2121(13/8/14)-2140(13/9/21)

今日の禁断 ハンペン

 数日前の、1年間で一番忙しい日には、やって来たお客さんに「会報」を配りました。それは、本来ならすべてのお客さんに渡すべきものなのですが、そうやってわざわざ暑い中をやってきて受け取る人は全部で1200人のうちの300人しかいません。ですから、残りの900人には送ってやらなければいけないのですね。それも、出来るだけ早く。
 ということで、この数日間はその発送作業に没頭していたことになります。まず、名簿からすでに受け取ったお客さんの分を抜いて、あて名を封筒に印刷します。あとは、だいぶ前に刷り上がっていた会報をそこに入れるだけなので、そんなに時間がかかるはずはないのですが、見開き4ページ分を一度に印刷した時に、同時に「折り」もやっておかなければいけなかったのを、取り合えず必要な300部しか折ってなかったのですね。残りはヒマな時に折ろうと思っていたのですが、そもそもヒマな時なんてあるわけがありません。結局、残りの900部を折った上に、封筒に入るように「畳む」という作業だけで、優に丸2日かかってしまうことになりました。この時期ですから、これにかかりきりになっているわけにはいきません。お客さんの応対とか、あとは、自販機の飲み物の補給ですね。今年の暑さで、久しぶりに「ちょっと目を離している隙に、カラムが空っぽになっていた」という状態になっていましたからね。
 そして、袋詰め作業はきのうのうちにほぼ完了していましたが、今日の午前中に残りを仕上げて、晴れて完了です。実績としては去年と同じ、14日に発送となりました。そんなに嵩張るものでもないので、大きなプラかごに全部入ります。ただ、封筒は住所によって2種類あるので、それを区別しておかなければいけません。大きな郵便局に直接持って行くので、そこの管轄の「市内」だと、普通は80円のものが65円で送れますからね。「普通」と「市内」との山の間に、ちょっとしわが寄ってしまった会報があったので、それを目印に貼っておきます。
 郵便局で差し出す時は、もう慣れたものですから、かごをテーブルの上に置いて、受け付けたおねえさんに「こっちが普通で、こっちが市内です」としっかり指示を出して、伝票を書き込みます。それを持って会計をしようと思ったら、いつの間にか担当がおねえさんからおばさんに代わっていました。お姉さんの方は、別のお客さんの相手をしています。まあ、誰が担当でも、プロなんですから問題はないはずなのに、そのおばさんはなんだか緊張感に欠けていました。せっかく仕分けをして置いてあったのに、それを全く無視して数えようとしていますよ。それでは困るので、一旦はかりに乗せたものを全部やり直してもらいます。まあ、数え間違いなどはなく、きちんと申告通りの数にはなっていたのですが、封筒以外のさっきの仕切りに使った会報の残りなども一緒にして、空になったかごだけを返してくれました。別に、それは捨ててもらえばいいので、そのままかごを受け取り、会計を済ませて帰ってきましたよ。これでひとまず今年の私の大仕事は一段落です。
 職場に帰って他の仕事をしていると、社長が来て、「郵便局から電話が来て、さっきの時の忘れ物があるというので、受け取ってくる」というのです。さっき、捨ててもらうつもりで置いてきた会報を、わざわざ取りに来い、ということですね。あのおばさん、なんか抜けていると思ったら、そんな間抜けな対応をしてくれたのですね。困ったものです。まあ、社長は他にも用事があるというので行ってもらいましたがね。
 少し前、郵便局が民営化される前は、こういう大量の郵便物がある時には、電話をすればこっちに来て持って行ってくれたものです。それが、民営化とともにそういう「サービス」は一切やらなくなってしまったのですから、困ったものです。今回のケースだって、以前だったら取りに来させるのではなく、持ってきてくれたはずですからね。
 これが終わったからと言って、私の仕事は終わるわけではありません。今度は、延び延びになっていたニューフィルの企画書を作らなければなりません。もうチラシなどは、このようにしっかり各地に置いてありますから、今度は活字媒体への働き掛けが始まります。秋の演奏会にはまだ間がありますから、このタイミングでも充分間に合います。

 そう、まだまだ夏は続くというのに、これは一体・・・。
 
aventure number : 2121 date : 2013/8/14


今日の禁断 フマキラー

 だいぶ前にFacebookに載せたネタですが、「友達」がコカ・コーラの新製品を紹介していた時に、その写真を見たら、それがまるで殺虫スプレーのように見えてしまいました。季節がら。

 右にあるのが、その新製品なのですが、一応「バニラ味」ということになっているので、なにやらバニラっぽいイラストがデザインされていますね。それが、クモとか蚊に見えません?左側の本物の殺虫剤みたいにね。
 ですから、いっそ、コーラのパッケージでスプレーを作ったらウケるのではないかと、こういうのを作ってみました。

 そんなことばかりやっていないで、まず飲んでみるのが先だろうと思われるでしょうが、実は先ほどの「友達」の試飲レポートからは、そんなにおいしくない、というか、はっきりいって不味い、というような感想がうかがえました。ですから、ちょっと飲むのはためらっていたんですよね。
 でも、いつまでも冷蔵庫に入れていると、だんだん邪魔にされそうなので、そうなる前に飲んでしまおうと、コップに少し移して飲んでみました。うん、確かに、ほのかなバニラ味が、アイスクリームみたいな雰囲気を出していて、まさに「コーラフロート」といった感じでしょうか。ただ、そのバニラの配合が多すぎるのか、「バニラ」というよりは、なんかミントみたいな味がしてきます。いや、これはミントのようなかわいい味ではなく、ほとんど湿布薬みたいな乱暴な味ですね。「サロンパス」じゃありませんか。ちょっとこれは頂けません。でも、せっかくノズルを付けたのですから、殺虫スプレーとしてだったら、使えるかも。
 この写真をアップしたのが8月3日の土曜日でした。もうだいぶ前のことになりますね。ところが、私の場合はその週明けの5日から今日まで、なんと12日間休みなしで出勤してしまいました。ちょうど、お施餓鬼のあとに土日という最悪のめぐり合わせだったので、そこで休みを取れないとなるとこんなことになってしまうのですね。でも、こうなったら職場の仕事の合間に、たまっていたニューフィルの仕事も片付けてしまいましょう。
 ということで、暇を見つけて作ったのが、こちらの企画書です。来週になったら、これを各方面に送りつけることになります。だいたい、本番の2か月前をちょっと切ったあたりが、タイミング的にはベストだと分かっているので、もうチラシなどは1ヶ月前に出来上がっていましたが、あえてこちらに関してはアクションは起こさないようにしていました。雑誌などは、あまり早すぎても意味がないのですよね。新聞なども、せっかく記事にしてもらうのなら、あんまり本番から離れた時期では逆に忘れられてしまいますからね。
 それともう1件、出来たら来週の火曜日には新しい「かいほうげん」が出せたらいいなあ、と、漠然と考えています。実は、このタイミングだと、新しく団員に承認された人が全部で6人も登場することになってしまいます。それが見開きのページにずらっと顔写真が並ぶのは、久しぶりの快挙ではないでしょうか。団員の人数も、一時は70人台と低迷していたものが、これで80人を超えることになりますからね。
 明日からは、その80人と新田さんの対決です。
aventure number : 2122 date : 2013/8/16


今日の禁断 ラビット

 この週末は、新田さんとの2日連続のリハーサル+アルファという、とても充実した時間を過ごしました。多忙を極めている新田さん、フィンランドや北海道から巡り巡って、やっとまとまった時間を取れる仙台でのリハーサルは、なんとお盆明け、団員の方もなんとか予定を工面して集まってきました。言ってみれば、今回の演奏会のためのリハーサルの、最も重要な部分、ということでしょう。
 そんな、これしかないというスケジュールに、なんともう一つの催しが同じ建物内でクロスすることになります。それは、東北大学と京都大学のオーケストラのジョイント・コンサート。京都大学では、先日行われた定期演奏会では、新田さんを指揮者に迎えてニルセンの交響曲第2番を演奏していたのですが、それをそのジョイントに持ってきて、仙台では学生指揮者が振るというのですね。実は、これは私が前に東北大学のオーケストラに合唱として参加した時に、プログラムの案内を見て初めて発見したこと。新田さんご本人も全然知らなかったようで、私がFacebook経由でニューフィルのリハーサルと同じ日に、同じ会場内のホールでジョイント・コンサートがあることを教えたあげたら、びっくりしていましたね。
 そんな、不思議な出会いのあるなしには関係なく、新田さんのリハーサルは、前回からはさらにグレードアップされた、さらなる深みを追求するものでした。時には「この前からは、すごい進歩です」とか持ちあげながらも、時にはパートだけで演奏させたりと、妥協は許されません。

 この日のリハーサル・ファッションは、こんな素敵なTシャツでした。
 1日目のリハーサルが終わると、7月には出来なかった歓迎会です。場所は、会場そばのイタリアン。私は後半は降り番だったので少し早目に行ったら、もうすでに来てる人がいて、それから続々練習が終わったメンバーが集まってきます。主賓の新田さんがなかなか来ないと思ったら、同じホールでリハーサルを行っていた京都大学の方に少し顔を出していたようですね。

