今日の禁断 |
読書三到 |
末廣合奏の2回目は、2日連続、さるやんごとなきお方にちなんだ名前で一躍有名になった、仙山線の愛子駅のそばにある広瀬文化センターが会場です。ここは、ニューフィルが使うのは初めて、少し早めに着いたら、まだ楽器も届いてなくて、ステージの反響版をセットしているところでした。中ホールといった感じのところ、ステージも結構広いのですが、両脇の反響版をつけてしまうとちょっとオーケストラには狭くなってしまうので、上と後だけにセット、それでも、実際に椅子を並べてみたら、ステージはいっぱいになってしまいました。
最近、私は自分の音にかなり自信が持てるようになってきました。最も豊かな音が出るポイントがやっと見つかったのですが、そこをもっと追求すると、さらに良い音が出そうな感じだったので、もっぱらそのポイントの絞込みが、このところの課題だったのです。ただ、今日はなんだか調子が良くありません特に、C#のオクターブが、なんか滑らかにいかないのです。上がった高音のC#も、なぜか余裕のない響き、ちょっと不安です。まず全曲の通しから始まった合奏ですが、どうも音程が決まりません。しかも、今までは何の問題もなかった、1楽章最後のソロも、伸ばしのC#が、オクターブ上がり切らない無残な音になってしまったのです。それからは、ひどいものでした。完全に口が固まってしまって、高音は全く出ません。ですから、3楽章のソロなどは、まるでフルートを習い始めて3ヶ月の初心者のような、情けないものでした。マーラーの5番のフルートが、トゥッティがほとんどであまりソロが出てこないことを、これほどありがたく思ったこともありません。
通しが終わったところで休憩です。ロビーに出ていっても、なんだか皆が私のことをバカにしているように思えてきます。「あの人、ほんとはヘタだったのね。」。「愛人ばっかりかわいがってるから、バチがあたったのよ」。・・・実力が勝負のこの世界、何を言われても、私には返す言葉はありません。いくら音出しをしてみても、もはや自分の口ではないような感じは、そのままでした。しかし、次の合奏が始まった時、ダメモトで、全く反対のポイントを使って吹いてみました。なんと、そこには、きのうまでの伸び伸びした音があったではありませんか。そんなものなのですね。良い傾向だと思っていたポイントが、いつのまにか行き過ぎてしまっていたことに、気づかなかったのです。ちょっと修正してやれば、なんなく正しいところへ戻ることが出来たのですね。これで大丈夫です。それからの合奏では、末廣さんの小気味良い練習を、存分に楽しむことが出来ました。
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aventure number : 0122 |
date : 2003/3/1 |
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