2081(13/5/26)-2100(13/7/3)

今日の禁断 カルミナ

 きのうはヴェルディの「レクイエム」を、3時間立ちっぱなしで歌うという非常に過酷な体験をして、もう足はパンパンでした。久しぶりに朝起きたら立ちあがれないほどでしたから、相当のダメージだったのでしょう。でも、今日は「かやの木コンサート」ですから、そんな体調でも休むわけにはいきません。もう朝から受付の準備とか、コンサート会場に設置するテントの業者への指示など、休む暇もありません。
 今まで、このコンサートの時にはなぜかお天気が良くて、カンカン照りの中を耐えて聴いているお年寄りなどの姿を見ていましたから、もう少し快適な環境を、と、今年はもう一張テントを増やすことにしました。そうすれば、客席を全部カバーできるはずです。
 前もって測っておいたので、3つのテントはピッチリ駐車場の中に収まりました。

 と、だれかが、「トラックが出られねえっちゃ」と言い出しました。たしかに、椅子やらテントを載せてきた、かなり大きなトラックが、テントの奥に置かれたままです。このままでは絶対に出られません。なぜ、今まで誰も気が付かなかったのか不思議ですが、プロでもこんな間抜けな間違いを犯してしまうこともあるのですね。

 でも、さすがはプロ、テントを解体することはなく、巧みに空いたところにテント全体を移動して、なんとかトラックが通れるようにしてしまいましたね。お見事。ただ、そんな無駄なことをやっていたので、設営は大幅に遅れてしまい、金管のメンバーもそろそろ集まってしまいました。

 リハーサルがはじまる頃には、本来の行事のお客さんも来始めますから、私は受付の体制に入ります。お土産用に用意した4色のポットを窓口に置いておいて、希望する色のものを持って行ってもらおうというのですね。しかし、予想していたことですが、「4色の中からお選びください」と言うと、みんな一様に迷い始めるのですね。でも、そんな、いつもと違うことをやっているのに、みんなは新鮮な思いを持ったことでしょう。予想外のこともありました。「わたし、これが良い」と言って、箱から出して見本に置いてあった裸のポットを持って行こうとする人がかなりいるのですね。そのたびに、「それは、サンプルですので」と言って、箱入りのと交換してやらなければいけませんでした。まあ、今後は、もうこんなことをすることはないでしょう。ちなみに、最も希望が多かった色はブルーでした。
 コンサートの本番は、Hさんの軽妙なMC(楽器紹介が、受けてました)もあって、お客さんには楽しんでもらえたのではないでしょうか。

 私にはそのあとまだ予定が残っていて、ヴェルディのオケ合わせの2日目です。今日の会場はエルパークのスタジオホール、ニューフィルで何回か使ったことがありますが、オケだけでも窮屈だったのにそこに合唱が入るのですから、きのう同様合唱用の椅子などはとても置くことはできません。2日連続で、合唱団員は苦行に耐えなければいけませんでした。いや、正直な話、そんなのんきなことを言っている場合ではないのではないか、という気がしませんか?本番ならまだしも、練習の時に、合唱団が座る椅子を用意しないというのは、はっきり言ってあり得ないことです。普段の合唱団だけの練習の時に、椅子を使わないでずっと立ちっぱなしのままなんていう合唱団なんて、お江コラぐらいしかないんじゃないでしょうか。オケ合わせの時は、普通の指揮者だったら合唱団を座らせてオケだけの練習をする、と言う場面も数多くあるはずですからね。もちろん、仙台ニューフィルも、合唱団とは何度も共演していますが、椅子を用意しなかったことなど一度もありません。
aventure number : 2081 date : 2013/5/26


今日の禁断 タダタケ

 最近、我が家のマンションの駐車場に燕が何羽か飛びまわっているようになりました。雨模様の時などは、まさに「黒く曇天の下を飛び交って」いるというわけです(男声合唱ファンだったら、分かるはず)。そうしたら、管理人さんが、「燕の巣にご注意ください」などという張り紙を掲示するようになりました。どうやら、ゴミ捨て場の天井に付いている蛍光灯の裏側に、巣を作っているようなのですね。ゴミを捨てに行った時などに、急に燕が飛び込んできたりしますから、気を付けろ、ということなのでしょう。今朝、その蛍光灯を見てみたら、確かに巣らしきものが出来つつありましたので、写真に撮ってみました。もちろん、新しいNEX-6を使って、です。

 これから、雛などが顔を出すようになるのでしょうかね。無事に育ってくれればいいのですが。
 この前の週末は、ヴェルディの合唱が初めてオーケストラとの合わせをやることになっていました。まず土曜日は、指揮者がオケだけの練習をやっているので、その時間に合唱団の団長が細かいところの練習をすることになっていました。でも、その予定が決まったのが間際だったので、参加者はかなり少ない状態でしたね。テナーなどは半分もいなかったのではないでしょうか。結局、そこでは、「なんで今さら」というような、お粗末なところが露呈されてしまったのですが、これは今までやるべきことをやっておかなかったツケが回って来た結果なのですから、どうしようもありません。
 それから、歩いても行けるほどのところにある市民センターに、みんなで移動することになります。私は車で来ていたのですぐ向かいの駐車場に車を置いて、会場の前に行くと、なんだか、リクルート・スーツに身を固めた真っ黒な一団がそのあたりにたむろしていました。このそばで就職セミナーでもあったのかな、と思っていると、その一団はみんなその市民センターに入っていきます。中には楽器ケースを持った人もいるので、どうやら一緒にヴェルディを演奏する大学のオーケストラの人たちだったようですね。みんな、たまたま就活の帰りだったのでしょうか。揃いも揃って。
 ところが、次の日も、今度はエルパークのシアターホールでやはりオケ合わせだったのですが、その時も全員ダークスーツ姿だったのですよ。中は暑いので、みんな上着は脱いでますが。

 どうやら、これは「たまたま」着てきたわけではなく、この練習のために「わざわざ」スーツを着た、という気がしてきました。そこで、団員の一人に聞いてみたら、やはり、「先生がいらした時には、みんなスーツを着ることになっているんです」という答えが返ってきましたよ。そうなんですね。学生オケの間では、そんな風習というか伝統みたいなものがあったのですね。私は学生オケで演奏した経験は全くありませんから、そんなことは全然知りませんでしたよ。
 そこで、学生オケ出身の人がたくさんいるFacebookの友達に向けて、「どうなんですか?」という書き込みをしてみました。そうしたら、「昔はそんなことはなかった」とか、「かつて、指揮練では正装という伝統があったが、今は自然消滅している」とか、いろいろな情報が寄せられました。ということは、別にこれは世の学生オケすべての風習ではなく、単にこの団体に限ったことのようですね。でも、そこの最近の卒業生まで「悪しき習慣です」と言っているぐらいですから、どうなのでしょう。
 私は、正直、これは実に気持ちの悪い光景のように感じてしまいました。というか、今の若者がこんなヘンなことに神経を使うなんて、信じられない思いです。なんか、敬う対象を間違えているのでは、と思うのですが、どうでしょう。
aventure number : 2082 date : 2013/5/28


今日の禁断 パンク

 「あまちゃん」の快進撃は続いています。もうやることなすことが、すべて決まって、どんどんエネルギーが貯まっていく、という感じですね。これが、すべての点で墓穴を掘っていた前回との違いなのでしょう。最近の小技では、ビールの缶に「旬生」とあったのはウケましたね。NHKだから商品名は出せない、という「掟」を逆手にとっての暴れっぷりは爽快です。そう言えば、最初の頃に「Yokatube」というのもありましたね。
 そして、今日も新たな小ネタです。