 なにはともあれ、丸テーブルを15人で囲んで、お疲れ様の乾杯です。

 もうお開きも近く、マスターがそろそろ食器を片づけ始めた頃、なんと、京都大学の学生指揮者が乱入してきましたよ。東北大学のOBがたくさんいますから、たちまち昔のジョイント・コンサートの思い出話が始まります。結局、次の日も朝早くからリハがあるというのに、お開きになったのは真夜中でした。なんでも、新田さんはこの後京都大学の方の飲み会に参加されたのだとか。実は、上の写真をFacebookにアップして、新田さんにタグ付け(最近は、名前を検索する前に顔を認識してくれるのですね)したら、コメントが返って来たのは早朝の3時でした。

 そんな寝不足もものともせず、2日目も精力的にリハーサルが行われます。今日のTシャツも、背中に素敵なプリントがあったのですが、会場があんまり寒いので、いつの間にかベストを羽織ってしまって見えなくなってしまいました。表のロゴを頼りに検索したら、同じものが見つかりました。

 すぐ向かいのコンサートホールでのジョイントの本番は1時半から、私は午後は丸々降り番だったので最初から聴いていましたが、新田さんのために京都大の本番の時間を休憩に設定したので、いつの間にか前の方の来賓席に新田さんが座っていましたね。その他に、ニューフィルのメンバーも数人、抜け出して聴きに来てましたっけ。
 正直、京都大のオケがここまですごいとは思っていませんでした。とてもしなやかでカラフルな音色、その上パワーにあふれています。そこに、新田さんが吹き込んだニルセンの勘所が見事に音として現れています。ニューフィルのシベリウスも、このぐらい心を動かせるものに仕上がったら、いいですね。
aventure number : 2123 date : 2013/8/3


今日の禁断 ミュージカル

 かつて「禁断」は、数日表に出しただけで、あとは鍵をかけてしまっておくものでした。タイトル通り、ヤバい内容が多かったので、多くの人には見せることはないな、という判断からでしたが、「おやぢ」をブログに転載するようになって、中には常時公にしてもいいな、と思われるような「禁断」は、ブログに載せて誰でも見れるようにしていました。それが、最近ではほぼ例外なくそのままブログ化ですから、要は「禁断」を書く時のスタンスが変わった、ということになるのでしょう。
 そんなわけで、前回の、主に新田さんとの指揮練の模様を殆ど肝心の練習には触れずに、知らずに見たら一体何だ、と思われるようなものを、そのままブログに転載、となれば、Facebookからもリンクされることになります。そこで、新田さんが面白がったのか、そのリンクをシェアしてくださったのですね。要するに、今までは私のまわりのごく狭い範囲でだけ読まれていた「禁断」が、「新田圏」という、比べようもなく広い場所に放り出されたことになります(新田さんの「友達」は、私の約20倍)。その結果、ブログに設置した「いいね!ボタン」を押した人は、今現在で104名と、私のブログ史上最大のものとなりました。いいのかなあ。
 その指揮者練習と前後して、材料も集まったので新しい「かいほうげん」を出そうということになりました。問題は発行日なのですが、出来ればみんな揃っている合奏の日に出したいものです。となると、今日を逃すと再来週まで待たなければならなくなりますから、かなり大変ですが、今日発行ということでスケジュールを組んでみました。となると、それまでに出来ていたコンテンツは16ページのうちの6ページだけですから、あとの10ページを2日間で作らなければなりません。いや、実際そのうちの1日は印刷に使われますから、殆ど1日で、なにもないところから10ページを作らなければならない、ということになりますね。そんなことは、はたして可能なのでしょうか。
 いや、決して「なにもない」わけではなく、必要な写真はおとといまでに全て揃っていましたし、私自身の書き下ろしトークも殆ど出来ていましたから、大丈夫でしょう。要は、画像を作るのと、レイアウトだけですからね。
 幸い、職場のでの仕事は一段落ついて自由な時間が取れますから、丸々このために作業が出来ます。午前中にはもう4ページぐらい完成しましたから、そのペースでいけば楽勝のはずですが、午後になると猛烈な眠気が襲ってきました。ここで居眠りしている時間などありませんから、外に出て新鮮な空気を吸ったりして、眠気覚ましです。
 結局、退社時間までには必要なファイルはすべて完成、あとは、それをページ順につないで印刷用の大きなファイルにまとめるだけ、それは、家へ持ち帰ってやることにしましょう。
 しかし、その作業は4ページ目でつまづいてしまいました。だいたい、ファイルは前にあった同じようなものをそのまま名前を変えて上書きして作ることが多いのですが、この、私のトークのファイルは、タイトルだけ変わっていても、中身は前のものと一緒じゃないですか。プリントアウトしたものは新しくなっているのに。なんでこんなことが起こってしまったのか、考えられるのはひとつ、プリントアウトしたあとで、ファイルの保存を忘れたからです。とてもあり得ない話なのですが、それしか考えられません。というか、もはやファイルは完全に失われてしまったので、復元しないことには印刷に間に合いません。さいわい、テキストや画像はすべて別にしてフォルダーに入れてありましたから、なんとか復元は完了、大きな16ページ分のファイルも完成です。
 そして、今日は印刷と製本。しかし、午後には前から予定していた「CATS」の千秋楽を見に行かなければいけません。ということは、午前中に全部完成させなければ。しかし、これも、やればできるもので、「CATS」に出かけるまでには、製本まで全部終わっていましたよ。
 「CATS」の千秋楽は、これが2回目。前回同様大入り袋が配られましたが、中身はコースターでした。9年前は名刺入れ(今も愛用しています)だったのに。しかし、カーテンコールは今回の方が長かったような気がします。30分近くやっていたのでは。

 もう1度職場に帰って、こまごまとしたことを片づけて、今回の発行作業は終わりました。2日で作れることも分かりましたが、さすがにそれは大変、最後の手段ですね。でも、今回、タイトなようでいて、こんな写真で「び」さんのリクエストにこたえるための修正作業なんかもやっていました。上が「ビフォー」、下が「アフター」です。



 まっ、ご本人にしか分からないはずですが。
aventure number : 2124 date : 2013/8/20


今日の禁断 ニルセン

 おととい千秋楽を迎えた「仙台CATS」でしたが、その後関係者の話では、あのカーテンコールは実は最後まで行かないところで終わってしまったそうなのです。あの最後にタガー1人(1匹)が出てきて締めるという「タガー締め」というシーンで、「THE END」と書かれた立て札を下手のレンジの上に乗せてそれで終わり、という段取りで、全てが終わっていた、と思っていたのですが(そこで客席が明るくなったら、お客さんは迷わず席を立っていました)、本当の段取りは、その立て札をステージの真ん中に持ってきて、それで終わりになる、というものだったらしいのですね。確かに、ちょっと中途半端かな、という気がしないでもなかったのですが、お客さんの盛り上がり、というか、照明が入っての「盛り下がり」は完璧に「本当の終わり」という感じでしたから、別にどうということもありません。あの「タガー締め」は、確かにじらし合いみたいなところがあって、お客さんはもう終わりだと思っても、まだ出てきてじらす、という、駆け引きが面白いのでしょうが、あんまりじらし過ぎると、本気にしてしまう、ということなのでしょう。仙台のお客さんは素直だったんですね。

 最近、Facebookで頻繁に行われている「なりすまし」も、そんな「駆け引き」の道具なのかもしれませんね。あわよくばその気にさせて、騙してやろう、みたいなものなのでしょう。というか、私は実際に「なりすまし」に引っかかったことはありませんから、その先にどういうことが待っているのかは、体験したことはありませんので良くは分かりません。まあ、とにかく聞いたこともないような名前のリクエストが来たら、とりあえずその人のページに行って、全く接点のない相手だと分かれば即リクエストを削除、という流れでしょうね。あり得ないような美しいプロフィール写真の場合も要注意でしょう。もちろん、写真や書き込みがほとんどないのも、まず削除ですね。
 実は、今日もそんな、まず「なりすまし」に間違いないだろうというリクエストが届きました。いや、名前だけは確かに良く知っている人でした。しかし、タイムラインを見てみてもなんの書き込みもないし、もちろん写真はプロフィールも含めて1枚もありません。データもまっさら、いかにも作り立てという感じでした。
 ですから、普通だったらそのまま削除してしまうのですが、もし、これが本当にその名前の人からのものだったら(まずあり得ませんが)まずいかもしれないので、その人に「リクエストなんか、寄こしてないですよね」とメールを出してみました。そうしたら、すぐ返事が来て、「今登録したばかりで、リクエストを出しました」というのですね。いやあ、危ないところでした。リクエストを削除していたら、もうニューフィルに行けなくなっていたところでした。
 そういえば、Facebookの「友達」の新田さんがこの間仙台にいらしたときに、京大オケと遭遇したという事件がありましたが、その「締め」となる写真がこちらにアップされてました。タイミング的にはニューフィルの練習と京大たちのコンサートが終わったあたりなのでしょう。日立システムズホール仙台の階段の前で新田さんを囲んで並んでいる京大オケのメンバーです。これをよく見ると、ニューフィルの練習が終わって、その階段を下りてくるメンバーが2人写っているのですね。前にいるユッキーは顔が隠れていますが、後にいるコナリーはすぐ分かります。というか、ほとんど大学生と同化してませんか?
aventure number : 2125 date : 2013/8/22


