2101(13/7/5)-2120(13/8/12)

今日の禁断 マイク


 今、仙台では劇団四季の「キャッツ」のロングラン公演の真っ最中です。「キャッツ」と言えば、ほぼ10年ぐらい前にもやはり仙台でロングランが行われていました。あの時は確か5回か6回は見に行っていたはずです。愚妻などはなんと21回も通ったといいますから、すごいものです。でも、なぜか今回はそんなには熱心にはなれません。仙台のあとで東京でも五反田に新しい劇場を建ててロングランが始まった時にもわざわざ見に行ったというのに。
 それでも、一応千秋楽のチケットだけは押さえておきました。1回ぐらいは見てやらなければ、というぐらいの思いはありますからね。それは8月末ですから、まだまだ先の話です。
 ところが、どういう風の吹きまわしか、さる知り合いから招待券がもらえることになってしまいました。知り合いの知り合いが関係者のようですが、詳しいことは分かりません。でも、ただでくれるというのでは断る理由もありませんから、予定外のことでしたがありがたく見させていただくことにしましたよ。
 席は、1階横断通路の後の5列目、上手ブロックの通路側です。かなりいい場所ですね。実は、今までは殆ど2階席や3階席で見ていたものですから、ちょっと新鮮な感じです。それと、この席だと、会場のスタッフの様子がよく見えます。ひとり、ちょっとかわいい子がいたので、その子の仕事ぶりを見るとはなしに見ることになってしまいました。まずは、席が分からない人の誘導です。自分の席ぐらいすぐ分かりそうなものなのに、すぐにスタッフをあてにして案内させる人のなんと多いことでしょう。おかげで彼女は1階席の端から端まで歩きまわらされていましたね。と、お客を案内した帰りに、彼女はある男の人が座っている席に向かってすたすたと歩き出し、その人に話しかけています。知り合いでも見つけたので、話をしに行ったのでしょうか。勤務中だというのに。でも、そんな和やかな感じではなく、なんだかその男の人はケンカ腰になっているようです。どうやら、その人は帽子をかぶっていたので、後の人の邪魔になるので脱いで欲しいと言われているようでしたね。そうなんですよ。最近は、そういう最低のマナーも知らない人が増えていますから大変ですね。そのあと、彼女は私のすぐ後ろの席の人にも、毅然とした声で「開演になったら、帽子をお取りください」と言ってましたね。携帯で写真を撮ろうとしている人を見つけると、「写真撮影はご遠慮ください」と、きっぱり注意していましたし。
 あとは、通路に荷物を置いている人への注意です。このミュージカルは、キャストが客席の中までやってきますから、通路になにか置いてあったりすれば当然演技の妨げになりますからね。これはもう徹底的に注意して回っていましたね。実は、開演してからだいぶ経った頃に、後ろにいたその彼女が(後姿だけで、分かるようになっていました)、腰をかがめて、殆どステージの真ん前の席までまるで黒子のように歩いて行くのが見えました。その時は、いったい何をやっているのだろうと思っていたのですが、休憩時間にPA卓を見に行ったらちょうどその彼女がいたので、勇気をふるって「あのときはなにをしていたのですか?」ときいてみたら、やはり通路の荷物を引っ込めさせに行っていたのだそうです。一番後ろから、そんなところまでずっとチェックしていたのですね。まさに「影の力」ですね。
 久しぶりに見た「キャッツ」は、もちろん演出や振りつけは全く同じでしたが、歌の感じがずいぶん変わっていました。言葉がすごく良く聴こえるのですよね。というか、以前はいかにも練れていない訳詞をそのまま歌っているという感じだったものが、とても自然に日本語として聴けるようになっているのですよ。言葉に対する訓練が、まるで違っているのでは、とさえ思えてしまいました。確実に、10年前からはグレード・アップした「キャッツ」を楽しめました。お客さんの反応がイマイチでしたが、千秋楽ではきっと盛り上がることでしょう。
aventure number : 2101 date : 2013/7/5


今日の禁断 トロフィー

 先週も見たばかりなのに、また今週も映画を見に行ってしまいました。きのうは愚妻が富沢市民センターで練習だったので、それに送って行ったあと、家へ帰っても何もしないでまたやって来なければいけませんから、途中のMOVIX仙台で時間をつぶすという、いつものコースです。見たのは「モンスターズ・ユニバーシティ」、前作が結構楽しめたので、こちらも期待できそうでしたから。本当は字幕版を見たかったのですが、ちょうどいい時間がなかったので、吹き替え版になってしまいました。こちらだと、お子様連れが大半を占めていて、しかも初日ですから、私が開映1時間前にチケットを買った時にはすでに残席は20枚ぐらいしかありませんでした。さいわい、私は「一人で」行ったので、後のセンターがぽっかり空いていてそこがゲットできましたよ。始まった時には、確かに284人収容のホールが満席だったようですね。でも、家族連れは本当に行儀が悪いったらありません。隣に座っていたおばちゃんなどは、「お茶の間」でテレビを見ているノリで普通に私語を交わしていますからうるさいのなんの。

 映画は、はっきり言って期待外れでした。ピクサーの場合、本当に面白いものもある代わりに、今回のようにとことんつまらないものと、落差が激しいようです。もちろん、メカニカルな面ではとてもエキサイティングなのですが、プロットがあまりにありきたり、「キャリー」のパロディが出てきたのには、悲しくなってしまいましたよ。ただ、最後の最後、エンドロールが終わった後に「オチ」があったので、少しは救われたでしょうか。
 実は、これを見終わってから、同じところで「アンコール!!」もやっていたのを発見、調べた時には全く気が付かなかったのですが、始まるのもほぼ同じ時間でした。こっちを見ていればよかったと、後悔しきりです。

 ところが、今日になったら突然夕方の時間が空いてしまいました。そうなれば、リベンジでもう1回長町まで行ってやろうじゃないですか。何度も書いてますが、私の場合、いつでも1000円で見られますからね。さらに、ここのポイントがもうすぐ終わってしまうという情報もありますから、せっかく貯めたポイントを無駄にしないためにも、行ける時に行っておかないと。
 しかし、ほぼ同じ時間帯に行ったというのに、きのうと比べるとチケット売り場の混雑ぶりは全然違います。というか、私の前には1組しかいませんでしたよ。きのうは延々と列が出来ていたというのに。やはり、土曜日は封切が多いからなのでしょうか。映画そのものの、きのうのに比べたら地味な作品ですから、お客さんは私を含めて14人しかいませんでした。
 見たいと思ったのは、予告で「老人の合唱団に、偏屈なおじいさんが参加する」と言っていたからです。合唱の映画というのはなかなか珍しいですから、なにはともあれ見てみたいと。ところで、「アンコール!!」というのは邦題で、原題は「Song for Marion」。マリオンというのがその偏屈な爺さんの奥さん、その人が合唱団に入っているのですが、体が弱いので、毎回おじいさんが送り迎えをしているという、とても他人とは思えないような設定です。結局、奥さんはガンで亡くなってしまうのですが、その意志を受け継いで爺さんは合唱団に入り、さるコンクールで奥さんのための歌をソロで歌う、というのがメインのプロットです。だから、素直に「マリオンに捧げし歌」みたいに訳せばよかったものを。
 そのシーンだけでなく、あらゆるところで細かいツボが満載、そのたびに号泣していたら、もう顔じゅうがしょっぱくなってしまいましたよ。合唱の設定なんかほんとにいい加減なんですが、逆に伝えたいことがストレートに伝わってくるという、これは映画の力ですね。でも、爺さんの合唱団は本当に上手でしたよ。画面がとても美しかったのは、まだフィルムを使って撮っていたからなのでしょう。
 主人公の爺さん役のテレンス・スタンプは、半世紀前の「コレクター」という名作で、女性を「コレクト」する不思議な役を演じていた人。ここでは、なかなか素直になれない年寄りを、見事に「変えて」見せてくれます。
aventure number : 2102 date : 2013/7/7