 7時半の回を見た時には、当たり前に「Google」だと思って気にもかけなかったのですが、NHKでそれはまずいだろう、と思い直して、8時の回をみたら、やっぱりこんなうれしいことをやってくれていましたからね。これは当然「ジェーグル」でしょう。
 ただ、視聴率ランキングは、「あまちゃん」の独走だと思っていたら、いつの間にか「ガリレオ」が割り込んできて、なかなかのデッドヒートを展開するようになってきました。どちらの番組もお気に入りなので私としてはとてもうれしいのでがね。でも、やはり「ガリレオ」の台本の粗さというか、テレビならではのいい加減さが、ちょっと目立つような気がしないでもありません。あの、毎回の数式を書きなぐってポーズをとる、というパターンは、なんとかならないのでしょうか。ところで、先週の「烏天狗」では、宮司さんは結局どうなってしまったのでしょう。
 そんなことを言ったら、「あまちゃん」だって穴がないわけではありません。そもそもアキちゃんが登場した時にすでに「天野アキ」になっていましたが、その時点ではまだ両親の離婚は成立していなかったので、本当は「黒川アキ」のはずですからね。まあでも、そんないい加減なところも許せるだけの勢いが、この作品にはあるということなのでしょう。
 「勢いがあるから許せる」というのは、音楽の場合にもあてはまります。最近は原典版の楽譜がしっかり出回るようになって、確実に作曲家が意図したことが伝わるような下地が整ってきつつあります。ですから、楽譜に正確な演奏を心がけるための材料には、事欠きません。ものによっては、作曲家の自筆稿のファクシミリがネットで簡単に見ることが出来たりしますからね。
 ただ、楽譜というのはあくまで設計図に過ぎないわけで、それを実際に組み立てて形のあるものにするのは演奏家の仕事、つまり、演奏家には楽譜に音楽としての「命」を吹き込む役割を任されているのです。ですから、なによりも大切なのはそこに込める「勢い」なんですよね。音楽全体の「流れ」から来る「勢い」を殺がれる場合には、楽譜に少しぐらい背いても許されます。大切なのはそのような「勢い」から生まれる得も言われぬ「熱気」です。魂のほとばしり、と言ってもかまわないかもしれません。それさえあれば、その演奏は間違いなく「感動」を呼び起こすことでしょう。
 例えば、今私が取り組んでいるヴェルディの「レクイエム」の、最後の最後、ヴォーカル・スコアだと、「Libera me」の最後から4ページ目から始まる、最後の盛り上がりを導くための「Dum veneris judicare」で始まるベースと他の3パートとの掛け合いの場面です。

 ご覧のように、ベースは4拍目の裏から始まり、それと同じ音形を上の3パートが受けているのですから、そこも本当は「裏」から入らなければ「楽譜通り」ではありません。赤枠の部分では、本当はパートによって音が半拍ずれるはずなのですよ。しかし、そんなチマチマしたことに気を取られていては肝心の「流れ」が滞ってしまいますから、ここは全員4拍目の頭で揃えましょう。そのような「豪快な」やり方で「感動」をもぎ取ろうというのが、今回のヴェルディなのですからね。せめて、楽譜に書いてあることぐらいはきちんと守って歌いたいな、などと思っている人には、そんな「感動」を味わう資格はありません。
aventure number : 2083 date : 2013/5/30


今日の禁断 ペンタックス

 今度買ったNEX-6は、期待通りの素晴らしさでした。まず、画質が前のコンデジに比べたら格段に良くなっているのは当たり前ですが、手ぶれが全くなくなったのですから、すごいものです。構え方が安定したことも大きな要因ですが、センサーが大きくなって感度が良くなったのも、かなりの影響があるのでは、と思っています。そんな一例を。
 今日のお昼前に、前に修理に出していた掃除機が無事治って来たので、それを受け取りに駅前に行った帰りに、エスパルの地下にある「嘔吐屋」でお昼ご飯を食べようと思いました。でも、まだ11時半なのに、すでにお店は満席、仕方がないので外の椅子に座って順番を待っていると、その隣、と言っても入口はかなり遠くにある牛タン屋の「キス家(け)」の前には、もっと長い列が出来ていました。名前を書き込むボードの下には、「30分待ち」という文字も、遠目に見えます。さすがですね。それで、試しにその貼り紙をNEX-6で撮ってみました。

 もちろんストロボは使っていませんし、ズームも最大、以前のコンデジだったら完全に手ぶれになっていたところですが、こんなにはっきり写っています。感度を見てみたらISO2000になっていました。前のカメラでもこのぐらいの感度で撮ることが出来るのですが、その代わり画質はひどいことになってしまっていましたから、そのあたりの差も大きいのでしょうね。

 実は、以前、「かいほうげん」などに使っていた写真を撮っていたのは、ちょっと小ぶりの一眼レフでした。ひょんなことからそれが出てきたので、並べてみたら、大きさはあまり変わりませんね。やはり、ずっと使っていた一眼レフの感触が今でも残っていたので、このカメラにもすぐ愛着がわくようになったのでしょう。

 裏ぶたを開けてみると、フォーカルプレーンシャッターで覆われた窓口が見えますが、ここに35ミリフィルムを密着させて、画像を記録していたのですよね。この窓の大きさが、デジタルになっても一眼レフではセンサーそのものの大きさになっています。NEX-6のようなミラーレスの場合は、それより一回り小さいAPS-Cサイズですが、コンデジのセンサーに比べたらはるかに大きなものです。
 大きなものを撮った時にも、威力が発揮されます。

 これは、職場の襖。なんだか由緒ある襖絵みたいなのですが、震災の時に鴨居が動いたので、こんな風に破損してしまいました。つまり、その時には建物全体がかなりゆがむぐらいの力が働いたのですね。要は耐震設計に、無理がある造りだったのですよ。そこで、まず屋根の瓦を全部銅板に代えて重さを軽くして、建物のゆがみを修正するとともに、壁や柱を補強して耐震強度を増すような工事が行われました。その結果、この襖が収まっていた壁面は、こんなことになってしまいました。

 襖6枚分の広さのある壁面は、左の2枚分が埋められて壁となり、その両端に新たに柱を入れてあります。ということで、この襖はもうセットとして収めることは出来なくなってしまいました。ですから、せめて写真でその全体像を保存しておこうということですね。

 こんなに拡大しても、はっきりしていますから、きっと後世に残すことが出来ることでしょう。
aventure number : 2084 date : 2013/6/1


今日の禁断 ダッタン

 きのうは、いつになくバラエティに富んだ一日でした。この日は、合唱連盟の年に一度の行事である「合唱祭」が多賀城で行われます。私自身は何の関係もないのですが、愚妻が2つの合唱団で参加しなければいけないので、私としては車で送って行かないわけにはいかないのですね。なんでも、お昼までには多賀城に着いていかなければいけないということで、途中でお昼ご飯を食べることになりました。利府街道沿いの「むぎの里」です。そこで注文したちゃんぽんうどんが・・・

 これは、合成写真じゃないですからね。
 午後からは、仙台まで戻ってきてヴェルディの練習が2時からあることになっていました。でも、その前に、せっかくですから「とっておきの音楽祭」に出演するニューフィルのメンバーの演奏を聴いて行きましょう。2時55分から藤崎前、という予定を聞いていましたので、それの頭をちょっとだけ聴いて、あとは地下鉄で長町まで行けば、太白区文化センターでの練習の後半には間にあうはずですからね。つまり、ヴェルディの合唱のメンバーの半数以上は合唱祭にも参加しなければいけない人たちですから、大幅に出席が少なくなるはずなので、私も少しだけそれに便乗しようと。

 ニューフィルのチェロパート4人の演奏は、こんな感じでした。始まった時にはあまり人がいなかったので、「キャッツ」の垂れ幕の下の柱の前でカメラを構えていたら、どんどん人が集まってきて、こんなに前までぎっしりになってしまいました。大盛況ですね。きっちりと一人一人の前にマイクを立ててましたから、音もきれいに聴こえてきます。最後までは聴けませんでしたが、「かいほうげん」に使えるだけの写真は撮れたので、地下鉄駅に向かいます。
 長町にはすぐ着いてしまいました。そのまま文化センターに行ける階段を上って、その先のエスカレーターに乗ると、目指す楽楽楽ホールに行けます。ただ、その前に、念のため通路の途中にある展示ホールを外から眺めて見ましょうか。ニューフィルでも使ったことのある、オーケストラだけでいっぱいになってしまうホールですから、そんなところで合唱も一緒に練習なんてまずあり得ませんが、もしや、ということもありますからね。
 ところが、ガラス張りのそのホールには、指揮をしているO先生の姿がブラインド越しに見えるではありませんか。この狭い空間に、オケも合唱も詰め込んでしまっていたのでした。なんという。

