はCD並かそれ以下、しかしこのBD-ROMはまさにハイレゾ、SACDあるいはBDオーディオと比べても遜色のない音だったのです。とにかく、弦楽器の艶やかさがだれが聴いても分かるぐらい違っているのですね。BSだけ聴いていた時には、なかなかいい音だと思っていたんですけどね。
 調べてみたら、BSが「CDよりも良い音」と言われていたのは「BSアナログ」の時代の話、その時でもスペックは「16bit/48kHzPCM」ですから、これでは、確かにCDよりはいくらかマシですが、「ハイレゾ」とは言えませんね。それが「BSデジタル」になってからは、なんと圧縮音源である「AAC」になってしまったというのですね。これは、悪名高いNMLが採用しているのと同じ音源ではありませんか。あちらは間違いなく「CDよりはるかに悪い音」ですよ(ビットレートが若干違うようですが、AACに関してはそれほど大きな違いはないはず)。ということは、BSはデジタル化した時点で「CDよりほんの少しいい音」だったものが「CDよりはるかに悪い音」に変わってしまっていたのですね。いやあ、画面はフルHDになったので喜んでいたら、こんなところで「改悪」が行われていたなんて。こんなこと、今まで全く知りませんでした。これでは、買ったBDの音が良いのは当たり前です。いや、BSの音が悪すぎるんですね。間違って買ってしまったBDで、とんでもない事実を知らされることになってしまいました。

 これがBDのジャケットの一部ですが、なんでこんな、とても演奏できないような楽器の組み立て方をしているのでしょう。もう少し拡大してみますね。

 ところで、このBDにはベルリン・フィルの「デジタル・コンサートホール」の48時間使えるヴァウチャー・コードが同封されていました。ネット配信の場合は、音声の規格はどの程度のものなのか、そのサイトに行って見てみたら、なんと「CDに迫る高音質が実現されています」ですって。ということは、「音質はCD以下」という意味なのだ、と解釈しても構わないのでしょうね。おそらく、BSと同等の音質なのでしょうね。
 結局、「放送」や「配信」の映像に関しては、音についてはそんなものなんだ、という認識が必要だったのですね。販売されているBDなどの音があまりに素晴らしいのでついそれと同じものが放送などでも聴けるものだ、と漠然と考えていたことは、間違いだったことになります。本当に「良い音」で映像作品を味わいたいと思ったら、パッケージとしてのBDを買う必要がある、ということになるのでしょうね。
 ハイレゾの音声ファイルが「配信」で簡単に手に入る時代なので、ちょっと錯覚に陥りがちですが、映像信号にはハイレゾ音声など比較にならないほど大量のデータが必要になるはずです。それを「配信」でやり取りするのはまだまだ大変なことなのでしょう。そうなると「ライブ・ビューイング」などは、どの程度のクオリティが確保できているのか、気になりますね。あちらは専用の回線を使ったりして、大量のデータを送ることが出来るようになっているのでしょうか。
aventure number : 2180 date : 2013/12/10

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