今日の禁断 ミドナイト

 もういったい何回見たのかも忘れるぐらい、たくさん接してきた「CATS」ですが、その中で一番有名なナンバーは、やはり「Memory」でしょうね。というか、何度聴いても「Memory」以外はなんかどうでもいい曲ばかり、という気がしてくるのですがどうでしょう?他の曲は、そこそこひねりのきいた作り方ではあるものの、なんかつまらないというか、心に響かないというか。
 なんて言うと、ファンの人からは抗議が来るはずですが、例えば「ミュージカル名曲集」あるいは、もっと限って「ロイド・ウェッバー名曲集」みたいなコンサートやアルバムがあったとして、「CATS」からは「Memory」の他に独立して歌われるだけのナンバーって、あるのかな、と思ってしまいます。「オペラ座の怪人」あたりだと、少なくとも3曲ぐらいはキャッチーなナンバーがすぐ見つかるんですがね。
 でも、この「Memory」という曲は、本当に流れるように素敵なメロディで出来ているのですが、実際はとんでもない作られ方をしているんですね。

 このように、まさにバラードの王道の12/8というビートで歌われるのですが、歌が始まって5小節目が、なんと「10/8」という変拍子になっているのですね。つまり、普通は「3+3+3+3」という均等のビートなのに、この小節だけ、後半が1拍ずつ少なくなって「3+3+2+2」といういびつなビートになっているのです。こういう、常に一定のビートで刻まれているのが当たり前のポップスのバラードでは、こんなことはまずあり得ません。ですから、私は最初聴いた時からずっと、後半の2拍+2拍の部分は、伴奏はあくまで3拍のところに、メロディが2拍入っているのだと思っていました。つまり、今まさに練習している最中の、シベリウスの交響曲第1番の第1楽章、「Tranquillo」の11小節みたいなリズムです。これが楽譜、途中で切ったので分かりませんが、拍子は6/4ですから、原理は「CATS」と同じです。

 しかし、実際にはさっきのような楽譜だったのには、本当に驚きました。しかし、まぎれもない変拍子なのに、そこに違和感が全くないことには、もっと驚きました。ですから、この間中実物を聴いていた時にも、この楽譜のことは全く忘れて、ひたすら流れるメロディに酔っていたわけでして。
 ロイド・ウェッバーの作品には、こんな変拍子がよく出てきます。全曲5拍子や7拍子というナンバーも「Jesus Christ Superstar」にはありますが、こんなさりげない仕掛けが、彼の作品の魅力を作っているのでしょう。
 ただ、いつも思うのですが、「劇団四季」がこれを日本語で上演すると、なんともいたたまれない気持ちになるのですね。特に、今回の仙台では、役者さんのせいなのか、PAのせいなのかは分かりませんが、言葉がとてもはっきり聴こえてきます。そうなると、もろにこのひどい訳詞がことごとく引っかかってくるんですね。ただ「説明」しているだけで「歌詞」としては全く美しくないのですよ。一番恥かしいのは、「Growltiger's Last Stand」という劇中劇の中に出てくるグロールタイガーとグリドルボーンのデュエットの最後で「センチメンタル・ジャーニー」と歌わせているところです。確かに原詩には「Sentimental」という言葉は出てきますが、それは、こんな手あかのついた言い方ではないのですよ。
 こんな下手くそな訳詞ではなく、いつか、もっと練れた訳詞で聴いてみたいものですが、それは無理というものなのでしょうね。やはり趣味の悪い「帯職人」が日本語の帯原稿を書いているさるレーベルで、「じぇ、じぇ、ジェズアルド」みたいな情けないキャッチ・コピーが垂れ流されて行くのと同じことなのかも。
aventure number : 2126 date : 2013/8/24


今日の禁断 フレッツ

 ゆうべの深夜、BSでバイロイトからの中継をやってましたね。去年まではそれを「生」でやっていたのですが、今回は「収録」で、1ヶ月前に録画されたものを放送です。しかし、ライブ感を出すためなのか、最初に「当日の気象状態により、お見苦しい部分があります」みたいなテロップが出ていましたね。あくまで、「生」で放送された時のものを、たとえ「見苦しい」ものであってもお見せする、という姿勢なのでしょう。そう言えば、「生」でやっていた時に、途中で大雨が降ってきてえらいことになったことがありましたね。ただ、今回はまだ最後まで見てないので、どの程度の「見苦しさ」なのかは分かりません。
 つまり、今回のバイロイトで最も期待していたのは、ぶっ飛んだ演出だという評判の「オランダ人」そのものではなく(いや、これももちろん楽しみですよ)、おそらくオープニングで登場するであろう、この劇場の外観だったのですよ。それはまさに期待通り、なんと、序曲の間中ずっと屋外のカメラが、その模様を延々と写していたのですからね。これは、以前、実際に今年そこに行ってきた「友達」からの情報を、しっかり動画で確かめたかった、ということなんです。その願いは、まさに100%かなえることが出来ました。クレーン・カメラが、しっかり真上から撮ってくれるものですから、工事現場の足場を隠している「張りぼて」の様子が、まさに立体的に見えるのですからね。

 しかも、このアングルだと、道路を挟んで横断歩道の先にあるのが、例のトイレと売店だというのも分かりますね。

 さらに、バルコニーに近づいたカメラだと、その「張りぼて」の様子がよりはっきり見えてきます。しかし、これだけアップで全世界に紹介するということが分かっているというのに、この「張りぼて」のチャチさ加減には驚いてしまいますね。もうちょっと真に迫った「セット」を作ることはできなかったのでしょうか。いや、これはもしかしたらカタリーナなりの「開き直り」だったのかもしれませんね。「こんなバイロイトもあるわよ」みたいに、堂々と見せれば何も怖くない、というスタンスなのでしょう。

 ということで、おそらく映像で見るのはこれが初めてのような気がする、ティーレマンがおもいきりラフな服装で指揮をしているカットです。これこそが、まさに彼女の「開き直り」の最たるものでしょう。ただ、これは指揮者しか写していないカメラのようですが(最後まで見てませんから)、ここでしっかりピットの中のオーケストラまで写してくれれば、それはそれで「新しい」バイロイトの姿になっているような気がします。
 もう一つ、これに続いてブルックナーの「4番」の、ちょっとコアな版による演奏が放送されていました。これはBDに焼いて、最高の音で聴けるシステムで味わおうと思って職場に行ったら、私の仕事部屋に設置されている内線電話用の配線ユニットなどが、すっかり中を開けて広げられていました。長年使ってきた電話機を一新する工事をやっていたのですね。工事の人が出入りしているので、とてもBDを見たりはできません。簡単な工事なのでお昼前には終わるだろうと待ってみても、いつまでたっても終わらないので様子を見に行くと、1ヶ所別の建物のためにコードレスで配線する部分のトランスミッターの設定に、えらく手間取っているのですね。パスワードの設定がうまくいかないようで、とうとう他のところに電話をかけて、やり方を教わりながら作業を始めましたよ。それでもうまくいきません。プロの配線屋のはずなのに、よくこんなんで仕事が出来るものです。いや、最近はやたらと電話機も複雑なものになってますから、それに追い付けなくなっているのでしょう。こういうものの開発は、工事する人のスキルに合わせて、あまり難しくならないようにやって欲しいものです。分厚いマニュアルを見ても「意味が分からない」と言って、電話をかけて聞いても、まだ「分からない」というような人が、普通は工事をやるのですからね。おかげで、丸一日無駄に時間をつぶされてしまいました。
aventure number : 2127 date : 2013/8/26


今日の禁断 リンダリンダ


 最近、こういう書き方が気になってたまりません。「この出入り口は、閉鎖する場合がございます」って、一体どこが引っかかるの?と思いになる方がほとんどではないでしょうか。というか、こういうのに違和感を抱かないという人が多いという事実が、とりもなおさずこんな大手スーパーの出入り口に堂々とこういう、私にとっては違和感のある文字列が人目にさらされるという事態を招いているのでしょうね。
 なぜ違和感があるかというと、「閉鎖する」という動詞は、どこかにその動作を行う人、あるいは物、つまり「主語」が必要なのですが、この文だと、「出入り口」が「主語」に見えてくるのですね。つまり、「出入り口」さんが「何か」を「閉鎖する」ということを表現しているのが、この文だと思えてしまうのですね。本当はそうではなく、「誰か」が「出入り口」を「閉鎖」するという状況なのですから、それは「出入り口」さんにとっては「受け身」になるわけです。もうおわかりですね。この文は「この出入り口は、閉鎖される場合がございます」と書くのが、正しい書き方なのですよ。
 これを応用すると、「今度、新しいアルバムがリリースします」というのはおかしくて、正しくは「今度、新しいアルバムがリリースされます」ということになりますね。どうしても前のように言いたい時には、「僕は、今度、新しいアルバムをリリースします」と、はっきりと「主語」を入れなければいけません。
 ですが、おそらくここまで読んできて、同意できる人はかなり少なくなっているのでは、という気がします。理屈ではこういうことなのですが、実際には世の中にこういう、今までの文法では間違っている言い方がものすごく氾濫していますから、もはやだれもそれを間違いだとは思わなくなってしまっているのですね。いや、実はそうではなくて、私たちは「文法」そのものが変わってしまう、まさにそのさなかにあるのでは、という気がします。そもそも「文法」というもの自体が、それまでにあった言葉を理論づけるために無理やりでっち上げられた法則なのですから、言葉そのものが変わってしまっては何の意味も持たなくなるのですからね。ほんとですよ。もし仮に「文法」が先にあったのだとしたら、例えば動詞の活用にあんなにたくさんの種類(「五段活用」とか「上一段活用」とか)が出来るわけがないじゃないですか。その上に、さらに「特例」として「変格活用」なんてものを用意しているのですから、これはどう考えても実情に合わせて「規則」を捻じ曲げた結果でしかありません。
 そんなわけですから、別にスーパーの入口にこんな掲示があったとしても、「これは新しい言い方なのね」と認めてあげられるぐらいの寛容な心は持っています。要は、自分で書く文章には、決してそんな、私としては「間違っている」と思える言い方は使わない、というぐらいのことなのですから、別に気にしないでください。たかが「言葉」なんですから。