 入口は指揮者の左側にしかないので、入ってみたら、このようにまさにすし詰め状態、こちらはソプラノの陣地で、テナーがいるところまでは到底たどり着くことなどできません。なぜか、全員分の椅子までちゃんと用意されていますから、立って歌っている時には、マジで隙間が全くなくなっているのですよ。
 そのうち、ソロだけの部分になったのでやっと合唱が座りました。その女声たちの前を一人で通っていくのはかなりの勇気が必要でしたが、なんとかテナーの場所までたどり着きました。ただ、そこも椅子はすでに全て埋まっていたのです。休憩になって、バンダのトランペット奏者が帰ったあと、そのなけなしの椅子を運んでくるまで、私は一人だけ立ちっぱなしでいなければいけませんでしたよ。
 どうやら、本番の時にも椅子を置ける見通しが立ったそうなのです。これで、途中で合唱が引っ込んで休憩をするなどというみっともない事態だけは避けられそうです。
aventure number : 2085 date : 2013/6/3


今日の禁断 ボルト

 先週末から、何かとあわただしい時を過ごしています。いつものオケや合唱関係のことではなく、私の母親が骨折をしてしまったので、その診察やら入院やら手術といったことですね。
 母親は職場に社長(実は私の弟)たちと一緒に住んでいますが、先週の木曜日に出勤してみると、母親は外出中、病院にでも行ったのでしょうか。お昼近くに帰って来た時には、三角筋で右腕を吊っていました。なんでも、かかりつけの医者に行くために弟の車で向かう時に、玄関の前の石段で転んで右ひじを打ってしまったのだそうです。その医者は外科だったので、そこでレントゲンを撮ってもらったら、「骨が折れているので手術が必要」と言われ、別の大きな病院の紹介状を書いてくれました。でも、打った直後はものすごい痛みだったけど、今は全然痛くない、なんて言ってますから、そんな大したことはないと思っていました。
 金曜日に、紹介状を持って、社長は都合が悪かったので私がその大きな病院に連れて行きました。受付で紹介状と、レントゲンの画像が入ったCD-R(今は、こういうものを渡されるんですね)を出すと、紹介状の宛先の医者はその日は居ないので、別の日に来てくれ、と言われてしまいました。そんなことを言われても、なにしろ骨折と言われているのですから、すぐにも診てもらいたかったので、他の医者でもいいから診てくれと言って、外来で待っています。予約の患者が多いのか、あとから来た人がどんどん呼ばれて診察してもらっているのに、なかなかうちは呼ばれません。母親はなんだか不安げ。1時間以上待ってやっと診察が始まりました。そこにいた医者がレントゲン写真を見るなり、「これは手術しなけりゃだめだね。ほら骨が離れてる」と言っています。その時に見たのと似た画像をネットで見つけたので、見てください。

 こんな風に尺骨の上腕側の端の「肘頭(ちゅうとう)」と呼ばれる部分が、完全に離れてしまっているので、このままでは腕を伸ばすことが出来なくなってしまいます。これを治療するためには、手術でこの骨をくっつけなければならないのですね。これもネットで見つけた画像で、手術直後に見せられたレントゲン写真とよく似たものですが、このように金属のプレートをネジで固定させる手術です。これは、そのままずっと着けたままでいるのだそうです。

 手術は、きのうの火曜日に行われました。私と社長、それともう一人の兄弟である妹の3人が病室で待つことになりました。手術に向かう時には1時間ほどで終わるようなことを言われたそうなので、軽い気持ちで待っていても、なかなか帰ってきません。2時間を過ぎた頃には、さすがにちょっと不安になってきます。なんせ、母親はかなりの高齢ですから、何か問題があったのかも。
 2時間半経って、やっと病室に帰って来た時には、点滴やら血圧計や酸素マスクにつながれ、寝巻の端には血糊が着いているという、ちょっと悲惨な状態でした。全身麻酔がまだきいているのか、意識はあってもろれつが回らないようで、何か意味不明のことを口走っています。手術を行った右腕も、かなり痛むみたいでした。
 それから2時間近く声をかけたりしていると、徐々に話は聴きとれるようになってきましたが、なんだか同じことを何回も繰り返してしゃべっているような感じ、ちょっと不安になりますが、私はニューフィルの練習があるので、妹だけを残して病院を出ることにしました。
 今日になって病院に行ってみると、なんと、母親はもう椅子に腰かけて、妹と普通におしゃべりをしていましたよ。もう全然痛くないんですって。しばらくすると、リハビリ担当の人が来て肘を使わないで腕全体を動かしたりさせていましたが、いとも簡単に出来ていました。たった1日でここまで回復するなんて、すごいですね。まずは、一安心です。
aventure number : 2086 date : 2013/6/5


今日の禁断 ズーム

 新しいカメラは、今までのデジカメではちょっと不安だったところをことごとくクリアしてくれています。もう、自分の思った通りの写真が撮れるので、うれしくてしょうがありません。デジカメで一番不安だったのがストロボでした。ちょっと広いところになるとカバーしきれなくなって全体が暗くなってしまいますし、近くのものを撮っても妙に明るすぎたり色が変わってしまっていました。それが、このカメラではなんとも気持ちよく、明るさも色も申し分ない写真になってくれるのですからね。
 そこで、たまたまそばで遊んでいた、私の弟の孫(なんて言うのでしょう?)を撮ってみました。おととしの大みそかに生まれたという、1歳半になる男の子です。生まれたばかりはこんなでした。

 その子は窓際にいたので、ちょっと逆光気味、そこでストロボを使って撮ったら、こんなにきれいに撮れました。

 ところが、撮影が終わっても、なんだか「ノイズ除去」という表示が出て、今撮ったものとは別の画像がもう一つ出来てしまいました。

 顔認識機能が付いているので、その顔だけを残して、まわりの余計なものを「ノイズ」という形でこんな風にトリミングしてくれたのですね。私は画像処理のソフトを持っていますから、そんなものは全く必要ないのですが、考えてみたらそれを自動的にカメラがやってくれればありがたいと思う人はたくさんいるはずですね。なんの処理もしないでFacebookにすぐアップするのにも、便利かもしれません。
 リハーサルは済んだので、いよいよ実地に「かいほうげん」用の写真を、ストロボ付きで撮ることにしました。こんな感じ。今はモザイクがかかって見えませんが、とても奇麗に撮れていますから、次号にご期待です。

 ところが、この時にもやはり「ノイズ除去」の処理が入ってしまいました。そして出てきたのが、これです。

 肝心のフルートの人が「除去」されてしまっていますね。NEX-6にとっては、このかわいい女の子は「ノイズ」だったのですよ。もしかして、このカメラは女子?きれいな女性はひがみで全部「除去」してしまうとか。そう言えば、さっきの男の子の写真でも、除去されていたのは女性でしたね。
 そんな気持ちにもなるぐらい、至れり尽くせりのカメラですから、こんな小さな動物でも楽々撮ることが出来ました。体長1ミリ足らずの「タカラダニ」です。

 そのぐらい、世の中のものは進歩しているというのに、そんな流れに逆らって時間が立つと悪くなってしまったものに、最近出会いました。わが社では、5年に1回行われている行事があるのですが、そのためのパンフレットを作るのも私の仕事です。今回も5年前のデータをそのまま使って、版下はすぐに出来てしまいました。それを印刷するための厚手の紙も、その時に使ったのが残っているので、ちょっと足らない分を買い足して(同じ品番の紙はまだ売ってました)印刷します。そして、仕上げにその紙を半分に折って、出来上がりです。ところが、折っている途中でなんかすぐ毛羽立ってしまうものがあるのですね。調べてみたら、それは新しく買ったものでした。5年前の紙は、とても奇麗に折れているというのに、新しい紙には全然「粘り」がなくなっているのですよね。

 上が今年の紙、下が5年前の紙です。これは、困ったことですね。
aventure number : 2087 date : 2013/6/7


今日の禁断 グラタン

 母親の手術は経過も良好のようで、来週初めには退院できそうな見通しなのだそうです。まだまだリハビリは残っていますが、とりあえずは一安心。確かに、手術直後は手首から先が鬱血してものすごい色になっていましたが、それは見る見るうちに普通の色に戻って行きましたからね。
 病院のすぐそばにはサイゼリアがあるので、この間お見舞いに行った帰りに行ってみました。かなり久しぶり、ただ、相変わらず禁煙も分煙もされていなくて、なんの隔たりもない喫煙ゾーンが隅の方にあるという状態は、今のファミレスとしてはかなり恥ずかしいものではないでしょうか。ここは、思い切って全面禁煙にすれば、きっとお客さんは増えるはずですよ。つまり、私などは「もしかしたら」という気持ちで来てみたのですが、相変わらずのタバコ臭さだったので、もうしばらくは来ることはないだろうな、と思いましたからね。
 それでも、本当に久しぶりだったので、「間違い探し」の新しいバージョンが出ていたのはうれしかったですね。今回もなかなか手ごわい感じ、どんどん難易度が高くなって行くみたいです。結局、10個ある間違いのうちの7個までしか分からないうちに食事が終わってしまいました。ですから、当然また写真を撮って、家でじっくり探すことになります。