今日の禁断 ベーム

 先日、今度の定期演奏会のチラシの画像が出来上がってきましたが、それに続いてFacebook用のカバーの画像が、やはり同じOさんによって作られたものが届きました。2種類あります。



 重厚な色合いが素敵ですね。さっそく、わたしのFacebookのカバーをこれに交換したところです。前回は「みんなでサイトを真っ赤にしよう!」と、他の人にも呼びかけたのですが、今回は「みんなでエメラルド・グリーンに!」ですね。
 でも、私の場合は、この色の感じから、別のものを連想してしまいました。それは、1966年のバイロイト音楽祭で上演された「トリスタンとイゾルデ」のCDのジャケット写真です。例の、ヴィーラント・ワーグナーによって作られた、とずっと信じられていた演出によるステージを撮ったものですね。今では、ヴィーラントの名前をあえて使わなくとも、あの頃のショッキングな演出として広く認められているもの、LP時代からずっと見ていたこの写真をふと思い出して、今回のデザインの素晴らしさに圧倒されているところです。

 ところで、なぜ「2種類」なのかというと、この前の演奏会の時には、個人のFacebookも団体のFacebookページもカバーまわりのデザインは同じだったのですが、いつの間にか微妙に違うようになっていたので、それに合わせて、それぞれにきっちりフィットするように細かいところでレイアウトを変えたものをちゃんと用意してくれたのですよ。Oさんは。これを使うと、それぞれのページはこうなります(私のFacebookは、名前にモザイクをかけてます。いまさらですが)。プロフィール写真の位置が違うんですよね。



 そんな風に、しょっちゅう仕様を変えているFacebookですが、この画像をアップした時には「タグ付けしますか」などという案内が出るようになりました。私は無視したのですが、それを見た新田さんが、ご自身でタグ付けしたものですから、それは新田さんのタイムラインに載ることになり、そこ経由で「いいね!」が私のFacebook上の画像に押し寄せました。ですから、開けてみるとほとんどが知らない人ばかり、なんだか変な気分です。
 その新田さんとの最初のリハーサルまで、もう1週間を切ってしまいました。普通はこんなに早い時期にいらっしゃることはないのですが、新田さんは多忙のためなかなかまとまったスケジュールをとることが出来なかったので、細切れに長期間にわたって、という予定になってしまったのですよ。今日は、パート練習の日だったので、全体の合奏はやってません。もうこうなったら仕方がないので開き直って「今」の時点のニューフィルの姿をそのまま見ていただくしかないでしょうね。きっと、「伸びしろはまだまだあります」と、慰められることでしょう。
aventure number : 2103 date : 2013/7/9


今日の禁断 ヤクルト

 燕の巣シリーズ、第3弾です。この前は6月27日アップ分ですから、かなり時間が経っていますね。そこで、まずはそれから8日経った7月5日の写真から。

 たった10日の間に、すっかり「雛」から「小鳥」になっていましたね。なんという成長の速さでしょう。いや、正直、この前の雛は確かに可愛いことは可愛いのですが、それと同時に「不気味」という感じもあったんですよね。特に、一斉にあの黄色い口を開けて騒ぎ出している様子は、まるで、それこそ「八岐のおろち」みたいな恐ろしい動物みたいな気がしてしまいました。いや、そっちは実際に見たことはありませんがね。ですから、この写真をとるためにゴミ置き場に入って行った時も、ちょっと見るのが怖かったんですよ。でも、撮ってみたらこんなに普通の「鳥」に近いものになっていたので安心しました。

 いや、それもそのはず、巣の真下を見てみたら、こんなにたくさんの・・・。食べては出し、食べては出してを繰り返して、こんなに成長したのですね。
 それから5日後のきのうのこと、夜になってから覗いてみたら、なんともうすっかり立派な小鳥になった雛たちは、もう巣から外に出ていたりしてましたよ。「夜遊び」ってやつですか。不良ですね。

 そして今日、夕方帰ってくると、親鳥が2羽ゴミ置き場を出入りしています。相変わらず餌を運んできているのですね。見ると、子供たちはおとなしく巣の中で餌を待っている感じ、なんか「したたか」という感じです。

 アップにした小鳥たち、もうすっかり「大人」の表情をしてますね。
aventure number : 2104 date : 2013/7/11


今日の禁断 ダースベーダー

 世の中では空前の暑さが続いているそうですが、ここ仙台では全くの別世界、今晩なんかはしまってしまったストーブをまた出さなければいけないかも、なんて考えているぐらいです。いや、いくらなんでもそれはウソだろう、と思われるかもしれませんが、同じ市内でも山間地に住んでいる知り合いなどは、実際にストーブをくべたと言っていましたから、これは本当の話です。日本は広いですね。
 ですから、もしかしたら、1ヶ月ぐらい前の方がよっぽど暑かったのではないか、と思い返しているところです。その時には、ヴェルディの「レクイエム」の本番だったのですが、会場の萩ホールでは合唱団員は駐車場を使うなと言われていたものですから、観光駐車場に車を停めてホールまでの坂道を歩いたら、大汗をかいてしまった思い出があるものですから。あれから1ヶ月経って、なんでもDVDが出来上がったので、それをみんなで見るためにまた集まろう、みたいな連絡が来ましたね。あの合唱団は、あのヴェルディを歌うためだけに集まって出来たものですから、本番が終われば自然消滅ということになるものが、なにかと「思い出」を引きずってズルズルと分かれるに分かれられないというのが人情というものなのでしょう。だいたい、そういう流れで何か新しいものが生まれる、あるいは、元の鞘に収まるというのは、よくあることのようですからね。「焼けぼっくいに火」ってやつでしょうか(いや、それは違うかも)。
 そんなヴェルディの「レクイエム」を、この間N響が演奏したものが、放送されていましたね。やはり、実際に自分で演奏したあとでは、たとえそれがどんなものであったとしても、他の人の演奏で聴く時のポイントが変わってしまうのは、予想していた通りでした。というか、こういう体験をしたいために、あの演奏に参加した、という意味もあるのですがね。そんなこまごまとした思いとは別に、この演奏では思ってもいなかったような「発見」がありました。

 ステージの一番前には譜面台が4台置かれていて、オケの前に座っていたそれぞれのソリストは自分の出番になるとそこに行って歌うという、ごく普通のやり方(場合によっては、ソリストがオケと合唱の間にいることもあります)だったのですが、その譜面台の上が見えるアングルになった時に、メゾ・ソプラノのソリストの譜面台の上には、楽譜ではなくiPadが置かれていたのが分かりました。紙の楽譜の上にiPadを置いたのではなく、iPadだけ、実際、ページをめくる時には、タッチパネルを操作していましたね。こういうIT機器が演奏の現場で使われ始めていることはうすうす知ってはいましたが、クラシックのオーケストラの演奏会で実際にこのようにはっきり「見た」のは、私にとってはこれが初めてのことでした。なんでも、これには手で操作しなくても足を使ってページがめくれるようなアプリもあるそうですから、いずれはオケのパート譜でもこのような使い方が普及するのかもしれませんね。
 そもそも、ちょっと前まではパート譜を作るのに「写譜屋」という職業の人が必要でしたが、今では出来たばかりの曲でも、普通にプリントしたパート譜が使えるようになっているぐらいですから、これは当然の帰結だったのかもしれません。ただ、そうなると、リハーサルでの注意を譜面に書き込む、というのが出来なくなってしまうかもしれませんね。それもいずれは簡単にクリアできるのかもしれませんが、案外この世界では「紙」に頼る時代はもう少し続くような気もします。

 今日、スーパーに行って見つけた、そんな、機械を過信した結果出来てしまった面白いチラシです。ライトセーバー「風」ポッキーって、どんな味がするんでしょう(元の原稿では「風船」とあったんでしょうね)。
aventure number : 2105 date : 2013/7/13