 そのスーパーに入ったら、こんなゲテモノがあったので、さっそく買ってみました。同じ色でも抹茶は許せませんが、「ずんだ」なら別に平気ですから。食べてみると、別にどうということのない味でした。別にまずいわけではありませんが、特においしいというわけではないという、なんとも優柔不断な味でした。まずくてもいいから、もっとはっきりした主張を持って欲しかったと思います。
aventure number : 2128 date : 2013/8/28


今日の禁断 ドラクエ

 「あまちゃん」もいよいよ佳境に入り、映画の撮影が終わって主題歌のレコーディングと、とんとん拍子に物事が運んでいます。そのレコーディングのシーンでは、さすがに「現代」ですから、この間のようなアナログの「テープレコーダー」が置いてあるスタジオではなく、大きなコンソールのある、デジタル録音のためのスタジオが使われています。

 かなり立派なスタジオなので、リアリティを出すためにどこか「本物」のレコーディング・スタジオを借りたのかな、と思って、乃木坂のソニースタジオの画像などと比べてみたのですが、ちょっと違います。そこで、もしや、と思ってNHKの放送センターの中のラジオ用のスタジオを探してみたら、ありました。506スタジオです。例えばこれ。

 「平清盛」のサントラを録音してる作曲家と指揮者の写真、その作曲家のブログに載っていたもので、そこに、このスタジオの名前がありました。こういうところで作っているんですね。椅子の後のレンガ風の壁が同じですから、間違いないでしょう。まあ、こんなのが自前で用意できるというのが、この局のすごいところです。
 そのあとの、試写会のシーンも、やはりNHKの試写室を使っていましたね。ほんとに、なんでも揃ってます。

 これは、出来たばかりの映画のエンドロールのバックに、アキが歌った主題歌が流れる、という最後のシーンなのでしょう。思わず涙を誘う、感動的なシーンでしたね。
 ところで、こんな風に最後にキャストやスタッフの名前が流れるものを「エンドロール」というのは、かなり一般的になっています。昔は長い紙に書いたものを巻き取りながら撮影したから、「ロール」なんでしょうね。正式には「エンディングクレジット」というそうで、「エンドロール」なんて言っても外人には通用しないようですが、そんなことは気にすることはありません。前回の「禁断」ではありませんが、これだけ広まったら、もうこっちのものです。
 ただ、同じような文字が最後ではなく最初に流れた時に、もしそれを「エンドロール」と同じノリで「タイトルロール」と言ったとしたら、それはちょっと恥ずかしいのでは、という気がします。つまり、「タイトルロール」という言葉は、別の意味を持った由緒正しい言葉がすでに存在しているからなのですね。スペルは「title role」、あっちの「ロール」は「roll」ですから、発音は同じでも別の言葉、「roll」は「巻いたもの」でしょうが、「role」は「配役」という意味です。つまり、「タイトルロール」というのは、その物語の「タイトル」になっている人物のことを指すのです。「カルメン」の「カルメン」とか「蝶々夫人」の「蝶々さん」とか、いくらでも出てきますね。「半沢直樹」の「半沢直樹」とか。
 私は全くの門外漢ですが、「ロールプレイングゲーム」の「ロール」も、やはりこちらの「ロール」、「転がりまわって遊ぶゲーム」ではなく、「役を演じるゲーム」なのでしょうね。
aventure number : 2129 date : 2013/8/30


今日の禁断 エアリ

 今日は、合唱コンクールの県大会の日です。会場は、この間新田さんとのリハーサルをやった名取市文化センターです。もう私自身はコンクールにも、いや、合唱そのものにももはや縁がないのですが、愚妻がここに出るということで、ついでに聴いてくることにしました。合唱をやっている頃は、なかなか他の団の演奏をきちんと聴くことはできませんでしたからね。
 その前に、コンクールに備えての最後の練習があるというので、ホールのそばの市民センターまで送って行きます。そこで9時から練習ということで置いてきたのですが、コンクールが始まるのが10時半ですから、結構時間が余ってしまいます。そこで、近くの「イオンモール名取」に寄ってみることにしました。出来たばかりの頃1回来たきりで、しばらくぶりでしたが、その頃は別の名前だったはず。テナントだった三越もいつの間にかいなくなっていて、その跡地には電気屋が入ってましたね。モール自体はなんということはありませんが、その隣には、なんとこんな大きなテントが張られていましたよ。どうやら、サーカスが来ているみたいですね。

 ホールに着いたら、開会式が始まるところでした。そこであいさつに立った合唱連盟の偉い人が、「今年から、選考方法が変わりました」と話しています。愚妻からうすうす話は聴いていたのですが、なんでも、「一般」の部の出場団体を「室内」、「同声」、「混声」の3つのカテゴリーに分けて、それぞれから1団体を選出する、という方法をとることになったのだそうです。ということは、「同声」の「パリンカ」は、他に同じカテゴリーの団体がいないので(「男声」である「Bless」は、人数が少ないので「室内」)、自動的に予選通過、ということになりますね。逆に、「混声」には「グリーン」と「エピス」がいるので、どちらか一方は必ず「落ちて」しまう、ということになります。なんとも理不尽な制度ですが、そういうルールなのでは従わないわけにはいかないのでしょう。事実、愚妻は「グリーンが行くに決まってるから、エピスはだめ」と言い続けていましたからね。
 休憩時間に外に出たら、そこにパリンカのメンバーがいたので、「今年は、もう大丈夫ですね」と言ったら、「そんなことはない」と言われてしまいました。なんでも、そのやり方ではいろいろ不都合が出てくるので、今回は今まで通りカテゴリーに関係なく一律上位から順番を付けるのだそうですね。なんだかわけがわかりません。ということは、今年は有力な新参加のグループもあるので、パリンカが予選落ちになる可能性も出てくるのですね。
 しかし、結果は、パリンカはなんと1位のグリーンに続く第2位、3位がエピスだというのですから、まさに大番狂わせでした。でも、聴いている時にはそんな予感もありましたね。ハーモニーもかなりきれいになってましたし、ソリストも素敵、なによりも男声ならではのパワフルなドライブ感が満載でした。おまけで、ピアニストが最後に畳んであった楽譜を派手にぶちまけるという、とっておきのパフォーマンスもありましたし(これは、その前にも楽譜を落とした人がいましたから、風があたっていたのでしょう。主催者の不手際です)。

 そんな瞬間をカメラに収めたかったのですが、しつこく「写真撮影や録音はご遠慮ください」というアナウンスがあったので、休憩時間に撮るだけでやめました。「審査結果に影響を与える可能性があるので、禁止とさせていただきます」とまで言われれば、とてもカメラを出す勇気はありません。しかし、会場内で我が物顔で写真を撮りまくっていた「業者」は、「影響を与える可能性」はなかったのでしょうかね。堂々と客席の前は横切るわ、演奏中にドアを開け閉めするわ、静かなところでも遠慮なく一眼レフのシャッターを切ってうるさいわと(後ろで話し声みたいのがやまないので振りかえったら、それがシャッター音でした)、こちらの方こそ「禁止」して欲しいものです。

 プログラムを見てみたら、こんなことが書いてありました。復興の象徴としての音楽堂建設にはもろ手を挙げて賛成ですが、このコピーには抵抗があります。気持ちは分かりますが、すごく程度の低いお粗末なコピー、こんなんだったら、NAXOSの帯コピーの方がまだマシです。長年の音楽家の願いを収束したいのなら、こんなコピーは即刻取り下げるべきです。
aventure number : 2130 date : 2013/9/1