 ブログ版では画像の幅が最大500ピクセルまでしか表示できないので、これを大きくして縦に並び変えてみます。これだったら、多分はっきり見えるでしょう。

 しばらく考えてみても、結局7個以上はいくらやっても見つかりません。仕方がないので、ネットで答えを探してみると、ゾロゾロ出てきました。確かに10個ありましたね。分かってしまえば「なんでこんなことが」なんですがね。というか、今回は今までとはちょっと傾向が違っていました。つまり、今までだと、いかにも間違いがありそうな細かいところは絶対間違えていなかったのですが、今回は裏をかいてそういうところにもあったのですね。具体的には、たくさん牛がいる部分。ここはまずないだろうと思っても、一応細かく見てみて、それでもなかったので大丈夫だと思ったのですがねえ。
 ということで、正解はネットでいくらでも見つかりますから、そちらをご覧ください。
 ところで、きのうはヴェルディの練習が本番の会場である萩ホールで行われました。合唱のスペースはあまりないという話でしたが、実際に立ってみるとそれほどでもありませんでした。これなら、椅子を置いても楽勝でしょう。そもそも、このホールのステージは100人ぐらいの合唱だったら、フルオケが入っても楽々座っていられるだけの広さがあるとずっと思っていましたから、なんであんなに大騒ぎをしていたのかずっと不思議でした。そんなことは言わないで黙っていましたがね。ただ、合唱が入らない曲では客席で聴いていて、出番になってステージに上がる時に、堂々とオケの間を通って行こうとする人がいたのには我慢できなくなって、きちんとステージの裏から入るように指示をしてあげましたよ。女声にはそれが伝わらなくて、打楽器の間を列をなして通っていましたが、とても恥ずかしい思いをしてしまいました。
 休憩時間に2階席から写真を撮ったら、こんなに細かいところまではっきり写っていましたね。

 同じアングル、同じズームで、前の前のデジカメ(きれいな方)で撮った時は、こんなだったのに。
aventure number : 2088 date : 2013/6/9


今日の禁断 ヴェルディ

 最近、ニューフィルには弦楽器の入団希望者が殺到しています。チェロには2人入ったのですが、どちらも熱心に来ているみたいですし、ヴァイオリンにはなんと、もう4人も新しい人が来ています。これらの人たちは、殆ど公式ホームページから入団の申し込みをしてくれていますから、まず最初に私のところにメールが届くことになります。それを、直ちに各パートリーダーに転送する、という手順ですね。おそらく、パートリーダーもすぐ本人に連絡をとっているのでしょうから、もう連絡をくれた次の練習には顔を見せてくれたりしています。長く、団員不足に泣いてきたヴァイオリン・パートですが、やっと風向きが変わって来たような予感です。それに、ホームページが大きな役割を果たしていたことが、とてもうれしく感じられます。確か、私の記憶ではもう何人か希望者がいたような気がするので、まだまだ増えそうですよ。
 そんな状況ですから、このところ、練習の音出しの段階では、ヴァイオリンとチェロにたくさん人がいるようになりました。ヴィオラやコントラバスは、最初はいなくてもじわじわとやってくるというスロー・スターターですから、結局終わりごろにはかなりの充実ぶりを、弦セクション全体が示すことになります。これは久しぶりの気持ちの良い体験ですね。今日はシベリウスの4楽章をやったのですが、最後の盛り上がりでたくさんのヴァイオリンから聴こえてくる音は、格別です。こんな風に、常に大人数で演奏できるような、そう、10年ぐらい前のニューフィルみたいな姿がまた戻ってきてくれればいいですね。
 いま、合唱で参加している大学のオケの場合は、弦楽器の人数に関しては何の心配もないようでした。だいぶ前に名簿をみたら、団員の人数がものすごいことになっているのに驚いたことがありましたが、おそらくそんな状況は今も変わっていないのでしょう。しかも、定期演奏会になればOBも参加しますから、逆に人が多すぎて、下級生などはステージに乗れないのかもしれませんね。ニューフィルも、そんな目にあってみたいものです。合唱の位置から見ていると、明らかに学生ではないような人をたくさん見かけますから、それがOBなのでしょう。コントラバスにひときわ目立つ大OBがいましたが、この方は以前ニューフィルにエキストラでいらっしゃったことのある人でした。挨拶をしたら、私のことも憶えてくれていましたね。そう言えば、打ち上げで話をしたことがありましたっけ。
 しかし、学生オケもそれなりに問題を抱えているようですね。この前の萩ホールでのリハーサルで、ちょっと常識では考えられないようなことをしているオケの関係者がいたので、その人のことをよく知っているニューフィルの団員に聞いてみたら、やはりいろいろ問題を抱えているような感じでしたね。合唱には全く関係のないことですが、なかなか大変なこともあるのでしょう。
 この間、テレビでサイトウ・キネン・フェスティバルの映像が流れていましたが、その中で、指揮のレッスンなのでしょうか、受講生の指揮者(とは言っても、おそらくすでにプロの人)の横に座った小澤征爾は、その指揮者が指揮をしている横で、それを全く無視して殆ど独りでオケを指揮していましたね。小澤ぐらいの「大物」になれば、そんなことも許されるのでしょう。
aventure number : 2089 date : 2013/6/11


今日の禁断 レンタル

 肘の骨を折って入院していた母親は、きのう無事退院しました。退院の時にはいろいろ手続きがあるのだろうな、と思っていたのですが、行ってみたらすでに治療費明細なども用意されていましたし、次の来院(抜糸とリハビリ)の予約票などもすでにもらえてましたから、ほんとにそのまま連れて帰ることが出来ました。一応、帰り際にナースステーションによって挨拶したりと、必要なことも済ましましたし。
 その母親は、ニューフィルの定期演奏会には毎回来てくれる常連さん(というか、「友の会」の会員)ですから、この間のかやの木コンサートでニューフィルの金管アンサンブルが出演した時もとても喜んでくれて、いつの間にか自分のICレコーダーに演奏の模様を全部録音していました。入院の時には、それを持って来ていたので、毎日そればかり聴いていたのだそうです。「何回聴いても楽しいねえ」とか言ってましたし、MCのHさんのおしゃべりも、とても気に入ったのだそうです。整形外科の入院なんて、寝ていることもなく退屈なので、とんだところで役に立っていましたよ。
 と、ひとまず気がかりだったことが片付いたので、土曜日に本番のヴェルディに備えて、何種類かのCDを聴いてみることにしました。歌っていると、こんなんでいいのかな、と思うところがたくさんあるので、世界の名指揮者はどのようにやっているのか確かめたくなったのですね。今までに何度となくこの曲は聴いていたのですが、やはり自分で歌ってみると細かいところがよく分かってきますから、そういうCDの聴き方もずいぶん変わってきますね。
 一番感心したのは、リリンクの2009年の録音、何回か前の「禁断」で指摘した半拍のズレを、きちんと分かるように演奏していましたね。あとは、さすがに合唱のドライブが見事です。単に「気迫」だけを伝えるのではなく、その表現を生むためには実際にどういう歌い方をしなければいけないのかをしっかり指示しないことには、このような演奏は出来ないことを痛感です。ゲルギエフなどは、オケはきちんと細かいところまで仕上げていますが、合唱に対してはお任せという感じでしょうか。あとは、やっぱりソリストたちの表現力の巧みさですね。
 我々のヴェルディも、今日と明日は「ゲネプロ」という位置づけでした。ですから、当然ソリストも揃っていて、2日間も一緒にやってくれるなんて、贅沢だなぁ、と思っていたら、ソリストは明日だけでした。だったら、今日は「ゲネプロ」じゃないじゃん。
 それでも、ステージだけは本番通り、ついに合唱団のための椅子が、全員分揃いました。客席の白い部分は指定席でしょうね。