今日の禁断 フォスター

 きのうは、私が前に入っていた「合唱団パリンカ」の定期演奏会の日でした。合唱からは足を洗ったと言いながら、今年は2回も合唱団員としてステージに乗ってしまった私ですが、そんな古巣の演奏会を聴きに行くのもいいものです。
 もちろん、合唱を聴くと同時に、新しいカメラで初めてコンサートの本番を撮るという楽しみもありました。半分は、そういう用途で使うことを想定して買ったものですからね。それは、期待通りのものでした。いつも写真を撮るのと同じ通路に面した席に座ったのですが、前のカメラとは全然構えが違って安定しますから、手ぶれなんて全く起こりません。あと、前は少しでも構えを安定させるために、肘かけに肘をついて撮っていたのですが、それだとカメラの位置が低すぎて、前の人の頭が邪魔になったりしていましたが、これはファインダーがあるのでもっと高く構えられますしね。もちろん、解像度も高く、拡大すれば一人一人の顔がはっきり分かります。

 これは、ステージの上で横に1列に広がって歌っていたウィテカーの「Lux Aurumque」を歌った時の写真です。この写真はサイズを小さくしていますが、元のデータだとそれこそ全員の顔が免許証の写真ぐらいにはっきり写っていますからね。でも、まさかこんな曲がパリンカの演奏会で聴けるとは思っていませんでした。実は、私はこの曲は今まで2回生のコンサートで聴いているのですが、そのどれとも違った、まさにパリンカならではの「厚み」のあるウィテカーでしたね。

 一番充実していると思ったのが、最終ステージの、賛助団員を加えて80人で演奏した多田武彦の「草野心平の詩から」です。本当に、歌っている人はみんな男声合唱が好きなことがひしひしと伝わってくるような演奏、細かいところまで神経が行き届いていましたね。
 そして、今日はニューフィルの今度の定期演奏会の指揮者、新田さんをお迎えしての初リハーサルです。久しぶりの名取の大ホール、さすがいによく響く音で、吹いていてとても気持ちの良いホールです。スケジュールでは、前半の3時間が私が乗っている交響曲ですから、2時から始まって5時に終わるんだったら楽勝!と思っていたら、出がけに「もしかしたらいけなくなるかもしれないので代吹きをお願いします」という連絡が入ってしまいました。今まで練習では1回も吹いたことのないニルセンの序曲の2番を吹いてくれ、というのですよ。確か、2番には珍しく途中で長いソロあるはずだと、あわててさらいましたよ。結局、会場についた頃に、「行けることになりました」ということで一安心、私のパートに集中できるよう、気持ちを切り替えて、新田さんと向かいあいます。
 6年ぶりの新田さん、さらに指示には磨きがかかって、とても具体的にイメージできるようになります。なんか、言葉のはしはしが、とてもかわいらしいんですよね。この「新田節」に、あと3ヶ月お付き合い、どこまでそのイメージに近づけるかが勝負です。しかし、たった1日で全プログラムというのはあまりにも時間がなさすぎ、3時間なんてあっという間でしたね。問題の第3楽章はとりあえずテンポを示すだけ、という感じで通しただけですが、そのあまりの速さに、終わったら声も出ないほどでした。でも、これは私にとっては想定内、新田さんの師匠のヴァンスカなどは、もっともっと早い演奏を2回録音していますから、とりあえずあれほどではなかったことにホッとしているところです。
 後半は降り番だったので、心ゆくまで写真を撮りました。前のカメラでは、指揮で動いている姿を撮るのは大変でしたが、これはもう面白いほどきれいな写真がいくらでも撮れましたよ。そんな中のお気に入りは、これです。
aventure number : 2106 date : 2013/7/15


今日の禁断 コンクリート

 私は、ニューフィルでは広報係として「かいほうげん」を作っていますが、職場でもやはりお客さん向けの会報を、年に2回作っています。まあ、「かいほうげん」を年中作っているので、殆ど寝ながらでも作ってしまえるほどのスキルは養われていますけどね。とか言って、実際に作ってみると、結構文章の詰めとかに手間取って、結局1週間丸々使わないと出来上がらなかったりしますから、慢心はいけません。
 今回は、職場の改修工事がかなり進んで、本堂などは殆ど完成したということで、その完成写真を載せることにしました。今までは瓦屋根だったものが、まるまる銅板葺きになったので、相当イメージが変わっています。

 なかなか、その「銅」の感じが出せなくて、何度も露出を変えてみて、やっとこんな写真が撮れました。でも、これで行こうと思って原稿に挿入してみると、なんだかピリッとしません。左の方にブルーシートが入ってしまっているので、それがみっともないアクセントになっているのですよね。ちょっとこれでは納得がいかないので、そのシートをどかして、もう1度撮ってみようと思いました。ところが、このシートはなんだか石のようなものをくるんでいて、簡単には動かないようになっていたのですね。実は、手前にある石灯籠もやはり修復が終わっていたので、出来ればこのアングルで撮りたいのですが、そうするとどうしてもこのシートが入っていまいます。
 仕方がないので、これを「消す」ことにしました。細かいやり方はちょっと公開するわけにはいかないので、結果だけ。

 見事に「消えて」いますね。まず、これだけ見たら、修正したとは思えないほどの出来栄えですから、大満足、これを会報に使うことにしましょう。
 他の写真も全部入って、会報は出来上がりました。それで、今週中には印刷を始めようと思っていたら、きのうの朝になんだか工事の人がやってきました。どうやら、もう1ヶ所、まだ震災の被害のまんま手つかずだったところが、いよいよ工事が始められるようになったようなのですね。うまくすればそちらの方も、柱が立つぐらいのところまで進めば、それも会報に載せられるかもしれないので、印刷を少し伸ばすことにしました。「輪転機を停めて待つ」というやつですね。まあ、ぎりぎりあと2週間ぐらいなら待てるでしょう。あとは突貫作業でなんとかなるはずですから。

 2日間仕事をして、ここまでになりました。これは、基礎の工事みたいですね。これさえ出来てしまえば、本体はもう組み立てるだけになっているはずですから、もう、すぐに形になるとは思うのですが、どうなることでしょう。完成すれば、こんなのが出来るはずです。
aventure number : 2107 date : 2013/7/17


今日の禁断 ポッカ

 久しぶりに「あまちゃん」ネタです。いえ、今までなかったわけではなく、いちいちチェックしていたらきりがないのであえて何のアクションも起こさなかったのですが、今日の分はさすがにひとこと言いたくて。

 最初にこんなタイトルが出たのには、実は気が付きませんでした。朝は忙しいので、オープニングテーマが流れている間は洗濯機を回したりしているんですよね。ですから、いきなりこんな「ザ・ベストテン」のパロディが出てきた時には、女の「司会者」はてっきり本物だと思ってしまいましたよ。それにしてはしゃべり方が流暢だったので、すぐ清水ミチコだと気づきましたけどね。ただ、男の「司会者」は全然似てません。

 セットも凝ってましたね。こんなパラパラめくれる「機械式」のランキングボードなんか、ありましたねえ。

 そして、鏡のドアですよ。このセットなんか、これしか出番がないんでしょ?ものすごい贅沢な使い方ですよね。

 時間は前後しますが(これは、お昼の時間帯の録画です)こういう小物は外せません。「COKKA」ですって。

 ただ、一番来たのは、もっと前の録音スタジオのシーンです。コンソールの横にあったテープレコーダーにご注目。これは1984年頃の設定ですから、デジタル録音はすでに実用化されていましたが、ポップスの現場ではまだまだアナログ録音が主流でしたから、当然アナログのテープレコーダーです。

