(00/1/25掲載)


 一昨年から大分県の別府市で開催されている「別府アルゲリッチ音楽祭」は、ピアニスト、マルタ・アルゲリッチを総監督に迎え、アルゲリッチを中心にピアノやヴァイオリンのマスタークラスなども併せて行われる音楽祭です。昨年の第2回音楽祭では、11月の12日と14日に、講師たちがソリストをつとめるコンサートが開かれました。そこで、オーケストラ(桐朋学園オケ)の指揮をしたのが、前回の私たちの定期演奏会の指揮者、岩村力さんなのです。
 このコンサートのうち、
1112日の模様が、昨年の大晦日に、NHK教育TVで放送になりました。当日のプログラムは、次のようなへヴィーなもの。

ドヴォルジャーク/序曲「謝肉祭」
ドヴォルジャーク/チェロ協奏曲(独奏:ミーシャ・マイスキー)
パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲第1番(独奏:イヴリー・ギトリス)
リスト/ピアノ協奏曲第1番(独奏:マルタ・アルゲリッチ)

 教育TVでは、このうちの後半、パガニーニとリストが放送されました。
 ご存知のように、ギトリスという人はなかなか奔放な演奏スタイルの持ち主ですから、学生のオケには荷が重すぎたのか、岩村さんもなかなか苦労をしていたみたいでした。真打ちのアルゲリッチとの共演も、いまいち精度の面では問題があったようですね。
 しかし、ほんの少し前に私たちの前に立っていた指揮者が、ビッグネームを相手に全国ネットのテレビに登場するという状況は、他人事とはいえ、なにか誇らしいもののように感じられてしまいました。