 実は、私は今朝から、ちょっと背中が痛くなって、普通に歩いているだけでも激痛が走るといった状態でした。1日かけてリハビリをやってみても、やはりまだ痛さは残っています。ですから、椅子から立つときは大丈夫なのですが、椅子に座る時にかなり痛いのを我慢しなければなりませんでした。今日はそんな、曲の途中で立ったり座ったりする場所の確認です。完全に合唱が休みの曲ではもちろん座ったままなので、後ろからオケと指揮者をしっかり観察できました。コンマスがとても頑張って曲をリードしているのが、よく分かりますね。このコンマスだったら、たとえ指揮者が本番で振り間違えても大丈夫だろうな、とかね。あとは、やはりフルートのソロは気になりますね。「Lux aeterna」の最後のハイB♭は、もっと美しく吹けるのではないかと思うのですが、本番までには立ち直って欲しいものです。なんて、全然美しくない合唱の人が言っても、全く説得力がありませんが。
aventure number : 2090 date : 2013/6/13


今日の禁断 レクイエム

 いよいよ、ヴェルディの本番の日がやってきました。きのうのゲネプロではかなりヤバい状態だったので(詳しいことは、とてもここには書けません)なんとも気持ちが重かったうえに、今日のお天気は朝からじめじめとした雨模様、もう最悪のコンディションです。というのも、会場の悪名高き萩ホールには、本番の日には車で駐車場に乗りつける、ということが出来ないのですね。基本的にお客様に開放しなければいけませんから、たかが合唱団の一員がノコノコと入って行くわけにはいかないのですよ。となると、最も近隣の(明日同じところで演奏会を開く某オーケストラのチラシには「近郊」と印刷されていましたね。これだと秋保とか作並・・・)駐車場は坂の下にある観光駐車場、雨の中を歩いて行くのはちょっと大変です。
 でも、出かけるころには雨もやみ、青空が出てきて暑いくらいになりました。これはこれで、歩くと大汗をかいてしまうから、大変です。諸般の事情でステージ衣装のままで来ることにしたのですが、これを想定して、ワイシャツの代わりにTシャツにしておいたのは正解でした。

 まずは、少し早目に集まって、あまり指揮者に頼らなくても大丈夫なように最後のチェックです。どうも、きのうのゲネプロの様子では全てを指揮者に任せるのは、ちょっと荷が重そうだとみんなが感じていたのでしょう。もちろん、指揮者を見て歌うのは基本ですが、万一何か起こっても無事なようにという、ある意味保険でしょうか。
 そして、最後のゲネプロが始まります。今日はもうあっさりしたもので、いくつかの部分をかるくつまむ程度でした。でも、きのう一番不安だったところは、なんとか決められそうなめどが立ったでしょうか。あとは、本番でのテンションに頼るのみです。
 それからが結構長い休みで、かなりヒマでした。今回の演奏会に参加したおかげで、いままで顔も知らないでFacebookの友達になった人の生の姿を見ることが出来たのが、一つの収穫、そんな人と、ずっと前から知っていたような顔をして話を出来るのですから、なんか不思議ですね。
 そして、本番です。ステージに出てみると、客席はほぼ満席でした。ついこの間ニューフィルで使った時には、たしか700人ちょっとのお客さんでしたが、その時とは埋まり具合が全然違います。これなら軽く1000人は超えているでしょう。

 そんなお客さんを前にすると、自然と「しっかり演奏しなければ」という気持ちが起こってきます。みんなもそうだったのでしょう、ただ指揮を見るだけではなく、まわりの音をしっかり聴きながら歌っているのがよく分かる、完成度の高い演奏が始まりました。多少の事故はありましたが、そんな時にも決してあわてないだけの冷静さも、しっかり持ち合わせていたようです。終わってみれば、なんだかかなりすごい演奏をしてしまったような気になってしまいました。昨日までに比べれば、まさに「奇跡」です。
 こういう感じ、なんだか、いつも味わっているような気がしてきましたよ。そう、いつものニューフィルのコンサートが、まさにこの感じ、「本番だけは素晴らしい」というやつでした。まあ、それでもいいのかもしれませんが、もっときちんと、練習の成果が的確に反映されたクールな演奏、というのも、たまにはやってみたいような気になりました。いずれにしても、みなさん、お疲れ様!
aventure number : 2091 date : 2013/6/15


今日の禁断 スラブ

 おとといのコンサートの写真などをブログやFacebookにアップしたら、かなりの手ごたえがありましたね。なんたって私は、オケのコンサートの本番でもフルートの席から客席を撮ったりしているならず者ですから、合唱団の中で写真を撮るなんて、慣れたものです。最初にそんなことをやったのは、おそらく2007年に津和野の安野光雅美術館でコンサートをやった時かもしれません。ステージ(と言っても、記念写真の時に使うひな壇でしたが)から客席を撮ってあとで見てみたら、思いがけなくいろんな人が写っていて結構盛り上がったので、味を占めたのでしょう(ばっくなんばあで見られます。もちろん、パスワードがなければアクセスできませんが)。今回は、始まる前に「小原孝さんが聴きに来るはず」という情報があったので、ステージに立ってまず客席を見渡したところ、真正面の席に、サングラスをかけたものすごく目立つ格好で座っていたので、すぐ分かりました。それからは、演奏はそっちのけで、終わった時にどのタイミングで写真を撮ろうか、ということだけを考えていましたね。でも、結局2枚撮ったどちらにも、小原さんは前の人の頭の陰になっていて写ってはいませんでした。あとは、本当はNEX-7を使いたかったのですが、さすがにあの図体ではちょっと目立つのでやめました。頑張って使っていれば、おそらく客席の一人一人の顔まではっきり分かるぐらいの解像度で撮れていたはずですからね。コメントに「2階席の下手寄りにいました」と書いていた人も、きっと分かったはずです。
 やはりコメントを下さったのが、指揮者の篠崎靖男さんです。そこには、なんと「僕が振りたかった!」とありましたね。もっと早くおっしゃってくれれば、実現できたかもしれなかったのにと、マジでガッカリしているところです。あのオケとは浅からぬ縁があるはずですから、全く実現不可能な話ではなかったでしょうからね。正直、篠崎さんの指揮で歌えたら、これは、おとといのものとは一味違った感動が味わえたかもしれませんね。いや、決しておとといの演奏に不満があるわけではなく、あれはあれでこの上なく立派なものに違いありません。そうではなく、全く別の展開で、全く別の肌合いの演奏が出来ていたような気がします。単なる好き嫌いの問題ですが、私は、そういう演奏の方が好きです。
 実際の話、篠崎さんは近々日本に戻られるそうですから、またニューフィルの指揮をしていただける可能性だって出てきましたよ。同じコメントで、「いつか、マーラーの2番なんか、やりませんか?」なんておっしゃってますからね。

 なんでマーラーが出てきたかというと、最近京都市交響楽団で演奏したばかりなのだそうです。その時に、オケの音楽スタッフから「以前、仙台ニューフィルで篠崎さんに指揮をされたことがありました」と言われた、というのが、コメントの本題なのですがね。名前を聞いてみると、たしかに、以前クラリネット・パートにいたA子ちゃんでした。いつの間にか、京都の人になっていたのですね。そう言えば、実家は四国だったはず。ほんとに、人の縁なんてどこでつながっているのかわかりません。
aventure number : 2092 date : 2013/6/17


