200110月6日に、「ラジオ3」というFM局で、ニューフィル団長の佐藤崇さんをゲストに迎えた番組が放送されました。
その模様を、もれなくご紹介します。聞き手は、山家久美(やんべくみ)さんです。

山家:芸術の、扉。
(BGM:ベートーヴェン/田園第2楽章)
皆さんこんにちは、山家久美です。芸術の扉、今日のお客様は、1021日日曜日、午後2時から、創立20周年記念第34回定期演奏会を開催されます、仙台ニューフィルハーモニーの団長、佐藤崇さんです。どうもこんにちは、よろしくお願い致します。
佐藤:あっ、こんにちは。よろしくお願い致します。
山家:仙台ニューフィルさんといえば、宮城県のアマチュアのオーケストラの中ではいちばん有名で、素晴らしいオーケストラだと思うんですけれども、まず、プロフィールからお伺いしていきたいんですけど、結成されれたのが今から20年前、1981年・・・
佐藤81年の9月になるんですが。
山家:当時団員は何人ぐらいいたんでしょうか。
佐藤:え〜、その当時はですね、弦楽器だけで始まりまして、約20名で始まりました。
山家20名だけ!それが20年たった今では何名ぐらいなんでしょうか。
佐藤:そうですね、出入りもあるんですが、大体90名を超える団体になりました。
山家90名というと、もう4倍近く増えちゃったんですよね〜。すごいですねぇ。あの〜、皆さんの名前、フルネームで言えますか?
佐藤:もう、言えないですね。
山家:言えないですか(笑)佐藤さんは、20年近く殆ど楽団でやってらして、今振り返っていかがですか?早かったですか、それとも長かったですか。
佐藤:そうですね〜。もうあっという間に過ぎた感じがしますね。大学生の頃から始めまして、もう40も過ぎてるんですが
山家:あっ、そうなんですか〜。見えないですねぇ。
佐藤:ほんとに長いんですが、半生以上ですね、このオーケストラに情熱を持って取り組んできたのですが、あっという間ですね。
山家:数え切れないほどの演奏会をなさってきたんですよね〜。
佐藤:そうです。
山家:団員の皆さん、年齢もさまざまだと思うんですけど、楽団の雰囲気というのは、どんな感じなんでしょうか。
佐藤:やはり、あの〜、同じ目標、音楽を楽しみたいという同じ目標で集まっていますので、ほんとに、こう、和気あいあいとして、楽しく毎回活動しているところです。
山家:佐藤さんは、実は昨年団長になられたばかり、ということで、90人以上の団員をまとめるのにほんとに大変なんじゃないですか?
佐藤:まとめるというよりですね、それぞれみんなが、音楽を楽しみたいと思って集まっている団体ですので、苦労するというよりは、いっしょに楽しませてもらっているという感じで、感謝しております。
山家:じゃあ、今、何かこう、苦労しているなあと思うことは、ない?
佐藤:いやぁ、そんなことはないんですけどね。仙台市民の方に、なるべくいい演奏をお届けしようと思っていますので、いかにこう演奏のレベルを上げるかということで、ま、悩んでるといえば悩んでいますね。これはもう、団員に共通の悩みではないかとも思いますけど。悩みというよりも、なんでしょうね、目標ですね。
山家:そして、仙台ニューフィルさんの最近の演奏会活動といいますと、どういうものがあったんでしょうか。
佐藤:ええとですね、昨年はトヨタのコミュニティコンサートとかですね・・・
山家:行きました!これ。すごくアットホームなコンサートで楽しかったです。
佐藤:指揮者コーナーなんていうのもありましてですね、ちっちゃな女の子とかですね、高校生が指揮台に立って、「運命」を振りましたけどもね。そのような、音楽っていうのは楽しいんだよ、っていうようなことを、広く伝えたいと思っています。年に2回定期演奏会をやっております。えっと、春と秋なんですが。
山家:その他には、何かありますでしょうか。
佐藤:ええとですね〜、依頼演奏というのがありましてですね、今年もですね、12月に角田のほうから「第九」の演奏を頼まれまして、それに演奏のお手伝いをするということがあったりですね、昨年度なんかは、保育園から演奏の依頼がありまして、ちっちゃな子が聴くわけですからね、心配だったんですが、逆に本当に子ども達のほうがですね、喜んでくれて、ですね、本当にいい経験をさせてもらいましたね。
山家:ほんとに、いろんなところから今は演奏会の依頼がきて、全部引き受けられない状態じゃないですか?
