今日の禁断 |
不特定多数 |
掲示板に、ちょっと意味不明の書き込みがありましたね。これは、決して「あらし」ではなく、ただ単に当事者にしかわからない内容だというだけなのですが、むげに削除をするのももったいないので、その謎解きを。「四季」というのは、「劇団四季」、ではなくて、もちろんヴィヴァルディの「四季」。春の第1楽章で、ソロ・ヴァイオリンが三連符のものすごいソロを弾く直前に、トゥッティで「ジャララララン」という上行のスケールが「2回」現れます。こんな譜面です(パートは上からVn
Solo,VnI,VnII,Va,Vc/Cb)。
ところが、最近はこの部分を「4回」演奏するのが主流になっています。こうですね。
なんでも、マンチェスターの図書館に保管されているパート譜にこういう書き込みがあったとかで、ナイジェル・ケネディあたりが(もっと早い人がいたかもしれませんが)こういうことを始めたら、それからこの曲を演奏する人はこういう風にしないのが時代遅れだといわんばかりに、ある種の流行になってしまいました。とうとう下段のように、きちんと印刷された楽譜まで出版されてしまったというわけです(ホグウッド校訂のベーレンライター版)。このことを、「あの人」に言ったところ、こんなことは今まで全く気がつかなかったそうで、早速、ご自分のコレクションで確認をしてくれた、というわけです。
「四季」を演奏するにはちょっと大き目かもしれない編成の新しいグループ、「MAS」のコンサートには、誘う予定だった「あの人」が急に仕事が入ったということで、一人で行ってきました。会場は「スタジオホール」という、客席がひな壇になっていてお客さんはステージから上に上っていくという変わったところです。メンバー37人のうち、何らかの形でニューフィルと縁がある人がほとんど、そうでない人は、私の知る限り6人しかいないという、まさに「ニューフィル室内管弦楽団」といってもおかしくないような団体です。しかも、弦はピックアップメンバーの様相を呈していますから、かなりの高レベルのものが楽しめました。あいにく、ホールが全く響かないところだったために、せっかくのアンサンブルも潤いのないものになってしまったのは、ちょっと残念。青年文化のコンサートホールあたりだったら、きっと素晴らしい響きが味わえたことでしょう。指揮の和紀クンは、前半と後半でシャツの色を変えるというオシャレなことをやりつつの熱演、メンバーも、最初のうちは硬さが見えたものの、次第にリラックスして楽しんでいるようでした。ところで、木管セクションでは、ニューフィルのメンバー以外の人が微妙に浮いて聞えたのは気のせいでしょうか。普段はあまり気がつかなくても、確かに毎週顔を合わせている私たちの間には、何か不思議な一体感が生まれているのかもしれません。 |
aventure number : 0105 |
date : 2003/1/25 |
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