今日の禁断 ブラームス

 きのうはニューフィルの練習日だったのですが、私は行きませんでした。いえ、別に指揮者の指導方針に疑問を感じたとか、そんなんじゃありません。単に「出番」がなかっただけなのですよ。オーケストラの場合、管楽器は少し多めにメンバーが揃っていますから、練習する曲によっては出番がない、「降り番」の時があるのです。もちろん、合奏の時に本来の「乗り番」の人が都合が悪くて休んだりした時には、代わって演奏(「代吹き」といいます。ちなみに打楽器の場合は「代打」・・ウソですからね)することもありますが、きのうはそんな連絡もなかったので、堂々と休めます。あいにく、弦楽器の場合には、全員揃ってもまだ規定の人数には足りてませんから、そのような「降り番」はありません。つまり、オーケストラの場合は、楽器によって待遇が違うのですよね。これが、全ての人が同等に扱われる合唱との最大の違いです。
 ただ、きのうの場合は木管のパート練習だったので、会場が私の職場でした。だから、終わった時には鍵をかけるために結局は行かなければならないのですから、降り番でもあまり変わりませんがね。その代わり、と言ってはなんですが、きのうは練習が終わってからの委員会が予定されていました。会場は木管パートと同じ場所ですから、私にとっては3時間遅く練習が始まった、ということになるだけです。
 ですから、まず家でゆっくり夕食を食べて(焼きそばではありません)、「おやぢ」の更新をしてから会場へ向かいます。ところが、着いてみるとまだ練習は終わってはいないはずなのに、駐車場に車がほとんどありません。中に入ってみると、委員会に出席するためにパートリーダーが2人いただけで、他のメンバーは誰もいませんでした。なんでも、集まりが悪くてあまり練習するところがなく(1パート丸々抜けていたそうです)、予定より30分も早く終わってしまったんですって。まあ、たまにはこんなこともありますね。でも、フルート・パートはきちんと「乗り番」の人が全員来ていたそうなので一安心、いや、そもそも来られない時にはきちんと連絡を寄こすのが、うちのパートの常識ですから。
 そのうち、他のパートの人たちも、それぞれの場所から集まって、来年春の定期演奏会の候補曲を最終的に絞る作業に入りました。例によってとりとめのない希望曲がごっそりあったのですが(そのリストを作るのも私の仕事)、その割にはスムースに話は進み、どうやらこれを送れば指揮者はすんなり決めてくれそうな予感です。
 その前の、今年の秋の定期演奏会は、もうすでに練習に入っています。指揮者の新田さんとの初リハーサルまでにも、もう1ヶ月を切ってしまいましたから、そろそろ本気を出さなければいけません。なにしろ、新田さんはFacebookにリハーサルの様子を事細かに書いてくれていますから、ニューフィルに来た時にも同じように「まだ、シベリウスの形は見えてきません」みたいなレポートが全世界に伝わるわけで、あんまりみっともないことはできませんからね。

 最近は、関西のオーケストラとの本番が来週ということで、緊迫感が伝わってきますが、その大学オケと、そこで演奏される曲とが、最近別なところでも見ていたことに気が付きました。それは、この間歌ったヴェルディの時のプログラムに掲載された、地元の大学オケのジョイント・コンサートの告知です。地元オケは、なんとニューフィルの団員(そのオケのOB)が指揮をしてベートーヴェンを演奏するのですが、その関西のオケは学生指揮(かな)で、来週の定期のメイン、ニルセンを演奏するのですよ。新田さんが仕上げたニルセンを、仙台でも聴くことが出来るのかな、と思って日にちを見ると、それは、ニューフィルと新田さんとのリハーサルと同じ日ではありませんか。さらに、会場も、どちらも同じ建物の中にあるコンサートホールと交流ホールですよ。なんという偶然でしょう。
 そのことを教えてあげたら、新田さんも驚いていたようでした。
aventure number : 2093 date : 2013/6/19


今日の禁断 ハンカチーフ

 大吉さんの「都会の絵の具に染まってしまった!」というセリフは、夏バッパが「涙拭く木綿の手ぬぐい」をアキに渡すというシーンと呼応しているのでしょうね。相変わらずの、見事な台本です。ついでに、この歌のフルコーラスを思い出して、その松本隆の詞の、やはり高い完成度に、一人涙ぐんでいるところです。ただ、改めて歌詞を見直して、1ヶ所間違って覚えていたことを発見しました。2番で、「都会で流行りの指環を送るよ」というカレに対して、カノジョはそれを断り、「星のダイヤも 海に眠る真珠も あなたのキスほどはきらめかない」と、その理由を述べます。しかし、私はその「星の」をずっと「欲しいの」だと思っていたのですよね。もちろん、「欲しい」ものは「あなたのキス」なのだと、何の疑いもなく納得していたのです。太田裕美は、確かにそこを「♪ほしいの〜」と歌っていましたからね。40年近く経って、やっと間違いに気が付いた私でした。
 と、唐突に前回の続きになるのですが、ニューフィルの新田さんとのリハーサルの日が、新田さんが来週本番を迎えるオーケストラの仙台でのジョイント・コンサートの日と見事に重なっていた、という、あり得ないような話について書いたところ、それを転載したブログにリンクを張ったFacebookのタイムラインに、新田さんその人からコメントが寄せられてしまったのですよ。これにはびっくりです。なんか、失礼なことを書いてはいなかったかと、冷や汗もので。
 その日は、日にちだけではなく、会場もすぐそば、なんせ同じ建物の中ですから、30秒あれば行って来れます。ですから、ニューフィルのリハーサルの時間を調整すれば、新田さんがそちらの本番なりリハーサルを覗きに行くことは充分可能なことなのですね。しかも、出演者の中にはニューフィルの団員もいますから、詳細な進行予定なども分かるはずなので、さらにこの「作戦」は精度が上がるはずです。きっと、ニューフィルのリハーサルも目いっぱいやっていただいて、それでいて新田さんが「教え子」たちの演奏に立ち会えるだけの時間が確保できるような完璧なスケジュールが、実現できることでしょう。実は、私は交響曲しか出番がありませんから、その日は午後は完全にオフ、楽々そのコンサートを聴きに行けますので、何の心配もいらないのですがね。京大オケの「4つの気質」、楽しみです。
 先の話はさておいて、肘の骨を折ってものすごい手術をした母親は、人並み以上の回復力で殆ど普通と変わりない生活を送れるほどになりました。火曜日に抜糸した傷口も、こんなにきれいになりました。

 本当に、人間の治癒力というものは大したものだと感心しているところです。手術直後には、担当医から「お年寄りだから、傷口がきちんと治るか心配だ」と言われてしまい、マジで、中から金属のバーが飛び出してくることを心配していたのですからね。
aventure number : 2094 date : 2013/6/21


今日の禁断 バニラ

 我が家のそばにあるスーパーは、「ヨークベニマル新荒巻店」という名前です。なんだか、新巻鮭でも売っているような店名ですが、そうではありません。以前は、近くの大型ショッピングセンターの中にあってただの「荒巻店」だったのですが、2010年の10月にそこを引き払って、一戸建ての新しいお店をオープンしたのですね。防音室は付いていませんが。そうしたら、翌年の3月の震災で、そのショッピングセンターは「全壊」状態になってしまったのですから、偶然とはいえ運が良かったのでしょうね。我々も、震災の後には何かとお世話になりましたし。
 そのお店が、先日、丸1日休業して店内のリニューアルを行っていました。朝、その前を通ると、買い物客用の駐車場が業者の車でいっぱいでしたから、店員だけではなく各方面に応援を頼んで、「一夜にして(@タモリ)」リニューアルを完了させたのでしょうね。
 それで、きのう、どんだけ新しくなったのかを確かめるために、お店に行ってみました。入って右サイドの野菜や鮮魚、精肉のコーナーは以前と全く変わっていないようでしたが、反対側のお惣菜売り場のあたりが、劇的に変わっていましたね。要は、1ブロック棚が増えて、品数が大幅に増えていたのですよ。コンビニに並んでいるお弁当やパスタ類のようなのがたくさんあったような感じ、その中には、セブンでいくら探しても見当たらなくなってしまったツナの和風パスタがあったのはうれしかったですね。同じ系列ですが、こうやってコンビニの客ももぎ取ろうという戦法なのでしょう。
 そこで、ふと、向かい側のジュース類の棚をみると、「サイダー大集合」というコーナーが出来ていました。これも、リニューアル記念のイベントなのでしょうか。見ると、全国のご当地サイダーみたいなのが勢ぞろいしています。「すいかサイダー」なんかは飲んでみたいですね。地元からのエントリーは「牛タンサイダー」ですって。いったい何を考えているのでしょう。サイダーに限らず炭酸系ならなんでも、ということで並んでいたのが、静岡で作られた「わさびジンジャーエール」です。辛い物同士を組み合わせたらどうなるのか、という、開拓精神に富んだ商品であることはよく分かりましたし、確かに目の付けどころはいいのではないか、という気はしました。2つの辛みのコラボレーションは、しかし、一歩間違えばとんでもないことになる恐れもありますがね。いずれにしても、それは実際に飲んでみないことには分かりませんから、「1本だけ」買って帰りました。