 もう少しアップになるカットもありました。間違いなく、これはアナログの業務用2チャンネルテープレコーダーですね。

 そして、最初は2台並んだ右の機械の「赤いボタン」を押して録音スタート、オペレーターは瞬時に左の機械に向かって、「白いボタン」を押して、カラオケをスタートさせる、というシーンなのでしょう。手順が細かいです。

 この機械、ネットを探したらすぐ同じものが見つかりました。放送局などでは今でも現役で使われているDENONのDN-360RGという機種です。当然80年代にも存在していたものですから、時代考証は完璧です。

 しかし、ちょっと待ってください。この時代には、ポップス、特にこのようなアイドルの歌を録音する時には、間違いなくマルチトラックのレコーダーを使っていたはずです。普通は、こんな1/4インチ幅のテープではなく、昆布ぐらいの幅のある2インチ幅のテープを使った16チャンネルのレコーダーが、どこのスタジオにも置いてあったはずなのですよね。それでまずカラオケ、場合によってはリズムだけ録っておいて、空いたチャンネルにヴォーカルを録音するというのが、普通のやり方でした。春子だって最初は入れなくてNGだったんですから、一発でうまくいくわけはありません。そのたびに、ここでやっていたように丸ごとダビングしていたら、テープがいくらあっても足りません。同じテープでも、そのヴォーカルのトラックだけは何度も録りなおして、最良のテイクだけを残し、最後にミックス・ダウンを行って2チャンネルのマスターテープを作っていたはずなのですよ。
 まあ、いいんです。要は「事実」ではなく、「勢い」なんですから、間違ったことをやっていても、かえってその方がリアリティがあるというのは、よくあることですからね。
aventure number : 2108 date : 2013/7/19


今日の禁断 アエル

 最近愚妻がいろいろネットで調べたいことがあったりして、私のPCを使うことが多くなりました。いえ、「使う」とは言っても、私が目的のサイトを開いてやって、その中であちこちのページを見まわっているという程度のことなのですがね。というか、殆ど私が操作してやっているようなものですから、その間はもちろん自分の仕事は出来なくなってしまいます。ですから、以前から愚妻用のPCを買おうと思ってはいたのですが、なにしろそういうものはからきし苦手ですから、はたして使いこなせるかどうかは疑問、というか、まず無理ではないかということで、ついついズルズルと私のPCを使わせるということになってしまっていたのですよ。
 しかし、最近は携帯並みの簡単さで操作できるPCが出ています。そう、タブレット・パソコン。いくら愚妻でも携帯電話ぐらいは使えますから、これだったらそんなに苦労しなくても使いこなせるようになるかもしれません。実際、私の身の回りにもiPadなどを軽々と使いこなしている高齢の女子をたくさん見かけますからね。いや、ほんと、この間イタリアン・レストランに行ったら、空席待ちで座っていたおばさんがカバンの中からiPadを取り出して何やらやっているのを見た時には、マジで、世の中はもうそんなところまで来ていたことを実感したものですから。私自身が、タブレットはおろか、スマートフォンさえも使ったことがないというのに。
 そもそも、タブレットでネットに接続するのも、どんな感じかいまいちよくわかっていませんでした。そういうものは携帯電話のキャリアが販売しているようですから、新たに料金契約を結ばなくてはいけないのでしょうか。一番使いたいのはiPadですが、私の携帯はDocomoですから、そうなると料金はかなりかかりそう。でも、カタログを見ると、携帯キャリアを使わなくても、自宅のWi-Fiから接続することもできるみたい、愚妻が家で使うだけなのだから、それだったら本体を買うだけでいいのではないか、とかね。別に、職場で使っているWi-Fiルータもありますから、いざとなればそれも使えるかもしれませんし。
 ということで、即刻買ってしまったのが、iPad miniのWi-Fiモデルです。誰かのFBみたいな写真ですが。

 肝心のWi-Fi接続が、最初は自動で読みこんでくれなかったのでかなり焦ってしまいました。これがつながらなければ、買った意味がありません。気を取り直して、手動でSSIDやらパスワードやらを入力してみても、「○○(SSID)が見当たりません」というすげない答えが返ってくるだけです。冷静にチェックしてみたら、最初の大文字が小文字になっていました。iPadのソフトキーボードのシフトキーがよくわからなくて、小文字のままだったのですね。それを直したら、見事につながりましたよ。
 iPadを買ったのには、私のサイトがどんな風に見えているかをチェックしたい、という理由もありました。PCだけでモニターしていたのでは、なにか片手落ちのような気が、ずっとしていましたからね(本当は、スマートフォンでのチェックの方がもっと必要なのでしょうが、それはおいおい)。それは、確かに、かなり変わっていました。サイトのデザインなどはそのままなのですが、テキストのフォントが、iPadではすべて角ゴシック体に変わってしまっているのですよね。私のサイト、今ではメイリオをメインに使っていますが、それは角ゴシック、そして、以前使っていて、まだ残っている丸ゴシックのページを見てみても、やはり角ゴシックになっていましたね。

 これがPC.

 これがiPadです。少なくとも、iPadに関しては、フォントにはそんなに気を使わなくてもいいのだと分かり、少しホッとしているところです。ただ、Macの場合は、前に店頭で見てみたら、全部明朝体になっていたのが、ちょっと気になりますが。
 なんにしても、これで少しは世の中の趨勢について行けそうです。今日駅前に行ったら、X橋のあたりの新しい道路がほぼ完成していましたからね。

 世の中はどんどん変わって行きます。良い方にも、そして悪い方にも。
aventure number : 2109 date : 2013/7/21


今日の禁断 ソニー

 昨日のことです。鐘楼の建築のための下準備を、細々とやっていたのは知っていましたが、いきなり大量の足場の部材が運び込まれました。

 その前に行っていた作業は、こんな風に土台の石を加工することでした。長いネジが伸びています。



 完成した足場です。

 そして今日になったら、大型クレーン車や、鐘楼の部品を積んだ車がたくさんやってきました。

 もうすでに全ての部品が別のところで作られていました。あとは、これを組み立てるだけです。

 でも、実際に土台の寸法などを測ったあと、微調整が行われているみたいでした。

 ちょっと目を離している隙に、もう、こんな柱の部分が組み上がっていました。足場の中で組み立てるのではなく、このように外で組み立てておいて、

 それをクレーンで持ち上げて、足場の中まで運び、

 本来の位置に固定します。

 棟梁が、それぞれの柱の中に手を入れて何やら行っています。

 これが、土台から伸びていたネジの端っこ。このように、柱の中でしっかりナットで固定されていますから、これだったら今度地震が来ても大丈夫でしょう。

 そのあとは、柱と屋根の間に装飾の部品が入れられます。

 職人さんが「上がって写真を撮らいん」と言うので、足場を昇って上から撮ってみました。ほんとにピッタリ穴の中に収まるのですね。

 そして、いよいよ本体の鐘を吊るす作業が始まります。ところが、この写真を撮った後、カメラが全く反応しなくなりました。そのうちに「バッテリー切れ」の表示が出てしまいましたよ。確かに、いくらか少なめだとは思っていたのですが、調子に乗って撮りまくるには少し足らなかったようですね。

 充電を終えて、少しは取れるようになった時には、もう鐘は固定された後でした。

 ブルーシートをかけて、ひとまず今日の作業は終わりです。たくさんの人手と、機械の力で、たった1日でここまで出来てしまいましたよ。久しぶりに、興奮してしまいました。いくつになっても、こういう風に物を実際に作る現場と言うのは、刺激的なものですね。
aventure number : 2110 date : 2013/7/23