佐藤:そうですねぇ。本当にありがたいんですが、申し訳ないんですが、あの〜、団員の日程とかですね、どうしてもつかないということがあったり、あと、我々が一番大事にしている定期演奏会、その質も下げたくない、ということもありまして、ほんとに残念なんですけどもね。
山家:私も、ニューフィルさんの演奏は2回ほど聴いてるんですけど、あの、いつも本当に素晴らしい演奏で、感動しているんですね。で、あの、週1回の練習ですよね。たった週1回の練習で、あれぐらい完璧に演奏されるってのは、皆さん、日頃の、団員の練習の成果というか、ねぇ、ほんとに努力が感じられるんですけど。
佐藤:はい。そういう風に言って頂いてほんとに嬉しいんですが、あの〜、毎日ですね、私もそうなんですが、仕事をしておりまして、週1回のですね、練習で何とか自分の演奏の技術のレベルを保ってるというような段階ですね。というような状態なんですが、ま、あの〜、時間を見つけては、なるべく練習をしてですね、いい演奏に結びつくように頑張っているところだと思います。皆さん頑張っていますね。
山家:そうですね〜。みんなで力を合わせてここまで来たという感じなんでしょうかねぇ。さて、ここで少し佐藤さんについてお伺いしたいんですけども、佐藤さんは、担当のパートが・・・
佐藤:ええっと、ホルンという楽器なんですが。
山家:ホルン!ホルンに見えないですけどね。
佐藤:どうしてでしょうか?
山家:なんか、こうチェロのような、繊細なイメージがちょっとしたんですけども〜。
佐藤:ぜ〜んぜん違いますね、はい。
山家:ホルンはいつ頃からやってらしゃるんですか?
佐藤:ええと、ホルンはですね、高校生の時から始めてるんですが、もう30年近くになりますね。
山家:えっ!そんなになります?!ちょっと年齢が分からなかったのでねぇ。
佐藤:年齢不詳です。ハイ。
山家:第2回目の定期演奏会からずっと出演してるということなんですけども、でもあの、一時スペインに行ってらっしゃって、楽団をお休みされてたそうですね。
佐藤:そうですね。3年間ですね。
山家:それはあの、いつ頃どういうきっかけで、行かれたのでしょう。
佐藤:平成6年に、ええっと、マドリッド日本人学校に赴任しましてですね、3年間、マドリッドで暮らしてきました。まっ、あの、日本人の子どもにですね、日本の学校の勉強を教えるという学校なんですけども、そこで3年間暮らしてまいりました。
山家:そして、なんとスペインのオーケストラにも入っていたということじゃないですか。
佐藤:ええそうですね。オーケストラから離れることができませんで、もう、あの、有名なプラド美術館の裏にあります教会に、オルケスタ・デ・サン・フェローニモというオーケストラがあるんですが、そこで週1回、ミサの伴奏でオーケストラでホルンを吹かせてもらいましたね。
山家:素晴らしいですね。これは。
佐藤:これはなかなか経験できることではないですね。素晴らしい経験でした。
山家:すごく楽しかったんじゃないですか。その、スペイン時代というのは。
佐藤:あぁ。ほんとにですね、帰りたくなかったぐらいですね、素晴らしい経験をさせてもらいましたね。
山家:そのスペインでの経験が、今ニューフィルさんのオーケストラの中で生かされてると思うんですけども。どうでしょうか。
佐藤:さあ、その辺は、おいしいワインをですね、団員に紹介したり、ということでは、まあ、活きてるかもしれませんけども、まあ、一番、スペインのオーケストラでは、面白いなぁと思ったのは、団員同士がですね、音楽について、あの、納得するまで話し合うんですよね。あの、演奏中にですね、え〜ワイワイガヤガヤとやるんです。日本のオーケストラというのは、どちらかというと、あの〜、指揮者が話をしてそれを黙って聴いて演奏するというようなことが多いんじゃないかと思うんですが、もう、自己主張しますね。スペインのオーケストラに入って、違いますね。気質が違うといいますか。ニューフィルはですね、そんな、練習の段階で、色んなことを言いながらですね、一人一人の力を高めあっていい演奏にしていこうと思ってますので、まあ、ラテンのオーケストラに近いのかも知れませんけどね。