 その結果は、Facebookに書いたとおりです。結局、半分だけ飲んで、あとは捨ててしまいました。
 そんな、新しいものに対する挑戦には、リスクは付き物です。今日は愚妻が夕方まで練習だったので、迎えに行った帰りに嘔吐屋で晩ご飯を食べることになり、こんな新しいメニューが目に入りました。さっそく愚妻はそれを注文します。

 夏野菜の和風ビビンパですね。確かに、色んな野菜が入ってます。と、半分ぐらい食べ終わったところで、愚妻は「ゴーヤが入ってない」と言い出しました。確かに、メニューの写真(↑)には載っているゴーヤが、そこにはなかったようですね。ゴーヤだけ食べてしまって、私をからかっている、という線もありますが、どうもそうではなさそうです。まあ、私にとってはどうでもいいことですが、そこにちょうど店員さんがお水を注ぎに来たので、軽い気持ちで空になったお皿を指差して「これって、ゴーヤが入ってるんですよね。ありませんでしたよ」と言ってみたら、彼は真っ青になって「大変申し訳ありません」と平謝りです。結局、アイスクリームを2人分サービスしてくれました。言ってみるもんですね。いや、本当にゴーヤはありませんでしたよ。きっとリニューアルしたメニューに、調理場の人が慣れていなかっただけだったのでしょう。
aventure number : 2095 date : 2013/6/23


今日の禁断 ムソルグスキー

 うちのマンションのごみ置き場に、燕が巣を作り始めたのは5月の末でした。管理人さんが、天井に付いている蛍光灯のカバーの上に、泥やわらくずを集めて巣のようなものが出来ているのを発見したのです。それは入口からは陰になって見えないので、注意するようにわざわざ張り紙などをしてくれていました。確かに、その頃は何羽もの燕が、ゴミ置き場を出入りしていましたね。
 これが5月31日の写真。巣はすっかり完成したようでした。

 6月3日に撮った写真では、親鳥の姿が写っていました。卵を抱き始めたのでしょうか。

 6月9日の写真では、親鳥は向きが変わっています。

 そしてとうとう今朝見てみたら、雛鳥が2羽いるではありませんか。フラッシュにびっくりしているみたい、かわいいですね。

 アップです。

 こんな風に、一発で狙い通りの写真が撮れるなんて、前のカメラではとてもできないことでした。もう、普通のコンデジなんかは使う気にもなりません。ですから、今日のニューフィルの練習でも、使うのはこのカメラです。というのも、今日の話し合いで来年春の定期演奏会の曲目が決まりそうな気配だったので、来週には新しい「かいほうげん」を出すことにしたものですから。そこで、まずは今日中に新入団員に承認された人の写真を撮らなければなりません。該当者は2人いるのですが、もし休んだりしたら穴が開いてしまいます。でも、一人はだいぶ早く来たので、まず楽勝。ところが、もう一人のヴァイオリンの方が合奏が始まっても現れません。一瞬不安がよぎりますが、今のヴァイオリンパートはそうそう休んだりしないことは分かっていますから、ひたすら信頼して待っていると、すぐやってきましたね。これで大丈夫、休憩中に撮影完了です。
 その時に、フラッシュを使って撮影したら、全ての写真で、前と同じようになんか「処理」が始まって、人物だけがトリミングされた画像が勝手に出来てしまいました。やはり、これは顔認証の機能だったのですね。それにしても、そのトリミングのやり方はかなりいい加減、しかも、処理が終わるまで次の撮影ができませんからこれはかえって不便ですね。あとで、カメラをいじくりまわしていたら、やはり顔認証の設定がONになっていたので、OFFにしておきました。
 さっきの燕の雛は、まだ「顔」として認証できなかったのでしょう、普通の写真しか撮れませんでしたね。
 そうそう、来春の曲目は、「魔弾の射手」序曲、ブラームスの3番、そして「展覧会の絵」に決まりました。私は全部やったことがある曲です。
aventure number : 2096 date : 2013/6/25


今日の禁断 ハングリー

 前回、「燕の雛は2羽」などと書きましたが、次の日の朝に巣を覗いてみたら、なんだかもっとたくさんいるような感じでした。時折、頭をあげて口を開けたりしています。と、そこに親鳥が2羽、飛び込んできました。そうすると、雛たちは一斉に大口を開けて騒ぎ出しましたよ。親が来れば餌がもらえるのだと分かるのでしょうね。確かに、親鳥はなにかをくわえて雛の口元に持ってきているようでした。そこをちょうど撮った写真がこれです。

 ここでは4羽の雛が口を開けていますね。ですから、この写真をFacebookにアップした時には「雛は4羽」とコメントを付けたのですが、よく見ると口を開けた4羽以外にも、なんだか下の方に白いくちばしが見えるような気がしてきました。
 そこで、今日帰宅する前に、また巣を見に行ってみようと、ゴミ置き場の建物に入って行くと、雛たちは一斉に鳴き声を上げ始めました。どうやら、確実に4羽以上いるみたいですね。それも、写真を撮りました。

 確かに、口を開けているのが4羽、開けていないのが2羽いますね。右から2番目の横を向いたのがかわいいですね。でも、ひとしきり口を開けて大騒ぎすると、親鳥が来たのではないことが分かったのか、みんなダラーっとなってしまいました。

 お疲れさん、とか言ってあげたくなりますね。
 ところで、今朝職場へ着くと、大きなモミジの木の枝の先に、赤い花が咲いているように見えました。

 ところが、反対側から見てみると、どうやら紅葉しているようですね。

 他の人に聞いてみると、毎年こんな風になっているのだそうです。私も毎年見ていたはずなのに、今頃気が付くなんて。
 もう一つ、ついでに竹藪を覗いて気付いたものがありました。2週間前に写真に撮ってあった、今年生えた竹(矢印)が、

 今日見てみると、なんと、全然成長しないで、先の方が腐り始めているではありませんか。

 角度を変えてみてみると、よく分かります。

 今年の筍は、不作どころか、生えた筍も成長しないなんて、かなりひどい状態だったんですね。ここまでひどいのは初めてのような気がします。かといって、あわてて原因を推測するようなことはしたくはありません。あくまで自然の気まぐれなのだ、と思いたいものです。梅雨の時期なのに、ものすごく暑い日があったりしましたからね。
aventure number : 2097 date : 2013/6/27


今日の禁断 リコー

 ニューフィルの公報スタッフとしての私の仕事の中心的な存在となっているのが「かいほうげん」の作成です。文字通り、団内の「会報」なのですが、実体は「会報」とは名ばかりの、私の趣味で飾り立てられた無駄に豪華な冊子です。いえ、最初の頃はこんなヤクザなものではなく、団内の連絡事項だけを載せていた慎ましいものだったのですがね。ですから、せいぜいA4の用紙に両面コピーぐらいの感じでした。それも、版下は手書きでした。ただ、私は手書きではとてもヘタな字しか書けないので、それこそ昔の「ガリ版」みたいに、思いっきり角ばった書体にしてごまかしていましたね。でも、その頃は「ワープロ」というものが普及していましたから、ほとんど「かいほうげん」を作るためだけにそれを買ってきて、誰でもきちんと読めるようなきれいな字で印刷できるようになりました。もちろん、それだけで使うのはもったいないので、そのうちに本来の仕事でも使うようになり、職場のIT化の先駆けとなったのです。
 ただ、そこで単なる事務連絡だけの会報ではなんだか物足りなくなってくるのが、私の悪い癖です。団内の行事などを、文字だけではなく写真を入れて伝えたい、などと思い始めました。その頃の印刷ツールはワープロとコピー機だけでしたが、当時のコピー機の性能では写真をそのままコピーすることは、ほぼ不可能でした。再現できるのは黒か白だけで、中間の階層が潔く切り捨てられた、まるで影絵のようなものしか出来ないのですよね。そこで、なんとか写真らしいものをコピーできないかと思って、スクリーントーンを写真の上に貼りつけてみたりしました。メッシュの大きさや色などをあれこれ変えて試してみて、なんとかそれらしいものは出来ましたね。今見ると全然写真ではありませんが、その当時は「とうとう写真が載りましたね」とびっくりされましたね。
 そのうちに、世の中では「デジタルコピー機」というものが開発されました。詳しいことは省きますが、これを使うと写真が何もしなくてもきれいに「写真」となってコピーできるのですね。メーカーの営業の人がとても熱心に、コピー機本体をわざわざ職場まで持ってきて、そこでいろいろ試させてくれたものですから、すっかりその機能に驚いて、今までのアナログコピー機を買い替えましたよ。
 そして、いよいよパソコンの導入です。最初に買ったのはWindows 95のマシン、写真は簡単に取り込めるし、レイアウトの自由度も増してきました。ただ、私の場合、基本的にそれまで手作業でやって来た、ワープロのテキストの中に生写真を貼り付ける、という作業を、パソコンを使って再現させることに務めました。「型」はもう出来ていたので、ツールが変わったからと言って特別な変更は加えたくなかったのですよね。
 それから15年、今ではプリンターもカラーになり、中身も大幅に拡大されて、毎号ほぼ16ページ分の内容が入るぐらいのものになってしまいました。その最新号の版下が、きのう完成したところです。今回からは、使っていたカメラを変えて、写真の美しさをワンランク上げてみました。やはり、常に少しでも先を目指したいですからね。ただ、あまりきれいになってくると、写真そのものから余計なものを消したくなってしまいます。今回も、「私とニューフィル」に使った写真では、後に写っていた人を一人消してあります。それは誰だったのか、火曜日に現物を見て考えてみてください。
 広報の仕事はそれだけではありません。ネットの世界でも、公式ウェブサイトのほかに、Facebookページの運営も、大事な仕事です。さっき見たら、その「いいね!」がついに100件を超えました。これが多いか少ないかは判断に苦しむところですが、一つのステップは越えたことだけは間違いないでしょうね。
aventure number : 2098 date : 2013/6/29