今日の禁断 シベリウス

 今度の定期演奏会は10月の20日、この日は指揮者の新田さんのお誕生日だということは、何回も言っておきましょう。つまり、本番までにはまだ3ヶ月近く残されている、ということになりますね。これを「まだまだ先の話」ととるか、「もうこれしかないのか」ととるかは、それぞれの人の事情に関わってくる問題です。早い話、私の場合はシンフォニーの第3楽章の「E」の部分で、なんとか替え指を使ってかなりの速さにも対応できる見通しは立ちましたが、それが3ヶ月で実戦で100%使えるようになるかは、非常に微妙なところです。
 しかし、3ヶ月前にチラシやチケットが出来上がって来たとなれば、これは間違いなく「早い!」と言わなければいけないでしょう。そうなんですよ。前回から少しずつ印刷のタイミングが早まっていましたが、ついにこんなことが実現しました。今まではまず2か月前、ひどい時にはもっと本番に近くなってからしか出来上がらないこともありましたから、これはまさに快挙です。
 ということで、きのうは夜にチケット係の人たちが集まって、そんなチケットやチラシの袋詰めの作業が行われました。私も、オブザーバーとして参加ですが、実際はしっかりお手伝いをしてきましたよ。
 実は、ニューフィルのメンバーは、最近はずっと70人台に落ち込んでしまっていました。特に、ヴァイオリンあたりが一斉に卒業や転勤でいなくなってしまったもので、本番でもたくさんのエキストラをお呼びするのがもう普通の状態になっていました。しかし、前回の演奏会が終わった頃から、なんだかジワジワと入団希望者がやってくるようになったのです。そのほとんどがヴァイオリン奏者なのですから、これはとてもうれしいことでした。いや、実は団員増加についてはなんとか手を打たなければ、という意見はたくさんあっても、具体的にどういうことをやったらいいのかは誰も分からない状態だったのですね。さる団員なんかは、「もう、ヴァイオリンが増える要因はありません」とまで言い切っていましたから、事態は深刻でした。でも、なぜかは分かりませんが、こんな風に集まってきてしまうこともあったんですね。
 その大半は、最初にニューフィルの公式サイト経由で連絡を頂いた、というのは、私にとってはうれしいことです。地道に必要と思われるコンテンツを作り続けてきたことが、もしかしたら人の目に触れる機会を増やして、入団希望につながったのだとすれば、これほどウェブマスター冥利に尽きることはありません。
 ですから、今の時点では、団員総数はついに81人となっています。ついに80人を超えたのですね。というか、戻ったのですね。かつては「トラなしで16型が出来るなんてすごい」とまで言われたこともありました。そうなるには90人のメンバーが必要になります。早くそうなりたいものですね。
 つまり、きのうの仕事のメインは、80人分のノルマ分のチケットを数えて、袋に入れることでした。それと並んで、チラシを50枚ずつ袋に入れるという作業もありました。これが、来週中には団員にわたりますし、今週末にはプレイガイドにも置かれるはずです。ぜひ、お近くの団員からお求めになって、演奏会を聴きにいらしてくださいね。

 私の仕事は、チラシとポスターを各方面に届けるのと、企画書の作成です。ただ、これはあまり早すぎても効果がありませんから、いつも通りの2か月前ぐらいの感じでやって行くつもりです。
aventure number : 2111 date : 2013/7/25


今日の禁断 エレクトロン

 ほんとに、最近のお天気はどうなってしまったのでしょう。7月の末なんて1年中で一番暑い時のはずなのに、この雨と寒さときたら。この前書いたように、水曜日にチラシやポスターが手に入ったので、いつもだとその週のうちに市民センターなどをまわるのですが、なんせこの雨模様のお天気ですので、つい出かけるのが億劫になってしまいます。いや、雨が降るとせっかくのチラシやポスターが濡れてしまって、汚くなってしまう、という大義名分があるのですがね。
 ただ、プレイガイドだけは、お天気に関わらず早目に行った方が良いだろうと、今日の午前中に行ってきました。プレイガイドは全部で5ヶ所に置いてもらうことになっているのですが、私の担当は県民会館だけです。ここは、この会場で演奏会をする時しかチケットは置いてもらえませんから、この前の萩ホールの時はなし、1年ぶりに私の仕事が回ってきました。でも、プレイガイドにチケットを置いてもらう手順については、前の担当者から引き継ぐ時に詳細なマニュアルをまとめてありますので、仕事自体は簡単です。ですから、必要な書類を揃えて、チケットを渡せばそれで手続きは終わるはずです。ただ、ここの場合、別に委託販売の契約書みたいなものを作らなければならないので、団長のハンコなども持って行かなければなりません。それも、きちんとマニュアルに入っています。
 その契約書の用紙は、県民会館に用意してあります。そこで、まずそれに記入するために用紙をもらおうとすると、なんだかアルバイトみたいな頼りのない事務のおねえさんは、それがどこにあるのか分からないようなのですね。そばにいた上司などに聞いて回って、あらゆる引き出しを探しているのですが、どこにもありません。実は、私の手元には前回使った時のコピーが残っていたので、それを出して「これで構わないですか?」と聞いてみると、おねえさんはホッとした様子で、「ええ、大丈夫です」と言ってました。ほんとに大丈夫なんでしょうかね。私はたまたま持っていたからいいものを、今ここに他の団体がやはりチケットを置きに来たら、一体どうするつもりなのでしょう。というか、普段ここを使っているようなプロモーターさんには、別にそんな契約を交わさなくても、チケットを引き受けてくれるのかもしれませんね。ま、チケットさえ引き受けてもらえばこちらは別に構わないのですが、お役所の外郭団体にしてはずいぶんいい加減な対応だな、と思ってしまいます。
 チラシなどは、せめてお天気が良くなってからまとめてまわろうと思っていたのですが、他の用事で出かけるついでに行ってくるのはその限りではありません。今日は愚妻が旭ヶ丘の市民センターで練習だというので、そこに送って行ったついでに、付近の施設に置いてきましたよ。その市民センターと、すぐそばの、こんなところです。

 やっぱり、こんなややこしいことになってしまったのですね。例えばコンサートホールは「日立システムズホール仙台コンサートホール」ですよ。「ホール」がこんなに近くに続くなんて、これほどみっともない名前もないのではないでしょうか。つまり、登記上の正式名称は「青年文化センター」なのですから、どうして「日立システムズセンター仙台」としなかったのか、とても不思議です。企業の名前さえ入っていればこんな醜い呼び名でも堂々と通用させることを認めてしまった仙台市には、呼称の美しさを判断できる職員はいなかったのでしょうか。「楽都」なんて言っているくせに。
aventure number : 2112 date : 2013/7/27


今日の禁断 フーガ


 きのうは、バッハの「ヨハネ受難曲」を聴いてきました。生でちゃんとした「ヨハネ」を聴くのはこれが2回目になるのでしょうか。その、最初にまともな「ヨハネ」を聴いたのは2008年、その時に演奏前の「プレトーク」で、この間お亡くなりになった川端純四郎さんがなさった「稿」に関するお話は、当時の私にとっては衝撃的なものでした。なんせ、その頃は「新全集版」の他に「第2稿」というものがあるぐらいのことしか知らなかったのですから、川端さんの多くの「稿」が作られることになった背景までも交えたお話は、まさに目からうろこが落ちる思いでした。それがきっかけで、こんなページまで作ることになってしまったのですがね。
 きのうの「ヨハネ」でも、パンフレットには詳細な「プログラムノート」が載っていて、その中で当然この「稿」に関する解説も述べられていました。しかし、どうもその解説は、書いている人が最新の情報に疎いのか、どこからか集めてきた情報を無批判に並べただけだからなのかは分かりませんが、かなりいい加減なものでした。まあ、こんな優に4000字はあろうかという解説をきちんと読む人などほとんどいないのかもしれませんが、中にはこれを読んで真に受ける人がいないとも限りません。あるいは、これをそのままネットに流したりもするかもしれません。そうやって間違った情報がいつの間にかさも本当のことであるかのように扱われてしまっていることは、WIKIなどでは日常茶飯事です。本当に困ったものです。一番まずいのは、「4度目の上演のときには、初稿の第1曲から第10曲までに少し手を入れただけで、結局これが最終稿になった」という部分です。実際、かなり高名な音楽学者と呼ばれている人でも、同じような過ちを犯しているのですから無理もないのかもしれませんが、「4度目の上演」の時に使われた、「第4稿」と呼ばれている楽譜は、「最終稿」とされている楽譜とは全く別物なのですよ。確かにバッハはこの上演よりだいぶ前に「最終稿」とすべく新たなスコアを作り始めますが、それはある事情で中断、そして、この「4度目の上演」のときに、コピイスト(今では名前もちゃんと分かっています)に残りの部分を第1稿から写譜させて、一応スコアは完成させます。しかし、実際に演奏に使われたパート譜はそのスコアから作られたものではなく、第1稿のパート譜に少し手を入れたものだったのです。それが「第4稿」なのですね。つまり、その「最終稿」は、バッハの生前には1度も「音」にはなっていないのです。というか、そのスコアが元になっている「新全集」でも、バッハ自身が「最終稿」と考えていたのは10曲目の途中まで、本当は残りもきちんと仕上げたかったのでしょうが、結局それをやり遂げる時間は、バッハには残ってはいなかったのです。この件の詳細はこちら
 きのうの演奏では、楽譜は新全集版が使われていました。通奏低音にはポジティブオルガンが用いられており(演奏は今井奈緒子さん!)さらにコントラファゴットが加わっています。これも、最近のCDでは良く見られる使い方です。もちろん、ヴィオラ・ダ・ガンバはいまどきチェロで弾くところはまずありませんし、19番のアリオーソと20番のアリアのためにリュートが用意されているのも、嬉しい配慮です。