山家:そして、佐藤さんは、楽団の指揮も、時々なさってると。
佐藤:ほんの時々ですが、練習の指揮でですね、時々やってたりはします。
山家:こんなおしゃれで素敵な指揮者だったら、いいなって、私思います。
佐藤:いえ、とんでもないです、はい。
山家:それではこの辺で、仙台ニューフィルハーモニーさんのCDをお掛けしたいんですけども、今日は佐藤さんがお気に入りのCDを持ってきて下さいました。それでは、何をお掛けしましょうか。
佐藤:ええとですね、2000年の11月4日に演奏をやった物なんですが、あの、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」、そこからですね、間奏曲を聞いていただきたいと思います。
山家:それでは、どうぞ。
(CD演奏)
山家:え〜、今お聴きいただいたのが、仙台ニューフィルハーモニー管弦楽団の演奏で、マスカーニの「ガヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲でしたけれども、本当にプロのように上手ですね。
佐藤:あ〜、そうでしょうかねぇ。とってもきれいなメロディーで。
山家:思わず涙が出るような、そんな感じですが。
佐藤:これは団員も大好きな曲で、ですね、心を合わせて演奏できたんじゃないかな、と思っています。
山家:このような素晴らしい演奏が、今月、聴けるんですね。1021日、日曜日、午後2時から、宮城県民会館での仙台ニューフィルハーモニー創立20周年記念、第34回定期演奏会、プログラムの内容なんですけども、まず曲目のほう、ご紹介していただけますでしょうか。
佐藤:まず最初なんですが、ワーグナーの歌劇「タンホイザー」より「大行進曲」。トランペットがですね、大活躍する曲なんですが、ええ、これ、あの〜、とっても厚みのある響きで、その辺を楽しんでいただければと思いますが。
山家:迫力ありますものね。そして、もう1曲。
佐藤:もう1曲、これは、20周年記念ということで、我々団員がですね、この曲をぜひやりたいということで選んだ曲なんですが、あの〜、ベートーヴェンの「第九」です。
山家:すごいですね〜、はい。これはほんとにむずかしい曲だと思うんですけど。
佐藤:そうですね、これ、年末によく演奏される曲なんですが、我々もですね、この曲、定期演奏会で取り上げるのは今度で2回目なんですが、え〜、やはり、あの〜、何回、あと、角田さんとの演奏等で毎年演奏はしているんですが、やはり難しいですね。
山家:そして今回、指揮者が・・・
佐藤:末廣誠さんです。この方はですね、仙台ニューフィルとはほんとに縁が深くてですね、やはりこの、記念すべき演奏会にはぜひ、お呼びして共演したいというような団員の希望がありまして、え〜、まっ、その夢が実現しましたので、とっても喜んでいるところなんですが、あの〜、とっても分かりやすい指導をして下すって、ただ、厳しいんですね。音にとっても厳しくて、大変なんですが、ただ、あの〜、末廣先生のお話とかですね、音楽に共感しながら、演奏することが出来ますので、あの〜、今から、1021日の演奏会を、本当に楽しみにしておりますし、あと、何回か練習もしたんですが、やはりあの、回を重ねるごとに、演奏の質といいますかね、それが段々高まってきていますので、当日はとても楽しみなところですね。
山家:そして、あの、ソリストが4人ほどいらっしゃいますけど。
佐藤:ええと、ソプラノと、メゾソプラノが在仙の方で、ソプラノが渡部ジュディスさん、あと、メゾソプラノがですね、中村敦子さん、という方に、歌っていただきます。あと、男声のテノールとバリトンなんですが、東京のほうからお呼びしまして、テナーがですね、田中誠さん、あと、バリトンが松本進さん、この4名の方が、ソリストになります。
山家:ねえ、皆さんそれぞれほんとに活躍されている方々なので、とても期待できますよね。
