今日の禁断 |
モツレク |
定期演奏会を明日に控えて、今日は会場の県民会館で練習です。しかし、今の私は、本当のことを言えば練習などに行くどころの話ではない程の切羽詰った状態にあるのです。それは、毎月の「Magi」の原稿が、締切をとっくに過ぎているのに出来上がっていないからです。いつもきちんと仕事をする私にしては珍しいことですが、なんせ、サンプルの音源が届かないのですから、どうしようもありません。今回の原稿は、同じテーマを持つ5点のCDを聴いて、それぞれのレビューを書くとともに、全体を統括するテーマにも言及するという壮大な、というか、私にとっては無謀なものです。なにしろ、全体のテーマを考察するためには、全てのCDをきちんと聴きこんで、底を貫く共通のモチーフを探し出さなければなりません。ところが、4点までは揃ったのですが残りの1点がいつまで経っても届く気配がないのです。
このまま手をこまねいているわけには行きませんから、とりあえず原稿の構想だけは考えました。おそらく、全体の字数は2,000字程でしょう。だから、1枚のCDについて400字、それに話の枕として400字、さらに、もっと多い字数を要求された時のために300字程度のネタも用意しておきましょう。これでもう安心です。あとは字数にあわせて書きさえすれば良いのですから。今あるCDもちゃんと聴いたし、あとは練習の後半は降り番ですので、その間に書く内容を考えさえすれば、残りのサンプルが届く時には、それ以外の部分は完璧にできているという寸法です。
しかし、前半の出番が終わって客席で佐藤さんのピアノを聴いていたら、思わず身を乗り出して聴き入ってしまうほどの演奏だったので、そんな原稿のことなどさっぱり忘れてしまいましたよ。もう圧倒されっぱなし、演奏しながらオーケストラや客席の方を眺め回して、余裕たっぷりの彼が作り出す音楽は、とても活き活きして柔軟なものでした。0049で「イマイチ」と書いたところも、難なくクリア、恐ろしいほどのテンポで弾ききっています。結局、原稿は構想を考えただけで全くの手付かず、今月こそは本当に落ちてしまうかも知れません。
ところで、今日明日の仙台フィルの定期では、モーツァルトのレクイエムをやるというので、妻が今日の分を聴きに行っていました。私と違ってモツレクなど聴いたこともなかったのですが、所属している合唱団の指揮者が出演するというので行ったというわけ。帰ってきて言う事には、指揮者の外山雄三が、曲の途中で「モーツァルトが作ったのはここまでだから、私はここで演奏を終わります」みたいなことを言っていたそうなのです。プログラムを見たら、確かにジュスマイヤーが補筆した「Sanctus」以降は書いてありませんでした。なかなか味なことをやったものです。それも一つの見識でしょう。ただ、どうもオーケストレーションはジュスマイヤーを使っていたようですし、合唱団が100人以上というのもなんかチグハグな気がします。そうと知っていれば、ニューフィルなんかサボって聴きに行ったのに。 |
aventure number : 0051 |
date : 2002/10/11 |
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