 指揮者は、この前ヴェルディでご一緒したO先生、ヴェルディのときのことを思い出してハラハラしながら聴いていましたが、合唱の入りでちょっと怪しげな指示だったので合唱がつい飛び出したという「事故」を除けば、ほとんど「奇跡」とも言っていい演奏だったのではないでしょうか。そういう「魔力」を、O先生は持っているのでしょうね。
aventure number : 2113 date : 2013/7/29


今日の禁断 マカロン

 この間「棟上げ」みたいなことをやって、一応の骨組みは出来上がった職場の鐘楼ですが、そのあと屋根から上の工程に入ったら、とたんに進行が遅くなってしまいました。まあ、それは当たり前の話で、下の方は出来てきた部材をくみ上げればそれで完了ですが、屋根はかなり細かい作業がありますから、そう簡単には終わらないのですね。そんな作業を逐一見てみたいのですが、あいにく現場は檻のような足場に囲まれてますし、雨を避けるためのビニールシートもかぶさっていますから、なかなか外からは見るのが難しくなっています。

 きのうは、職場の会館でパート練習でした。そこで、一旦ご飯を食べに外に出て、また帰って来た時には、もう大工さんたちは帰っていましたから、こっそり足場の階段を上って写真を撮ってきました。

 こんな感じで、まだ骨組みも完成していません。その上に板を張って、さらに本堂と同じ銅葺きにするのですから、まだしばらく時間がかかることでしょう。ですから、ギリギリお盆には間に合うかどうか、というタイミングですね。でも、実際に完成していて欲しいのは大みそかですから、それまでには間違いなく出来ていることでしょう。一応、鐘の本体は何の損傷もなかったようなのでそのまま吊るしてありますが、まだ実際に叩いて(いや、撞いて)はいないので、前の通りの音が出るかどうかは分かりません。
 お盆が近いということは、七夕も近いということです。もちろん、七夕と言えば8月初旬のお祭りであることは常識ですね。本来は旧暦の7月7日だったものを、明治政府が新暦に替えた時にそのまま同じ日を七夕にしてしまった一部の人たちは、なんと愚かなことだったのでしょう。そんな、お上の言うことを鵜呑みにしてしてしまうような国民だから、ちょっと前までは原発がこんなに危険なものであることや、使用済みの核燃料の処理すらも不可能なことを知らないでいたのでしょう。
 いや、そんなわけで、ニューフィルのSさんが、職場に飾るので小さめの竹が2本ほど欲しいと言ってきました。それで、きのうの練習が始まる前に取りに来るというので、それから切ったりするのは大変だろうと、前もって切っておくことにしました。頃合いの竹を探して、適当な長さに切り、下の方の枝を鉈で払っておきます。それを、乗用車(たぶん軽)に積んで持って行くというので、収納しやすいように、広がった枝をひもで縛って束ねておきましょう。これは、以前別の人がやはり車で運ぶ時に大変な思いをしていた時に思いついたやり方です。こうやって、年々フォーマットが固まって行くのですね。

 それを、こんな感じで置いておきました。これはその時にFacebookに載せた写真ですが、持って行ったあとで、せっかく「禁断」に載せるのに、前のポリバケツはとても邪魔なことに気付き、消してみました。
aventure number : 2114 date : 2013/7/31


今日の禁断 ルートヴィヒ

 いつも書いているように、ニューフィルの公式サイトにはメールフォームが設置してあって、そこに書き込んで送信すると、私のところにメールが届くようになっています。そんなメールは、例えば入団希望者に限ったものではなく、結構さまざまの「お願い」のようなものが寄せられたりすることもあります。最近では、さるヴァイオリニストが公開レッスンをするので、それをオーケストラの中で告知して欲しい、というようなものがありましたね。まあ、そういうものは極力ご協力するようにはしています。というか、一応団の責任者である団長の元へまず転送して、その指示を仰ぐ、ということになるのですけどね。
 ごく最近では、ちょっとユニークなお願いがありました。商店街のイベントに、オーケストラとして協力してほしい、というものなのですね。基本的には、商店街の中で演奏してはくれないか、というご相談なのですが、通り一遍のコンサートではなく、もっとお客さんも巻き込んだ企画を実現したいようで、「こんなことはできませんか?」ということで、様々な提案を寄せられました。まあ、練習風景を見せる、みたいなものもありましたが、一番受けたのは、「フラッシュモブをやってください」というものでした。知ってますか?フラッシュモブ。実は私も最近になってその言葉がすんなり出てくるようになったという、まだ使いなれない単語なんですけどね。まあ、検索すればいくらでも動画が出てきますから、実際に見てみてください。
 フラッシュモブには、いろいろなジャンルのものがありますが、クラシックの場合だと、楽器を持った人がどこからともなく現れてまず一人で演奏を始めるところに、あちこちから他の楽器の人も集まって、次第に編成が大きくなってついにはオーケストラ全員が揃って演奏、それが終わると、そこにいた演奏家はまたどこかに行っていなくなってしまう、というパフォーマンスなのでしょう。いや、確かに、これならやってみたいな、とは思いましたね。でも、我々が実際にこれをやるためには、かなり高いハードルを越えなければならないこともすぐ分かります。まず、基本暗譜で(中には、しっかり譜面台を持ちこむフラッシュモブもありますが)演奏しなければいけませんし、アンサンブルだってステージで演奏する時よりもしっかり固めておかないと、とんでもないことになってしまいそう。そして、最大のハードルは、お願いされた日が定期演奏会の1週間前だということです。翌日には最後の指揮者練習も控えていますから、そんな「道楽」に割くような時間などまずないでしょうね。
 これは、もちろん団長にお預けの案件ですから、どんな返事をする(した)のかは分かりませんが、おそらくボツになることでしょう。
 でも、オーケストラは楽器や楽譜があるので大変ですが、合唱なんかだと割と簡単に出来てしまうかもしれませんね。たとえば、今Facebookをにぎわしているのが、ドイツに演奏旅行に行っている「友達」のレポート。なんでも、きのうはワーグナーゆかりのノイシュヴァンシュタイン城に行ってきたのだとか。

 これが、そこにあった写真です。行ってみたいですねぇ。これは、かなりトリミングしてありますが、この前には観光客の群れ、そのうちの一人の胸ポケットをアップにしてみたら、