今日の禁断 トルミス

 今日の「あまちゃん」では、「潮騒のメモリー」が震災のために販売自粛、みたいなことになっていましたね。「寄せては返す」というのが、被災者を刺激するのでは、ということなのだそうです。うん、たしかに、あの頃はそんな動きが、私が属していた合唱の世界でもありましたね。「海に関する曲を演奏してはいけない」という、ほとんど脅しに近い自主規制の動きです。「水のいのち」という高田三郎の名曲を演奏しようとしていた合唱団は、やむなく他の曲に替えたそうですし、我々パリンカも、コンクールの自由曲に、と練習していた「古代の海の歌」という曲を取りやめることにしましたね。あの頃は、誰もそれをおかしいと思わなかったのですから、今から考えればちょっと恐ろしいことかもしれません。というか、あの頃は全国民が「もう原発はいらない」と思っていたような気がしていたはずなのに、あれもただのパニックの産物に過ぎなかったのでしょうか。それどころか、一国の総理大臣が外国に原発を買ってくださいとお願いしているなんて、あんなものすごいことがあったのに、なにも変わっていなかったんですね。辛すぎます。
 そんな辛い目にあったパリンカも、コンクールでは大活躍、審査結果などの細かい情報などはないかと久しぶりにホームページを開けてみたら、最新の定期演奏会の写真が貼りつけてありました。あそこは専属のカメラマンがいますから、そのOさんが撮ったものかな、と思ったのですが、なんだかすでにどこかで見たことがあるような写真です。もしや、と、私のFacebookを見てみたら、それは、そこにアップした私が撮った写真でした。どうりで、見おぼえがあるはずです。でも、こんな風に使われると、まるでプロが撮った写真みたいに見えますね。なんだか嬉しくなってしまいました。そう言えば、最近団員のHさんに某所で出会った時に「ブログで演奏会のこと書いてくれてありがとうございました」みたいなことを言われましたが、こういうことも含まれていたのですね。「元団員」ですから、どんどん使ってください。
 いや、先日のコンクールの時も、「もしや」という思いがあったので、ぜひ愚妻のエピスとパリンカの写真は撮って、またFacebookにアップしたい思っていたのですが、あんな風に「自主規制」のアナウンスがあったのでは、それもかないませんでした。まあ、「演奏中のカメラ撮影は禁止です」と言っていたので、演奏が終わって指揮者がお辞儀をしているタイミングだったら、撮ってもかまわなかったのかもしれませんが、すぐ後ろに係員がいてみ張っているようなので、やめておきました。そんな理屈の通るような相手ではないような気がしましたからね。
 Facebookには、ついに完成した鐘楼の写真を載せてみました。今日になったら足場屋さんがやってきて、夕方までに完全に足場を撤去、それが終わると足早に去って行きました。これで、なんの邪魔ものもなくなって、鐘楼の全景を見ることが出来ます。

 そのうち、住職と副住職が試しに鐘を撞きにきました。そこで、NEX-6で動画を撮ってみることにしました。機能があるのは知っていたのですが、まだ使ったことがなかったのですね。そのデータをさっそくPCで再生、音声はちゃんとしたオーディオにつないでありますから、さっき聞いたばかりの鐘の音が部屋中に広がります。撞いた瞬間はちょっと甲高い音なのですが、その余韻が低い周波数でまわりに広がって行くのがよく分かります。
 それを、これも初めてですがFacebookにアップしてみました。これがそうです。アップした後、なんだか少し時間がかかっていましたが、「準備が出来ました」という案内が来たので観てみたら、画質はひどいものに変わっていました。でも、音は、ちゃんとしたシステム、あるいはヘッドフォンで聴けば、きちんさっきのような余韻の広がりが感じられるはずですよ。
aventure number : 2131 date : 2013/9/3


今日の禁断 ランドフスカ

 今朝は、明け方にものすごい雷の音がしていたようですね。なんとも起伏の激しいお天気が続く今日この頃です。そのせいかどうか知りませんが、PCを開けてネットにつなごうとしても全くつながりません。ルーターのランプの表示は問題なかったので、もしかしてどこかで障害が起きているのかもしれません。前にもこんなことがあったので、問い合わせようとしたら、オペレーターによる受け付けは9時から5時だというので、やめておきました。障害だったら、夕方には治っているでしょうからね。
 しかし、その夕方になっても、依然ネットにはつながりません。念のため、同じルーターからWIFI接続しているiPadで確かめてみてもやはりつながりませんから、PC側の問題でないことは明らかです。ただ、そのルーターの表示は異常ないのですが、念のためということで一回電源を切って再起動してみました。そうしたら、表示は全然変わっていないのに全く異常なくつながってしまいましたよ。やはり、雷の影響でどこかがフリーズしてしまったのかもしれませんね。電話をしていたら、恥をかくところでした。

 同じように、NEX-6で、やっと今頃つぼみが開いてきたサルスベリの写真を撮った後、カメラの電源を入れようと思ったら、なんかディスプレイにレンズからの映像が表示できなくなってしまいました。どこを操作しても治らないので、早くも故障?と、ちょっと凹んでしまいましたね。ところが、これも一旦バッテリーを外して再度セットしたら、難なく元に戻ってしまいましたよ。これも、なぜかは分かりませんが再起動、というか、リセットが必要だったようですね。
 ところで、以前から、こんなオーディオ・ショップのサイトが気になってました。毎週お店の中で様々なジャンルのワークショップが開催されているというのですね。その時に、ご自慢のオーディオでサンプル音源を聴かせるのがウリ、1回行ってみたいと思っていました。ちょっと無理ですが。ところが、最近ここでそのワークショップをUSTREAMで生配信していることを知りました。居ながらにして観ることが出来るなんてちょっとすごい、と思って、どんなものなのか観てみることにしました。

 きのうやっていたのは、最近リストのピアノ曲全集を出し続けているNAXOSの社員の方が講師、そのCDを使ってリストに関するお話なのでしょう。時間通りに配信がスタート、講師はメガネをかけたちょっと小太りのおばはん、下を向いたままでボソボソと話を始めます。話そのものは面白く、リストに対するイメージがきっちり「リセット」できるものでした。CDをかける時には、スピーカーからの音ではなく、別にラインで音声を送っているようで、会場ノイズがとたんに消えてしまいます。しかし、その肝心の音のひどいこと、ヘッドフォンで聴いていたのですが、とてもピアノとは思えないような、歪みに歪んだ音です。せっかくのオーディオ・システムでも、これでは何にもなりませんね。USTの音って、こんなもんなんですか?
 そのNAXOSですが、最新の新譜インフォで、20世紀に作られたオーケストラとチェンバロのための作品を集めたCDについて「チェンバロ…ドイツ語、ハープシコード…英語、クラブサン…フランス語 どの言葉でも、どの時代でも、全て同じ楽器です」などと、とんでもないことを書いていましたね。おそらく、これがそのまま「帯」に印刷されるのでしょうから、それが店頭に並んだら大恥をかいてしまうのではないでしょうか。いや、実は私は、このCDが発売になったらすぐ購入して、その「帯」にツッコミを入れたくて、今からウズウズしているのですがね。チェンバロがどの時代でも全く同じだったなんて、全くのデタラメです。特に20世紀の音楽では、その時代にしかなかった特別な楽器「モダンチェンバロ」のために作られた曲がいくらでもあったことを、これを書いた人は知らないのでしょう。
aventure number : 2132 date : 2013/9/5


今日の禁断 バッハ


 先々週の日曜日に、愚妻の送り迎えのあとで行ったMALLの紀伊国屋に、これが山積みになっていました。本当に、「山のように」たくさん並べてありましたよ。もう、この作家は何を出しても必ずベストセラーになるのだと、書店も力を入れているのでしょう。帯には「ついに解禁!」ですから、買う人の気持ちもよくつかんでいます。私もそんな「解禁」を待っていた一人ですから、よく分かりますね。間違いなく文庫本になるのが分かっているので、ハードカバーが出た時には買わず、ひたすら文庫化の「解禁」を待っていたのでした。ハードカバーは2009年に出ていますから、どうやら4年待っていれば文庫になるのでしょう。そんなに待てない人は、ハードカバーを買え、と。
 これは、早々と2010年にはドラマになりましたね。山下達郎がテーマ曲を歌っていたこともあって毎回楽しみに見ていたのですが、最後のトリックがどうも納得行かなかったのですね。なんでそんなんで解決するの?という思いに付きまとわれてしまいました。彼の小説はもっと緻密なプロットだったはずなのに。
 もはや、ドラマで誰が演じていたかなんてことはすっかり忘れてしまった頃に、この文庫本が発売されたので、割と新鮮な気持ちで読んでみると、ドラマで味わった違和感は一体何だったんだろう、という気になりました。小説では、きちんと納得のいく結末が用意されていたではありませんか。おぼろげながらドラマを思い出してみると、小説にはなかったエピソードや、設定があったことにも気づきます。どうやら、このドラマは、この間の映画のように原作を超えることはできなかったばかりか、肝心の「謎解き」のところでしくじってしまっていたようですね。
 小説ではなく、現実の世界にだって「謎」はいくらでもあります。そのうちの一つが、先日見事に解決されるという「事件」がありました。もちろん、それを解いたのは加賀恭一郎ではありません。
 この前の「おやぢ」で、ケーゲルが指揮をした「ロ短調」を取り上げて、その際に「Benedictusのオブリガートがフルートではなくヴァイオリンになっている」と書いたら、そこへのリンクがあるFacebook上に、「そういう形の『ロ短調』を演奏したことがある」というコメントが寄せられました。その時の指揮者は私も知っていたので、当時その方が関わっていた大学の混声合唱団だろうと思い、コメントしてみました。しかし、確かにその指揮者は、その合唱団と「ロ短調」を演奏しているのに、最初のコメントの人の言う年代とはちょっと違っているのですね。その指揮者が、ほぼ同じ時期に同じ市内で別の合唱団と「ロ短調」などという大曲を演奏していたことなど、ありうるのでしょうか。これこそ、「謎」です。
 そこに突然、その「別の合唱団」の当事者の方が、コメントに参入してきました。私は全く知らなかったのですが、その頃、大学の合唱団のOBが作ったそんな合唱団があったそうなのですね。さらにその方は、その指揮者が大学の合唱団を指揮した時に結成した「仙台フィル」という臨時のオーケストラの成立経緯についても、詳細に語ってくださいました。なんと、その方が、張本人だったのですよ。この「仙台フィル」(今の「仙台フィル」とは全くの別物)のメンバーだった人の中には、知り合いもいたのですが、その成立の時の話などは聞いたことがなかったので、これは本当に貴重なコメントでした。調子に乗って、私もこんな秘蔵の資料を公開したりして。