今日の禁断 ロケット


 ずっと楽しみにしていた「真夏の方程式」を、封切2日目に見てきました。そういうミーハーなところは本来の私には全く備わってはいないのですが、今回ばかりはまんまと乗せられて、こういうことになってしまいました。
 まずは、原作の文庫化です。東野圭吾の文庫本は全巻制覇してしまったので、あとは新刊を待つしかないという(どうせ文庫になるものをハードカバーで買う人の気がしれません)状態なのに、最近は一向に新刊が出ません。そんなところに満を持して発売となれば、手が出ないわけがありませんよ。読んでみると、今までの「ガリレオ」とは一味違った設定、さらに最後の最後まで油断が出来ないプロットには完全に圧倒されてしまいました。もはやその時点で、帯に印刷されていた映画は必ず見たいモードになっていました。
 そこに、今度はテレビドラマの「ガリレオ」の登場です。これで、一気に実写モードを高めます。ただ、ここで引っかかったのが、相手役の女子刑事のキャスティングです。頑張ってはいるのですが、なにか素が出過ぎていて、演技に全く深みがありません。テレビならともかく、映画でこれはちょっと辛いな、という気がします。とは言っても、ドラマそのものは良く出来ていましたから、これが終わってしまったら、一体来週からは何を楽しみに生きていけばいいのだろう、と思ってしまうようにまでなってしまいました。その前の時間帯の、大好きな榮倉奈々が出ている「確証」も終わってしまいましたしね。
 そこに、映画ですよ。もう何を置いて見に行くしかないじゃないですか。
 ちょうどきのうは半日フリーになっていたので、時間を調べてみると、なんと1日に12回も上映されているというではありませんか。そのために3つのスクリーンの使い回しですよ。それだけのお客さんを見込んでいるということなのでしょう。こんなだったら、映画館はものすごい混雑が予想されますね。行ってすぐの回は、後ろの方のセンターなんかもうないかもしれませんから、次の回まで待たなければいけないかもしれません。ま、それでも20分しか待ちませんけどね。でも、10分後に始まるその回は、楽々いい席が取れました。そんなには混んではいないみたい。確かに、始まってみると1/3ぐらいしか入っていませんでしたね。
 映画は、いきなり原作とは違う形で始まりました。これはまさに映画的な手法、しょっぱなでまずお客をつかんでしまいます。いや、原作を読んでいて、結末は知っていたはずなのに、本気でこれは一体どうなってしまうんだろうと思ってしまいましたからね。登場人物なども、大幅に刈り込み(確かに、原作には余計なキャラが多すぎました)、プロットも変に気を持たせないストレートなものに変わっていましたから、もうこうなるとまさにジェットコースター状態です。本当に息つく暇もなく、最後まで一気に見せられてしまいましたよ。
 原作のテーマはしっかり伝わってくるような上手な作り方でしたし、最後の方はちょっと油断をしていると弱いところに突き刺さるような演技が待っていますから、こちらとしては泣き崩れるしかありませんよ。
 結局、テレビでは鼻についていた女子刑事は、それほど出番がなかったし、そんなに目障りでもなかったので、なんの悪影響もありませんでした。ただ、前の映画やテレビではおなじみだった、ニューフィルのHさんそっくりのしぐさをする、その名も渡辺いっけいは出番がありませんでしたね。北三陸市で琥珀を磨いているおじさんは出てきましたけどね。
 コラムにも書きましたが、原作を刈り込むだけではなく、原作になかったちょっとしたことを織り込んで、さらに厚みを増した、とても楽しめる映画でした。
aventure number : 2099 date : 2013/7/1


今日の禁断 オーロラ


 10月に行われるニューフィルの定期演奏会のフライヤーが、もう出来てしまいました。いえ、出来たのは版下だけで、現物のフライヤーが出来てくるのはもう少し時間がかかるのですが、このようにネットに流す分には紙のフライヤーと全く変わらない情報が伝わるものですから、宣伝には十分な役に立ちます。ということで、こんな風にウェブサイトに掲載したり、Facebookのアップしてシェアしてもらったりと、おそらく紙のフライヤーよりもはるかに速く、広範にばらまかれることになるのでしょう。
 それにしても、殆ど4か月前にフライヤーを公開するなんて、ニューフィル始まって以来のことです。でも、早いに越したことはありません。合唱団などでは半年先にもうフライヤーが出来ているところもありますから、これからはこれぐらいが標準になって行くことでしょう。それというのも、きっちり団員が専任のスタッフを務めてくれるおかげです。
 と、ずっと「フライヤー」などという聴き慣れない言葉を使ってきましたが、これはいわゆる「チラシ」のことです。実は私も最近知ったばかりで、さるミュージシャンが宣伝をお願いしたいと「チラシ」を送って来た時に「『フライヤー』を同封しました」と書いてあったので、初めてそんな言い方を知ったのですよ。そんな新しい言葉を、つい使いたくなってしまうものですから。でも、これはおそらくポップス系の業界でもっぱら使われているようですので、クラシックでは広まることはないのでしょうね。
 ところで、このフライヤーには、クラシックの世界では逆に見慣れない名前が載っているのではないでしょうか。一番上の「ニルセン」という作曲家の名前です。これは、普通には「ニールセン」という呼び方で殆どの人が使っているデンマークの作曲家の名前です。確かにスペルは「Nielsen」ですから、そのまま英語読みをすれば「ニールセン」にはなるのですが、こと北欧の言葉の場合は、なかなか素直に読めないものが多いようなのですよ。早い話が、デンマークと言えば最も有名な人は童話作家の「アンデルセン」でしょうが、デンマーク語ではその「Andersen」は「アナスン」と発音されるそうですからね。ですから、「Nielsen」も、北欧の音楽のみならず、言語にも造詣の深い指揮者の新田さんが常に「ニルセン」と呼んでいるのにならって、あえて「ニルセン」とさせていただきました。以前、「ドヴォルザーク」の作品を演奏した時にも、やはりチェコ語風に「ドヴォルジャーク」と呼ばせて頂きましたからね。
 もう一つ、このデザインについては、「10月の演奏会なのに雪の結晶はないだろう」というクレームもあったのですが、「北欧」というイメージを尊重して、そのような「常識」にあえて逆らうことにしました。実は、きのうの練習の時に委員全員にこのゲラを見てもらったところ、一様に「素敵!」という声があがって、そのような異論を唱える人は誰もいませんでしたからね。というわけで、これから猛暑に向かう折ですが、これがあるあたりだけは、常に涼しさが漂うという、まるでかき氷のようなフライヤーやポスターが出来上がります。あ、何度も言ってますが、このデザインを担当したのは私ではありませんからね。
aventure number : 2100 date : 2013/7/3

13/7/07-13/8/12