 しっかり、このお城への入場券の半券が見えましたよ。そんな観光客の前で「巡礼の合唱」とかをフラッシュモブでやったりしたら、さぞかし受けることでしょうね。「斉太郎節」なんかだったら、別の意味で受けるかもしれませんし。
aventure number : 2115 date : 2013/8/2


今日の禁断 パユ

 「EMI」という由緒あるレーベルが、「ユニバーサル」に買収されたのは、2011年の11月でした。それでも、CDなどの製品はそのまま「EMI」というロゴマークを入れて発売されていましたし、販売も「EMI Records」と、それまでと変わらない会社が行っていました。まあ、資本は変わっても、それぞれのレーベルは今まで通りの活動をしているのだな、という感じでしたね。ただ、EMIの日本法人は、2013年の4月1日付で完全にユニバーサルに吸収され、CDの販売元からも「EMI」の名前は消えていました。それでも、レーベルの名前としての「EMI」はきちんと残っていましたし、あの真っ赤のマークもジャケットからなくなることはありませんでした。
 ところが、きのうあたりのクラシック関係のブログや通販サイトで、「ラトルの新盤がワーナーから出る」と大騒ぎしているのですね。なぜユニバーサルではなく、ワーナーなのか、本当に戸惑っているような感じでした。確かに、そのラトルがラフマニノフを演奏した新しいCDは、だいぶ前から販売予告があって、それはもちろん「EMI」のレーベルでユニバーサルから発売されることになっていました。国内盤だけハイブリッドSACDなどという情報もありましたね。そこで使われていたジャケットの画像が、これです。

 しかし、それが、いざ発売になった時には、このように「ワーナー」のマークが入ったものになっていたのですね。

 それに伴って、今まで「EMI」として出るという案内を出したページでは「販売中止」という案内に変わっていました。メーカーにしても、この辺の対応に混乱気味なのがうかがえる対応です。
 ところが、ワーナーがEMIを買収した、というニュースは、すでに今年の2月には伝えられていたのですよ。正確には、「EMI傘下のParlophoneレーベルを、ワーナーが買収」という内容でした。パーロフォンというのは、かつてはあの「ザ・ビートルズ」が所属していたレーベルですよね。それが、今ではカイリー・ミノーグやペットショップ・ボーイズなどを擁するだけでなく、EMIのクラシック部門であるEMI Classicsや、Virginといった、まさにクラシックのレーベルのほとんどすべても管理下に収めていたのですね。ですから、このニュースはクラシック関係者にとっては「EMIのクラシック部門が全てワーナーに買収された」というとてもショッキングなものだったのですが、その当時そんな話を流していたジャーナリストは、私が知る限り誰もいませんでした。それが、実際にこんな風にラトルというビッグネームの新譜という形で明らかになって初めて、大騒ぎしているのですね。「2月」という情報も、その際にあちこち探して見つけ出したものなのでしょう。
 しかし、今回は、なんせマークまでしっかり変えてしまったのですから、ものすごい「大鉈」を振るったものです。過去にワーナーは、エラートやテルデックを買収した時にも、しばらくはそのレーベルそのものは残していたものですが、もはやそんな感傷に浸っていることなど出来ないほどに、「ビジネス」は非情な状態に置かれているのでしょうか。一夜にして「EMI」という長い歴史を持つレーベルが消えてしまったのは、なんともさびしく、やりきれないことです。もっとも、EMIの日本法人などでは、クラシック部門の制作はだいぶ前から下請けに出されていたということですから、もはや「EMI」そのものが実体のないものと化していたことが、このような形で顕在化した、と言えなくもないのかもしれません。
aventure number : 2116 date : 2013/8/4


今日の禁断 ワーグナー

 ドイツに演奏旅行に行っているFacebookの「お友達」(複数)は、それぞれに写真などをアップしてくれますから、居ながらにして彼らの訪問先を見ることが出来ます。携帯やタブレットも、日本にいる時と同じように使いこなしていますから、ほんとにリアルタイムで情報が伝わってくるのには、ちょっと感激。つまり、「リアルタイム」というのは、時差が7時間ほどあるということなのですがね。あちらがおいしそうなドイツパンやソーセージを写真に撮って「朝食です」などと書いていても、日本では午後3時ごろなのですから、間が抜けているというか。
 なにしろ、彼らの今回の工程はものすごいもので、1週間ほどでドイツを南から北までほぼ縦断する、というものです。もうローテンブルクでの最初のコンサートは終わって、そこから今度はライプツィヒまでバスで移動ですって。その間、途中でお昼ご飯はニュルンベルク、そしてなんと、トイレ休憩をあのバイロイトで行うというのですから、すごいです。

 これが、「トイレ休憩」というコメントの付いた写真です。もちろん、私はバイロイトになんか行ったことはありませんから、「山の中にポツンと立っている劇場」ぐらいのイメージしかありませんでしたが、この写真を見るとホールのすぐそばに道路が走ってるんですね。こんなに開けたところだったなんて。
 そこで、Google Mapで航空写真を検索してみたら、しっかりその道路が分かる写真がありました。

 どうやら、丸で囲んだところがトイレのようなのですね。確かに、この写真を撮った人はトイレの方向から写していたことが分かります。バイロイトのトイレに行ってきたなんて、すごすぎます。
 別の人がアップしていた写真は、有名なホールの正面の写真です。

 でも、なんだか壁の感じが、見慣れている写真とは違ってます。普通良く見る写真はこんな感じ。

 なんだか、開演前に金管奏者が「ベル」代わりにライトモティーフを演奏するバルコニーの左右の壁が、とても違和感がありませんか?この2枚の他に、別のアングルから撮られた写真などと一緒に見比べてみると、この壁が異様に前に出ているのが分かります。色もなんだか違いますし、なんだか窓のあたりに「線」のようなものが見えますね。
 実は、これは本物の壁ではなく、「張りぼて」なんだそうです。いま、このホールの改修工事の真っ最中で、それが音楽祭の期間にも続いてしまっているので、足場などが組んであるのですが、それを、こんなので隠しているのだそうですよ。こんな「壁」がくっついたホールの写真なんて、今しか撮れませんから、これはとても貴重なものですね。良くみたら、一番上の写真も、左側の壁は「張りぼて」のようですね。
aventure number : 2117 date : 2013/8/6


今日の禁断 ブルーシート

 前からお伝えしていた職場の鐘楼の建設状況は、いったいどうなっているのでしょうか。この前の「禁断」では、おそらくこの写真が最終の状態だったはずです。

 確か、これは先週の火曜日、職場でパート練習があったので、一旦食事をしに外に出てまた戻って来た時に撮った写真でしたね。昼間は大工さんが作業してますし、この頃はまだ「梅雨」の真っ最中ですから、雨よけの覆いがかぶさっていて、外からは見えないところを、もう大工さんは帰ってしまったのをいいことに、足場を昇って撮ったものでした。これだと、ほんとに骨組みだけで、どんな形になるのか見当もつきません。

 それが、これもやはり大工さんがいない次の日曜日に昇ってみたら、かなり工事は進んでいて、殆ど屋根の形がはっきり分かるようになっていました。

 そして今日になったら、覆いがすっかり外されて、完成された屋根が姿を現しましたよ。見事な入母屋造りの、まるで工芸品のような屋根ですね。実は、契約上の納期は今日だったのですが、いくらなんでもこんな白木のむき出しの屋根では引き渡されても困ります。前の鐘楼はこの上に瓦を乗せたのですが、今回は本堂と同じように、少しでも軽くして耐震性を増すために、この後銅葺きが施されることになっています。お昼過ぎには下地のクッションシートが屋根全体に覆われていましたね。完成までにはもう少し時間が必要なようです。「白木」と言いましたが、この建材は「青森ヒバ」なんだそうです。確かに、この部材が運び込まれた時から、境内では盛大に「ヒノキチオール」の匂いが漂うようになっていましたね。余談ですが、私が出た大学は、このトロポロン誘導体にこのような名前を付けた野副鉄男教授直系の研究室だったことを、今思い出しました。