 これは、1969年、1970年、1972年の、その大学合唱団のプログラムです。
 そんなこともあって、そのコメントのスレッドはとてつもなく長いものになってしまいました。私のFacebook上では、まさに空前絶後です。それとともに、元のブログに貼りつけた「いいね!」ボタンの数も、とんでもない数になっていました。つまり、コメントに対しての「いいね!」も、しっかりこちらに反映されていたのですね。
aventure number : 2133 date : 2013/9/7


今日の禁断 マラソン

 2020年に東京でオリンピックが開かれることが正式に決定したことにより、私は生涯で、もしかしたらオリンピックを2度体験できるかもしれないことになりました。とは言っても、その2度目は7年後、それまで生きていることが出来るかどうか。
 でも、1回目のときと今回では、オリンピックに対する期待の様相がかなり異なっていることは感じられます。とは言っても、前回のときはまだ子供でしたし、今ほどの情報がもたらされる環境にはありませんでしたから、実は正確なことはよくわからないのですが、まわりの大人たちはとても素直に開催を喜んでいた、という印象はありましたね。要は、オリンピックという「競技」が行われることを、みんなが喜んでいたのですね。運動会が始まる日を、楽しみに待つ、というった感じでしょうか。
 そして、本番になったら、生活はオリンピック一色になっていました。なんせ、開会式の日が「休日」になってしまったぐらいですからね。まさに国を挙げての「お祭り」が始まったのです。学校に行っても、授業なんかは行わないで、日本人が活躍する種目のテレビ中継を、教室にあったテレビで全クラスの人が見守りました。そう言えば、そのテレビはオリンピックに合わせて、全クラス分新しく購入されたものでしたね。なんだか、教育番組を授業に使うことが目的で買う、みたいなことを言ってても、結局使われたのはオリンピック中継を見る時だけだったような気がしますね。オリンピックを見たいために買うのに、なんでそんなあり得ないような理由を考えたのか、その時は不思議に思いましたが、今にして思えば、それが「世の中」ってやつだったのですね。
 今回オリンピック開催が決まったことで一番多く使われている言葉は「経済効果」ではないでしょうか。この言葉、いつ頃から使われるようになったのかなんて、私に分かるわけはないのですが、少なくとも前回のオリンピックの時にはまだ生まれてはいなかったような気がします。確かに、突貫工事で新幹線を走らせたり、高速道路やホテルを作ったりしてはいましたが、それはあくまでこの大運動会を成功させるために必要だから、みんな頑張っているのだな、という、きちんと納得のいく理由が感じられたような気がします。
 ところが、今回はまず第一に「経済効果」です。意味は分からないけれど、これさえ持ちだせば、誰も文句は言えないしどんなことでも許されるという、不思議な言葉です。正確なことはもちろんわかりませんが、かつてはこの言葉は、主に「結果」を語る時に使われていたのではないか、という気がします。なにかイベントのようなものがあった時に、これだけの経済効果があったのだから大成功だ、よかったね、みたいな感じですね。要は、経済効果というのは、あとからついてくるものだったのですよ(大雑把な言い方で済みません。素人としての定性的な感想に過ぎません)。それが、いつの頃からか、この「経済効果」が「目的」に変わって来たのですね。つまり、オリンピックを開催するのは、スポーツを見て非日常的な感動を味わうためではなく、「経済効果」を生むためなのだ、ということに、いつの間にかなっていたのです。これは、オリンピックに限ったことではなく、全てのイベントについて言えることです。
 そうなると、思い当たることがあります。ものすごく卑小な例で恥かしいぐらいなのですが、仙台という大都市になぜまともな音楽用のホールがないか、ということは、この「経済効果」から簡単に説明出来てしまうのですね。つまり、クラシックのコンサートなんかでは到底期待されるような「経済効果」は生まれないのですよ。そんな「無駄」なことよりも、もっと確実に「経済効果」を得られるものにお金を使うというのことが、今の世の中では「正しい」のとなのですからね。
 同じように、「震災復興」と「オリンピック」を比べれば、どちらが「経済効果」が得られるかはだれの目にも明らかです。そういう世の中でオリンピックの開催が決まったということは、震災復興を見捨てたのと全く同じ意味を持つのです。いや、すでに招致活動の段階で、被災地は利用されるだけ利用されて、肝心のところでは見捨てられてはいませんでしたか?
aventure number : 2134 date : 2013/9/9


今日の禁断 ブルーシート

 あの日から2年半、まさにその日に、あの時に崩壊してしまった職場の鐘楼が、全ての再建工程を終えて完成しました。あの時に柱が倒れてぺしゃんこになってしまった鐘楼の下では、重い梵鐘が土台に打ちつけられて、そのまま動かすこともかなわず、先日の棟上げの際に大型クレーンで持ち上げられるまでは、ずっとその場に横たえられていました。その時に、やっと目にすることが出来た土台の被害の様子がこれです。固いコンクリートが見事に凹んでいますね。

 鐘楼を建設する作業中は、この場所は特に影響はないのでそのままになっていました。

 そして、建物や屋根が全部出来た時点で、別の業者によって、ここがこのように修復されたのです。

 さらに、今日は梵鐘を撞いて音を出す撞木を引っ張るための紐も取り付けられました。

 実は、今まで付いていたものは、ごく普通の柔らかい紐でした。ですから、もうかなり劣化が進んで、なんとも頼りのないものになっていました。しかし、この新しい紐は、触ってみるとものすごい固さです。実物を見たことはありませんが、あの「横綱」というのは、もしかしたらこんな感じなのでは、という気がします。すでに、しっかり編み込んであるのですね。これだったら、いつまでも同じ形を保っていてくれることでしょう。

 これで、この鐘楼は完全に「復旧」しました。単に元の姿に戻っただけではなく、ワンランク上がったものになったのですから「復興」と言ってもいいかもしれません。こんな、内陸でそれほど大きな被害を受けてはいないところでも、「復興」するまでには2年半かかってしまいました。もろに津波の被害を受けた沿岸部では、まだほとんど何も進んではいないはずです。それなのに、この国の最高責任者は「我が国は、震災から完全に復興を遂げた」と言っているというのは、一体どういうことなのでしょう。
 震災から2年半ということで、マスコミではそれなりの特集を番組の中で行っていました。NHKなどでは、福島の原発汚染水の流出について、背筋が寒くなるようなレポートを届けています。まあ、なんせ「キリのいい日」ですから、そういう特集を組むのは分かりますが、この時期にそれをやられてもなんか「順序が違う」と思ってしまいませんか?そんな重大なことだったら、ほんの数日前のオリンピック開催都市の決定の前に、きちんと報道すべきではなかったのでしょうか。今さらそんな報道をされても、それはあの投票に影響を与えないための「配慮」、あるいは何らかの「圧力」があったために、日延べされたのでは、と考えてしまうのは当然のことです。
 いや、もしこんな報道の後に投票があったとしても、国の最高責任者は「完全にコントロールされている」とホラを吹いたでしょうし、IOCの委員たちは平然と東京に票を投じていたのかもしれません。そうすれば、今回の投票がまさに「出来レース」であったことがよりはっきりしたことでしょう。残念なことをしました。
aventure number : 2135 date : 2013/9/11


