おもしろいものみつけたよ!

“マルサリス・オン・ミュージックwith小澤征爾”の紹介


byH.W.Tp

 つい先月のことです。「この前のアレ観た?」「ウンウン、夜中にやってたアレだろ」「俺、アレの1日目を録りそこなったんだ・・・・」こんな話が聞こえてきました。高音研の休み時間での事です。(コーオンケンといっても「ハイ・トーン研究会」ではありません。ひらたく言えば高校の音楽教員の集会の事なのですが、この中にニューフィルゆかりの方々が6人もいれば、まんざら他人事でもないでしょう・・・・)
 そのアレとは、どうやら超有名トランペット奏者のウイントン・マルサリスと小澤征爾(説明無用)が出て、昔にバーンスタインがやっていた青少年のための音楽講座の現代版をBS放送でやっていた事らしいのですが、その時はあまり気にも留めませんでした。しばらくたってから、楽器屋で立ち読みしていた「バンドピープル」という子供向けの吹奏楽雑誌に、このアレのレーザーディスク(以下LD)の記事が載っていました。何となくおもしろそうだし、2枚4面で
9000円ならと思って買ってみたら、大当たりだった!!
その4面(四話)を簡単に紹介してみますと、

LDの写真

  1. なぜタップを踏むのか
    くるみ割り人形を、管弦楽とD.エリントンのジャズ編曲版を使い、様々な感情を表現するために、リズムをどう扱うのかを見せてくれます。
  2. 音楽の形式を見分ける
    プロコフィエフからガーシュイン、D.エリントン、アイブズの作品を聴きながら、長い曲を楽しむための構造と形式の学び方をマルサリスが説明しています。(ビル模型を使ったソナタ形式の話などは、私の授業でそのまま使おうかと思っています。)
  3. スーザからサッチモへ
    “マーチ王”スーザのヨーロッパ・スタイルから、ビートの変化によって生まれたラグ・タイム、ニューオリンズ、それに即興演奏と、ジャズの発展をわかりやすく説明しています。最後は小澤征爾率いる吹奏楽団とマルサリスのブラス・バンドが「マンハッタン・ビーチ」を対決演奏します。
  4. モンスターに挑戦する
    マルサリスは練習を「巨大なモンスター」と呼び、この怪物を倒すための作戦を披露します。自分を「練習嫌い」といって、マルサリスの協力をするのはチェロの「ヨー・ヨー・マ」です。スリリングな即興演奏からエリントンまで、二人が熱い演奏を繰り広げます。

 ウイントン・マルサリスといっても御存知の無い方もいらっしゃるでしょうが、1983年にクラシックの協奏曲とジャズの2枚の初アルバムがどちらもグラミー賞を獲得するという華々しいデビューを飾ったアメリカのトランペット奏者ですが、LDの所々で吹くラッパが実にウマイ!(そういえば昨年1231日に一関のベイシーで聴いた彼のラッパがまだ耳に残っているなあ・・・・)
 もちろん小澤サンの指揮するタングルウッドミュージックセンターのオーケストラと吹奏楽団も上手だが、これらの演奏を聴いているだけでも、とても楽しいのは言うまでもありません。
 各々が
5658分で、冒頭のタングルウッドの森をバックにした小澤サンが「私はオザワセイジです」と話す以外は全て字幕というこのLDは、バーンスタインの番組と比べて少々高度な内容となっていると思われます。(ウチの生徒じゃ全部はもたないでしょう・・・・)が、クラシック音楽を愛する者なら、一見の価値は充分にあるでしょう。
興味のある方、観てみたい方は
Tpの渡部まで!!

マルサリスとの写真
鈴木和重さん 菊地雅彦さん マルサリス 渡部さん
 一関のジャズ喫茶「べイシー」でのライブの後、96年1月1日AM2:30ごろに撮影された写真です。ところで、「小成田徹の小粋なエッセー」ってどうなってしまったのでしょう。楽しみにしていたのに・・・・