 ところで、これはだいぶ前に載せた画像。土台から伸びた長〜いボルトが柱の中を通って、その先にこんな風に横から穴を開けてナットでしっかり固定されていました。いや、正確にはこの穴は、据え付ける前にボルトの先が出てくる位置に開けられていたものでした。よくこんなにピッタリと、間違えずに開けられるものですね。

 その場所を見てみたら、その穴はきれいにふさがれていました。全く隙間なく別の木材をはめ込んであるのですね。すごいです。

 ひさしの裏側を見てみたら、早くもクモの巣が出来ていましたよ。もうすでに、この鐘楼は生命体の一部として、命を持っていたのでした。
aventure number : 2118 date : 2013/8/8


今日の禁断 カジノ

 この間まで、その誕生から巣立ちまでを密着取材してきた燕のの雛も、最近ではすっかり巣に帰ることはなくなったようで、完全に大人になって飛びまわっているようです。時折、巣のあるあたりを何匹かの若い燕(比喩ではなく、本物)、が飛んでいるので、彼らがかつてはこの巣の中にいた雛たちなのでしょう。そのうちの2匹が、今日、電線にとまっているのを撮ってみました。

 これは、おそらく、あのつばおくんとつばこちゃんでしょうね(勝手に名前を付けてみました)。
 と、今日になれば、こんなのものんびり見ていられるだけの余裕がありますが、きのうはもうすさまじい一日で、正確に何があったのか思いだせないほど色んなことがあったような気がします。トイレの流水バルブの修理に来たのは確かにきのうのことでしたが、富山に住んでいるはずの義弟がひょっこり現れて、ほぼ完成した鐘楼の写真を撮って行ったのは、いつのことだったのか、思い出せません。
 そう、きのうが、私にとっては1年中で一番忙しい日、ただでさえ忙しいのに、なんと、受付のお手伝いの方が一人来れなくなってしまったので、たった二人で300人の受け付けと、そのうちの100人から現金を受け取って領収証を発行するという作業を30分の間に行わなければいけなかったのですから、それ以外のことなんてもう記憶のかなたに飛んでしまっています。
 そして、今日はその集計作業。前日に混乱の中で書きこんだ300人分のメモと現金を合わせるという、気が遠くなるような仕事です。
 それをひとまず終わらせて、少し早びけをして、映画を見に行くことにしました。いや、映画は二次的なもので、例によってコンクールに向けて週末は練習三昧に明け暮れている愚妻の送り迎えの空き時間の有効活用なのですがね。今回は、時間がうまい具合にはまって、チケットを買ってから始まるまで1時間の余裕がありましたから、たまには石焼ハンバーグでもと、だいぶ前に1回行っただけのお店に行ってみたら、店内がガラッと変わっていて、客席をつぶしてドリンクバーやスープバーが出来ていました。それがいかにもとって付けたような間に合わせの配置だったのが、ちょっとさびしさを誘います。集客のための涙ぐましい努力、でしょうか。ただ、スープの鍋は空っぽでしたし、製氷機がないのでアイスペールが置いてあるのですが、それも空っぽ、もうかわいそうになってしまいます。ただ、そんな中に「ソフトクリームバー」というのがあったのには驚きました。それも2台。自分で好きなだけソフトクリームを作れるんですって。これも値段のうちなので試しに作ってみたら、これがおいしいんですね。思わず食後にもう1カップ作ってしまいましたよ。
 観た映画は「謎解きはディナーのあとで」。テレビドラマは全く引っかりませんでしたが、最近あまりにも映画のプロモーションの露出が多いのに負けて原作を読んでみたら、これがかなり面白かったので、観てみようと思いました。これで、60ポイント貯まったので、有効期限ギリギリで無駄にしないで済みました。
 原作の設定だけを生かしたオリジナルの脚本のようでしたが、かなり手の込んだトリックが込められていて、最後まで飽きませんでしたよ。一旦エンドロールが流れた後に、まだまだ話は続いて、そこまで見て初めて納得がいくという、ものすごい「ジラシ」です。シンガポールのロケもすごい迫力でしたし、満足しました。もうクタクタだったので、絶対寝てしまうと思っていたのに、逆に新鮮な刺激を受けて、元気になれました。櫻井くんは下手くそですがね。
 終わってロビーに出たら、なにかに引っかかって転びそうになりました。それは「貞子」の髪、一瞬、冷たいものが背筋を走ります。
aventure number : 2119 date : 2013/8/10


今日の禁断 ゲリラ

 一時は、このまま夏が来ることはないのではないかと思われたほどの、この地方のお天気でしたが、8月に入ったらどうでしょう、もういつも以上の「真夏日」の応酬じゃないですか。今週などは、後半は20度台の日がやってくるって、確かに「週間予報」で言っていたはずなのに、いつの間にか連日30度超えになってしまっているなんて、どうしてくれるのでしょう。
 まあ、なんせ、未来のことを予想するという、とても生身の人間には不可能なことを商売にしている気象予報士の方々を責めるのはお門違いなのは分かり過ぎるほど分かっているのですが、現実に「裏切られた」という気持ちのやり場としては間違いなく存在感を発揮できるのですから、甘んじて受け入れていただかなくては。
 そんな「真夏日」は、確か仙台七夕の頃にはすでに何日めかを迎えていたはずでした。おそらく、吹流しの中ではこのお祭りの定番、島倉千代子の「七夕おどり」が流れていたことでしょう。「星空見れば」のところでオクターブの跳躍などという難しい音形が出てきますから、決してやさしい歌ではありませんが、もはやこのお祭りになくてはならない曲になっていますね。
 ところで、この歌は仙台市民であれば誰でも歌詞をそらんじているはずですから、すぐ分かるはずですが、タイトルは「七夕おどり」となっていても、歌詞の中には、そのフレーズは出て来ない、という珍しい曲です。本当ですよ。確かに1番には「七夕祭り」、3番には「おどりの仲間入り」と、断片的に入って入るのですが、「七夕おどり」というまとまった形では決して出てはこないのですよ。もしかして、知らない人は、こちらあたりを。
 いや、さっきは暴言を吐いてしまいましたが、正直、このフルコーラスを暗譜で歌える人などは、ほとんどいないのではないでしょうか。仙台市民でも。実際、検索してみたら私自身の4年も前のブログが見つかったのですが、その中で歌詞をしっかり間違えて覚えていたことが露呈されていますからね。
 ですから、最近ではもっぱら七夕と言えば「青葉城恋唄」みたいな感じになっているのではないでしょうか。もちろん、街中で流れているのは1978年のデビュー当時の音源ですから、今のような過度のビブラートに邪魔されない素直な歌声が楽しめます。ご存じでしょうが、あの音源の中で素敵なピアノのオブリガートを弾いている榊原さんは、仙台駅の新幹線が発車する時のとてもドラマティックなジングルを作られた方ですね。
 それはともかく、この「青葉城恋唄」というタイトルの曲の中にも、決して「青葉城」という歌詞は出てこないことには、お気づきでしょうか?「青葉通」ならあるんですけどね。というか、「青葉城」と言っておきながら、暗喩的にもそのお城のことを表現している部分が、歌詞の中には全く見当たらないのですよ。つまり、歌詞の内容はタイトルとは全く無関係だ、ということになりますね。なんか、とても不思議な気がします。もしかしたら、最初に作られた歌詞では、しっかり「青葉城」のことも取り上げられていたのかもしれませんね。ただ、それをきちんと商品化する際に、様々な事情によってその部分はカットされ、このインパクトのあるタイトルだけが残った、と。
 Hさんあたりだったら、その辺の事情をご存じなのかもしれませんね。
aventure number : 2120 date : 2013/8/12

13/8/14-13/9/21