今日の禁断 グリーグ

 ちょっと前の話ですが、今週の火曜日のニューフィルの練習では、正真正銘「初見」で合奏を行いました。定期演奏会のときに演奏するレパートリーは、もう指揮者との練習も経て徐々に仕上がりへと向かっていますから、今頃「初見」などありませんが、実はまだその時に演奏する曲の中で、全く練習していないものがあったのです。つまり、「アンコール」です。まあ、アンコール(encole)というのは、(同じものを)もう一度、という意味ですから、その日の演奏曲の中から「もう1度」演奏するというのが本来の意味だったのでしょうが、今ではそんなかわいいことをやることはまずありません。つまり、「おまけ」として、「もう1曲」別な曲を演奏するというのが、最近の風潮です。
 もっと言えば、「アンコール」とは、お客さんの求めに応じて演奏される曲です。その日の演奏会がとても素晴らしかったので、この人たちにぜひもう1曲なにか演奏して欲しい、と思って、お客さんがいつまでも席を立たないで拍手をしている時にしか演奏されません。あんまりひどい演奏だったので、最後の曲が終わるやいなやみんな帰り始めた、なんて時には、とてもアンコールを演奏することなんてできません。ただ、ニューフィルのお客さんはみんな優しい人ばかりですから、今までにそんなことがあってアンコールが演奏されなかったことは一度もありませんでしたが(たとえば、1年前のブルックナーの「8番」のように、そのあとにまたなにか演奏するのがはばかれるような時には、最初から用意はしていませんが)。
 ということで、それを何にするかを、この前の歓迎会の時に新田さんに伺ったり、こちらから希望を出したりして、結局同じ北欧の作曲家の短い曲が決まったのですが、実は、その曲を聴いたことがある人は、ほんの数人を除いて私も含めて団員の中には誰もいなかったのです。そんな珍しい曲ですから、パート譜も手に入りません。そこで、その曲を提案した人が持っていたスコアをもとに、各パートでパート譜を作らなければいけませんでした。今はいいソフトがありますから、それを使ったり、原始的な手作業で作ったり、様々な形でパート譜が用意されたのが、まさにこの間の練習の時だったのですよ。それを作った人以外には誰も見たことがない楽譜を使って、80人の人が演奏しようというのですから、すごいですよね。もちろん私も、パート譜は作りましたが、極力音は見ないようにして、出来るだけみんなと同じスタート台に立つことを心がけましたよ。
 その結果、途中テンポが変わるところでカウントの取り方を間違えたパートがあってちょっと止まったものの、それ以外はほぼ完璧に演奏出来てしまいました。これぞニューフィルの「底力」、見事に「魂」を込めてくれましたね。

 ところで、ちゃんとした曲目の中にあるシベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」には、今回演奏する普通の楽譜の他に、最初に作られた別の形のものがあるって、知ってましたか?今の楽譜は、初稿(第1稿)を改訂した「第2稿」なんですよね。その「第1稿」の録音があることはだいぶ前から知っていましたが、この際だからちゃんと聴いてみようと思って、その1991年に録音されたCDを、初めて聴いてみました。かなり大幅な改訂が行われていたということですが、これは特に第1楽章と第3楽章は、全く原形をとどめていない部分が半分以上というものすごいものでした。第1楽章のカデンツァがもう一つあったりして、ヴァイオリニストにとっては大変なものだったみたいですね(だから、初演はあまりうまくいかなかったようです)。第3楽章の「チャラララン・チャラララン・チャッチャ」というフルート2本の聴かせどころも、「第1稿」にはありません。
 その違いを、このCDでは曲の途中に「インデックス」を付けることで、少し説明してくれています。ところが、いまどき「インデックス」に対応したCDプレイヤーなんてどこにもないのですね。きちんと調べてみたいのですが、楽譜が出版されるのはまだまだ先のことで、今のところは自筆稿のコピーしかないのでしょう。誰か、持っている人、いませんか?

 このCDでは「第1稿」のことを「Original Version」と言っていますが、これを「原典版」と訳しているものをたまに見かけます。これはちょっとおかしな使い方。「Urtext」もしくは「Critical Edition」の訳語が「原典版」です。
aventure number : 2136 date : 2013/9/13


今日の禁断 フォレオ


 私は、携帯電話を15年以上前に使い始めて以来の、docomoユーザーです。もちろん、今でも使っているのはガラケー、まさに絶滅品種でもう新製品も出ないようになって久しいタイプです。まわりの人はもう殆どスマホ・デビューを果たしているというのに、ニューフィルのウェブマスターでもある私がスマホにしていないのは、なんとも不思議なことでした。いや、本当は、PCを使わなくてもウェブサイトやFacebookにアクセスできるスマホはずっと欲しくてしょうがなかったのですが、なんかiPone以外のスマホは買ってもしょうがないような気がしていました。一度は、実際にiPhoneの新製品が出た時に、キャリアを乗り替えて購入することを検討してみたことだってありました。そのキャリアで、すでにiPhoneを使っていた人が、iPhone同士だったら無料で電話もかけられるとか言っていましたからね。
 ただ、やはり携帯メールのアドレスが変わってしまうことを考えると、どうしてもdocomoを見捨てることはできませんでしたね。いや、単に面倒くさいだけの話なんですがね。となると、docomoで扱っているスマホという選択肢も考えられるのですが、それはちょっと遠慮したい、というのが、当初からのスタンスだったので、結局docomoがiPhoneを出さない限り、私はスマホと使うことはできないのだ、というどん詰まりに陥ってしまっていたのです。まあ、iPhone以外のスマホを使うぐらいだったら、一生スマホを使わなくてもいいかな、ぐらいのあきらめにも似た思いですね。
 実際、ほんの1年ぐらい前までは、docomoがiPhoneを扱うことなんて絶対にないだろうな、と思っていました。ところが、最近のdocomoの様子を見ていると、これはもはやiPhoneを出す以外に生き残る道はないのではないか、という気がしてきていましたね。ですから、いずれは「解禁」される日が来るのではないかと思っていました。しかし、その日がこんなに急に来てしまったのですから、もうびっくりです。最低でもあと1年ぐらいは、待たされるのでは、と思っていたものが、いきなり、ですからね。
 こうなったら、私にはiPhoneに機種変更するのには、もう何の障害もなくなりました。おとといの13日からは事前予約も始まるというニュースを聴いて、さっそくネットで情報を収集、その日は並ぶぐらいの覚悟を決めていました。しかし、その前に、ショップの人からも直接なにかが聴けるのではと、さるショップに電話をかけてみました。予約はいつまでやっているのか(これは、どこにも書いてありませんでした)とか、そういうことですね。ところが、電話に出た店員さんは、なんとも歯切れが悪いのですよ。「たくさんお客さんが見えれば、列を作って並んでいただいたり、整理券を発行させていただくかもしれません」と、当たり前の受け答えです。もしかしたら、こんなに早く「iPhone化」が決定して、一番びっくりしているのは、docomoの社員だったのではないか、という気がするぐらいの、自信のない対応でしたね。実際、その人は「正直、私どもにも分からないところがあって、情報不足で申し訳ございません」と、最後に言ってましたからね。
 この分では、そんなに焦って予約すると、なんか手違いがあってひどい目に遭うかもしれないな、と思い、ここはちょっと距離を置いてみよう、とも思いましたね。しかし、きのうの午後にはかなりフリーな時間が出来てしまったので、ちょっと様子を見てみようと、つい、そのdocomoショップまで足を運んでしまいましたよ。
 予想通り、店の前には列なんかは出来ていません。数人のお客さんが待っているようでしたが、iPoneの予約に来たのは、私だけでした。まあ、いずれは買うことになるのだから、ここで予約をしてもいいかな、という気になって、手続きをしていると、ちょっと気になることを言われました。なんでも、発売日の20日から9月いっぱいは、携帯メールを使うことが出来ないのだそうです。つまり、スマホでは今までの「iモード」は使えないので、新たに「spモード」に変更して今までと同じアドレスを使うことになるのですが、iPhoneではそれは10月1日以降にならないと出来ないというのですよ。これはひどい話ですね。せっかくアドレスを変えたくなかったからdocomoのiPhoneを使おうとしたのに、それは、発売してから10日間は、そのアドレスではメールを受けたり出したりすることが出来ないというのですからね。ま、別に急ぐわけでもないので、私は10月になってから機種変更をするつもりですがね。
 きのう、手続きが終わって、担当のおねえさんに「どのぐらい予約がありました?」と聞いてみたら、「昨日は30人ちょっと、今日は、お客様で6人目です」ですって。
aventure number : 2137 date : 2013/9/15


今日の禁断 ティアラ

 きのうの台風は、ものすごい被害をもたらしましたね。私の記憶の中では、かつて静岡県に住んでいた頃に「伊勢湾台風」というのがあって、ちょうど今回の台風18号がとったようなコースをたどったので、家のまわりでもかなり被害があったようなことが、おぼろげに思い出されます。なんにしても、ああいう京都の被害などを見ていると心が痛みます。被災された方々は一様に「まさかこんなになるとは思わなかった」と言ってましたが、2年半前にも同じような思いを抱いた方がたくさんいたのだな、と。
 今日になったら、抜けるような青空、職場に行ったら、あんな風にも負けずに、サルスベリは着々と花を増やしていたのには、一安心です。

 とは言っても、見えないところでは被害らしきものもあったようです。墓地の奥には大きな桐の木があるのですが、その枝が折れてすぐ下にあるお墓を直撃、外柵の石を砕いてしまったのだそうです。現場を見に行ったら、枝も切られてすっかりかたづいていましたが、砕けた石はそのままになっていました。まだご存命なので、竿石はなかったのが幸いです。

