現在、ロスアンジェルス・フィルハーモニックのアシスタント・コンダクターのポストにある篠崎靖男さんですが、2002年の2月の14151617日の4日間に渡って開催された定期演奏会で、予定されていたハンス・フォンク(セントルイス交響楽団音楽監督)の代役として、すべての演奏会を指揮されました。この「大事件」をきっかけに、ますます篠崎さんのご活躍の場が広がることでしょう。
 このニュースを知って、早速篠崎さんにお祝いのメールを送ったところ、直ちに(2時間後!)お返事を頂きましたので、ご紹介します

○○さんへ
 有難うございます。その様な雑誌(註:音友ムック「指揮者とオーケストラ2002」)に載っているとは、知りませんでした。
 今回のコンサートを振ることになった事を知ったのは、リハーサルの2日前でした。その前の週まで、フィンランドのヘルシンキに、ヘルシンキ・フィルと、タピオラ・シンフォニエッタを振りに行っていたのですが、前の週の終わりごろに、Vonk氏がキャンセルするかもしれないと、FAXが来ました。(もちろん、スコアはありません。)土曜日にロスに戻り、次の月曜日に正式に知らされた訳です。プログラムは、オール・ベートーヴェンでレオノーレ3番、ピアノ協奏曲4番(独奏アンドレ・ワッツ)、田園と言う、大変なプログラムでしたが、オーケストラの反応もよく、聴衆からも連日スタンディング・オべレーションを頂く事が出来ました。田園と言う、クライマックスが派手ではない、ある意味、音楽のみで勝負のような曲目で、いい反応を受けれた事、大変嬉しく思いました。初日のコンサートの後に出たロス・アンジェルス・タイムス紙の批評もとても良く、そのせいもあるのか、4回のコンサートの後半は、売り切れだったようです。最終日には、コンサートにはまず来る事が無い、サロネン氏が応援にやってきて、驚きましたが、彼は本当に素晴らしい方で、彼との仕事に大変満足しています。
篠崎さんとサロネン、さらに次の週の定期の指揮者アラン・ギルバートという貴重な写真

 後日、彼と、オーケストラのスタッフが、当日の指揮者変更の知らせ(現物がPDFでアップされています)と、ロス・アンジェルス・タイムス紙の批評を額に入れてプレゼントしてくれました。泣ける思いです。
 そのコンサートが終わり、1週間後には、フランクフルト放送響と録音の仕事をし、3月1617日は再びロス・フィルとコンサート。曲目は、ドヴォルザークの8番でした。とにかく、めちゃくちゃ大変な一ヶ月でしたが、チャンスというのはそんな物かもしれませんね。
 4月12はロス・フィルと「火の鳥」組曲。15は現代音楽シリーズを指揮します。5月には青少年の為のコンサートも指揮します。今、ロス・フィルとは本当にいい関係を築いており、ラッキーに思っています。夏はロス・フィルのフェスティバル、ハリウッド・ボウルで7月に英雄、9月にチャイコフスキーの5番を振ります。10月には、フィンランド放送響と、シューマンの春をやる予定です。
 長田さんとコンサートをなさるのですね。たまにWeb Siteを見ていますよ。オーケストラの方の音楽に対する真摯な気持ちがよく判り、力付けられています。また、仙台ニューフィルと音楽をしたいです。
 では、皆様によろしくお伝えください。
3月30日 ロス・アンジェルス
篠崎 靖男