佐藤:あの、第一線で活躍されている方々ですので、歌のほうもですね、楽しんでいただけるといいんじゃないかな、と思います。
山家:そして、あの、「第九」ですから、合唱団もありますけれども。
佐藤:そうですね。
山家:「仙台ニューフィルと第九を歌う合唱団」ということで、こちらは、あの、仙台の合唱団が集まっているのでしょうか。
佐藤:ええと、あの〜、二つの団体を中心にですね、合唱団が構成されているんですが、まず、あの、仙台放送合唱団、それとですね、仙台フィルハーモニー合唱団という・・・
山家:有名ですねぇ。
佐藤:ほんとに実力のあるですね、合唱団の方々と、共演をすることができます。そのほか、あの〜、個人でですね、参加したい、という方がいらっしゃいましたので、今、100名を越える・・・
山家100名!すごいですねぇ。
佐藤:ええ、合唱団が集まって、練習をしておりますね。
山家:ほんとに、スケールの大きい演奏会になるんではないでしょうかね。もう、あの、演奏会まであと2週間と迫ってきておりますから、皆さんほんとうに今一生懸命頑張っているところなんじゃないですか?
佐藤:そうです。ほんとに、毎日毎日、練習が来る日を楽しみにしながらですね、合わせるのを楽しみにしながら、やっているところですね。
山家:そして、あと、演奏会が終わったあとのお酒っていうのは格別においしいんじゃないですか?佐藤さん。
佐藤:おいしいですね〜。あの、最初の一杯が、なんとも言えませんね。
山家:仙台ニューフィルハーモニー管弦楽団の演奏会は、1021日日曜日、宮城県民会館で午後2時から行われます。チケットは全席自由で、一般が1500円、高校生以下が800円で、藤崎、三立楽器一番町店、十字屋、ヤマハ仙台店、カワイ楽器仙台店の各プレイガイドで発売中です。そして、演奏会についての詳しいお問い合わせ先なんですけど、どちらになりますでしょうか?
佐藤:ええと、あの〜、仙台ニューフィルハーモニーのですね、事務局がございますので、022-234-0701、山路さんのところまで、お問い合わせください。
山家:ほんとに、たくさんの方が聴きにこられるといいですね。
佐藤:お待ちしております。
山家:そして、今後の予定なんですけど、いくつかもう決まってらっしゃるそうですね。
佐藤:そうですね。あの、先ほどもちょっと触れましたが、12月2日に角田の方で「第九」の演奏会、あと、春にまた、35回定期ということで、演奏が決まっております。
山家:半年先までも決まってますから、忙しくて、大変だと思いますけれども、でも、忙しい方がありがたいですかね。
佐藤:そうですね。今度はシベリウスの第5番、それを演奏しますので、ぜひ聴きに来てくれればなと思います。
山家:さて、最後になりますけれども、仙台ニューフィルハーモニーは今年創立20周年を迎えたわけですけれども、団長として、楽団が今後さらにどういう風に育っていってくれたらいいなあと思っていますでしょうか。目標があったら教えていただきたいんですけど。
佐藤:はい、やはり一番はですね、プロのオーケストラと違いますので、ええと、プロの方からお話を聞いたりしますと、一介の演奏会に使う日数とかですね、練習の回数がかなり少ないんですよね。ところが、私達のアマチュアオーケストラっていうのは、一つの演奏会に半年をかけてですね、取り組んでいくわけですが、その半年をうまく使ってですね、団員一人一人が音楽にしっかり取り組んで、共感をしながら一つの物を作り上げていきたいなと、そんな姿勢で臨めばですね、聴いてくださる方の心を揺さぶるんじゃないかと思っておりますので、その辺、アマチュアだからこそ出来る音楽への取り組み方というものをやっていきたいなと、考えております。
山家:ほんとに、これからもぜひ素晴らしい演奏を聴かせていただきたいと思います。頑張ってください。
佐藤:ありがとうございました。
山家:芸術の扉、今日のお客様は、仙台ニューフィルハーモニー管弦楽団団長の佐藤崇さんでした。