 夕方ごろには、そんな青空の中に、月が浮かんでいました。確か、あさってが十五夜で満月のはず、まだちょっと欠けたところがありますね。
 実は、今日は火曜日でもニューフィルの練習はありません。「ハッピーマンデー」の週は、火曜日が市民センターの休日になるので、使えないのですよね。それでも、ヴァイオリンパートだけは、トレーナーの先生のスケジュールのために、今日はパート練習、そうなると、会場は職場の会館になります。
 ですから、私は帰る前に鍵を開け、部屋に譜面台と指揮者用のバス椅子を置いて、あとはパイプ椅子が収納してあるところを開けて、一旦家に帰り、終わる頃に見回りに来て鍵をかけるという、まるで牢番みたいなことをしなければいけません。少し早目に着いたので、外の廊下で待っていると、中の練習の音が聴こえてきます。トレーナーの先生の声もはっきり聴こえます。ヴァイオリン協奏曲を練習していて、まだまだやりたいところがあるのにもう時間が来てしまったので止めるしかない、という感じだったでしょうか。時間一杯使って、実のある練習をやっていただいたことでしょう。そう言えば、きのうは新田さんが、ソリストの会田さんと「打ち合わせ」をなさったのだとか。こちらに、Facebookからの写真がありますが、新田さんがピアノを弾いて、会田さんと合奏する、といった形で「打ち合わせ」が進んだのでしょうか。
 練習が終わったようなので、部屋に入ってみたら、みんなは背の低い法事の会食用の椅子に座っていましたよ。普通のパイプ椅子を使ってもらおうと分かるようにしておいたのに、気が付かなかったみたいですね。先生までその低い椅子を使っていたのが、なんかかわいくて。でも、ここで全体の合奏をやっていた時には、弦の人たちはみんなこの椅子を使っていたのですから、こっちの方が馴染んでいたのかもしれませんね。
aventure number : 2138 date : 2013/9/17


今日の禁断 ウィルキンソン

 先日、新しいiPhoneの先行予約をdocomoでやって来たのですが、それについての連絡がありました。電話ではなくメールで、と言ってあったので、届いたのはメールです。なんたって、明日が発売予定日ですから、そろそろなにかあるのでは、と思っていましたから、さっそく開いてみます。それは、「入荷予定日のお知らせ」というものでした。今頃来るということは、発売日には間に合いそうもない、という連絡でしょうか。それは別に構わないこと、というか、出来れば少しぐらい遅い方がいいな、と思っているぐらいですからね。もちろん、それは10月にならないことには携帯メール(キャリアメール)が使えない、という、例の信じられないようなdocomoの対応があるからです。
 しかし、メールの中身は期待に反して「9月17日に入荷予定」というものでした。ん?17日って、おとといですよね。2日前のことが「予定」というのはどういうことなのでしょう。まあ、もう1個「発売日にならないとお受け取りにはなれません」という案内がありましたから、いいんですけどね。要は、「物は入ったので、20日以降に受け取りに来い」ということなのでしょう。それにしても、間抜けなメールです。
 ただ、私としては10月以降に機種変更を行いたいと思っていますから、それが可能なのかというのも含めて、電話をかけて聞いてみることにしました。そうしたら、「入荷予定」については「おっしゃる通りです」ということでしたし、すぐに取りに行かないことについても「一応10月7日までは猶予と考えています」ですって。まずこれで一安心、携帯メールがつながらなくなる期間は、これでなくなりそうです。それにしても、そういうことはこちらから問い合わせなくても、知らせてくれるものなのでは、と思いますが、やはり初めてのことでdocomoも何かと余裕がないのでしょうか。まあ、そんなゴタゴタを実地に体験できるというのも、なかなか得難いものだ、と思うことにしましょうか。
 そんな季節ですから、もう明日からは秋のお彼岸が始まります。しかし、いつものことながら少し早目にお参りに来る人は結構います。朝職場に行ったらいつもの駐車場はすでに満車、それで、もっと先に進んで鐘楼の前に停めようと思いました。と、その場所はもうすっかりきれいにはなっているのですが、震災の時に外れてしまった電線が垂れ下がって、大きな車だと当たってしまいそうになっていました。これは、いずれ電気屋さんにきちんと直してもらう予定なのですが、お彼岸には間にあわないので、なにか応急処置をしておかないとちょっとまずいですね。そこで、社長に手伝ってもらって、一番簡単に出来る方法で解決を図ることにしました。電線の真ん中を紐で引っ張って、それを鐘楼の屋根の下に結びつける、というものです。

 屋根の銅板がいい色になってきましたね。アップにすると、

 今日は十五夜、もう、暦の上では秋真っ盛りですが、私にとってはジンジャエールは秋でも冬でも欠かせません。ストックがなくなって注文した新しい箱が届いたので、いつもやっているように、取り出しやすいように箱に切れ目を入れてみました。他の水ものと一緒に積み重ねているので、そのままだと開けにくいのですよね。

 置いた時の上が開くようにカッターでまわりを切って行くのですが、その時に「ブシュッ」といういやな音がしました。あわてて中を見てみると、PETボトルの横っ腹が見事に切れていて、そこから中身があふれ出ていますよ。なんせ炭酸ですから、止まりません。そのままこぼさないように手に持って流しにおきます。もったいないことをしました。というか、よくこういう箱には「カッター使用禁止」と書いてあるのですが、そういう注意を守らないとこういうことになるということが、初めて分かりましたよ。
aventure number : 2139 date : 2013/9/19


今日の禁断 ベルリオーズ

 このところ、半年に4回という半端なインターバルで発行を続けている「かいほうげん」です。この間の最新号は8月20日に発行しましたから、もう1ヶ月が経ってしまいました。ですから、定期演奏会の本番前にはもう1回出すつもりで気持ちだけは準備を進めているところです。ただ、今回は特にこれといった目玉がありません。もしかしたら、来年秋の演奏会の指揮者が決まるかもしれませんが、それは来月初めに候補者を集計して、その中から希望の多い人との交渉を始めることになりますから、ちょっと載せる段階までは行かないかもしれませんね。いつもだと、お盆の頃にJAOのフェスティバルがあって、そこに参加して人たちの体験談や写真が紙面を飾ることになるのですが、今年は今日あたりからと、少し遅めのスケジュール、さらに、その本番の日は新田さんとの指揮者練習が予定されているということで、ニューフィルからの参加者は誰もいませんから、そんな原稿も期待できません。
 と思っていたら、毎回エキストラで遠くから参加してくださっている方が、Facebookで(最近、お友達になれました)そのJAOに参加するために、現地につきました、みたいな書き込みをしているではありませんか。もちろん、写真も入っています。そこで、ダメモトで、ニューフィルのためにJAOのレポートを書いてはいただけませんか?ときいてみました。まあ、最悪、Facebookにアップした写真や書き込みだけでも転載させて欲しい、と、メッセージを送ってみたのですよ。そうしたら、即座にメッセージが返ってきて、しっかり原稿を書いて下さることを快諾していただけました。これで、次回のメイン記事は確定です。

 実は、11月にも、どこか遠方でアマオケの集まりがあって、それに参加する団員の方からもレポートの掲載を早々と申し出ていただいていますから、しばらくは充実した紙面をお届けできることでしょう。
 その中には、毎月の「連載」というか、「定番」で、このサイトの「おやぢの部屋」から2本ぐらいページを頂いています。これはもうストックがいくらでもありますから、今のうちに選んで紙面を作る作業を進めることが出来ます。そこで、今回はアンコールがらみで○○○グのアルバムと、もう一つ、ブルックナーの珍しい版の映像BDを使うことにしました。ネットにあるそのテキストをひな型に流し込んで、ジャケット写真を作って挿入すれば、出来上がりです。その写真は全部200dpiで現物をスキャンしたものが取ってありますから、それを探し出してサイズや体裁を揃えれば出来上がります。しかし、○○○グはすぐにその画像ファイルが見つかったのですが、ブルックナーの方はなんだかずいぶん小さなサイズの、通販サイトからDLしたWEB用の72dpiのすごく小さいサイズのものしかありません。これだと、画像は300dpiで統一している「かいほうげん」の紙面の中では、とてもしょぼいものになってしまいます。いや、確かに全部スキャンしたはずなのに、一体どこに行ってしまったのでしょう。スキャナーは職場にしかないので、それを持ってくるのを忘れて、仕方なくネットの画像をつかってしまったのでしょう。
 ただ、職場のPCの中にも、そのスキャンデータはありません。仕方がないので、もう一度スキャンしようと思って現物を取り出そうと思ったら、今度はそれも見つかりません。ブルックナー関係は同じ棚にまとめてあるので、BDでも、例えば同じ演奏家の「8番」だったらちゃんとあるのに、「4番」はどこにもないのですね。なんか、自宅にスコアを持って行って観たような記憶もあるので、もしかしたら置いたままにしてあるかも、と探してみても、ありません。2日間ぐらいそんなことをしていたら、ハタと気が付きました。あのアイテムは、現物は買ってはいなかったのでした。販売されているBDと全く同じものをBSで放送していたので、それをBDに焼いて、さも買ったように見せかけてこの原稿を書いていたのでした。それでは、いくら探しても出てくるわけはありませんね。
 ネットをよく探したら、もっと大きなサイズのジャケットも見つかったので、「かいほうげん」にもちゃんと使えますし。
aventure number : 2140 date : 2013/9/21

13/9/23-13/10/31